• ドスが出てきます。
  • 主人公が能力を持っていて、それで大バトルを繰り広げます。だいぶ展開が早い。
  • ゆっくりが苦しむのはかなり後半からです。
  • てかいじめ成分ほとんどない。
  • 基本主人公視点で話が進みます。
  • 初SSです。見苦しい所は笑ってやってください。





やあ!俺はそこらへんにいるごく普通のお兄さん!
…と言いたいところなんだけど、実は能力をもっているんだ。その名も「この世のあらゆる液体を操る程度の能力」。
そこ、河童と被ってるって言うな。
とにかく、こういった能力を使って水まきをしているおかげかどうかは知らないが、俺の村の農業はそこそこ栄えている。

ところで、最近この村の近くにゆっくりが巣を作ったらしい。村の近くの自然はなかなか豊かだし、恰好のゆっくりぷれいすったのだろう。
ゆっくりが村に降りてくる事もしばしばあったが、せいぜい子供たちと遊んでお菓子を一緒に食べるくらいで、
特に人間に危害を加えることもなく日々ゆっくりしていた。
しかし秋に入って、森の自然がだんだんと失われてきた。
そしてある朝ついに、事件は起こった。



「なんじゃこりゃあぁぁぁ!!!」
と叫び声をあげたのは、朝一番に畑を見にきたおじさん。その声で村の人々は目を覚まし、あっという間に畑に人だかりができる。
見ると、育てていた野菜が荒らされているではないか。
皆が首をかしげる。今まで野生の動物が畑を荒らすことなど無かった。そもそも、この村の近くで野生動物はほとんど見かけない。
原因がわからない中、誰かが気づいたように言った。
「…もしかして最近棲みついたゆっくりの仕業じゃないか?」
一同は納得した。森が荒れていること、野生動物がいないこと…。すぐに緊急の村内会議が開かれた。

ここは村長宅。いくつもの台が並べられ、彼らは座布団に座る。
「えー、ゆっくりに畑が荒らされたことは皆が知っていると思う。そこで皆の考えを仰ぎたい。どう思うかね?」
村長が投げかける。するとさまざまな声が飛び交う。
「そもそもあんなやつが棲みつくのを許したのがいけなかったんだよ!」
「たまたまでしょう?話しあって、原因を聞いてみるのはどうですか」
「あんな得体の知れない生き物なんて追い出してしまえよ!」
「虐待してぇ…。」
各々が意見を出し合うものの、バラバラである。俺はしゃべる暇もなく、肘をついて聞いている。
数十分後、村長は声をあげた。
「皆の考えは大体わかった。とりあえず、例のゆっくり達に話を聞いてこよう。その役目だが・・・。」
と、村長が言いかけた時、俺は立ち上がっていた。
「俺が行きますよ。俺が丹精こめて育てた野菜や木を取られちゃたまりませんからね。
冷静に話を聞いた上で、必要と判断したら制裁を加えてきます。」
何言ってんだ俺。しかし、その感情は真実だった。
今、自分たちの自然が奪われかけている。ゆっくりとかいうものに俺たちの血と汗と涙の結晶が横取りされている。
それだけが俺にとって許せなかった。
その言葉を聞いた村民たちはすぐに準備に取り掛かる。励ましの言葉をくれる人もいた。
さっきしゃべっていた虐待お兄さんは”制裁”に反応していた。
しかし俺は殺したくない。制裁もしたくない。口で言って聞いてくれると思っていた。
そんな考えが甘いということを俺は思い知らされることになる。

午後、森に足を踏み入れた瞬間、俺はすぐに違和感を覚えた。
いつもはそこらじゅうに木の葉が落ちているはずだ。草が生えているはずだ。キノコが生えているはずだ。
そんなものはなかった。ゆっくり達が食欲に任せてほとんど食べてしまったのだろう。
あるのは折れた木の枝とわずかの枯れ葉だけだ。
障害物がないおかげで、ゆっくり達の巣は意外と早く見つかった。それにしても大きいほら穴だ。村人全員住めるんじゃないか?
俺は足を踏み入れる。

「「「ゆっくりしていってね!!!」」」
「おにーさん、ゆっくりできるひと?」
「ゆっくりできないならおかしをおいてさっさとどっかいってね!!!」
「それともなにかようがあるの?あるならゆっくりしてないではやくいってね!!!」
「ああ。でも今日は君たちのどすに話があって来たんだ。案内してくれるかな。」
俺はあくまでも話し合いに来たのだ。なるだけ素直に納得してもらいたい。そんな俺の思いをよそに、
「ゆゆ!どすはいるよ!でもゆっくりできないおにーさんはあえないよ!そんなことよりおかしをちょうだいね!!!」
自分勝手なことを言うゆっくり達。どうやらお菓子をあげないと通してくれないようだ。
とりあえず菓子と聞いて甘いものを連想した俺は、
「この世のあらゆる液体を操る程度の能力」で、ゆっくりに砂糖水を適当に浴びせといた。簡単に通してくれた。
「「「ゆっくりついてきてね!!!」」」はいはい。

「どす!ゆっくりにんげんさんのおきゃくさんです!!!」
現れたのは3mはあるであろう、他のゆっくりとは比較にならない大きさのまりさだった。
『ゆっくりしていってね!!!にんげんさんが何の用?』
「こんにちは。実は君たちに聞きたいことがあるんだ。」
『何?ゆっくりはなしてね!!!』と言われた俺は話す。
「今日の朝。村の野菜がたくさん、なくなっていた。そこで質問だ。…君たちが食べたのか?」
巣のゆっくり達が騒ぎ始める中、どすまりさは即答した。
『ゆ!そうだよ!おなかがすいてたから、今日の朝みんなでゆっくり食べたよ!!!』
「どうしてだい?」
「ゆゆ!きいてなかったの?おなかがすいてたんだよ!おにーさんばかなの?しぬの?」
「おやさいはかってにはえてくるんだぜ!だからさいしょにみつけたまりさたちのものなんだぜ!!!」
確信犯か。でも人間が育てた物だとは知らないようだから、一応諭しておく。
「野菜は勝手に生えてこないんだよ。俺達が一生懸命種を植えて、水をやって、世話をして生えてくるんだよ。
 君たちが村に降りてきたとき、水をまいているおじさんを見たことがあるだろ?
 おじさんは毎日、一生懸命に野菜を育てているんだ。だから、あれは世話をしていたおじさんのものなんだよ。」
ほとんどが「は?」と馬鹿にしたように声をあげる。無駄だったか、と俺は悟った。
しかし、一匹だけ違う者がいた。知能の高い、ぱちゅりーだ。
「むきゅ…。ごめんなさい。まさか、あなたたちがそだてたものだったなんてしらなかったの。ゆるしてね…。」
俺はただ一匹、物分かりの良いぱちゅりーを抱き上げようと近づいた。

そのとき

『ゆっくりできないぱちゅりーはゆっくりしね!!!』
どすまりさがそう叫ぶと、どこからともなく手下まりさがぱちゅりーに体当たりをかます。
ただでさえ体の弱いぱちゅりーがまりさの不意打ちに耐えられるわけがなく、ぱちゅりーは数メートル転がって、絶命した。
「おい、仲間に何をす…」『ごちゃごちゃうるさいよ!!!あれはまりさたちが見つけたんだからまりさたちのものだよ!!!』
「冷せ…」「おやさいいっぱいたべたいよ!」
「話を聞…」「れいみゅもむーちゃむーちゃちあわちぇー♪ちたいよ!」
「話せばわか…」「にんげんがおやさいをひとりじめするからいけないんだよ!」
「ちょっと待…」『ゆっくりできない人間もゆっくりしね!みんな、このじじいをころせばまりさたちはゆっくりできるんだよ!!!』
じじいに格下げか。一段階すっとばしてないか?
ってそんなことを言っている場合ではない。巣のゆっくり達はもはや俺を殺す気マンマンだ。
「…戦うの?」『たたかうよ!!!ゆっくりできない人間をころしてまりさたちはゆっくりするよ!!!』
「わかった。そっちがその気なら俺も全力で君たちを殺してやる。君たちにゆっくりぷれいすを取られるわけにはいかないからね!!!」

巣のゆっくり達は一斉に空中から俺に飛びかかる。その重みから、食らえばダメージは相当のものだ。
しかし俺は「この世のあらゆる液体を操る程度の能力」で霧を発生させてゆっくりの視界をさえぎる。
ゆっくり達は何が起こったのかもわからず、視界を失ったまま地面に直撃した。
「ゆべっ!!!」
「い゛だい゛よ゛お゛お゛!!!!!!」
「どぼじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛!!!!!」
「ゆ゛っ゛ぐり゛でぎな゛い゛い゛い゛い゛!!!!」
俺に当てる気でいたのだろう。勢いのついたダイブは命中することはなく、単に自分への痛みを増しただけであった。
いつのまにか痛がるゆっくりの山が出来上がっていた。
その隙に俺は突進してくるどすまりさの目をめがけて炭酸水を発射する。
『ゆぎゃあ゛あ゛!!!ま゛え゛がみ゛え゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!』
混乱と激痛でどすまりさはのたうちまわる。自分の群れの山を踏み潰しているとも知らずに。
「ゆびゃ!」
「ゆびぃ!」
「ゆびゅ!」
「ゆべぇ!」
「ゆびょ!」
数百匹いたであろうゆっくり達はあっという間にどすまりさ一匹になった。
どすまりさがそれに気がついたのは、霧が晴れてからであった。
『どぼじでみ゛ん゛な゛じん゛でる゛の゛お゛お゛お゛!!!』
「自滅したか。けしかけてきたのはそっちだよ。」
さて、勝負はここからだ。並の妖怪程度ならなんとか撃退できる俺でも、このようなゆっくりとの戦闘は初めてだ。油断はできない。
『ぐぞぉ……!!!』
どすまりさはその場で怒りながら跳ねる。
俺はそれを見逃さず、とどめに塩酸をぶちまける。
『ゆぐっ…、お゛ま゛え゛ざえ゛い゛な゛げれ゛ばあ゛あ゛あ゛!!!』
「ぐわっ!?」
どすまりさは俺の攻撃など意に介していないかのように、怒りのこもった突進を繰り出してきた。背中を思いっきり打ちつけてしまった。
何メートル吹き飛ばされただろうか。体のあちこちから血が噴き出す。このままではやられてしまう。死んでしまう。
塩酸によって溶けかかっているとは言え、普通に水を発射したところでどすまりさの厚い皮は破れないだろう。
俺にはどうすればいいのかわからなかった。
そうしている間にも、どすまりさは間髪入れずにどすぱーくを撃つため、口を開けている。
『じね゛え゛え゛え゛!!!!!!』
どすぱーくが発射され、洞穴もろとも吹き飛ばされ

なかった。俺はまりさがどすぱーくを発射するために開けた口の中に、全力で水を撃ち込んだのだ。
どすぱーくを撃つために思いっきり息を吸い込んでいたまりさは水も吸ってしまい、むせる。
『がばっ…、ゅっゅがっ…!ごゆょぉぇぇぇ………』
容赦なく口の中に飛び込んでくる水を吐き出す暇もなく、まりさはそれを飲むしかなくなった。
『ゆごぼべ……ごばっ!?』
パンッ
ただでさえ塩酸によってどろどろに溶けていたまりさの皮は、水が腹にたまったことによってあっという間に爆ぜた。
そして、俺の制裁は終わった。


一年後…
森はゆっくり達の死体によって土が肥え、以前よりも豊かな自然となった。
俺は生っていた木イチゴをかじる。

俺の足もとに、一滴の滴がこぼれた。




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なんだかとんでもなく早い展開となってしまいました。
ゆっくり達がキレるのが早すぎたかな。
失礼いたしました。慣れないことをするもんじゃないね。

  • 劇薬は大変危険なものだよ!取扱いの際は十分に気を付けてね!


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最終更新:2022年05月21日 23:57