※ゆっくりの性器に関する虐待描写がメインとなります。
※俺設定かもしれません。公式見解ではないと思います。

 猫が鼠などの小動物を捕まえ、餌とする事実は良く知られている。幻想郷にも猫が存在
し、我が家の飼い猫も例に漏れず、鼠や昆虫を捕まえて食べている。
 我が家の猫はジョンと言う名前で呼ばれており、年経た、相当に大きな猫であるが、こ
れがちょっと変わっているのだ。まるで人間の言葉が分かるとでも言うように行動するの
である。具体的に言うと、呼べば必ず来るし、動物をいじめる事を好む親戚が来る折、そ
れと知らせてやるとふらりとどこかへ行ってしまうのである。「ペンチがない」と私が道
具箱を漁りながらつぶやいた時などは、そのペンチをくわえて現れたこともあった。
 この人語を解する不思議な猫は、どうやら化け猫とか猫又と言われるところの者である
らしかった。普段はそんな様子などおくびにも出さないが、縁側で日向ぼっこをしている
と、油断するのか、尻尾が二本に増えている所を目撃する事がある。妖怪とは言え悪さは
しないため、私はジョンを手放そうと思った事はない。
 むしろ、私の悩みとは専らゆっくりに関するものであった。里から少し離れた所に家と
畑を持っているのだが、この畑がしばしば荒らされるのである。畑中に散乱した野菜の食
い残しからして、これをゆっくりの犯行だと結論付けたのだ。私にとって生死に関わる問
題だった為、犯行現場を押さえようと躍起になり悪戦苦闘の日々が続いたが、柵を立てて
も壕を作っても連中は夜毎乗り越えてくる。待ち伏せするとは言っても体力には限界があ
る。いたちごっこが続き私が頭を抱えている時、それを解決に導いてくれたのはジョンだ
った。

「ゆゆっ!きょうはここでおひるごはんにするよ!」

「わ~い!おやさいいっぱいでゆっくりできるね!」

「ゆっくりたべるよ!」

 ある日のこと、下ぶくれ饅頭の一家、総勢七匹が生垣をくぐって、ぞろぞろと我が家の
庭に入り込んできた。皆それなりに成長しており「赤」レベルの個体はいない。私は日当
たりが良い所で、小規模な家庭菜園をつくってもいる。それを狙っている様子だった。し
かし私はその時留守にしており、襲撃の事実を知るのはずっと後の事である。

「ゆっ!ねこさん、れいむのおうちでゆっくりしていってね!!!」

「「「ゆっくりしていってね!!!」」」

 専売特許のゆっくりプレイス宣言を絡めた挨拶をジョンに食らわせる。言外の敵意をに
おわせるその声。しかしながら、彼は歯牙にもかけず、縁側に悠々と寝そべったままであ
る。痺れを切らせた親れいむが叫ぶ。

「ゆっくりできないねこさんだね!!おひるねしたらさっさとでてってね!!」

 ふわぁ、とあくびを一つ。ジョンは眠たそうにまなこをしばたたかせて、玄関の方へ姿
を消した。これに安堵したのか、れいむ一家は緊張を失ったようだ。

「ゆぅぅ、それじゃあみんなごはんにしようね!ねこさんもいなくなったしね!!」

「「「ゆっくりするよ!!!」」」

 私が手塩にかけた茄子をもぎとり、かぶりつく三匹の子れいむ。鈴なりになったプチト
マトの鉢を倒して、そこに群がる二匹の子まりさ。親であるまりさとれいむは、その様子
を満足げにながめて、おもむろに食事に取り掛かる。

「うっめ!これメッチャうっめ!!」

「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせぇー!!」

「ゆぅぅ♪おいしいね!!」

「ゆっくりあじわうよ!」

 どのゆっくりも例外なくとめどない涙を流している。これまでどれほど惨めな食生活を
送ってきたのか、想像に難くない。飢えたように野菜にむしゃぶりつく、ゆっくりの一家
。顔面を果汁にまみれさせ、果肉が辺り一面に飛び散る。食事が済んだ頃になると、私の
ささやかな楽しみである、自慢の菜園はもはや、見る影もなかった。

「ゆぅぅ、ひさしぶりにおなかいっぱいだね、まりさ!」

「そうだね、れいむ!にんげんのおうちをみつけて、すごくゆっくりできたね!」

 皆満腹になり、アルファ波が出るほどゆっくりし始めた。すーりすーりとほっぺたをす
り合わせたり、日向ぼっこに興じる一家。そんな中、一匹の子まりさが、ふらふらと舞う
シジミチョウに惹きつけられた。

「ゆっ!ちょうちょさん、ゆっくりまりさとあそんでね!」

 チョウはひらひらと舞い、庭から出ようと家を回って、玄関の方へ向ってゆく。そのス
ピードは極めて「ゆっくりした」ものだが、子まりさはさらにゆっくり、のんびりなのだ

「ゆぅっ!ちょうちょざん、おいでがないで!!!」

 早くも涙目の子まりさ。贅沢こそ出来なかったが、わがままに育ったのだろう。顔を真
っ赤にして、怒りながら、チョウの後を追って、ポーチに出る。そこで子まりさは、見覚
えのある猫に出会った。

「ゆっ?ねこさん、ゆっくりしていってね!」

 チョウの事など綺麗さっぱり。好奇の視線をジョンに注ぐ。しかし彼は取り合わない。
業を煮やした子まりさが、ぷくーっとふくれ上がり、ジョンを威嚇し始めた。ゆっくりと
言う生き物は、脆弱であるが、ことに好戦的な者が多いのである。

「ねこさん、きこえてるの!?まりさにちゃんとこたえてね!!」

「………………………………」

「むじじないでぇぇえ゛ぇえええぇえぇ!!!!!」

「………………………………」

 思い通りの行動を見せてくれない、つまりじゃれあってくれない猫。ゆっくりは「ゆっ
くりすること」にこだわるあまり、それをさせてくれない存在に対して、異常なまでに不
寛容である。

「ゆっぐりでぎないねござんは、ゆっぐりじんでね!!!」

 子まりさはジョンに頭突きを食らわせようと飛び上がる。―が、しかし。鈍亀のごとき
ゆっくりの体当たりがかわせぬ猫など居ないのである。ジョンは子まりさの上を行く跳躍
を見せた為、子まりさは顔面から落下し、地べたに濃厚なキスをした。むぎゅっ、と音が
した。

「ゆ゛あああああああ!!ゆっくりじねっでいったでじょおおおおおおおおおお!!!」

 滝のような涙を流す子まりさ。その顔には、鋭い小石がいくつも刺さっており、その傷
口にはうっすらと餡子が滲んでいる。子まりさの絶叫を最後まで聞くことなく、ジョンは
次の行動に移る。子まりさの命とも言える、帽子をくわえ、奪い取ったのだ。

「………ゆっ?………!?まりざのぼうじ!!!がえじでぇぇえええ!!!」

 さきほどまでの涙など嘘とでもいうように、ぴたりと泣き止む子まりさ。叫ぶが早いか
、ジョンに体当たりをしかけるが、軽くいなされ、勢い余ってポーチの支柱に激突する。
再び泣き叫ぶ子まりさを尻目に、ジョンが脱兎の如く駆け出す。

「ゆぅぅっ!?ねござん!!どこいくのぉぉぉおおおぉ!?ばりざのおぼうじおいでって
えええぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!」

 子まりさは満身創痍でその後を追うが、追いつく事など到底無理である。そもそも人間
にだってそれが可能かどうか分からぬほどのスピードだ。懸命に追いすがろうとする子ま
りさ。

 その頃、残されたゆっくり一家は、姿の見えなくなった子まりさの身を案じていた。

「まりさ、そろそろおうちにかえるよ!さっさとでてきてね!」

「おうちかえるんだから、ゆっくりしてないでね!!」

「かくれんぼはおしまいにして、ゆっくりかえるよ!」

口々に叫ぶものの、子まりさは姿を現さない。家の表側にも回ってみたが、何処にも見当
たらなかった。やむを得ず捜索を打ち切り、おうちに帰ろうと決めたゆっくり一家。帰る
道すがら、子まりさのことが必然的に話題となるが、もはや死んでしまったかのような扱
いである。

「まりさのぶんまでゆっくりしようね……」

「おかあさん、きょうはれいむといっしょにねてね……」

家族を失った悲しみに暮れるゆっくり達。何とも気の早い話であり、全然ゆっくりしてい
ない。こういう矛盾もまた、ゆっくりの特質であるのだが。段々と辺りが暗くなり始める
頃、一家は大樹の根元にある「おうち」へ帰り着いた。
ゆっくりという生き物は、その愚鈍さゆえに巣作りが大変下手である。首尾よく洞穴など
を探し当てても、それが巣である事を隠す術もまた知らないのだ。精々、枯れ枝や小石な
どを運んできて、出入り口に積み上げる程度のもの。周囲の風景とのバランスを全く考慮
しない為、かえってそのカモフラージュが逆効果となる場合さえあった。そしてこの一家
もまたご多分に漏れず、その巣の在り処はバレバレであったが、誰も気にしない。

「さあみんな、きょうはかなしいこともあったけど、とってもゆっくりできたね!!!あ
したもまたみんなでゆっくりしようね!!」

「ゆぅぅっ!そうだね!みんなでいればあんしんだったのにね!!」

 これからゆっくりと惰眠をむさぼるべく、一家は超リラックスモードに突入していた。
まだ「おうち」の手前である。しかし、一匹の子れいむが、「おうち」の異変に気がつい
た。

「ゆぅっ?おかあさん、いりぐちがあいてるよ!!まりさがゆっくりかえってきたんだよ
!!」

「ほんとだね!!!まりさたちのむすめはよくできたこだね!!」

「ゆぅっ!これでみんなそろってゆっくりできるね!!!」

 喜びの声を上げるゆっくり達。しかし、「おうち」の中はいつも通りの状態ではなくな
っていた。壁面につけられた、無数の引っ掻き傷。溜め込んでいた芋虫や木の実などの食
料はそっくりなくなっているうえ、宝物の蝉の抜け殻や、ピカピカ光るガラスの欠片さえ
、どこかに持ち去られて、あるものは容赦なく踏みにじられ、ばらばらになっていた。極
めつけは「てーぶる」に用いていた、表面がつるつるの平たい石の上に置かれた、これま
たつるつるのハゲ饅頭の存在だった。

「ゆっっ!?おかあさん、なにあれ!!!??」

「ゆぅぅっ!?てーぶるのうえにへんなのがいるよぉぉぉぉぉ!??」

 あまりに奇妙な物体が、そこにはあった。小さくうめいているのである。親まりさが駆
け寄って見てみれば、それは失踪した子まりさだった。とは言え、昔の子まりさではない
。まず帽子が奪い去られ、髪が全くない。目玉があった場所には、うつろな空洞があるば
かり。口の中を見てみれば、全ての歯がへし折られ、舌が抜かれて、未通のまむまむには
、いばらの枝が二本も突き刺さっていた。

「ゆっぎゅぅぅぅうぅぅぅぅ!!ばりざ!!!!ばりざぁぁぁああぁぁぁ!!!」

「どぼじでごんなごどずるのおぉぉぉぉぉおぉぉ!!!」

「ゆっぐじだずげるよ!!!」

 哀れな子まりさの為、もはや打つ手がないことは、ゆっくり一家にも理解できたが、そ
れでも動かずには居られない。まむまむをつらぬき、餡子脳の中枢部にまで深々と突き刺
さった、いばらの枝を引き抜く事にしたのである。

「ゆーしょ、ゆーしょ!!」

「ゆっくりひっぱるよ!!!」

 棘のあまりついていない部分に食みつき、精一杯の力をこめて引っ張る親れいむ。手応
えを感じ、ズボッと引き抜いたのだが……。

「!!!!!!!??????ゆべじょあはおpjんcぱはlあんjb!!!!!」

 ハゲまりさの意味不明な絶叫。勢い良く引き抜かれた、いばらの枝とともに、ズボッ、
ずるずるっと、ハゲまりさのまむまむを構成する体内器官までもが、餡子にまみれながら
、一挙に引きずり出されたのである。いばらの枝に生えた無数のトゲが、言わば「返し」
の役割を果たしたのだ。人間で言えば、産道から子宮までの部分にあたるわけで、これは
当然のことながら、ゆっくりにとっても耐え難い激痛となる。口と、まむまむがあった場
所から、盛大に餡子を噴き出す子まりさ。これがただの水だったら、あたりに虹が架かり
そうな勢いである。それ以上に驚いたのは、功労者の親れいむだ。

「どぼじでぇぇぇえ!!!?あんこふいちゃだめえぇぇぇええええええええええええええ
!!!???」

「ゆぎゅうううぅぅぅぅぅ!!ばりざのまむまむがらへんなのででるぅぅぅぅぅ!!!」

 今までに見たことも聞いたこともない、摘出された「まむまむ」と、それを臍の緒のよ
うに、アゴの下にぶら下げたまま痙攣するハゲまりさの姿。余りの奇怪さに、子ゆっくり
たちは軒並み卒倒し、親ゆっくりも失禁している。ハゲまりさは薄れゆく意識の中でさえ
、自らの大切な「ぼうし」の行方を思っていた。

 そう、ハゲまりさを除くゆっくり一家が午睡のただなかにあった頃。帽子を失ったまり
さは、途方に暮れていた。懸命に猫の後を追ったのだが、あっという間に見失い、気がつ
くと森のそば、「おうち」の近くに戻ってしまっていた。

「ゆぅぅぅ……ねこさんがまりさのおぼうしとっちゃった…おうちでおかーさんをゆっく
りまつよ……」

 力なく跳ねて、「おうち」を目指す子まりさ。これこそが、ハンターの狙いだったのだ
。子まりさの帽子を奪い取り、森のほうへ駆ける。樹上に駆け上がって、のろまな獲物を
待つ。猫のジョンは鼠を捕るのに飽き足らず、その嗜虐心の矛先を、より「楽しめる」は
ずの、ゆっくり達に向けたのだった。
 子まりさがぴょんぴょん跳ねて辿り着いた先は、まさしくあの「おうち」だった。積み
上げられたバリケードを、ゆーしょ、ゆーしょと不器用にどかし、ほったらかしにして、
奥の間へ向う子まりさ。枝の高みからその様子を窺っていたジョンは、くわえていた帽子
をやおら枝に引っ掛けると、地上に飛び降り、大樹のうろ穴へ近寄った。にゃあ、にゃあ
と鳴き、子まりさをおびき寄せる。

「ゆっ!!?ねこさん!!?まりさのおぼうしかえしてくれるの!!?」

 喜び勇んで、「おうち」の出入り口へ駆けるまりさ。しかし、そこには何者の姿もない

「ゆぅぅぅっ……いじわるじないでででぎでぇぇえぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 子まりさが叫ぶと同時に、バリケードの残骸で息を殺していたジョンが、泣きじゃくる
子まりさにおどりかかる。

「ゆわぁぁぁぁぁぁん………ゆ゛っ゛!!!!!!??」

 猫の鋭い爪が、まりさの無防備な頭部(それしかないのだが)をずぶり、と捕らえる。あ
まりの痛さに、子まりさは声をあげられない。両の手にある十の爪で、しっかと「遊び道
具」を捕らえ、嬉々として、穴倉に入り込む猫のジョン。宴の始まりであった。

 手始めに、子まりさの目の前で、食料や「たからもの」を踏み砕き、足蹴にし、ネコパ
ンチする。盗んだクレヨンで描かれた子ゆっくり達の落書きすべてを、爪でズタズタに引
き裂く。泣き叫ぶ子まりさだが、自身の運命を知れば、そのようなことはもはや、どうで
もよくなるに違いなかった。

「やべでね゛っ!!!やべで!!!ばりざおいじぐないよ!!!!!!!!!!!」

 涙目で命乞いをする子まりさ。しかし、猫特有の残忍さを備えた拷問は既に始まってい
るのだ。壁にもたれてあぐらをかき、体全体で子まりさを抱えている状態で、ジョンは器
用にも、その魅惑的な肉球でもって子まりさの金髪をはさみ、数本ずつ束にして、根元か
ら、手当たり次第に引っこ抜いているのだ。それを、子まりさにも良く見えるように、抜
いた髪を握った手を子まりさの頭上で開き、はらはらと落としてみせる。

「ああああああああああああああ!!!ばりざの!!!ばでぃざのがみ!!!!いじばん
のがみがああああああああああああああぁぁぁぁえいfすいhしああklなあjhps」

 自慢の金髪を無残に引き抜かれ、すっかりハゲ饅頭と化した、まりさ。しかし、拷問は
未だ序の口である。ジョンはおもむろに、堅く乾燥した木の枝を、縦になるようにして、
まりさの口に噛ませる。閉じなくする為のつっかい棒と言うわけだ。開ききって、際限な
くよだれを垂れ流す子まりさ。ジョンは砂糖菓子で出来た、元気な美しい白い歯を、ため
しに一本、前歯をべき、とへし折ってみる。あ、折れるんだ。

「!!!!!!!!!???????……………………………………!!!!!!」

 案外脆い。味をしめた狂猫は、リズミカルに、楽しげに、まりさの歯を順々にへし折っ
てゆく。親知らずのまだないまりさの口の中にあった28本の歯が、完全に失われた。この
時点までの「改造結果」を確かめるべく、くる、と子まりさの顔をこちらに向けるように
して抱えなおすジョン。棒は既に取り去っているが、激痛と恐怖の為か、まりさの口はだ
らしなく開ききり、よだれでべったべたである。
 それを意に介さず、狂猫はその右腕を、子まりさの口内へ勢い良く差し込んだ。

「ゆぶががっ!!!!ゆっぎぎぎぎぎぎぎぎぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーー!!!!!」

 やかましく泣き喚き、体をゆする子まりさ。ジョンの腕がその舌を捕らえ、力任せに引
っ張り始めた。

「!!!!!!!????ひゃめへっ!!!!へほはん、ひゃ、ひゃめ、ひゃめめめめめ
めめめめめめめめめめめめめめめめめめめめ!!!!!!!!!!んほひひぃっ!!!」

 空気が抜けるような音がし、一拍の間を置いて、子まりさの羊羹のような舌が、根元か
らすっぽ抜けた。ぶちぶち、と筋肉(?)が切れる音が聞こえ、ぬらぬらと光る赤黒い舌が
ずるずるりと引き摺り出される。子まりさは失神してしまった。狂猫はさも嬉しそうに、
大物を釣り上げた時の記念写真のごとく、引っこ抜いた舌をぶら下げた右腕を高らかに掲
げ、カメラ目線でにっこりと笑った。

 それからというもの、子まりさは一向に目を覚まさなかった。戯れに両の目玉をブリブ
リと刳りぬいてみたりもしたのだが、ビクンビクンと身をよじるばかりで、意識を取り戻
すような様子はなかった。「壊れてしまったな」とばかり、ジョンは最後の仕上げにかか
る。子まりさを撒いたついでに、いばらの枝を数本、手折っておいたのである。もはやそ
れがゆっくりであったかどうか定かではなくなった子まりさの「まむまむ」を探り当て、
餡子を塗りこめる。すなわち潤滑剤の意味合いである。目玉のつまっていた穴ぼこに指を
ひっかけ、もう片方の手にいばらの枝を二本握り締めている。ひゅっと一瞬、枝を持った
腕を後ろに引くやいなや、まりさのまむまむ目掛けて一直線。それが目覚めのスイッチで
あるかのように、子まりさはけたたましい断末魔をあげ、ふたたび眠りにつく。

もはや微動だにしなくなった串刺しまりさを、静かに石の台に据える狂猫。家人を含め、
その家を徹底的に荒らし抜いたジョンは、満足げに「にゃあ」と鳴いた。

「ゆぅぅぅ……かわいそうなまりさ……まりさのぶんもゆっくりするからね!!」

「こんやはみんなですーりすーりしようね!!!」

「「「まりさ、ゆっくりしていってね!」」」

 半死半生だったハゲ饅頭が、手当ての甲斐なく完全に滅びた為、一家はそのなきがらを
「おうち」のそばに埋めてやった。下ぶくれ饅頭にも、「死」を認識する、ある程度の精
神性は備わっていたのだ。「おいのり」を捧げ、打って変わって、ほくほくした表情で、
我先にと家の中へ押し寄せるゆっくり一家。追悼の気持よりも、「皆でゆっくり」という
、ゆっくりという生き物にとっては至上命題ともいえる行為への欲求が勝っていたのだっ
た。しかし、地獄はまだ終わっていない。「おうち」の奥には、文字通り、舌なめずりを
する狂猫の姿が……。









どうでもいいけど、晩飯だから早く帰って来てね。




―ここから独り言

 蜂の話の人です。続きものの続きを書かず、こんなのを書いてしまいました。お読みい
ただいてありがとうございました。

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最終更新:2022年05月18日 21:07