『真冬のゆっくり対策 2』


「そこ掘ってください」

「堀作るだけでも違うかね?」

「この幅でしたら小型のゆっくりは飛び越えられないでしょう。ただまりさ種は帽子で渡るかもしれません」

「これ以上の幅だとこっちが落ちるときがあるかもしれないな」

「無いよりマシですよ。他に柵とか壁も作りますから」

「加工所から職員がやってきましたよ。ビニールハウスとかいうものを持ってきたそうです」

「なんですかね。新しい箱でしょうか?今行きます」





「さ~てどこにいるのかなあ?」

虐待お兄ちゃんは山の奥へ入っていく。途中ゆっくりの死骸や巣を壊され泣きながら修復作業をしているゆっくりを見かけた。

他の人達もまずは地面に巣を作るタイプから潰しているようだ。

「ゆんしょ!…ゆうううう!!!さぶいいいい!!!」

「まりさあ…ゆっくりしないでね!おちびちゃんたちがさむがってるよ」

「でいぶもてつだってよお…ゆ!!おにいさん!!まりさのおうちをなおすのてつだってほしいんだぜえ!!」

「れいむに手伝ってもらえよ」

「だめだよ!れいむはおちびちゃんのめんどうをみるんだよ!!」

「仕方ねえな。ほれ、まりさじっとしてろ」

「ゆうう…ゆっくりしないでね…」

「よっと…」

彼はシャベルを振り上げた。

「それ!」

「ゆぎゃああああああ!!!!!!!」

「ばりざあああ!!!!どぼじでぞんなごどずるのおおおお!!!!」

彼はシャベルでまりさの中身を穿り出した。

「ゆぎゃがががぎゃぎゃあがやああああ!!!!!」」

「やべでえええ!!!ばりざのながみがあああ!!!!」

「れいむ、奥に入ってな」

「ばりざああ!!!!ばりざああ!!!」

奥に行かないれいむをほっといてまりさだった皮を巣に入れ餡子で穴をふさいだ。

「じゃあ俺は行くよ」

「おにいいざあん!!!!まっでええ!!!!」

「ゆ?なんだかあまあまさんのにおいがするよ!」

「あみゃあみゃしゃあ~んまりしゃにたべりゃりぇてね!」

「なにじでるのおおおお!!!!それはまりさだよおおお!!!たべじゃだめだよおおおお!!!!!」




「さて…どういった所を巣にしているのかな」

ゆっくりが一番住み易い巣は洞窟である。入り口が水平であるため雨水が浸入しにくく天井が壊れにくいからだ。

といっても洞窟がたくさんあるわけではない。大抵は斜面に穴を掘って巣を作っている。

「丁度これくらいの角度がいいよなあ」

山道沿いの斜面を見て彼は言う。急斜面だと巣に帰るのが大変になってしまう。そのため緩やかな斜面に巣を作るのだ。

「しかし雪で真っ白だな。これじゃ分からん…なんだこれ?」

丸くて小さな穴が斜面に向かっている。

「まさかゆっくりの足跡?」

注意深く見てないと見落とすところであった。足跡は斜面の途中で途絶えていた。

「どれどれ…あ、あった。」

彼は雪を掻き分け石や藁が詰まっている穴を見つけた。入り口だろう。


  • 巣の中-

「ゆううう…さむかったよ!」

「まりさ、なんでおそとにでたの?おそとはあぶないっていったでしょ!」

「おかあさんまりさをしからないであげて」

「まりしゃおねえしゃん!ゆっくちちてね!」

「ゆっゆっゆ…いもうとたちにぷれぜんとがあるんだぜ!」

子まりさは帽子の中から雪を取り出した。

「まっちろしゃんだ!まっちろしゃん!!」

「ゆきさんをとりにいってたの?」

「そうなんだぜ!いもうとたちがまっしろさんにさわりたいっていうからもってきたんだぜ!」

「なんてとかいはなまりさなの!ゆうかんだわあ」

「まっちろしゃんちゅべちゃい!!」

「おねえしゃんありがちょー」

「さむいいい!!!!おかあさんすりすりい」

「す~りす~り。ゆっくりしていってね!」

「ごはんのじかんなんだねー。みんなきてねー」

この巣には数組の家族が住んでいるようだ。

「ゆ!いりぐちからへんなおとがするんだぜ!」

「ゆっくりできないね!みんなゆっくりしないでおくにはいってね!」

「しょくどうにいこうね!ごはんたべながらかくれようね」

食堂は巣の奥にあった。最悪天敵に入り口を壊されても食糧のある部屋まで逃げれば天敵も諦めるだろうし食糧を取られずに済む。

「ああ…巣だわ。しかし奥が深くて見えないや…。ゆっくりしていってね!!!」

「「ゆ…ゆっくりしていってね!」」

微かに返事が返ってきた。相当奥に隠れているようだ。

「どうしよっかなあ…わざわざシャベルで巣ごと壊すのも面倒だなあ」

彼は悩んでいた。

「ゆううう…きょわいよお…」

「だいじょうぶだよ!しょくどうまでにげればとどかいないよ!」

「このおうちはれみりゃもはいってこれなかったんだよ!だからしんぱいしないでね」

このままであればゆっくりの知恵が勝っていただろう。しかし世の中そう甘くは無かった。

「よう兄ちゃん、そんなところで突っ立ってどうした?」

「どうも。いやゆっくりの巣を見つけたんですが奥に逃げられましてね」

「ああ、わざわざ巣をぶっ壊すのも面倒なんだろ」

「はい」

「じゃあこれ使いな」

男は2つの丸いものを取り出した。

「何ですかこれ?」

「煙幕だよ。でもただの煙幕じゃないぞ。唐辛子とタマネギエキスが入った特製だ」

「うわあ…効果ありそうですね」

「奥が深いなら2つ入れれば届くさ。俺はこの先で駆除するからこれで失礼するよ」

「ありがとうございます」

男は去っていった。彼もゆっくり駆除を手伝いに来た人なのだろう。

「じゃあ早速入れますか」

虐待お兄ちゃんはライターで煙幕に火をつけ巣の中に入れた。そしてすぐ穴を雪で塞いだ。

「ゆゆ!いりぐちがくらくなったよ!」

「やったね!あきらめてかえってくれたよ!!」

「きょれでごはんをゆっきゅりたべりゃれるね!!」

ゆっくり達はご飯を食べ始めた。

「「「むーしゃむーしゃ…しあわせえ♪」」」

「「ちあわちぇえ♪」」

いつも通りの平和な食事だ。貯蓄された食糧は充分にある。春まで余裕で暮らせるだろう。

「ま…まりさ!はるになったらいっぱいこどもうんでゆっくりしようね!」

「れいむ!こんなところではずかしいんだぜ…」

数分後

「ゆげえええええ!!!!!」

「きゃりゃいよおおお!!!!ゆべえええええ!!!」

「おめめがじみるよお!!!!!ゆぎいいいい!!!!」

「げほっ!げほっ!!!!ゆぎゃあああ!!!!!ゆぎぇえええええ!!!!」

天国から一気に地獄になった。小さいゆっくりから餡子を吐き出し巣の中はパニックだ。

「まりさのおちびちゃんがあああ!!!!ゆぎぇえええ!!!」

「でいぶう!!!じっがりじd…ぎゃあああ!!!おべべが!!おべべがああ!!!!」

「ゆっぐりできなよおおお!!!!わがらないよおおおお!!!!!!」

「ごんなのどがいはじゃないわあ!!!ぎゅうううぎゃあ!!!!」

「むぎゅ…ぎっどごれはどぐよ!!ぎゅううう!!!」

「ばじゅりいいい!!!じっがりじでええ!!!!げほっ!ぎいいい!!!」

「だれが…どぐをそどにすでで……むぶうううう…」

数匹のゆっくりが入り口に向かった。途中で餡子を吐き出し息絶えるゆっくりもでた。

「ごのばるいのが…ぎいい!!!…いげないんだね…ゆぎゅううう!!」

ちなみにゆっくりは手足がないため物を運ぶ時は大抵口の中に入れるか口に咥える。

「む!!!…ゆぎゃああびゃああああああ!!!!!!」

煙幕を口の中に入れたまりさは煙幕を吐きながら餡子も外に出してしまった。

「むうう!!!!むううう!!!!」

こちらのまりさは息を止め体で煙幕を押していた。



「もしかして全滅したのかな」

虐待お兄ちゃんが煙幕を入れてから十数分が経った。

「お、何か出てくるぞ」

雪が盛り上がりまりさが顔を出した。

「むううううう…ゆふうっゆふううううう…ゆうううううう…」

「わざわざ返してくれなくてもいいのに」

「どぼじでえ…ごんなごどじだのおお…あがじゃんも…おぢびじゃんも…でいぶも…じんじゃっだよお…」

「さあてね。なあ、煙幕は2つ入れたんだぞ。あと1つはどうした?」

「ぞ…ぞんなあ…なんでごうなるのおお……」

「ほれ、行った逝った」

「やべでえええ…おざないでええ…」

まりさは巣の中に戻されてしまった。

「これも持ってけ」

「ぜっがくだじだのにい…」

外に落ちた煙幕を巣の中に入れなおした。失意のあまりまりさも死んでしまった。

「これでここは駆除できたかな……うわっ!!これはキツイ。俺でも死ねるわ」

彼は穴の中を覗き煙幕を嗅いでしまった。

「げほっ!げほっ!これならもう死んでるわ。げほっ!」

咳き込みながら山道を登っていった。



「ふう…落ち着いた…。アレ結構キツイな。俺も量産してみるかな」

ふと道から外れたところを見ると大きな黒い帽子が動いていた。

「え、ドスまりさ?」

彼はその帽子を追った。

「う~ん…あ、違う人間だ」

帽子はとある女性が被っていた。

「こんにちは」

「あら、手伝いに来てる人かしら?こんにちは」

「その帽子は?」

「これ?ちょっと前に小さめのドスから取ったものよ。ちょっとぶかぶかね」

「なんでそんなものを?」

「私の記憶が正しければこの近くに洞窟があるのよ。警戒されずに中に入るためね」

「昔この辺りに暮らしてたんですか?」

「ええ。今日数年ぶりにここに戻ってきたわ」

「そうですか。洞窟は大きめなんですか?」

「そろそろ着くわ…。あ、あれよあれ」

少し先に洞窟があった。かなり大きい。

「これは…かなり広そうですね」

「あなたも中に入る?とりあえずれいむのリボンもあるわ。手に結び付けとけば大丈夫よ」

「そういう話よく聞きますね。本当に見分けがつかないんですかねえ」

「まあ付けてみてみればわかるわよ」

彼らは洞窟の中へ入っていった。

「ほお…これは…すごい」

「こんなに大きかったかしら?百匹はいるわね」

洞窟の中は予想以上に広かった。壁には多数の穴が掘ってあり中からゆっくりの声がする。

「ゆゆ!すっごいおおきなれいむとまりさだね!ゆっくりしていってね!!」

「こんなおおきなれいむみたことないよ!」

「もしかしてどすなの?」

「どすだよね!れいむたちをゆっくりさせてくれるためにここにきたんだね!」

「ね、気付いてないでしょ」

「本当なんですね…これが餡子脳か。で、一体ここをどうするつもりなんですか?」

「まあ見ててくださいな。…ねえれいむ、この巣の中をドスに案内してくれないかしら?」

「いいよ!みんなー!!どすがきたよ!!このむれにもどすがきてくれたんだよー!!!!」

壁から出るわ出るわその数数百匹。リーダーであろう大きいありすがやってきた。

「なんてとかいはなどすなのかしら!!よこにいるれいむもおおきくてりっぱだわあ」

「貴方がここのリーダーね。この巣を案内してくれないかしら?」

「いいわ!みんな!ドスとれいむに挨拶してね」

「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」

「「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」」」」」

「ゆっくりしていってね!」

「はは…ゆっくりしていってね…」

壁に掘ってある穴は百ヶ所はあるだろう。寝床だけでなく赤ゆっくりを育てるスペースや出産するスペースまである。

「冬篭り中なのににんっしんしているゆっくりがいるね。食糧は大丈夫なの?」

「ゆっへっへ。だいじょうぶなのだぜ!!」

「しょくどうにあんないするわ!!みてびっくりしないでね!」

食堂とされる大き目の穴は大人が屈めば入れるくらいの大きさだった。中にはたくさんの野菜や果物、虫の死骸や草花などがぎっしり詰まっていた。

「この野菜は?」

「はたけさんからもってきたんだぜ!にんげんはずるいんだぜ!!おやさいさんをひとりじめするなんてずるいんだぜ!」

「この果物は?」

「にんげんのおうちからもってきたわ!いなかものがたべるよりとかいはなわたしたちがたべるべきよ!」

「(これは…)」

「(ええ。こいつらね。荒らしているのは。一思いに殺してあげようかと思ったけど苦しませて駆除した方がいいわね)」

「(…………言うねこの子)」

「どす!まりさたちはすごいんだぜ!!これならあかちゃんだってそだてられるんだぜ!」

「ふうん…ねえまりさ、野菜はどうやって大きくなるか分かってる?」

「しってるんだぜ!おやさいさんはかってにはえてくるんだぜ!」

「へえ…そうなの。ちょっとドスはれいむと話したいことがあるから外に出るわね」

「おそとはさむいよ!ゆっくりしないでかえってきてね!」

「ええ…。……ちょっと来て」

「あいよ」



「さて、どうやって苦しめますかね?案とかありますか?」

「ここがまだマシな方だったら洞窟に油撒いて火攻めにしようと思ったんだけどね」

「油どこにあるんですか?」

「さっき出会った所に置いてあるわ。赤ポリタンクよ」

「準備いいですね」

「火攻めだったら一瞬で終わるんだけど…。そうね、貴方は何か考えてる?」

「何か持ってきてますか?俺が持ってきてるモノだと……」

「それはいいわね。私が持ってきてるのは………」

果たしてどのようにして苦しめるのであろうか?彼らの話し合いは続く。







by 虐待おにいちゃん

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年04月17日 00:05