ゆっくりいじめ系3150 ゆっくりは容易に次元の壁を超越できるんだよ!(下)

さて、ぱちゅりーの群れはというと、24匹目の群れの一員を賑やかに祝っていた。
群れのみんなが持ち寄った草花や虫に木の実をみんなで食べて、歌を歌ったりお話したりしていた。
長であるぱちゅりーもまりさも、楽しいお祭りは大好きだった。

「まりさがむかしいたむれでは、えっとうがおわるとみんなであつまってゆっくりのうたをうたってゆっくりしたよ」
「ぱちゅのむれはあまったごはんをもちよっていっしょにたべたわ」

長のぱちゅりーとまりさは少し離れたところで、とてもゆっくりした群れの様子を見てゆっくりしていた。

「まりさとれいむのあかちゃん、ゆっくりうまれてよかったね」
「むきゅ、またあかちゃんがうまれたらおいわいしましょうね、むきゅきゅ、あかちゃんがうまれるたびにおいわいよ!」
「たくさんおいわいできるね、ゆっくりできるね!」

お互いの顔を見合ってゆっくりと笑うぱちゅりーとまりさ。
ぱちゅりーは群れのゆっくりみんなが好きだった、だからもっとみんなとゆっくりしたかった、特に目の前のまりさとは。
お祭りの陽気に当てられたのか、ぱちゅりーは少し積極的になっていた。
横目で群れのゆっくり達が見ていないのを確認すると、ちゅっとまりさの唇に自分の唇を軽く当て、そして離した。

「ゆっ!ぱぱぱちゅりー……」
「む、むきゅ~」

顔をりんごのように真っ赤にするまりさ、ぱちゅりーの顔も同じくらい赤くなっていた。
ただぱちゅりーもまりさも、ずっとこのゆっくりした時間が続けばいいと思っていた、ずっとずっと。



「う~♪とりゃ~♪」

上空から聞こえた間の抜けた声と一緒に、ゆっくり達のとてもゆっくりした時間は唐突に終わった。
一個の白い塊が回転しながら群れに落ちていく、れみりゃが投げたゆっくりさくやだ。

「む~しゃむ~しゃしあわゆ゛びゅ!!!えれ゛れ゛ぇぇぇ!!!!」

ブチャァ!さくやはその分厚い底部で、木の実を食べていたまりさの上に勢いよく着地した。
まりさの口から食べていた木の実と大量の餡子が勢いよく吐きだされ、葉っぱの上に盛られていた木の実にかかった。
白目を向いて口から餡を吐き続けるまりさの上から、さくやが瀟洒に降り立つ。

「さくやでございます、そして」
「うっう~☆あまあまだどぉ~♪」
「ゆっ!おそらをとんでるみた~い」
「ゆっくりしてるどぉ~♪」
「いだいぃ!!ひっぱらないでねぇええええええええ!!!!ゆびぃ!!!!!」
「わたくしのつかえる、おじょうさまたちにございますわ」

呆然としているぱちゅりーの群れのゆっくりに餡子がかかる、子れみりゃに空中に持ち上げられ引っ張られ引きちぎられたれいむの物だ。

「れみりゃだぁああ!!!」

群れの一匹のゆっくりが叫ぶ、それと同時に楽しかったお祭りは地獄と化した。
空かられみりゃが襲いかかってくる、れみりゃとゆっくりでは闘いようが無い、どのゆっくりも一目散に逃げ出す。

「むきゅ~!みんなにげて!」
「ぱちゅりーこっちだよ!みんなもばらばらににげてね!」
「だずげでぇえええ!!!!」
「れいむ!!!」

一匹のれいむが子れみりゃに捕まった、子れみりゃは思い切りれいむの顔に齧りつく。
凄まじい悲鳴が上がる、そのまりさと仲良くしていたれいむは涙を流しながら食べられるまりさを見ている。

「ゆぐっ!」
「せなかがおるすにございますわ」

そのれいむの背中にさくやの咥えた木の枝が突き刺さり、そのまま力任せに薙ぎ払われた。
そして一度、ニ度、三度、さくやはれいむの背中を突き刺す、二度目の突きでれいむの中枢餡は傷つき、体が完璧に麻痺し動けなくなった。

「さぁちっちゃいおじょうさま、さくやのあまあまでぃなーにございます」
「うっう~♪」
「しゅごいどぉ~♪」
「たべるどぉ~♪」

そして動けないれいむに小さな赤れみりゃが襲いかかる。
体を齧られるも痛みにも身じろぎ一つ出来ず、声も出せないれいむの瞳から大粒の涙が流れる。

「うっうー!」
「ゆげっげ!!!!げっ!!げっ……」

そして親れみりゃは手に持った木の棒で捕まえたれいむの口に突きいれていた。
24匹のゆっくりが暮らす、ぱちゅりーのゆっくりした群れは既に五匹がゆっくりできなくなっていた。

「うっう~♪このあまあまをたべたらにげたのもつかまえるどぉ~♪」
「う~♪あまあま☆うまうま♪」
「うっ♪うっ♪う~♪」



れみりゃ特有の貪欲さから来る豪快な食べっぷりを隠れて見ているゆっくりがいた、みょんである。
その口には木の枝が咥えられており、その目は真っ直ぐにゆっくりさくやのことを見つめていた。
みょんは死ぬ気でさくやへの襲撃を計画していた、まだ小さい赤ゆ達はちぇんに任せた、ちぇんと子供達がゆっくりできればそれ以上は望まない。
群れ長の巣に避難するように言っておいたので、ほとぼりが冷めたら長と一緒にこの危険な森から逃げてくれるだろう。
みょんはかなり長い間、いろいろな土地を旅をしてきたゆっくりで、れみりゃの話も多く聞いていた。
その皮の厚さや怪力、空を飛ぶ速さ地を走る速さ、子れみりゃでも平均してみょん十匹分の力を持つ、そう一時師事を受けた老みょんはしみじみ語った。
みょんはれみりゃの恐ろしさに震えあがり、どうすれば勝てるのかと老みょんに聞くと老みょんはこう答えた、
れみりゃを見たら一目散に逃げろ、しかし、さくやを連れているれみりゃは勝てないまでも追い払う事は出来ると。

『さくやはれみりゃをたいせつにするが、れみりゃもさくやをだいじにする、さくやをきずつければさくやをたすけることをゆせんするみょん』

さくやに酷い手傷を負わせれば、みょんはその場で殺されても、れみりゃはさくやの治療のためにこの場を去るかもしれない。
そしたら群れのみんなが逃げる時間を稼げる、勿論逆上したれみりゃに殺されるかもしれない、それでも。

「みょんはむれのみんなをまもりたいんだみょん」

これ以上群れのゆっくりに餡子が流させない、ここじゃなくてもみんなが新しいゆっくりプレイスでゆっくりできればいい。
さくやまでの距離は三跳ね分、れみりゃを見るのに夢中なあの様子なら、間違いなく殺れる!
みょんが隠れていた茂みから飛び出す、一回跳ねる、二回目一回目よりも長く高く高く!その跳躍はみょんの限界をはるかに超えている!

「うっう~☆つかまえたどぉ~♪」
「マラッ!!!!」

驚愕のあまりあんぐりと開いた口から木の枝が落ちていく、さくやに気を取られすぎて子れみりゃに上空から狙われていた事に気付かなかったのだ。
れみりゃにがっしちと掴まれ身動き一つできないみょん、れみりゃはにこにこと笑いながら大きな口を開ける。

「あまあまたべるどぉ~☆」

あぁ、せめて木の枝を咥えたままなられみりゃを刺せたのに、大きく開いた口が絶望したみょんに迫って来る。
ちぇん、おちびちゃんたち、みんな、とおくににげてね……。
激痛にもだえ苦しみながら死んでいくみょんの最後の思考だった、しかし現実は残酷である。
れみりゃから逃げるために森を出たのは、群れで唯一スィーを持っていたまりさと相乗りさせてもらったぱちゅりーだけだった。
尚、這って逃げようとしたぱちゅりーがいたが、ゆっくりの死を見たショックとれみりゃの恐怖でクリームを吐いて死んでしまったものが一匹いた。

他のゆっくりの殆んどは自分の巣に隠れる事でれみりゃの危機は去ったと確信していた。
平和でゆっくりした日々が続いたこの群れにはたくさんの知識があった。
美味しい草花、食べてはいけない毒草、薬に使える薬草の知識。
特に越冬に関して言えば、長ぱちゅりーの恋人まりさはその知識に長けており、普段から保存食の作り方を群れのゆっくり達に口伝していた。
そう、生活を豊かにゆっくり過ごす知識がこの群れでは最も尊ばれ、蛇の一匹もおらず子ゆっくりが遊び回っても安全な森のため危険に対する知識は必要とされていなかった。

ゆっくりを切に願ったゆっくりが次元の壁を越えて集ったのがこの森だ、それも当然だったのかもしれない。
しかし危機に対してまるで知恵を持たないゆっくりは、捕食種にとって理想的な食事であり、れみりゃを呼び込む要因にもなった。

「うっう~♪あっちにもこっちにもあまあまのにおいがするどぉ~♪」
「おそらくすにかくれたのですわ」
「うっう~♪みんなまぁまについてくるどぉ~♪あまあまをつかまえにいくどぉ~☆」

まるでちょっと散歩に行くかのような気楽さでれみりゃ達は群れの巣を荒らしまわった。



最初に犠牲になったのはありすの巣だった。

「やめなさいよ!とかいはじゃないわ!!」

ありすが子供達と一緒に時間をかけてコーディネイトした巣が荒らされていく、親れみりゃが巣穴から差し入れた腕が暴れ狂い木の枝や木の葉を目茶苦茶にしているのだ。

「あっちにいくのぜぇ!」

子まりさが木の枝を咥えて突撃した子まりさに運悪くれみりゃの腕が直撃する。

「ゆびゃっっ!!!!」

子まりさの顔が大きく凹み右目が潰れた、れみりゃは子まりさを掴むと巣の外に腕を引っ込めた。

「ありすのおちびちゃん!!おちびちゃん!!」

ありすの体は考えるよりも先に衝動で動いた、奪われた子まりさを助けに巣から飛び出てしまい。

「おかあさんまって!」

最悪な事に子ありすもそれに続いてしまった。
巣から飛び出たありすの頭上から真っ直ぐに子れみりゃ二匹が襲いかかる。

「ゆ!びべ!!べべぇゅ!!!!!」

ありすを掴んだまま飛ぼうとした子れみりゃだったが運悪くバランスを崩し、ありすの顔面を地面につけて一メートルも引っ張ってしまう。
あたりはカスタードまみれになり、顔をこそぎ落されたありすはビクン……ビクン……と痙攣して息絶えた。

「いだぃいいい!!やめでぇえとがいはじゃないぃいい!!」

さて子ありすはというと、赤れみりゃ達に四方八方から襲いかかられカスタードを吸うついでに髪を引きぬかれていた。
そんな惨劇の中、さくやはうっとりとした表情で木の陰に隠れて震えていたまりさを捕まえ尋問していた。
ここに何匹のゆっくりがいるかその巣はどこか、あのお祭りの場にいなかったゆっくりはいるか?
さくやに体を刺される痛みから逃れるために、まりさは全てを喋った。
そして聞きたいことは全て聞き、さくやはふと疑問に思った事をまりさに聞いた。

「おじょうさまがたがいてあぶないのにどうしてそとにいたの」
「ありすとこどもたちがしんぱいで……ようすをみにきたんだよ……」

そう言ったまりさの両目から涙が流れ落ちる、ずっと好きだったありすもそのおちびちゃんも死んだ。
まりさもこの場から逃れることはできない、ゆっくりできないおわりがくる。
震えるまりさにれみりゃ達が襲いかかり、その皮を餡を残らず食らい、残ったのは引き裂かれた帽子だけだった。



「ゆぐっひっぐ、みんなしんじゃたよぉお!ゆっぐりできないぃい!!」
「おちびちゃんげんきをだしてね、ぺ~ろぺ~ろ」

嘆き悲しむ子れいむを親れいむが優しく慰める。
無論親れいむも親しいゆっくりが無残に殺された悲しみを感じていた、しかしそれ以上にあの場から子れいむを連れて逃げおおせた奇跡に感謝していた。

(ゆっくりあぶなかったよ……もうすこしでれいむは……れいむは……)

二匹の子れいむに捕まり空中で引き裂かれたれいむがいた、この親れいむはれいむのすぐ傍でゆっくりくつろいでいたのだ。
あの二匹の子れみりゃに引き裂かれていたのは自分だったかもしれない、そのことに恐怖すると同時に助かったことこれからもゆっくりできることに感謝していた。

(れいむ……れいむはおちびちゃんときょうのみんなのぶんまでゆっくりするよ!)

れいむの言うところの結界、巣穴を覆い隠した木の枝や木の葉には強い香りのするものが含まれていた。
そのためれみりゃ達は餡子の匂いを追えず、親れいむのいる巣を見つけるのに少し手間取った。

メキィ!バリィ!

「う~♪あまあまだどぉ~♪」
「うっう~♪」
「れみりゃだぁあああ!!!」

ほんの少しだけだったが……。
巣の中に入って来たのは三匹の赤れみりゃ、手に持った木の枝でれいむを滅多刺しにする。

「ゆびぃっ!いだぃいいい!!!!」
「ゆっ!ゆぅげぇええええ!!!!」

最もゆっくりできるおうちにれみりゃが入って来て親れいむを拷問し始めた。
恐怖と絶望のあまり子れいむは大量の餡子を吐き出し、静かにその生を終えるのであった。



「あそこであっていたみたいね……」

さくやはというと満足気な表情でゆっくりしていた。
まりさから聞き出したあの情報が無ければ、もしかしたら逃していたかもしれないれいむ達をおじょうさまに食べさせられたのだから。
それはつまりさくやのれみりゃへの忠誠の証、れみりゃ達をさくやがゆっくりさせたからに他ならなかった。

「うっう~♪れみぃのあかちゃんはすごいどぉ~♪」
「えぇおじょうさま、ちっちゃいおじょうさまがたはりっぱにかりができていますわ」
「おっきいちびちゃんたちもそうだどぉ~♪」

れみりゃのは二匹の子れみりゃを指さした。
子れみりゃ達は嬉しそうにダンスを踊ってゆっくりしている。
狩りの訓練のため、いつもは親れみりゃの鼻に頼っている二匹の子れみりゃに匂いを追わせてみたのだ。
結果、子れみりゃ達は自分の鼻で匂いを追い、ゆっくりの隠れ潜んでいる巣を探し当てたのだ。
踊りを終えた二匹の子ゆが巣穴の偽装を壊すのを微笑ましく見守るさくやとれみりゃだった。


「うっう~☆あまあまでてくるどぉ~♪」
「でてきてれみぃのおなかにはいるどぉ~☆うっう~うっ~♪」
「おまえたちこそもりからでてくのぜ!!」

巣穴から木の枝を咥えてまりさが飛び出してくる。
真っ直ぐ子れみりゃに向かって突進するが避けられ、顔から地面に突っ込む。
子れみりゃが手を伸ばすと底部で跳ね起き、目茶苦茶に木の枝を振り回す。
鬼気迫るそんな表情で暴れ回るまりさ、子れみりゃも怪我はしたくないため手を出せない。

「みんなのもりからでてくのぜぇええ!!!でてくのぜぇぇぇええ!!!」

ブン!ブン!まりさの振り回す木の枝は子れいむを牽制して近寄らせない。
まりさが一跳ねする毎に、子れみりゃは一歩下がる。
まりさの群れのゆっくりを殺された怒り、そして家族を守りたいという強い気持ちは捕食種と一対一で挑む恐怖に勝さった。
残念ながらまりさは自分が闘う捕食種れみりゃは眼前の一匹だけと、空を飛び後ろに回った子れみりゃの方を完全に失念していた。

ベチィ!といういい音とまりさの悲鳴が森に木霊する。
背後に回った子れみりゃが、かがんで平手でまりさを思い切り打ったのだ。
木の枝を口から落としたまりさに、前にいた子れみりゃの靴が叩きこまれる、渾身の蹴りだ。
まりさは後ろに飛ばされ、とばっちりを食らった背後の子れみりゃが倒れる。

「うっ!おね~ちゃんきをつけるどぉ~」
「う~ごめんだどぉ~」
「ゆっ……ゆっ……」

頬のあたりが大きく凹んだまりさはもはや底部を動かす元気もなく倒れている。
しかしその表情は笑っていた、まるでれみりゃ達に勝てたのかのように。

(まもったのぜ、まりさはおちびちゃんとれいむをまもったのぜ……)

まりさの無謀な突撃は時間稼ぎのためだった。
元はウサギの住んでいたと思われるまりさの巣には入口は一つだが出口は二つあった。
ふだんは木の枝や葉っぱでしっかり偽装してあるそこは、いざという時の脱出路だった。

(なくてもだいじょうぶってれいむはいったけど、きちんとつかえるようにしておいてよかったのぜ)
(れいむまりさがいなくてもゆっくりするのぜ、おちびちゃんたちおおきくなるのぜ……)

まりさが稼いだ時間はほんの一分にも満たない僅かな時間だったが、れみりゃ達には完全な死角となる場所に隠された出口はある。
あの子れみりゃ達も巣の中を探して、見つからないと親れみりゃを呼んで、そうこうしているうちにれいむは何処かに隠れてくれるだろう。
逃げ切ったれいむはこの森を出て、何処かゆっくりした所で子供達をゆっくり育てるだろう、そして何年もたってからまりさの所にゆっくりやってくるだろう。

まりさは子れみりゃに牙を突き立てられ、皮を引き裂かれても笑っていた。
それはれみりゃの蹴りによって周りの餡子が中枢餡を押しつぶしたことと、大切な家族を逃す事の出来た満足、その両方から来たものだったのだろう。

「う~♪あまあまおいしいどぉ~♪」
「きっとあのすのなかにもいるどぉ~♪」

まりさを食べ終え、ゆっくりした足取りでもぬけの殻の巣を覗き込むれみりゃ、しかしれいむ達はいない。

「うっう~♪ほかのゆっくりはまぁまがつかまえたどぉ~♪」
「はなして!れいむたちをはなしてね!」
「おじょうさまがかくしとびらからにげようとするのをつかまえたのですわ」
「うっう~♪まぁますごいどぉ~♪」
「ゆぶぶ……」
「おね~ちゃん!ゆきゅちして!ゆっきゅち!ゆっきゅち!」

親れみりゃは親れいむと子れいむを腋に抱えて持ってきた、子れいむがあんこを吐いているのは腋と上腕で強く締めすぎているためだろう。
赤れいむはさくやが髪を咥えている、口が塞がっていても流暢な会話が出来るのはさくやが瀟洒だからなのか?
まりさの尋常ではない戦いぶりに、これまでの経験上まりさは恋人か家族のゆっくりの囮になっていると気付いたさくやが親れみりゃに進言し。
親れみりゃは大人のれみりゃの発達した嗅覚で、逃げ出そうとしていたれいむ達を捕まえたのだ。

「さくやがおしえてくれたんだど☆さくやはすごいんだどぉ~♪」
「すごいどぉ~♪」
「さくやゆっくりしてるどぉ~☆うっう~♪」
「もったいなきおことばですわおじょうさま」

さくやにもしも尾が生えていたら千切れんばかりに振っていただろう。
親れみりゃとさくやは示し合わせたかのように、捕まえていたゆっくりを逃がす。
親れいむは泣きわめく赤れいむを頭に乗せると、底部が歪んでうまく生えない子れいむを引っ張って逃げようと懸命に努力する、

「さぁ、にげようとしたあまあまはつかまえたから、おちびちゃんたちがんばってつかまえるど♪」
「「うっう~りょーかいだどぉ~♪」」

親まりさは幸せだった番いのれいむと子供達の悲鳴を聞かずに、希望を持って死ねたのだから。



さて、れみりゃに恐怖しすぐに森を去った、臆病でありながら群れで最も賢明だったまりさとぱちゅりー。
その二匹を除いて、生きている群れのゆっくりは五匹。
群れ長のぱちゅりー、その恋人のまりさ、みょんの番いのちぇんに、みょんとちぇんの二匹の子ゆ。
五匹は群れ長であるぱちゅりーの巣で息をひそめてて隠れていた。

「むきゅきゅ、やっぱりしんぱいだわみんなのすをみにいきたいわ」
「おさ、いまはあぶないんだよ~ゆっくりわかってね~」

みょんは群れのみんなが心配で行ったり来たりしているぱちゅりーが、外に飛び出さないように何度も言い聞かせていた。
れみりゃも眠らないわけではない、おひさまが出ているうちに襲ってきたなら、夜はきっと何処かで眠るはずだ。
逃げ出すなら夜だと、ぱちゅりーは思っていた、だから暗くなったら群れの巣を回って生き残った皆で逃げ出そうと計画していた。
ぱちゅりーは群れの巣の場所を全て記憶していたが、ありすの巣が心配だった内装に凝った素敵な巣ではあったが、狭くれみりゃに襲われたら逃げようのない巣だった。

「おさしんぱいしないでね!いまごろおとーさんがれみりゃをやっつけてるみょん!」
「そうだよ~おとーさんはつよいんだよ~わかってね~」
「そうだよ~きっといきてかえってきてくれるよ、だからしずかにゆっくりまとうね」

無邪気にはしゃぐ子ゆっくり達をちぇんは優しく頬ずりをした。
しかしその二股の尻尾は力なく垂れている、ちぇんは番いのみょんがもう生きていないと諦観を抱いていた。

「ゆっ、しっかりすあなはふさいであるよ、これよるまでまとうねおさ」
「むきゅ~でもありすがしんぱいよ、こどももいるのにやっぱりあぶないわ」
「きっとありすはだいじょうぶだよ、ゆっくりしてるからぱちゅりーもゆっくりしようね」

ぱちゅりーが群れ長になってからは、みんなの前だと長と呼んでいたまりさも、ぱちゅりーを落ち着かせるため二人の時のように名前で呼んだ。
ぱちゅりーは群れ長としては非常事態を除いては有能だったが、情に人一倍厚いため群れのゆっくりが危険でそれをどうにもできない状態で落ち着かずにいた。
まりさは頬ずりして大丈夫だよとぱちゅりーを元気づけるが、その目は怯えと動揺で震えていた。

「ぱちゅりー、よるまでしんぼうだよ、でていったらたべられちゃうよ」
「でもありすがたべられたらありすのおちびちゃんもたべられていたら……ぱちゅはぱちゅは……」
「げんきをだしてねみんなゆっくりしてるよ、ゆっくりだいじょうぶだよ」

そう言うまりさの心中は穏やかではなかった、ぱちゅりーは危ないのは狭いありすの巣だけと思っているが。
はっきりいってれみりゃに襲いかかられたら、今いる巣を含めて殆んどのゆっくりは巣に籠る事も逃げる事も出来ず食べられてしまうだろう。
巣に籠っていても、親れみりゃはともかく子れみりゃ、赤れみりゃは容易に巣の中に入ってこれるはずだ、逃げるのは出口が一つの巣では無理だろう。
もしもれみりゃに巣を気付かれ、襲われて逃げ切れるとしたら、脱出路を備えた親まりさの巣くらいのものだろう。
それでも、その脱出路から逃げられたとしても、子ゆと生まれたばかりの赤ゆを連れて逃げ切れるかは疑問だ。

(おひさまははやくねむってね、おつきさんはやくでてねゆっくりおねがいするよ)

群れの仲間の安否を確認できず、巣の中でじっとしていては時間の流れはゆっくりが這うのよりなお遅い。
ボォン!そんな巣の中に木の葉が木の枝が舞った、それらは巣の入り口を隠していた物だった。
続いて一本の腕が入り込んでくる、バン!バン!地面を叩きながら手で巣の中を探っている。

「むぎゅ!!?うぇえ゛え゛」
「ぱ!ぱちゅりー!」

肉体的にも精神的にも、自分の巣へのれみりゃの襲撃はぱちゅりーの耐えられるものではなかった。
大きくえずいて泡立ったクリームを吐くぱちゅりー、死に瀕した恋人にまりさは何もできない。

「なんでれみりゃがくるのっ!!!わからにゃいぃいい!!!」
「おとーさんは?みょんのおとーさんがやっつけたんじゃないの!?」

二匹の子ゆの頭の中でれみりゃと死闘を演じていた、強いおとーさんみょんは何処に行ったのか混乱して聞く二匹。

「あわてないでね、おかーさんがまもるからおくちのなかにかくれようね!わかってね!」

ちぇんは子みょんと子ちぇんを口の中に入れる、子供達は何としても守ろうとちぇんは覚悟を決めた。



巣の中に腕を突っ込んだ親れみりゃはゆっくりが掴めなかった。
子れみりゃ達を突入させるのもいいが、お気に入りの狩りを試すのも悪くないと思った。

「うっう~☆ぐん☆グニル☆う~♪」

親れみりゃは勢いよく木の枝を巣の中に突きいれた。
一度目は外れ二度三度ど目茶苦茶に木の枝を突きいれる内に、やっと刺さった。

「む゛!む゛ぎゅ゛う゛う゛ぅぅぅ!」
「ぱちゅりー!!!」

ゆっくりを突く心地よい感触と共に、凄まじい悲鳴が上がった。
れみりゃはそのまま木の枝をゆっくりと引く。
さくやが作ってくれた『かえし』で引っ張ってもゆっくりは抜けない。
そのままゆっくりと引っ張っていると、少し木の枝が重く感じた、突き刺さったゆっくりが重くなったようだ。

「むゆっ、ぱちゅはまりざがまひょふよ」
「うっう~♪」

ご満悦になったれみりゃはゆっくりゆっくりと時間をかけて少しずつ木の枝を引っ張って行った。

「ゆっ、ゆっ」
「つれだどぉ~☆」

目を刺し貫かれ外に引きずり出されようとしているぱちゅりー、その髪を咥えたまりさが巣の外に引きずり出された。
外に引きずり出されるぱちゅりーをまりさはそうはさせまいと引っ張っていたのだろう。
もしも力を入れて引っ張っていたらまりさが堪え切れず髪を咥えるのをやめるか、ぱちゅりーの髪が千切れて体だけが巣の外に出ただろう。
しかし弱く、まりさでも勝てそうなゆっくりな力で引っ張る事でぱちゅりーを取り戻せると頑張り、まりさは一生懸命にぱちゅりーごと巣から引きずり出されたのだ。

「にぱ~☆」
「ゆゆっ!」

れみりゃはこのまりさの心の機微は全く理解しておらず、ゆっくり引っ張ると二匹釣れる時がある、それ位に捉えていた。

「ゆ゛ゆ゛-っ!!」

太陽を背に立つれみりゃに気付き、必死になっていたため巣から引きずり出された事に気づき。
まりさは最愛の恋人を捨て、少しは安全な巣に戻ろうとして、子れみりゃと赤れみりゃに襲われた。
子れみりゃの振り下ろした拳はまりさの頭を凹ませ、赤れみりゃが噛みついた場所は皮が裂けた。
激痛に絶叫するまりさを見ながら親れみりゃはぱちゅを食べる。

「う~、くむらさきのあまあまはしょうじきびみょうだどぉ~」
「おじょうさまはあんこがおすきですものね」
「たべようとおもったけどいらないどぉ~☆ぽいっ♪」

れみりゃはぱちゅりーのクリームが苦手だった、本人の言を借りると食感が悪いそうだ。
既に絶命したぱちゅりーの亡骸はれみりゃが振り回した木の枝から外れて飛んで行った。
べちゃと地面に落ちて周りにクリームを流したが誰も見もしない。

「うっう~♪なかにまだいるどぉ~♪」
「れみぃがたべるどぉ♪」
「あまあまたべるど~♪」
「う~☆それじゃあおちびちゃんたちがんばるんだどぉ~♪」

子れみりゃ二匹を先頭に赤れみりゃ三匹が続いて巣の中に入って行く。



巣の中に入った子れみりゃ二匹と赤れみりゃ三匹はちぇんを見つけた。
しかし攻撃をするのは躊躇われた、ちぇんは通常の二倍も膨らんでいたからだ
それだけではない両頬は詰め物をしたように左右に膨らんで、それが蠢いているのだ。
流石に気持ち悪く思った子れみりゃは呆然と、異様なゆっくりの様子を見ていた。

無言で両頬を蠢かせるゆっくりは子れみりゃにとっては不気味で攻撃も躊躇われた。
親れみりゃが見れば、ちぇんの頬の動きに驚くものの、とりあえず木の枝で突いてみただろう。
さくやなら一目で哀れなちぇんの最後の抵抗を見抜き、存分に傷めつけて味をつけてかられみりゃ達にちぇんと子供達を捧げただろう。
しかし赤れみりゃ達は異様なちぇんを見ても、不気味には感じなかった。

「うっう~へんなのだどぉ~☆」
「う~☆」

むしろ新しい形の面白いあまあまだと飛び付いた。
好奇心で一杯の赤れみりゃは手を伸ばし一直線にちぇんに突進した。
赤れみりゃ二匹は尻尾を引っ張り出す、それでも必死に耐えるちぇん。
残りの一匹は時々蠢く左右の頬の左側に思い切り噛みついた。
すると膨らんでいた左側の頬は叫びをあげて、すぐに引っ込んだ。
中に何かいる!赤れみりゃは噛みついて出来た傷口を広げて体ごとちぇんの体に入って行く。
普通なら激痛に悶絶し体を激しく暴れさせるだろうが、子れみりゃ達が赤れみりゃの様子を見て大丈夫と思い。
赤れみりゃをたすけるためしっかりとちぇんを押さえつけていた。

「ゆぐぐぐぅぅ!!!ぐげぇぇえぇえええ!!!」

このままではお腹の中の子度が食べられてしまう、緊急避難という形でちぇんはチョコを吐いたのではない。
限界まで大きく膨らみ、口内の子ゆに頬の両端に寄せ動かせる事で異様なゆっくりとなり、れみりゃ達に帰ってもらおうとしたのだ。
しかしそうして無理して大きく膨らんで、二匹の子ゆに口の中で激しく膨らんだりした事でちぇんは大分気持ち悪くなっていた。
そこに頬を食い破って体内に赤れみりゃが入って来たのだ、そしてちぇんの体の事など気にせず手足をばたつかせ派手に暴れたのだ。
ちぇんが大量のチョコを吐き出すのも当然の事だった。

そして吐きだされた子ゆが、無残に食い殺されるのも当たり前だった。

「ゆやぁあああああ!!こないでぇえ!!!」

怯えて震えながら必死に逃げようとするみょんは子れみりゃに捕まった。

「いだいぃいいい!!!!」

その頭にちょっと噛みついて穴を開けると、子れみりゃは端の方から力を入れていきどんどん小さな穴からみょんの中身を吸っていった。

「ゆ゛っやめ〝で!!つゆ〝っゆ〝ユ〝!ユ〝!ゆっ!!ゆ゛っ……」

力尽きたみょんが捨てられる。

「わきゃらにゃいよ~わきゃらにゃいよ~」

赤れみりゃに尻尾を掴まれ、赤ちゃん言葉に戻ってしまったちぇん。
赤れみりゃは何の前触れもなく唐突にちぇんの小さな目に指を押し当てた。
何をされるかも分からず、恐怖で反射的に目をつぶったちぇんだがれみりゃの指から目を守れるほど、ちぇんのまぶたの皮は厚くない。

「いじゃいぁいぃいいぃい!!!!わぎゃらないぃいい!!!!!!!」

そんな風に苦しむちぇんを見て、れみりゃ達はニコニコと幸せそうに笑う。
その笑みには怒りとか憎しみとか嘲りと言った邪気は無く、ちぇんから見てもゆっくりとした笑みだった。
その笑みのまま子れみりゃ二匹と赤れみりゃ一匹がちぇんに寄って来る、その体を生きたまま食べるために。

(やめて!こないで!)

ちぇんは大声で叫んだつもりだったが、子ゆ二匹と暴れる赤れみりゃ、大量の餡子を吐き出した体にそんな体力は残っていなかった。
口をパクパクと開け閉めする親ちぇんはわが子の断末魔を聞きながら永遠にゆっくりできなくなった。



「ふ~おなかいっぱいだどぉ~♪」
「ぽんぽんいっぱいだどぉ☆」
「うっう~☆う~☆」

一時間後、群れで一番大きかった巣で、れみりゃ一家はゆっくりしていた。
脱出路つきのこの巣だけは、何とか親れみりゃも無理して入れるだけの入り口の広さがあり、巣の中も十分に広かった。
親れみりゃも子れみりゃもたくさん食べてお腹はでっぷりと肥えていたが、赤れみりゃは特にその傾向が大きかった。

「ちっちゃいおちびちゃんたちよくたべたどぉ~☆りっぱだどぉ~☆」
「うっう~♪たくさんたべてまぁまみたいになるどぉ~☆」
「おねえちゃんみたいになるどぉ~☆」
「うっう~☆おねえちゃんみたいにりっぱなれでぃになるんだどぉ~♪」
「れみぃはさくやみたいになるどぉ~☆」
「もったいなきおことばですわ」

さくやはまたも真っ白に燃え尽きていた。
これからもれみりゃ一家はたくさんのゆっくりを食べ、たくさんゆっくりするだろう。
そしてその生涯を終えるまでに、何度次元の壁を突き破り、別の世界のゆっくりを食べるのか、それは誰にも分からない。

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最終更新:2011年11月17日 14:35
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