「さて、来月できる新店舗なのですが開店記念はどんなイベントをしましょうか?」

新店舗オープンを来月に控え様々な企画が持ち上がった。

「前半はハイレベルな戦いでいきましょうよ」

「それでいこう。それはそれで人が集まるな」

「後半はどうする?」

「最近本店のゆっくりが増えましてね。もう住居が確保できないくらいなんですよ」

「ははぁ。イベントで粛清しちゃおうってことですね」

「そういうことです」

かくしてイベントが決定した。


「今日のメインイベントの始まりです!!皆様是非特設コーナーへお越しください!!」

新店舗開店記念イベントは1週間。その前半は店の精鋭であるLunaticクラスのゆっくりによる高レベルな競争だ。

「第1コースのまりさ選手、れいむ選手、ぱちゅりー選手、ちぇん選手のアピールタイムです!!」

このレースはチーム戦だ。まずれいむかありすが走る。まりさはバトンを受け取ってから走りさらに泳ぐ。

まりさからバトンを受けたぱちゅりーが簡単な計算問題と読み問題を解く。そしてアンカーのちぇんが走ってゴールとなる。

「ゆっほ!ゆっほ!」

「わかるよー!!わかるよおお!!!」

「すいーすいー」

「これは"ほんじつ"(本日)ってよむのよ!むきゅ、これは"じゅうご"(15)ね。15は……むきゅん!3かける5が15よ!」

会場が沸いた。れいむ達のフットワークも良いが会場に貼られているポスターの文字や数字を読んでいくぱちゅりーにも舌を巻いたのだ。

「続いて第2コースのまりさ選手、ありす選手、ぱちゅりー選手、ちぇん選手のアピールタイムです!!」

これまたレベルの高いゆっくり達であった。

「すげえな」

「流石にトップクラスともなるとな」

「こいつは選ぶのが難しいぜ」

イベント前半は好評のうちに終了した。そしてイベント後半を迎えた。

「第1コーナーのまりさ選手のアピールタイムです!!」

「ゆおおお!!!!!ゆおおおおおおお!!!!」

まりさが気合を入れてからコースを走り出した。いつもとは違う。何かが違う。

「続いて第2コーナーのまりさ選手のアピールタイムです!!」

「ゆおおお!!!ぜえええええったいにかつぞおおお!!!!」

このまりさも気合を入れてから走り出した。そして全てのコースのまりさのアピールが終わった。

「それではレースを始めましょう!!」

まりさ達がスタートラインに揃った。

「ゆおお!!!!ゆううううう!!」

「ゆがあああ!!!ゆあああああ!!!!」

「ゆごおおおおお!!!!!」

まりさ達が気合を入れる。今回のレースではまりさ達の後ろに家族が控えていた。

「まりさ!!!ぜええええええったいにかってね!!!!」

「なにがなんでもかつのよ!!!おちびちゃんのためにも!!!!ぜえええええったいに!!!!」

「おちょうしゃん!!!じぇったいにかっちぇね!!!!」

「おねがいだよ!!!!おとうさん!!!かってね!!!」

家族のゆっくり達の応援にも熱が入っている。妻も子供も必死だ。

「今回のレースには色んな罠が仕掛けられてます。果たしてまりさは突破できるのでしょうか?それでは…スタート!!」

一斉にまりさ達が走り出した。

「ゆおおおお!!!!」

「ゆがああ!!!!!」

雄叫びを上げながら走るまりさ達。中々の接戦だ。

「これはハイレベルだ!!おおっと、ここで最初の罠の登場だ!!」

まりさ達の目の前にケーキが置かれている。

「ゆおおお!!!」

「けーきさんいらだいよお!!!」

なんと大好物のケーキを無視して走って行った。だが1匹のまりさはケーキに食らいついていた。

「なにじでるのおお!!!!ゆっぐりじないではじっでよおおお!!」

「おとうさんのばかあああ!!!ひとりだげずるいよおおお!!!」

家族が罵声を上げるがそんなのはお構いなしにケーキを貪り続ける。

「むーじゃむ-じゃむーじゃ!!!…ゆびゃ!!!ぎゃ…がらいよおおお!!」

甘いのは表面だけで少し食べれば唐辛子でコーティングされた部分が現れるようになっていた。

「がらいよおお!!!…ゆあ!!!は…はじらないとおお!!!!まっでえええ!!!」

我に返ったまりさがまた走り出した。

「うっうー!!」

「ゆっくりしね!ゆっくりしね!!」

罠はまだまだあった。れみりゃやふらんに追いかけられたり…

「んほおお!!!!まりさ!!!すっぎぢしまじょおお!!!!」

レイパーありすに襲われたり…。そんなこんなでついに1周し家族が待つゴールへ辿り着いた。

「1着は2コースのまりさ!!2着は5コースのまりさ!!」

「やっだよ!!!やっだあああ!!」

「まりざあ!!!やっだね!!!よがっだねえ!!!」

「ありがどおおお!!!おとうざああん!!!」

家族で固まって涙を流しながら喜んでいる。

「ゆぅぅ…あともうすこしだっだのにぃぃ…」

「なにじでだのおお!!!!あんなどごろでどまっでだのがわるいんでしょおおお!!」

「おちょうしゃんのばきゃああ!!!ゆっくちちたかったにょにいい!!!」

3着以下はゴールしたまりさを家族総出で罵倒していた。

「これで…なんとかなっだよ…」

「おつかれさま…うん…いいんだよ…これで…」

「またがんばろうね……よかった…」

中にはさめざめと涙を流し慰めている家族もいる。

「ブービーは1コースのまりさ!ビリは6コースのまりさだ!!」

「ゆがああ!!!!ばがああ!!ばがあ!!!!ばりざのばがああ!!!!!」

「ゆわあああん!!!!どぼじでええ!!!!!おどうざんのばがああ!!!おどうざんなんが!!じねえ!!!」

「まりざのばがあ!!ゆっぐりでないじい!!!どうじでぐれるのよおお!!!!」

「ゆっぐ…ごべんねえ!!!ごべんねええ!!ばがなゆっぐりでごべんなざいいい!!!」

こちらは家族総出で泣きじゃくっている。まりさはまりさで泣きじゃくりながら謝り続けていた。

「配当レートはこちらの電光掲示板をご覧ください。それではクズ家族2組の処刑と参りましょう!!!!」

下位2着のまりさ達とその家族が抱きかかえられた。

「いやああ!!!!じにだぐないい!!!だずげでえ!!!だずげでえええ!!!」

「ゆっくちちゃちぇてよおお!!!!ゆっくちちたいよおお!!!!ゆええぇえぇえん!!!!」

「ばりざのばがあ!!!!!ばがああ!!!!ゆわあぁあぁあぁあぁん!!!!!!」

「はなじでよおおお!!!!はなじでええ!!!!もういっがい!!!もういっがいちゃんずをくだざいい!!!」

ゆっくり達は大きな声で泣き叫んだ。逃げ出そうと大いに暴れた。

「さぁて!!ではまず処刑方法を決めましょう。ルーレットスタート!!」

様々な処刑の方法が書かれたルーレットが回った。

「いやああ!!!ゆるじでええ!!!」

「おちょうしゃんのばきゃああ!!!!ゆっくちちちゃいよおお!!」

「さあどれに止まるのか!!!…………お!"何もしない"ゾーンに止まるか!!??」

ルーレットにはほんの少しの領域だけ"何もしない"という部分があった。

「ゆう!!!!おねがいだよ!!!とまって!!!そごでとまってよおお!!!!」

「ゆっくちできりゅにょ!!???ゆっくちちたいよ!!ゆっくちちたいよ!!!」

「どまっでえええ!!!!そこでとまっでよおおお!!!」

抱きかかえられたゆっくり達が懇願した。その願いが届いたのだろうか、ルーレットが止まった。

「「「「「「「「やったあああ!!!!!!ゆっくりいいいい!!!」」」」」」」」

ゆっくり達は大いに喜んだ。皆笑顔だ。

「ここでとま………ああっと!!動いた!!!!!」

ほんの数秒のインターバルがあってルーレットが"何もしない"ゾーンから離れた。

「「ど…どうじで……」」

「「うそ…うぞでじょおおお!!!!」」

「決定しました!!!"熱々のお水さんへダイブ"の刑だあ!!!」

そう簡単に許されて堪るものか。これも演出のうちだ。上げてから叩き落とす、ゆっくり虐待の基本だ。

「あづいのはいやだああ!!!!!」

「どげじゃうよおおお!!!!じんじゃうよおおおお!!!」

「ゆええぇえぇえん!!!るーりぇっとしゃんのばきゃああ!!!!」

沸騰したお湯が入った水槽が運ばれてきた。細長い鉄板が2本用意され1家族につき1本、1列に並ばされた。

「ゆああ!!!!こわいよおおお!!!!だれがあああ!!!!」

「あんよしゃんがあちゅいよおおお!!!!」

「おちだくない!!!おぢだぐないよおお!!!!!」

「もういっがいだげ!!!!もういっがいだげはしらぜでえええええ!!!!」

2本の鉄板が水槽の上に載せられた。鉄板の幅は子ゆっくりが2、3匹分。親ゆっくりは体の一部分が鉄板からはみ出ている。

「ではここでクズ2組の生い立ちを振り返ってみましょう!!」

ステージが暗くなり1枚の写真がスクリーンに映し出された。

「これはここに来た当初のまりさとれいむ夫妻です。最初はNormalコースで頑張っていましたね」

「ゆぅぅぅ……」

「みだくない!!!みぜないでえええ!!!」

だが親ゆっくりは動いてしまうと確実に下へ落ちてしまうためスクリーンを正面に動くことができない。目を逸らすことができないのだ。

「そして待望の赤ちゃんが誕生しました!!元気なまりさが2匹。いやぁ可愛いですねえ!!」

今度は2匹の赤まりさと一緒に並んだ家族の写真が映し出された。

「いやあああ!!!!!じにだぐない!!!!じにだぐないよおお!!!!」

「ゆああああ!!!やべでえええ!!!!」

「おかあざああん!!!!おどうざあああんん!!!」

「やじゃ!!!やじゃああ!!!」

昔のゆっくりできた日々を思い出し生きることへの執着が強くなったのだろうか。

「しかし今日でゆん生も終わり!!もう明日からは走らなくてもいい!!寒い思いをしなくていい!!お腹が空くこともありません!!」

スクリーンが真っ暗になった。

「はしりだいい!!!はじらぜでええ!!!!はじるがらああ!!!!」

「さむぐでもいいよおおお!!!!あづくでもいいがらああ!!!」

「ごはんいらにゃいからああ!!!!ころさないでえええ!!!」

「しにだぐないよおお!!!!ゆるじでよおおお!!!!!」

スクリーンに水槽とその上で泣きじゃくるゆっくり達が映し出された。

「さて、皆様。カウントダウンをお願いします!!10からいきますよ!!!」

「10!」

「「「「「「9!8!7!」」」」」」

「いやああ!!!やめでええ!!!」

「やべでよおおお!!!!じにだぐないいい!!!!!だずげでええ!!!」

「いやだああ!!!!いやだあああ!!!!!」

「とめでよおお!!!!!」

「「「「「「6!5!4!」」」」」」

「いやああああ!!!!!いやああああああああ!!!!!」

「とめでええええ!!!!!ゆがああああああああ!!!!」

「「ゆぇええぇえぇええぇえぇん!!!!!!」」

「「「「「「3!2!1!」」」」」」

「いやあああ!!!!!いぎだいい!!!!まりざは!!!!いぎだいよおおお!!!!」

「おにい!!!!あぐまああ!!!!!」

「「ゆっぐ……ひっぐ……ゆっぐぢ…」」

「「「「「「0!」」」」」」

「「「「やあああああああああ!!!!!!!!」」」」

……………

………

「……」

「「「「「「……」」」」」」

「ゆ?」

「おち…てないよ…」

「しんでないよ…」

「ゆっくち…できる…の?」

家族の顔に少し生気が蘇ったところで………

「ゆあああ!!!おぢるううう!!!!」

「ゆぎゃあああ!!!!!」

「あじゅいよおおお!!!!!」

「どげぢゃよおお!!!!じんじゃうよおおお!!!!」

鉄板がひっくり返されまりさ達はお湯の中へダイブした。会場は割れんばかりの拍手と喝采だ。

「あぢいい!!あぢいいいい!!!!」

「ゆぼぎょぼよぼよ……あづうう!!!!ゆぐびょおおおおお…あづううう!!!だずげ!!!ゆぎゃあああ!!!」

「おぼうち!!!おぼうぢいい!!」

「のれ!!!!…のれだいよおお!!!!!あじゅいよおおお!!!!」

まりさ達は帽子に乗ってお湯に浮かぼうとするが沸騰したお湯で体中が悲鳴を上げているため上手く乗ることができない。

それ以前に熱湯で帽子がどんどん溶けていく。れいむはもがいたがあっという間にボロボロに溶け始めた。

「それではビリのまりさ達の生い立ちを見てみましょう!!」

再びスクリーンに写真が映し出された。

「ここに来た時のまりさとありす夫妻、そしてまだ赤ちゃんだったありすですね。いやぁ可愛い」

続けて今度は別の写真が映し出された。

「順調に勝ち進み何とHardコースまで上りつめました。それはこの時の写真です」

中々のおうちと山のような昇格祝いの御馳走。そして嬉しそうなまりさとありす、そして子ゆっくりにまで成長した子ありす。

「こちらはスィーに乗ってる写真ですね。ありすのお腹が膨らんでます。赤ちゃんがいたんですね」

スィーに乗って嬉しそうな家族の写真。ここで子まりさが叫んだ。

「まりさはのっでないよお!!!!ゆええぇえぇええん!!!!まりさものりだがっだよおお!!!」

「ごべんね…。ごべんね…」

「おどうざんのばかああああ!!!!おかじだべだがったよお!!!すぃーのりだがっだよおお!!!」

「ゆっぐ……ごべんなざい…。ごべんなざあいい!!!ゆわぁああぁああん!!!!」

まりさは泣きじゃくりながら謝っていた。

「しかし!!順調なのもここまで。どんどんクラスが落ちていきました」

慢心してすぐにNormalコースへ落ちた。そのままEasyまで一気に落っこちてしまった。

「これが都落ちのまりさ達です!!」

泣きながら外へ追い出されるまりさ達の写真が映し出された。

「なんか凄いもん取っておくんだな」

会場でヒソヒソ声が聞こえる。

「昇格や団欒の写真もあるってことは取り敢えずは思い出用だったんじゃね?」

「まあいいじゃないか。この写真だけでもいいスパイスになるぞ」

スクリーンがまりさ達に変わった。

「激動のゆん生のここまで!!もう落ちることはありません!!」

「いやだあ!!!じにだぐないい!!!」

「おかぢい!!!!おかぢいい!!!!すぃぃいいいい!!!!!」

「ゆわあぁああぁああん!!」

泣き喚くゆっくり達。そして鉄板がひっくり返された。

「ぎぎゃああ!!!あづいいいい!!」

「どげるうう!!!ぢょぎぇええええ!!!」

「あじゅいいよおおお!!!!」

「ゆっぐぢぢだぎゃっだよお!!!」

ビリ2組の家族が虐待されているところを見せつけられていた上位4組の家族は黙ってしまった。

「ひぃぃぃぃ…」

「よがっだよぉ……。あんなめにあわなぐで…よがっだよ…」

「ぅ…ぅん。…まりさ…ありがとう……」

さっきまでまりさを責め続けていたゆっくりはいなくなった。あんな目に遭うよりかは遥かにマシだ。

処刑が終わった。水槽の中が静かになったのだ。

「こ…これで…かえれるね…」

「おちびちゃん…いっしょに…ゆっくりしようね…」

レース場に残っているまりさ達はホッとした表情だ。

「それでは次のレースに参りましょう!!選手交代です!!1コースと6コースのまりさ選手の登場です!!」

2組のまりさ達家族が運ばれた。

「ちなみに残りの4匹の選手は連続して出場させていただきまぁす!!」

急なアナウンスにまりさ達は慌てふためいた。

「ゆうう!!!!????ちょ…ちょっどまっでえええ!!!!!」

「まりざはもうはじっだよおおお!!!!!」

「こうたいでしょおおお!!!!!!!こうたいじでよおおお!!!!」

「どぼじでええ!!!!おうぢにかえじでえええ!!!!」

まぁ当然と言えば当然の反応だ。

「まりざはもうはじっだでしょおお!!!」

「やくそくがちがうよおお!!!もういいでしょおお!!!!」

家族達も喚き始めた。

「では第1コースのまりさ選手のアピールタイムです!!」

司会はお構いなしに進行をしている。

「どうなっでるのおお!!!????」

「おにいさん!!!せつめいしでね!!!どうなっでるのお!!???」

このままでは埒が明かないので傍にいた係員が答えた。

「2着までに入ったらクラス昇格。下位2匹は処刑。それ以外はゆっくりしていい」

「そうでしょおお!!!!だっだらもうゆっくりさせでよおお!!!!」

「のーまるにあげでよおお!!!!やくぞくじだでしょおお!!!!」

まりさ達は抗議した。

「けどさ、誰も1回勝てばいいなんて言ってないよ」

「「「「ゆ!!?????」」」」

「だからさ、1回勝ったくらいで何偉そうにしてんだよ?ってことさ」

気のせいだろうか、まりさ達の顔色が黒くなっていく。

「2、3、4、5コースはさっきやったからいいね。最後に第6コースのまりさ選手のアピールタイムです!!」

「ほれ、もうそろそろレース始まるぞ。気合入れろよ気合。負けちまうぞ」

「そ…そんなぁ……」

「もうはじりだぐないよおお!!!」

「ゆっくじさせでよお!!!!」

「いじわるう!!!おにい!!あぐまあ!!!!」

「走りたくないなら別にいいよ。さっきのまりさ達みたいに処刑されるだけだからね。で、リタイアしたいのは誰?」

「ゆぅぅぅ…」

「はじるよぉ…はじればいいんでしょお!!!」

「ゆっぐりじだいよぉ…」

「ひどいよぉ……」

まりさ達は涙を流しながらコースに戻った。

「全員揃いましたね!!それではスタート!!!」

「ゆんしょ!!ゆんしょ!!」

「ゆおおお!!!!ゆおお……」

「ゆひいいい……もうはしりだぐないよおお!!」

まりさ達は走り出した。今レース初登場の2匹は気合いを入れて走っているが連続して走っている4匹に活気がない。

「ゆおおお!!!ゆおおおお!!!」

「ゆああああ!!ゆ!!じゃますんなだぜえ!!」

「ゆぎょおおお!!!…ゆべっ!!!!」

先頭集団を走っていたまりさ達が接触し1匹のまりさが吹っ飛ばされた。

「ゆあああ!!!!まっでえええ!!!!じにだぐないい!!!あづいのはいやだああ!!」

連続出場のまりさ達は処刑シーンを目の当たりにしていたのだ。疲れていても必死に走った。

「1着は1コースのまりさ選手!2着は4コースのまりさ選手だ!!」

前レースと同様、まりさ達家族は泣きながら喜んでいた。

「ブービーは6コースのまりさ選手!ビリは2コースのまりさ選手だ!!」

「ぢょ…ぢょっどまっでええ!!!ずるいよお!!!」

「そ…そうよおお!!まりざは…まりざはじゃまざれだのよおおお!!!」

「しょいちゅがおちょうしゃんをじゃまじだんだよお!!!」

「いやだああ!!!!あづいのはいやああ!!!」

ビリになったまりさ達は必死に抗議した。1着になったまりさに吹っ飛ばされたためビリになったのだ。

「ずるだよおお!!!はんぞぐだああ!!!」

「うるさいんだぜ!!!かつためにはなんだってするんだぜ!!!」

「あんなゆっぐりじでないまりざなんでじねばいいのよ!!!やりなおじよ!!」

「なによこのいながものおお!!!そっぢがぶつがっでぎだんでじょおおお!!」

コースが隣同士ということもあって家族同士で口喧嘩になった。生死がかかっているのだ、両者とも必死だ。

「えー、さっきから1コースと2コースのまりさ達が喧嘩してますが…」

司会が言う。

「このレースにルールなんてありません!!勝てばいいんです。よって2コースのまりさ達は黙ってていてくださいね」

「そ…そんなあああ!!!!!」

「ぞんなのどがいはじゃないわああ!!」

「ゆっへっへ!!まりささまにかなうはずがないのぜ!!」

「いながものはゆっくりしないでしんでね!!!」

ビリになったまりさ達が抱きかかえられた。

「まっでよおお!!!ばりざはまえのれえずでとっぷだっだんだよおお!!」

「はなじでえ!!!はなじでよおお!!!」

「ちにちゃくにゃい!!!おろちちぇええ!!!ゆええぇえぇええん!!!」

「あづいのはいやあああ!!!!ゆっぐじしたいよおお!!!」

ルーレットが回った。

「処刑が決定しました!!"解体ショー"だあ!!!我こそは!という方いらっしゃいませんか?」

会場から希望者が募られた。

「いづになっだら…ゆっくり…できる…の……っぐ…」

「ひどずぎるよ…ゆぐっぢじだいだけなのにぃ……」

コースに残されたまりさ達は涙を流していた。

「ゆぎぃいいい!!!おべべがああ!!みえないよおお!!!!」

「ゆがあああ!!!!ぬが…ゆびょおお!!いひゃいひょおお!!!!」

「ありずのかみのげえええ!!!かぢゅうじゃあああ!!!!」

下位2組のまりさ達は飾りが、髪が、目が、歯が取り除かれていった。

「解体終了です!!!残った饅頭はれみりゃやふらんにあげちゃいましょう!!!」

「ぼうれえずはいやあああ!!!」

「こうだいじでよおお!!!」

まだまだ走らされるようだ。


「ぼ…ぼう…はじれないよ……ゅ……ゅ…」

あれから3レース立て続けに出場したのは5コースのまりさだった。最初から出ているのはこのまりさだけとなった。

奇跡的に下位2位にはならなかったがもう体力も気力も限界を迎えている。

「おどうざん……がんばっでぇ…」

「ちにちゃくにゃいよお!!おにぇぎゃいだから!!!!はじっでよおお!!!」

誰だって死にたくはない。子れいむや赤まりさは悪いと思いながらもまりさに走り続けるよう懇願する。

「まりざがじんじゃうよおお!!でぼ…はしらなかっだら…れいむたちもじんじゃうよ…どぼじだらいいのおお!?」

妻のれいむは夫であるまりさを気遣っていた。

「ゅ…な…なに?…ゆが!!!は…はなじでええ!!」

まりさが急に抱きかかえられた。

「おとうざん!!!だじゅげでえ!!!!おろちでええ!!」

「いやあああ!!!ちにちゃくにゃい!!!ちにちゃくにゃいよおお!!!!」」

「ゆああああ!!!!!もういいでじょおお!!!!まりざいっばいはじっだよおお!!!」

まりさ達は処刑台に連れて行かれると思っているのだ。

「はじるがらああ!!!はじりまずう!!!!はじるがら!!!ころざないでええ!!」

まりさが必死に叫ぶ。が、まりさ達は会場からどんどん離れていく。

「はじらぜでええ!!!!れええずうう!!!れえええずうう!!!!ゆがあああ!!!」

まりさ達が連れて行かれたのはダンボールがたくさん置いてある部屋だった。

「よくやった。約束通りNormalコースへ昇格だ」

まりさを抱きかかえていた男がまりさをそっと下ろすとそう言った。

「ゅ……ゅ…」

「おーい。まりさ、お前はNormalコースに昇格したんだよ」

「ゅ…ゆ!!!ほ…ほんとう?」

「も…もうまりさは…は…はしらなくていいの?」

「ゆっくりできるの?」

「ゆっくちちていいにょ?」

「ああ。今日のお勤めはこれでお仕舞い。ご苦労さん」

「「「「ゆわああぁああぁん!!!!!よがっだよおお!!!!」」」」

まりさ達家族は泣きながら喜んだ。

「ゆ?」

「なにがあったの?」

周りのNormalクラスのゆっくりが何事かとこちらへやってきた。

「あ、お前らはあっち行ってろ。しっし!!」

彼が手で払いのけるとゆっくり達は素直に帰っていった。

「まぁ…2位4位4位3位4位か。どこかでもう1ランク上だったら……って聞いてないな。おい」

彼の話は全く耳に入っておらずまりさ達はまだ泣いていた。

「ほいほい、話を聞いてね。聞かないんだったらEasyに戻すよ」

手をパンパンと叩いた。

「ゆ!!は…はい!!!!」

「おちびちゃんたち!!しずかにしてね!!!」

まりさ達がこちらを向いた。

「とりあえず今日明日は休んでいい。明後日からここのNormalゆっくりとしてレースに出ろ」

「ゆっくりりかいしたよ!!」

「あんな惨めな生活は嫌だろ。努力して上を目指しな。あと…これは俺からの昇格祝いだ」

彼はポケットからまりさ達へ飴玉をプレゼントした。1匹につき2つだ。

「あめしゃんだああ!!!!ゆっくち!!!ゆっくちできりゅよ!!」

「おにいさん!!ありがとう!!!」

子ゆっくりと赤ゆっくりが真っ先に飴玉に飛びついた。

「俺じゃなくてまりさにお礼を言いな」

「まりさ!!!これからもずっとゆっくりしようね!!!」

「おとうさん!!!ありがとう!!!」

「まりちゃもおちょうしゃんみちゃいなゆっくちになりゅよ!!!」

「ゆん…ゆん…。まりさはこれからもがんばるよ!!!」


その頃会場では次のレースが行われていた。今日はまりさデー。明日はちぇんデー、明後日はありすデー、最終日がれいむデーだ。

ちなみにぱちゅりーは頭数が少ないためEasyコースにはいない。

「これは…意外でしたね」

「ああ。まさかこんなに集まるとはな」

大いに盛り上がる会場の最後尾で職員とこの店のオーナーが会話していた。

「どうでしょう、今後も定期的にこういったイベントをやるっていうのは?」

「いいかもしれない。月1でやるか。Easyゆっくりの処分にも困らないし」

レースの結果が出たようだ。

「さぁ!!次の処刑が決まったぞ!!"ゆっくり節の刑"だ!!」

ステージにカンナが運ばれた。カンナでゆっくりを削っていくというものだろう。

「いじゃあああああああ!!!いじゃいよおおお!!!」

「ばりざのぜなががああ!!!!いだいいい!!!やべでええ!!!!」

ゆっくりだって使い方次第では人間の役に立つのだ。もはや害獣ではない。




また会う日まで






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最終更新:2022年05月03日 19:31