ゆっくりいじめ系2389 ゆっくりとおねえさんのささやかな楽園2

前から



「おはよう。ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていってね!」

 防音蓋を外した娘の挨拶に、子ゆっくりは反射的に挨拶を返す。たとえお姉さんが虐待
お姉さんでも、そればかりはゆっくりのゆっくりたる所以であり、挨拶もできないゆっく
りはゆっくりしていないと爪弾きにされる程度には、仕方のないことだった。
 ちょっとした挨拶や、親愛のすりすり。細々とした事からゆっくりはゆっくりする。
美味しくするためではなく、長く虐待を楽しむためには、生かさず殺さずじわじわとゆっ
くりさせる工夫が必要であり、娘は嗜む程度にはそれを心得ていた。そしてそれは連れて
こられた子ゆっくりたちにはとても不幸なことだった。ゆっくりゴミとして極限の苦痛の
中で処理される事と、救いのない死ぬまで続く虐待を受け続けることと、いづれがより不
幸であるか、などという無価値な論議は必要ない。
 子ゆっくりたちは手近なゆっくりとむにゅっと頬ずりしあい、きゃっきゃっと楽しそう
に声をあげていた。煙突まりさも隅の方で目なしのちぇんと寄り添い、それなりにゆっく
りしているようだった。どのようにゆっくりさせないと楽しいだろうか。娘ははしゃぐ子
ゆっくりたちを眺め、嬉しそうに目を細める。

「みんな仲良くゆっくりできたようね」
「ゆっくりしたよ!」
「ゆっ! だめだよ!」

 元気そうに跳ねた一匹のれいむを、隣にいた数匹の子ゆっくりがかばうように押し包ん
だ。初日にちぇんとまりさで印象づけただけあって、約束を覚えていない子ゆっくりはこ
のれいむ一匹だけであった。或いは約束を忘れたゆっくりの中でもこのれいむがとびきり
元気がよく、気が早かっただけかもしれない。そもそもゆっくりしてはいけない、などと
いう漠然としたことが本能に忠実なゆっくりに、それも子ゆっくりに守れようはずもない。
娘はもとより約束に拘泥していない。約束を意識させ、常にゆっくりさせない為の方便に
過ぎなかった。

「そう、ゆっくりしたのね。『ゆっくりしてはいけません』。お約束を守らない悪いれい
むはお仕置きです」
「ゆっくりさせてね! おしおきしないでね!」

 昨日のまりさのお仕置きを思いだし、れいむは目を一杯に見開き、上下左右に激しく震
えはじめた。娘は笑いをかみ殺しながら、努めて厳しい表情をつくる。

「お姉さんは昨日、三つのお約束を言いました。みんなも覚えているでしょう?」
「むきゅ、ちゃんとまもってるわ」
「おやくそくなんだねー、わかるよー」

 一晩眠っただけで忘れるわけではないようで、どの子ゆっくりも一様に恐怖に顔を歪ま
せ涙を浮かべて、下膨れのおまんじゅうボディを縮こませている。実際に覚えているかど
うかなど、些末なこと。虐待に理由や正当性なんて必要ないのだから。娘は怯える子ゆっ
くりを満足そうに見渡すと、白くしなやかな手を伸ばす。震動を激しくしていくれいむを
輪の中心に残し、子ゆっくりたちは波が引くようにゆっくり数匹分の距離を下がっていく。

「ゆっ! ゆっ?!」

 助けを求めるように半狂乱で仲間を見回すれいむ。しかし、昨日ちぇんを救おうとした
まりさがどうなったかを忘れた物はいなかった。同情、憐憫、安堵。表情は様々だが、子
ゆっくりの感情はいずれも如実に表れ、救いの手の無いことをゆっくり理解したれいむは
目に大粒の涙を浮かべた。娘はぷるぷる震える子れいむを掴んで立ち上がる。

「ゆっ、すごいよ! おそらをとんでるみたい!」

 娘が立ったことで、勢いよく持ち上げられたれいむは自身の跳躍ではありえない速度に
途端に目を輝かせ、娘の手の中で甲高い声をあげる。お仕置きの恐怖も吹き飛び、娘がく
るくると小道具を揃えていく間、子れいむの嬉しそうな声は続く。娘も、手の中のくす
ぐったい感触に頬を緩ませていた。
 戻ってきた娘は箱の前に座ると、目の前に置いた白い皿に剣山を乗せた。床暖房を一人
で享受し、娘は少し顔を緩ませる。間に敷かれた断熱シートで、床暖房の暖かさは、透明
な箱には伝わらない。これは単に床を箱で傷つけないだけではない。
 床暖房の熱で子ゆっくりのまだ脆弱なあんよが一斉に低温やけどで機能不全になってし
まったり、それどころかまだ何もしていないのに茹で上がって全滅していしたり、といっ
た不本意な事態を避けるために必要なものだった。
 娘は以前にも三匹のゆっくりを失っていた。翌朝娘が気付いたときには、床に置き忘れ
ていた透明な箱の中で子れいむは底が狐色に焦げ目のついた焼きまんじゅう、二匹の赤あ
りすは口からカスタードクリームを吐いて、すの入ったプリンになっていたのである。以
来、娘は透明な箱は床に置かないようにしていたが、今回の透明な箱の大きさでは、テー
ブルに乗せるには少々無理があった。


「おねーさん! おそらおしまい? れいむもっとゆっくりしたいよ!」

 目まぐるしく変わっていく視界に興奮し、お仕置きされる事を完全に忘れていたれいむ
は、娘の手の中で嬉しそうな声を出す。透明な箱の中、子ゆっくりはいずれも心配そうな
顔で壁際に並び、ゆっくりできそうにない剣山と、笑顔の娘を見つめていた。

「はい、ぶっすり」
「ゆぎゃあああ! あんよがいたいよ! あるけなくなっちゃうよ!」

 誤って潰してしまわないよう気をつけてれいむの側面をしっかり持つと、娘は慎重に剣
山に押しつけた。皮の軽い抵抗感に構わず押し込むと、剣山の無数の棘はつぷりと柔らか
な底面を貫いてあんこに達し、未知の激痛にれいむは目から口から砂糖水を垂らして泣き
叫ぶ。箱の中の子ゆっくりも、子れいむの絶叫に白目を剥いてガタガタ震えるばかり。

「ん……と、これでいいかしら。れいむ、動けて?」
「いぢゃいいい! だぢゅげでええ!」
「よさそうね」

 大事なあんよを襲う激痛に、跳ねて逃れようと身をたわめると、力が加わった底に更に
剣山が食い込む。逃れようともがく度に深々と突き刺さる棘に、もみあげをぴこぴこ跳ね
上げ、火がついたように泣き叫ぶれいむを優しく撫でると、娘は一本のペンを取りだした。
上端にノッカーはついていてもペン先は無い。剣山の上で上半分を激しく振り立てて創作
ダンスを披露する子れいむに、娘は逆手に握ったペンのようなものの先端をそっと触れさ
せ、親指でノッカーを押し込んだ。れいむの金切り声の中、カチリと乾いた音がした。

「ゆ゙びゃッ!?」

 剣山よりも更に鋭い衝撃が、子れいむのあんこを貫いた。目をいっぱいに見開き、大き
く全身を震わせる。

「あは……!」

 想像以上の反応に、娘は桜色の唇を笑いの形に吊り上げ、何度も何度もノッカーを押す。
その度に、剣山で底を固定されたれいむは、動かせる上半分のおまんじゅうボディを仰け
反らせて身をよじる。底を貫く棘の痛みとは異なり、中身のあんこを直接貫くすさまじい
衝撃。娘の手にしたそれはまさしく電子鍼。頬を染め、セーターの襟から覗くうなじまで
上気させ、娘は夢中で子れいむに電気ショックを撃ち込み、その度に子れいむは悲痛な絶
叫を張り上げて、娘の嗜虐心を煽る。人間でも向き不向きがある程度の電撃の一刺しは、
ペパクラゆっくりサイズの子れいむにはあまりにも苛烈すぎた。

「ゆ゙ぎゃっ! ゆ゙ぎっ! ゆ゙べっ! ゆ゙げぇ゙え゙え゙……」
「……ぁ……」

 幾度目かわからない痙攣の末、子れいむはとうとうあんこを小皿にエレエレと吐き出し
て動かなくなった。娘は慌てて電子鍼を置いてキッチンへ駆けていく。スプーンで小皿の
あんこをすくってれいむの口から詰め込んで、剣山を外して手近なボウルの底に転がした。
ズタズタになった底の、無数の穴が痛々しさに娘は思わず目を伏せる。オレンジジュース
をかぶるまで注ぐと、しばらくして呼吸の必要のないおまんじゅうというのに、ぽこぽこ
気泡が上がりはじめた。その気泡に気付き、娘はやっと大きく息をついた。冷蔵庫にボト
ルを戻し、ついでにれいむ治療中のボウルもラップを張って冷蔵庫に入れると、娘は手早
く洗い物を済ませる。箱の様子を見やれば、ゆっくりのゆの音もあげず、子ゆっくりは一
匹たりとも動こうとはしなかった。ゆっくりさせない為のお仕置きなのに、駄目にしてし
まっては示威効果が薄い。直らなかったらまた別のでやればいい。娘は小さく溜息をつく
と、ゆっくり朝食を取ることにした。


 かの女の今日の朝食は、狐色のトーストと温め直したラタトゥイユ。トーストを頬張っ
ていた娘が気なしに視線を箱に向けると、透明な壁一面に子ゆっくりがぴったり張り付い
ていた。野良の身では嗅いだこともないすてきな香りによだれをたらし、おなかもないの
に腹の虫を鳴らし、そうすればまるで壁が抜けられると思っているかのように、どのゆっ
くりも顔が平べったくなるほど張り付いて娘を見つめていた。あまりに面妖な光景に、娘
は思わず口の中のものを噴く寸前で口をつぐみ、目を白黒させて咳き込んでいた。
 子ゆっくりに見せつけるようにゆっくりと朝食を済ませ、食後の紅茶をたっぷり楽しむ
と、娘はふてぶてしいれいむの描かれた紙袋を取り出してみせた。密封チャックをあけて
甘い匂いのするペレットを箱の中に適当にザラザラと流し入れる。

「ゆっ?!」
「いいにおいがするよ!」

 突然箱に積み上げられた甘い匂いのする見たこともない物に、散々おあずけされていた
子ゆっくりは皆よだれをたらしてペレットの小山と娘を交互に見やる。さすがにれいむを
盛大にお仕置きしたせいか、即座に突っ込む勇気のある子ゆっくりはいなかった。漂って
きた濃密な甘い匂いに、娘は小さく呻くと鼻息を止めて密封チャックをしっかりと閉じる。

「はい、みんな一粒ずつ食べていいのよ……ただし」

歓声を上げてゆっくりフードに突っ込もうとする子ゆっくりたちは、娘の制止につんのめ
り、慌てて見上げる。お仕置きは覿面、と笑みを浮かべたままで娘は続けた。

「むーしゃむーしゃしあわせー、をしないで、上手に食べられた良い子はもう一粒。全部
で二粒食べられます」
「むーしゃむーしゃしないとゆっくりできないよ!」
「嫌なら一粒も食べなくて永遠にゆっくりしても、お姉さんはちっとも困りません」

 ゆっくりは食べるときに歓喜の声をあげるようにできている。必要なのは食事の栄養価
でなく、食べたという充足によってゆっくりする、ゆっくりの性質によるものである。そ
してそれを制限されるということは、食べてゆっくりできた事と、ゆっくりできない事と
の差し引きで、通常の食事の半分以下しかゆっくりできないのである。
 しかも娘の用意した餌は、ゆっくりを知り尽くした信頼のお兄さん印、鬼意製薬のゆっ
くりフード。これはゆっくりの好む甘い匂いと、一粒でも口にしたゆっくりはたちどころ
にしあわせー、となり、人間の食事への興味すら持たせない程度の強烈な甘味を備えてい
る。原材料は主に極限の苦痛の果てに処理されたゆっくりゴミと秘密の添加物。人間は食
べられません。あまりにもゆっくりしているため、ゆっくりホイホイの誘引剤にも使われ
ており、文字通りゆっくりまっしぐら。その甘美な誘惑に、子ゆっくりたちが耐えられる
はずもなかった。めいめいに小山を崩して固形餌を口に含んだ途端、どの子ゆっくりも目
を見開いて、産まれて初めての味に打ち震えた。

「ゆっ……!」
「むっきゅ!? こ、これは……!」
「わかるよー!」
「と、とかいはーっ?!」

 そのゆっくりした味といったら! 噛むたびにむーしゃ、むーしゃと叫べたら。あらん
限りの声でしあわせー! と叫べたら、どれほどゆっくりできるだろう。しかし、そんな
ことをしてはたった一粒でおあずけにされてしまう。
 どれほど美味しいはずの食事でも、本能に刻まれた歓喜の声を上げることができなけれ
ば、ゆっくりはちっともゆっくりすることができない。しかし、鬼意製薬のゆっくりフー
ドは、欲望に弱い子ゆっくりですら、その本能を押さえつけ、ゆっくりできなくなってま
でも食べたいと思わせる魅惑の味だった。
 このすてきなあまあまをなんとしてでももう一つ食べたい。ペレットを頬張った子ゆっ
くりは悶絶しながら、舌を貫く甘味に迸る台詞を必死に飲み込もうと、目を白黒させたり、
粘液を垂らしたり、頬をいっぱいに膨らませたり、激しく痙攣したり、それぞれに違った
愉快な動きを繰り広げて娘を存分に楽しませていった。

「ゆゆ~っ! おねえさん! ゆっくりおいしいよ!」

 どうにか言わずに食べ終え、その甘さに涙をぼろぼろこぼす煙突まりさ。賢い子なのか
娘が頷くのを待って、二粒目を口いっぱいに頬張っている。自分が食べ終えたあとは、目
玉を失ったちぇんにもペレットを咥えさせており、放っておいてもゆっくり不足で干から
びる心配はなさそうだった。

「むーしゃ、むーしゃ!」
「みょんは一粒だけね。食べ散らかす子は嫌いよ」

 ペレットの甘さに歓喜の声を堪えられなかった子みょんは言い終える前に宣告を受け、
白目で固まって半開きの口からでろりと噛みかけのペレットをこぼした。悲しそうな顔で
舐め取るが、娘は首を横に振る。結局、諦めきれない子みょんは味がしなくなるまで箱の
底を舐め続けていた。

「むきゅ、むきゅ……し、しあ……っ、しあわ……!」

 子ぱちゅりーは目を白黒させ、必死に歓喜の声を堪えている。ゆっくりを我慢すること
でゆっくりをすり減らしてまで二粒食べたとしても、その差し引きで気持ちよく一粒だけ
でもむーしゃ、むーしゃ、しあわせー! したときと同じだけしかゆっくりできないこと
を、子ゆっくりは知るはずもなかった。
 この餌がゴミとして捨てられたゆっくりを原料としていることを教えたら、どんな反応
をするのだろうか。やはり一斉にエレエレして死に絶えるのだろうか。それとも、泣きな
がら罵るのだろうか。娘は欲望に駆られて口を開きかけたが、まだ手つかずの可愛い玩具
の量を考えて小さく首を横に振った。いずれ残りが少なくなったら、改めて餌の正体を教
えようか。その時の反応を想像するだけで、娘は胸の奥底で暗い炎がくらくらと燃え立つ
思いだった。




続く

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最終更新:2009年03月29日 03:56
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