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「「「ゆっくりしていってね!!!」」」
と八百屋の前に現れたのはれいむ、ちぇん、そして赤れいむ3匹、赤まりさ3匹。
れいむの夫はまりさ。ちぇんは彼らの親友である。だから赤まりさがいるわけだ。
ところで、このゆっくり達は野菜をたかりに来たわけではない。この八百屋で働いている、いわばアルバイトさんだ。
「ああ、ゆっくりがんばってね」と八百屋お兄さんが声をかける。

このれいむ達はゆっくりなのに極めて知能が高い。その上物覚えも良く、礼儀正しいときているので客商売をやる上では十分だ。
彼女らはアルバイト代である“おやさい”をもらうために精一杯がんばる。もらえる食糧は微量であったが、
乱暴ながらも自分たちのためにたくさんの食べ物を持ってきてくれるまりさの役に立とうと八百屋で働いているのだ。

「ゆっくりかっていってね!!!」
れいむは主にカウンターでお兄さんと共に客と顔を合わせ、、野菜を袋に詰めたりする。
このれいむは“いちおく”までの数ならわかるので勘定を任せてもいいのだが、万引きが怖いので任せない。

「ゆっくちえりゃんでいっちぇね!!!」
赤れいむ達は看板娘?だ。

「このきゅうりとってもとげとげがするどいでしょ!だからしんせんでおいしいんだよ!わかるねー?」
ちぇんは愛想のよさで野菜を客に勧めたり、世間話をしたりする。
またその身体能力で野菜の積みおろしや陳列をしたり、たくさん買っていった客の野菜を家まで運んだりする。

そんな彼女らがより有効に働けるよう、お兄さんもあるものを発明した。
ゆっくり達でも扱える荷台、その名も「にだィー」である。
良くその辺で見かける運搬用の荷台のハンドルに代わり、スィーが前側に取り付けられている。
荷台に野菜を載せ、取り付けられたスィーの4つのスイッチを踏み分けて前後左右に動き、荷台を引っ張っていく。
これによってちぇんは野菜を客の家まで運ぶことができるし、野菜の陳列も手伝うことで作業効率が向上する。
さらにゆっくりスイッチを押せばゆっくり走るし、ゆっくりしないで押せばゆっくりしない。実に最大で秒速にして10m。
これで客が虐待お兄さんだったとしても、よほどのことがない限り逃げ切れる。ゆっくり達もにだィーを操るため、必死で練習した。

そんなこんなで、この八百屋は「ゆっくり八百屋」として評判になった。

ある日
「おにーさん、まりさがいっしょにはたらきたいっていってたよ!まりさはちからもつよいしたよりになるよ!」
れいむが言ってきた。れいむの夫ならば賢いのだろう。お兄さんはそう信じ、まりさが働くことを許した。
しかし、その期待は裏切られないと始まらない。

まりさの働きぶりはパワフルで素晴らしかった。しかし当然問題点もあるわけで。

「まりさ!どうしておやさいをたべちゃうの!これはおきゃくさんのためのおやさいなんだよ!」
「まりさがたべちゃうとおにーさんもこまるんだよ、わかるねー?」
「ごちゃごちゃうるさいんだぜ!まりさはおなかがすいてたんだしまりさがはこんだんだからまりさのものなんだぜ!!」
事もあろうにまりさは売り物の茄子に手をつけた。お兄さんやれいむ達はまりさに食べてはいけない、ときちんと忠告しておいた。
だがそれは意味を成さなかった。このまりさは働いているれいむ、ちぇんに比べて著しくモラルに欠けている。
そう理解したお兄さんはれいむに「もうまりさは連れてくるな」ときつく言った。まりさにはしかりながら、一発平手打ちをした。

次の朝。
泣きながられいむとちぇん、赤れいむと赤まりさはやってきた。その背後には昨日のまりさがふんぞり返っていた。
「どうしでまりさをつれてきたんだ!つれてきちゃだめだっていったじゃないか!」
お兄さんは怒鳴る。
「ごべんなざい!ばりざがづいてくるっていっできがながったんでず!!!!!」
「ぢぇんだちじゃばりざにがなわ゛ないんだよ、わかってよー!!!」
どうやらまりさは無理やりついてきたようだ。良く見ると顔のあちこちに争った跡が残っている。
しかし八百屋の朝は早い。オレンジジュースと小麦粉で応急処置を施し、仕事に取り掛かる。

まりさは昨日の茄子の味が忘れられなかったようで、まだ余韻に浸っていた。そして仕事もろくにせず、搬入されてくる野菜を眺めている。
ついに今度はトマトをひとかじりした。感激しているようで、ご満悦の表情で涙を流し、「しあわせー!」とかほざいている。
お兄さんは見逃さない。まりさの髪の毛をわしづかみにする。
「なにするんだぜ!まだとまとをたべてないからはやくはなせくそじじい!!」
無視。そのまま店の裏に連れて行く。

まりさは髪をわしづかみにされたまま、お兄さんとのやりとりが始まる。
「昨日あれほど言ったよね?ここの野菜を食べちゃだめだって。」「しらないんだぜ!まりさはおやさいがたべたいんだぜ!」
「れいむにもついてくるなって言われたはずだよね?」「そんなのかんけいないんだぜ!おいしいおやさいがあるのになんできちゃいけないんだぜ!!?」
もう働くなんてことはまりさの頭から消え去っているようだ。
お兄さんはそのまままりさの頬に平手打ちを食らわせる。何回も何回も。

バシィッ!「ゆびぃ!?」ベシィッ!!「ゆびょおっ!?」ビシィッ!!!「ゆぶぅっ!?」
バシバシィッ!!!!「ゆべべえぇっ!?」ビシイイイイイィィィィィィ!!!「ゆびひいいいぃぃぃぃ!!!???」

まりさの目からは涙があふれ、頬は腫れ、口からは少し餡子がはみ出ていた。
「おに゛い゛ざん…。も゛うゆるじでほじいんだぜ……。」まりさが力無い声で言う。
お兄さんは何も言わず、まりさをボウリングの要領で構える。道はまっすぐ。障害物もなく、このままいけば森へまっしぐらだ。
「もう二度と…、」
高く振りあがるあの腕!貴方は…。
「来るんじゃないいいぃぃぃっっっっ!!!!!」
「ゆあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」
ボウリングの球。まりさは森に向かってものすごい勢いで転がって行った。まりさが止まったのは500m先だったという。

さらに次の日。
やはりまりさは来ていた。今度は自分をゆっくりさせないじじいに見つからないよう、お兄さんが客に話しかけている隙を狙う。
「プラチナが最近暴落しているようですわねぇ。」「自分にゃ関係のない話ですがね。」
(ゆっへっへ!やっぱりあのじじいはばかだぜ!)もはやあの賢いれいむの夫とは思えなかった。
まりさはバックヤード(と言うのか?)に侵入した。

あたりを見ると野菜が棚にところ狭しと積んである。例のにだィーもある。
まりさは早速そのへんの野菜にかぶりつこうとする。が、ちぇんに見つかってしまう。
「まりさ!なにやってるんだよー!おしえてねー!」
ちぇんがまりさに詰め寄る。そこにれいむ、赤れいむ。赤まりさも集まり口々にまりさを責める。
そんな中、まりさの餡子脳では葛藤が始まっていた。

(なんでまりさがやさいをたべるのをじゃまするんだぜ!)
(だいたいれいむたちがもってくるおやさいなんてすくなすぎでまりささまのあしもとにもおよばないんだぜ!)
(そうなんだぜ!れいむたちはまりさをゆっくりさせないてきなんだぜ!)

チーン。まりさの中で結論が出た。まりさは結論に従い、逆ギレした。


「ごちゃごちゃうるさいんだぜ!まりさをゆっくりさせないくずはゆっくりしね!!!」
「ゆがあっ!?」
まりさはれいむに体当たりする。思いっきり壁に打ち付けられた衝撃で、かぼちゃが棚から飛ぶ。
「どぼじでごんなごどずるのお゛お゛お゛!!!」
れいむがこんなことを言っている間に、にだィーの前進スイッチにかぼちゃが勢いよく落ちた。
そのとき、にだィーはなんと暴走を始めた!その先にはまりさ!

ボンッ!「ゆごえぁっ!!??!?!?」

まりさはにだィーにはねられ壁に打ち付けられ、横たわる。しかし倒れているまりさに容赦することなくにだィーは突っ込んでくる!
にだィーは壁にぶつかり、タイヤでまりさを轢いた。

「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!!!!!」高速で回転するタイヤに、まりさは顔からどんどん削られていく!
「だずげででいぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!」

まりさがへこんでいくうちに、断末魔は聞こえなくなった。そして
「ど…じで…んな…どに………。」

まりさはついに真っ二つにされてしまった。れいむもちぇんも白目をむいている。だが赤れいむと赤まりさは違った。
「おとーしゃんをころすゆっきゅりはおかーしゃんじゃないよ!!ゆっくちちね!!!」
「どぼじでぞんなごどいうのお゛お゛お゛お゛!!!!」

れいむはさっきまりさに体当たりされ、にだィーを飛び越えるようにして吹き飛ばされた。そのれいむの前からにだィーが発進したため、赤れいむ達には親れいむが殺した様に見えたのだろう。
口ぐちにれいむをせめる赤れいむと赤まりさ。その時ついにまりさを轢き、空回りしていたにだィーの右タイヤが2つ、飛んできた。それは運悪く赤れいむ2匹に直撃し、そのまま赤れいむは砕け散った。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!」
「ゆっぐぢでぎないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!!」
「あがぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!!!」

残った赤れいむ、赤まりさは家族が死んだという恐怖から逃れようと、にだィーの横を通り抜けて逃げようとした。しかしにだィーは左タイヤだけになっている。
さらににげる赤れいむはにだィーの右を通ろうとしていた。ならば・・・。
「どぼじでごっぢにくりゅのおおおおお!!!???」
にだィーは軌道を変え、赤れいむたちに突っ込んでくる。赤れいむの赤まりさも轢かれ、全滅した。
そこに騒ぎを聞いたお兄さんが登場。
「おい!どういうことだ!大丈夫か!!」
「あがぢゃあぁん…。ばりざぁ……。」
「わからないよぉ………。」

お兄さんはとりあえずれいむ、ちぇんを落ち着かせようと話しかける。
「れいむもちぇんも悪くないよ。これは事故。でも家族が死んだ場所で働くのは悲しいだろう。暮らしていける分の野菜はあげるから、もうここには来ずにゆっくりできるところに行っていいんだぞ。」
「おにいさぁん…。」れいむもちぇんも明らかに元気をなくしていたが、最後に一言言った。
「でもわすれないでね…。まりさもあかちゃんたちもわるいこだったけどみんなれいむたちのだいじなかぞくだったんだよ…。」
「わかってよ…。」

お兄さんは静かに頷いた。




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最終更新:2022年04月17日 00:43