まりさの誕生 1~5
ドスまりさの誕生 番外編1~5
ゆっくり達が夢見た理想郷
と設定上に繋がりがあります。



人間とゆっくり。
数百年前にゆっくりが現れてからというもの、その関係は決して良いとはいえなかった。
多くのゆっくりは人間並みの知能をもち、感情豊かな生物だったのに決定的に認識力、注意力などが足りず、結局口うるさい害獣以外の何者にもならなかった。
ゆっくりは自らの習性に従い、ゆっくりできるところを目指して多くは人里付近に殺到する。そして人間の畑に入り込み、喰い散らかし、害獣としてまとめて処分される。
ゆっくりたちは人間に近づく事の危険を知らず、また知っていても詳しい知識の無い事による過剰な自信から人里のゆっくりプレイスを目指し、そしてつぶされていった。
さらにゆっくりにとって不幸な事に、あらゆる面で人間にとおくおよばないのに人間並みに感情や愛情を持つゆっくりは一部の虐待お兄さんと呼ばれる変人達に処分、虐待、虐殺のかっこうの的となり積極的に人里の外にまでゆっくりを探しに行く者も現れた。

それでも、多くの人間がゆっくりを害獣の一種と捕らえ、多くのゆっくりが人間の事なんて頭の中に無くても、ゆっくりと人間の共存を考えた者が居なかった訳ではない。
ドスまりさや一部のぱちゅりー種などは積極的に人間と条約を結び、友好関係を気づこうとしたし、人間が必要以上にゆっくりを狩る事を禁止する掟を作る事を訴えたゆっくり保護団体もいる。
しかし、それらの企みはことごとく失敗に終わり、ドスやぱちゅりーはちょっとしたすれ違いやミスから群れごと抹殺され、ゆっくり保護団体の人間も「変人、異端者」の烙印を押され肩身の狭い思いをした者も少なくなかった。
彼らの多くが失敗したのには理由がある。人間と条約を結ぼうとしたゆっくりは、ゆっくりのまま人間に近づきすぎたのだ。
元々価値観の違うゆっくりと人間を長期間、近くに置いた事により、どちらかが相手に不利益を与えてしまい、結局力の強い人間がゆっくりを駆逐した。
ゆっくりである事を維持したまま人間との関係を荒立てないためには人間から離れるほうが上策だったのである。
ゆっくりの保護を訴えた人間はもっと理由にまみれていた。彼らの多くはゆっくり保護の理由を精神論、感情論のみで語り、実際に被害に会う人の事を考えているとはいえなかった。
多くの保護団体には裏を流れる金に不透明な部分が多く、人々の支持を得られなかったこと、公衆の面前で虐待について声高に語る一部のマナー無視虐待お兄さんを野放しにするより、ゆっくりをスケープゴートにするほうが安全だと多くの人が判断したのも理由だろう。

だが、ゆっくりと人間が友好関係を維持し、共存する事が不可能なわけではない。
数年間人里と友好関係を結んでいたドスの群れの話は少なくないし、中には30年以上も人間と非常に良好な関係を気づいていたゆっくりの群れもある。
それが、ゆっくりふぉーとれすだ。

ふぉーとれすと、他のゆっくりの群れとの最大の違いはフォートレスのゆっくりの結束が他の群れより高かった事、暮らしがゆっくりよりは人間に近かった事が挙げられると思う。
ゆっくりも人間も、お互いの考え方を十分受け入れる事が出来たし、他の群れにありがちな群れの一部が積極的に条約違反をすると言うことも無かった。
結局ふぉーとれすは幻想郷に百年ぶりに降った大雨の経験が無かった事、自らの住居の真下に穴を掘り空洞だらけにしてしまった事、そのとき、人間が一人も「フォートレスのゆっくりは危ないんじゃないだろうか」と考えなかったこと
等の、偶然が重なり崩壊してしまった。

そうなのだ、感情や感覚は同じなのに価値観が決定的に違う人間とゆっくりの共存、そのためには両者の違う価値観を近づければよい。
つまり、野生のゆっくり全てがゆっくりふぉーとれすのゆっくりになり、友好的な関係を結べる相手になればゆっくりは害獣ではなくなり、処分される理由も無くなる。
「ゆっくりは世界のくずだから死んで当然、むしろつぶすべき」とか言っているゆっくりヘイトの虐厨共にこれ以上でかい顔をさせないですむしうまくいけば連中を社会から追い出す事ができる!イェヤッハァア!!



そんな事を考えた人間が、有名な保護団体のリーダーだったことからこの物語は始まる。
彼も最初は他の保護団体員の口車に乗せられる形で精神論、感情論を真に受ける形で保護団体に入った人間だった。
直接ゆっくりの被害に会う立場に居なかった彼は「ゆっくりがかわいそう」「自然の中で頑張って生きているゆっくりを笑いながら殺すあいつらこそ殺されるべきだ」という主張を鵜呑みにしてしまった。

そんな彼が団体内で経験を積んだけっかがこのゆっくりヘイトヘイト思想だよ!!

野生のゆっくり全てをふぉーとれすのゆっくりにするのは並大抵の努力ではない。それこそ百年単位の一大事業になるだろう。
行動を起すだけの金はある。行動目的の一つにゆっくりによる被害の軽減があるため、他の保護団体に比べれば財政は豊かだ。
時間はある。百年単位の一大事業なのは覚悟の上、元々時間制限など無いから、自分が死んでも次の世代がきっとやってくれるだろう。
あとは動くだけだ。

どちらかというと友好関係にある団体、企業に連絡をつけ、「全ゆっくりふぉーとれす化プロジェクト」への参加、投資を要請する。
この団体のリーダーは知らなかったことかもしれないが、中には強引に協力させられた中小企業、詐欺まがいの方法で金を巻き上げられた個人もいたかもしれない。こういう保護団体はトップの知るところ、知らないところで裏社会と結びついているものだ。

こうして一人の男の壮大な夢は、男のゆっくりを守りたいと言う純粋な感情と虐待お兄さんを社会的に殺害したいという歪んだ感情。
各保護団体のゆっくりを守りたいと言う純粋な感情と虐待お兄さんを社会的に殺害したいという歪んだ感情。
友人の団体員に「俺を助けると思って、頼む!!」といわれ、大金を投資した人間の諦め。
そんなこんなの複雑な感情が混ざり合った状態で、動き始めた。



れいむとまりさは、数匹の子ゆっくりを連れて狩りに出ていた。
「このおはなはたべれるからゆっくりまりさのぼうしのなかにいれるんだぜ」
「わたったよ!おかーさん!!」
「おちびちゃん!あまりれいむやまりさからはなれたらだめだよ!ゆっくりりかいした?」
「ゆっくりりかいしたよ!おかーさん!!」
れいむとまりさが自分の子供達にいろんな事、生きていくうえで重要な事を教えながら仲良く食べ物を集めていく。
「ゆ・・・れいむ、おちびちゃんたち、静かにするんだぜ・・・」
今までニコニコだったまりさの顔が一瞬で真剣な表情になる。
「まりさ?」
「なにかがくるんだぜ、みんなあそこのしげみにかくれるんだぜ・・・」
「おかーさん・・・こわいよ・・・」
「だいじょうぶだよ、れいむとまりさがきっと、おちびちゃんたちをまもってあげるからね・・・」
そういうれいむも、真剣な顔、冷や汗が後頭部を流れている。
だが、まりさの表情が揺らいだ。
「ゆっ、おにーさんこんにちは、ゆっくりしていってね!!れいむ!こどもたち、でてくるんだぜ、このおにーさんはいいおにーさんだぜ!!」
まりさが合図をすると茂みの中かられいむを先頭にゆっくりの家族がぞろぞろと出てきた。
「ゆっ!おにーさん、ゆっくりしていってね!!」
「ゆっちゅりしていってね!!」
「ああ、ゆっくりしていってね!!」
ここはゆっくり保護団体がゆっくり保護区としている土地である。怪我をしたり、飼い主に捨てられたり、偶然団体員が拾ったり、虐待お兄さんに虐待されたのを団体員が保護したり、
そういったゆっくり達が外敵の入ってこない柵の中で、自力で狩をしながら生活しているゆっくりスポットの一つである。
過去に何度か虐待お兄さんが不法侵入した事があるため、ゆっくり達には団体員以外の人間には近づかないように注意されている。だからまりさは最初警戒し、団体員だとわかると元気に挨拶したのだ。
「実は明日から、まりさたちにやって欲しい事があるんだ。明日から毎日、朝ごはんを食べたら出入口の扉の前にきてもらえるかな?」
「ゆっくりりかいしたよ!」
「でいりぐちだね!りかいしたんだぜ!!」
その後、彼は保護区中を歩き回り似たような会話をであった家族に片っ端からしていった。

翌日の朝
出入り口の前に団体員が10数人、待機している。彼らはみな、ゆっくりを入れて運ぶケージを持っている。
最初は団体員しかいなかったが、しばらくするとあちらこちらからゆっくりの家族がやってきた。
「おにいさん!やってほしいことってなにかしら?とかいはなこと?」
「あぁ、きっととかいはな事だと思うよ」
「はやくいってほしいんだね!わかってねー!!」
「とりあえず、他のゆっくりのみんなが来るまでまとうか、みんなでゆっくり、わかるよね?」
「わかるよー!!」

何かトラぶったのか、単純に忘れただけなのかわからないが、しばらく経ってもこなかったゆっくりの家族は放っておいて団体員たちはあつまったゆっくり家族に説明を始めた。
「実は、今日はみんなにお願いがあるんだ」
「おねがいー?」「なにー?」「ゆっちゅりできるのー?」
「みんなには今日から、ゆっくりふぉーとれすについて勉強して欲しいんだ」
「ふぉーとれす?」「ふぉーとれす!!」「なにそれ?ゆっくりできるの?」「ちんぽ!!」
「ふぉーとれすというのはとてもゆっくり出来たゆっくりプレイスなんだけど、遠い昔になくなってしまったんだ」
「でも、とてもゆっくり出来たところなんだ。だから僕たちは全部のゆっくりみんなにふぉーとれすを作って欲しいんだ」
「ゆ?」
「これから、みんなには僕達と一緒にふぉーとれすのお勉強をして欲しいんだ、それから、ここから外に出て沢山のゆっくりにふぉーとれすのことを伝えて、そのゆっくりたちと協力してふぉーとれすを作るんだ」
「つまり、わたしたちにあいのでんどうしになってほしいということなのね!!とてもとかいはなしごとだわ!!みんな、おにいさんにきょうりょくしましょう!!」
ありすが宣言した事により、周りのゆっくりたちはみんな「えい、えい、ゆー!!」と団結した。
みな、とてもゆっくりできるゆっくりプレイスに興味があったし、多くのゆっくりは悪い人間やれみりゃや悪い人間などが原因でゆっくりできて居ないという事を心の奥底に刻み込まれていた、
そのゆっくりたちを助けたいと言う気持ちも強かった。そして何より、自分の力でゆっくりプレイスを作るということにとても強い興味を抱いた。
「じゃあ、僕に協力してくれるゆっくりはこのケージの中に入ってくれ。」
ゆっくりの家族達がわいわいがやがや喋りながらケージの中に入っていく。その中の一匹であるぱちゅりーは不安げな表情をしていた。
(ここのそとにでるの?ここのそとにはれみりゃがいたんじゃなかったっけ?)
(むきゅ、ここのそとのゆっくりたちにふぉーとれすのことをつたえてもしんじてもらえうのかしら・・・)
「どうしたんだぜぱちゅりー、はやくのるんだぜ!!」
「おかーちゃん、いしょいでにぇ!!」
「みきゅ~」
いちどマイナス思考に陥ると、次から次へと不安要素が思い浮かんだ、しかし、彼女の思考は家族の台詞により中断された。

あぁ、やっぱり何時見てもゆっくりはかぁいいなぁ・・・このゆっくりが、人間と共存するためなら、自分はこの事業に一生をささげてもいいよ・・・
ある団体員は素直に想った。
あぁ、やっぱりゆっくりはかわいいな・・・こんなに素直で、かわいい子達を虐待するなんて虐厨共は頭が湧いてるに違いない。
ある団体員は素直に想った。
この二人は目的も、やる事も一緒だった。だが、その奥底に眠る感情だけは、根底こそ同じでも、天と地ほどの違いがあった。



ゆっくり達がみんな、ケージに入ったのを確認すると団体員たちは扉を閉め、ケージを手に持って歩き始めた。








あとがき
くそ眠くて、すぐ眠れる日と、まったく眠くなくて、寝付けない日があるのはなぜだろう。
睡眠障害で悩むゆっくりとか、いるのでしょうか?




7月2日 2221 セイン

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最終更新:2022年05月03日 21:59