ゆっくりいじめ系3201 NTRれいむ.1

「NTRれいむ.1」


 れいむは幸せにひたっていた。
 過去には辛いこともあった気がするが、今は自分が世界で一番ゆっくりしているゆっくりなのだと確信できるので、どうでもいい。
 出来ることならこの幸せをほかのゆっくりにも分けてあげたいくらいだよと思えるくらい、れいむはゆっくりしていた。

 隣には優しくて強いまりさがいる。れいむを大事にし守ってくれる、とても頼もしい夫だ。
 夫の周りには笑い声を上げながら元気に跳ね回る子供たちがいる。
 どの子もとてもゆっくりしているよい子たちだ。
 お父さんまりさにじゃれて遊んでいる姿はとても愛らしく、そばで眺めているだけでこの上なくゆっくりできる。

 子供達の楽しげな声を聴きながら、この子達のためならお母さんどんなことだってできちゃうよと、れいむはうっとり目を閉じて陶酔する。
 れいむに似た子が二匹、まりさに似た子が二匹、どの子にも等しく愛情を注いでいて、目に入れても痛くないくらい可愛いかった。
 まだ小さな赤ちゃんゆっくりだが、お母さんとお父さんの言うことを良く聞くとても賢い子供たちで、将来はゆっくりたちのアイドル兼リーダー的存在になるに違いないと今から楽しみなくらいだった。

 そしてなにより、今いるのこの場所。
 れいむたちのゆっくりぷれいすは、実にゆっくりした素晴らしいことづくめのぷれいすだった。
 そろそろ冬が近づいて来ようかという季節なのに、ここはほんのり暖かい。
 昔居た場所のようにお外で雨が降ったからといって、家の中に冷たい水が滲みてくることも無い。
 強い風が吹いて、子供たちが飛ばされ危険な目に遭うことだってない。
 そもそも子供たちを置いてわざわざ遠くへ狩りへ出なくても、食料はすぐそばに豊富に落ちていて、こうして家族全員が揃ってゆっくり過ごすことができる。
 中でもれいむが一番ここをゆっくりしていると感じるのは、今まで嗅いだことが無いほどいい香りに包まれていることだった。


 ……ああしかし、そういえばひとつだけゆっくりできないことがあった。
 れいむは視線を上げて、四角い木の上にある、これまた四角い透明な箱に入った帽子のないまりさをねめつけた。
 この素敵なれいむのゆっくりぷれいすに相応しくない異物がいては、本当のゆっくりはできないのだ。


「ゆひぃ!」
 れいむの視線におびえ、マホガニーの手彫り電話台の上、綺麗なガラスケースの中で帽子なしのまりさが身を縮こませていた。
 れいむ一家がおうちせんげんをする前は何事かを高いところからわめていたが、夫のまりさが力強くぷっくーをして威嚇すると、ケースの隅っこに寄ってすぐに何も言わなくなった。
 それ以降はれいむの一家のゆっくりぶりを高みからチラチラと覗きみているばかりで何も言ってこない。
 こんなにゆっくりしているれいむたちを勝手に盗み見ておいてあまあまも寄こさないなんて、とんでもなくずうずうしい奴だ。
「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすなんだよ! ゆっくりできないくずはゆっくりしないででていってね!」
「まりさはつよいんだぜ。はやくでていかないと、ようしゃのないせいっさいをくらわしてやんるだぜ。ぷっくー」
「ゆひぃぃ!」
 れいむやまりさが何を言っても、帽子なしまりさは悲鳴をあげて身を固くするだけで一向に出て行こうとしない。
 れいむは苛立たしげに舌打ちをすると、電話台に軽く体当たりをした。
 衝撃で揺れるケースの中で帽子なしまりさは哀れなほど弱々しく震える。もはや悲鳴も喉に詰まって出てこない。

「おかぁしゃん、ありぇはなんなのにょ?」
 赤ちゃんれいむの一匹が不思議そうに母親の視線の先を見上げる。
「じぇんじぇんゆっきゅりしちぇないにぇ~。ありぇもれいみゅちゃちとおんなじゆっきゅりにゃの?」
 赤ちゃんれいむのほうに向き直り、れいむはにっこりと微笑む。
「ちがうよ。ぜんぜんちがうよ。あれはおかざりのない、ただのごみだなんだよ。ぜっっったいに、かわいいれいみゅとおなじゆっくりなんかじゃないんだよ!」
「そうにゃの~?」と不思議がるあかちゃんれいむに、まりさが言葉を重ねる。
「いいかい、れいみゅ。おかざりがないっていうことは、ただそれだけでゆっくりできないってことなんだぜ。すてきなおかざりのついたれいみゅたちとちがって、まわりのゆっくりまでゆっくりできなくするから、あんなくずはころされてももんくはいえないんだぜ」
「しょうなんだ~。くじゅはちね! ぷっきゅー」
「「ちねー!」」
 父親の真似をしてぷっくーと身体を膨らませる赤ちゃんれいむ。それをさらに真似て残りの子供達も揃って帽子なしまりさを責め立てる。
「ゆゆっ、なんてたのもしい! れいみゅたちはれいむのほこりだよ」
 子供たちの雄姿にれいむは瞳を潤ませる。
 まりさはさらに格好いいところを見せようと、ぴょむぴょむと跳ねて電話台へ体当たりを繰り返す。
 電話台は壁に接しており安定はしているが、それでもグラグラと揺れ動き、その度に帽子なしまりさの情けない悲鳴が響く。
 子供たちはまりさの容赦の無い攻撃を「きゃっこいぃー」と褒め称え、おびえ続ける帽子なしまりさへ思いつく限りの言葉を叩きつける。
「ぷーーっ、くすゅくすゅ」
「まりしゃのおとーしゃんはさいっきょーなんだじぇ」
「おーおー、あわりぇあわりぇ、だじぇ」
「きみょいきゃら、すぎゅにちんでね!」
 れいむ一家は得意の絶頂だった。


「……頃合かな?」
 ゆっくりではない、人の声がした。

 引き戸を勢いよく開けて、人間の大きな足が居間へと侵入する。
 突然のことに驚いて固まっている餡子脳のれいむ一家を慣れた手つきで拾いあげると、れいむ・まりさ・赤ちゃんゆっくりを2匹ずつと無造作にガラスケースの中に落とし込んでいく。 
「に、にんげんさんがなんで、ばふぇ!」
「な、なにするんだぜ!? でべぇっ!」
「うわーぃ、れいみゅおそりゃを……ぶひゃ!」「びひゅ!」「ぶびぃ!」「ぶふっ!」
 落ちた衝撃で不快な音を吹き出しつつ、れいむ一家がケースに分配されていく
 居間の中央にあるテーブルの上に置かれたガラスケースは、帽子なしまりさが入っているものよりもずっと大きい。
 れいむたちは4つに分けられたが、ケース自体は6つの部屋に仕切られていた。
「蓋は……、こいつだけでいっか」
 まりさを入れた部屋の上にだけ個別に蓋をして、鬼威さんは少しかがんでガラスケース越しにれいむ一家へ挨拶をした。
「やぁどうも。虐待鬼威さんだよ。よろしく」


「に、にんげんがどうして、れいむたちのゆっくりぷれいすにいるの?」
「そ、そうだぜ。おかしいんだぜ! はやくまりさのたいせつなかぞくを、ここからだすんだぜ!」
 鬼威さんは笑顔を浮かべた優しい表情でゆっくりたちを見下ろしている。
「まぁ、せっかく来たんだ。ぜひとも、ゆっくりしていってね」
「ゆゆ?! ……ゆっくりしていってね!」
 好意的な態度に戸惑いながらも、思わず習性を披露するゆっくりたち。
 さらに状況がつかめていない赤ちゃんゆっくりは無邪気に「ゆっきゅちー!」とはしゃいで声を上げる。

「うっは、うっぜぇ」

 鬼威さんは笑顔のまま用意していた待針を一本つまみ、跳ね回る赤ちゃんまりさの一匹を突き刺した。
「ぴぎぃゃゃぁぁあああ!」
 ガラスケースの底には発泡スチロールがしいてある。高い所から適当に落としたのに赤ちゃんゆっくりが潰れていないのはその為だ。
 一瞬前まで嬉しそうに飛び跳ねていたまりしゃは、身体を貫く激痛と待針によって発泡スチロールの床に縫い止められていた。
「ぃひゃぁあい! おきゃーしゃん、こりぇとっちぇー!」
「まりしゃ! いま、おかーさんがたすけてあげるからね!」 
 慌ててれいむがケースの仕切りに身体を押しつけ、赤ちゃんゆっくりの元へ駆け寄ろうとする。
 が、ただの饅頭が潰れアンパンのように形が変わるばかりで当然先へは進めない。
 その間にも赤ちゃんゆっくりは苦痛を訴え続ける。
「おきゃーしゃーん! いちゃいんだじぇー。こりぇすっぎょく、いちゃいんだじぇー。おきゃーしゃーん!」
「ぺーりょぺーりょすりゅよ! ぺーりょぺーりょすりゅよ!」
 もがくことでさらに痛覚を刺激していることが理解できないのか、赤ちゃんまりさは床の上で無様にのた打ち回る。
 同室に分配されたもう一匹である赤ちゃんれいみゅは、待針の刺さった部分に舌を這わせ、真剣な表情で舐め上げている。

「にんげんさんひどいんだぜ! まりしゃをはやくてあてしたほうがみのためなんだぜ!」
「そうだよ。まりさはつよいんだよ。にんげんさんなんか、すぐにやっつけちゃうんだよ。だから、ゆっくりしないでれいむたちのいうことをきいてね!」
 蓋をされているまりさはともかく、れいむの入っている部屋は上が空いている。
 ジャンプして届けさえすれば、苦しんでいる赤ちゃんゆっくりのいる隣の部屋へ行くことができるのだが。
 それを試そうともせず、無理矢理顔面をガラスに押しつけて変形させるばかりなのは愚かという他はない。
「……ああ、かわいそうなまりしゃ……。なにもできない、おかあさんをゆるしてね…」
 はらはらと涙を流しながら、泣き叫ぶ我が子の姿を食い入るように見つめるれいむ。
 目の前にいるのに見えない何かに阻まれて手を出すことができない。
 鬼威さんはそんな光景を前にして何も口出しをせず、ニコニコと満面の笑顔でただ見守っている。
「にんげんさん、まりさのいうことがきこえていないのぜ!? はやくまりしゃをたすけないと、にんげんさんをせいっさいしてやるんだぜ」
「おねーしゃん、きゃわいそー」
「ねぇ、いちゃいの? いちゃいの? こりゃ! そきょのくしょじじぃ。ひゃやく、いみょーとをたすけないちゃい! ぷっきゅー!」
 別の部屋に仕切られている赤ちゃんれいむが、鬼威さんに向かってその小さい身体を精一杯膨らませて威圧する。
 鬼威さんにしてみればお笑い草だが、れいむやまりさはその家族愛に溢れた行動に万感極まっていた。
「なんて、なんていもうとおもいのいいこなの……。にんげんさん! このれいみゅをみてはんっせいしたよね? だったら、れいむたちあやまって!」
「そうだぜ、まりさのこどもたちは、まりさににてすっごくゆうっかんでつよいのだぜ。
 よわよわしくてひきょーなにんげんさんにのこされたみちは、いますぐこうふくしてまりさたちのどれいになるしかないのぜ!?」
「ぷーっ、くすくす。こんなあたまのわるそーなにんげんさんに、れいむたちのどれいがつとまるかな? せいぜいきにいられるようにがんばってね!」
「あまあまさんをたくさんもってくるのぜ? にんげんさんがどうしてもってないてたのむなら、すこしくらいわけてやらなくもないのぜ?」
 下卑た笑いを皮に張りつけたまま、れいむとまりさはおかしそうに笑いあっている。

「ぺーりょぺーりょすりゅよ! ぺーりょぺーりょすりゅよ!」
「……ゅぎぃ……」
 針を刺された赤ちゃんまりさは、痛みを訴え続ける気力さえ絶たれたのか、ぐったりとして床に這いつくばっていた。
 もう一方のまりしゃが懸命に舐め続けているが、調子に乗る親ゆっくり二匹の餡子脳には、目の前にある赤ちゃんゆっくり惨状すらも届いている様子が無い。
 自分達の優位を主張することに酔ってしまい、子供の心配をすることさえあっさり忘れてしまったようだった。
「にんげん、さっきからずっとだまってるのぜ? まりさがあまりにおそろしくて、こえもだせないのかぜ? おー、いやだいやだ。ぐずはきらいなんだぜ」
「もうわかったでしょ。れいむたちをはやくここからだして、まりしゃにあやまってよね。もちろん、ゆるさないけど。
 にんげんさんはこれかられいむたちをゆっくりさせるために、ゆっくりしないではたらいてね。あと、そのいやらしいめ、やめてよね。
 れいむとこどもたちがどんなにかわいらしくても、ゆっくりしてないにんげんさんなんがみていいわけないんだから」

 言いたい放題を続けるゆっくりたちに対して、沈黙を守ったままそれ以上手出しをしない鬼威さん。
 しばらくしてれいむたちの罵詈雑言が一段落したと見ると、何も言わずにテーブルから離れていった。
「にげるかのぜ!」「このひきょーもの!」
 一言も言い返してこない鬼威さんを完全に見くびっているれいむたちは、自分たちを助ける前にどこかへ行かれては困るとさらに声を荒げて非難する。
 鬼威さんはまるで意に介さない様子で電話台の所まで行き、ガラスケースの中を覗き込んだ。
 そこには帽子なしのまりさがいて、テーブルの上のれいむたちに背中を向ける格好で震えていた。
 鬼威さんがゆっくりとした動きで帽子なしまりさの頭をつつくと、帽子なしまりさは弾けるようにケースの反対側へ逃げて行った。
 鬼威さんはその反応に怒った様子もなく、口元に小さな笑みを浮かべただけで、帽子なしのまりさへ言葉をかける。
 帽子なしまりさはか細い声で返事をする。
 れいむたちは届かないくらいの小声だったので会話の内容はわからない。
 しかし、ゆっくりした自分達を無視して、お飾りの無い屑と話をしているなんてと、れいむ達は怒り心頭だった。
 声をさらに大きくして喚き散らしていると、鬼威さんはれいむたちの元へ戻ってきて言った。

「ダメだって」

 お兄さんの発言の意味がわからない。
 唾と一緒に汚い言葉を吐き出し続けていた口をぼんやりと止めて、ゆっくりたちが無い首をひねる
「ゆー?」
「いやいや、ゆー? じゃなくてさ。だから、ダメなんだって」
 鬼威さんは苦笑しつつも、相変わらず口調だけは優しくゆっくりたちへ語りかける。
「……ゆ? いったいなにがだめなのぜ?」
「まりさやれいむたちの奴隷になってもいいかって、今のご主人様に聞いたけど、やっぱりダメだって言われたってこと」
「ゆ? ゆゆゆ!? それって、どういうことなの。れいむにわかるように、ちゃんとせつめいしてよね!」
 高慢な態度で迫るれいむに、鬼威さんしかたいねとわざとらしく肩をすくめる。

「あそこにいる帽子なしのまりさが、オレのご主人様なの。つまりもうすでにオレは別のゆっくりの奴隷になってるわけ。
 二君に仕えずってわけでもないけど、君達の奴隷になるには、やっぱり今のご主人様の許可が必要なわけじゃない? 奴隷だから勝手に判断できないしさ。
 だからご主人様の奴隷を辞めて、あちらのゆっくり一家の奴隷になってもいいですかってお伺いを立てたんだけど、あっさり却下されたってこと。
 さらにご主人様にしてみればさ君達って勝手に自分の家に侵入してきて、おうちせんげんした厄介ものなわけじゃない。オレが入って来るまで、ご主人様にずいぶん酷いこと言ってたりしてたみだいだし? あ、そこの赤ゆのれいむ、ご主人様がおまえムカつくって」
 流れるような自然な動作で指の間に待針を取り出し、ぷすっと小気味がいい音を立てて、赤ちゃんれいむの揉み上げと身体の一部を貫く。
「ぴぎぃぃぇぇえええ!?」
 早口でまくし立てる鬼威さんの発言に理解が追いつかず、呆然としといているれいむたち。
 赤ちゃんゆっくりなどは元より理解する気も無くぼけーっとしていただけだったのだが、痛みで我に返ってあられもない悲鳴をあげる。
「ゆ、ゆっ!? れいむのかわいいれいみゅが、なんでないてるの!?」
「それでね」と鬼威さんは何事も無かったかのごとく話を続ける。
「ご主人様のゆっくりぷれいすに無断で侵入して、食い物を勝手に漁ったり乱暴狼藉を働いたオマエラゆっくり一家をさ、許してやるような筋合いは本来ならこれっぽちもないよね。
 いや、オレなら殺すよ? 虐待鬼威さんなわけだし。良心の呵責も一切無く、トイレで糞したら水で流すくらい当たり前に殺して潰して捨てるんだけどね。
 ご主人様ってほら、オレみたいな鬼威さんと違って優しいゆっくりじゃない?
 帽子を失くしてからずいぶん仲間のゆっくりに虐げられたみたいでさ、他のゆっくりが部屋の中にいるだけで恐怖でしょんべんちびるくらいのトラウマ持ってて笑えるんだけど、でも同属を無碍に殺したりできなかったりするんだよね。
 だから、これからオマエラは『お飾りのないゆっくり以下のご主人様の下の奴隷であるこのオレのさらにその下のクソムシ』としてここで生きていってもらうことに決まったから」

 あまりのことに生気の抜けた表情でまりさが口を開く。
「……あのおかざりのない、くずがにんげんさんのごしゅじんさまなのぜ?」
「そうだよ」
「……おまえはあのくずの、どれいなのぜ?」
「そのとおり」
 赤ちゃんゆっくり二匹のすすり泣く声と、その傷口を舐めるぴちゃぴちゃという水音が静かに響いている。
 れいむは目を見開いたまま、屈辱に身を震わせており声も出せない。
 まりさと鬼威さんの会話を聞きながら、帽子なしまりさはなるべく物音を立てないように怯えていた。
「そして今から君達全員、その奴隷以下のクソムシです。ゆっくりしていってね!」








初めて投稿します。
ここからクソムシ扱いの一家のプライド崩壊とまりさ視点の、帽子なしまりさによるれいむNTRに発展する予定です。
なにぶん初めてのことなので、良いも悪いも何かコメントいただけるとありがたいです。






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最終更新:2013年06月24日 19:45
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