概要
余談
元ネタはメルヴィル著『白鯨』に登場するモビィ・ディック、もしくはそのモチーフとなった実在の白鯨モカ・ディックだろう。
キリスト教的なエッセンスが多い本作においては、同じくキリスト教的テーマを取り扱った前者のほうが自然かもしれない。
宇宙・空から降ってくる、あるいはそれらを回遊している鯨というモチーフは創作においてしばしば使用される。
ロバート・F・ヤングの『ジョナサンと宇宙クジラ』では、星間を漂う巨大なクジラと、その体内で生きる人々が描かれる(『ヨナ書』におけるヨナとクジラを下敷きにしていることは言うまでもない)。
また、『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズでは、高度工業惑星マグラシアのミサイルが無限不可能性エンジンの影響で一匹のマッコウクジラへと変じ、マグラシアの大地へと落ちてくる。クジラはそのさなかに周囲の様々に名前を付け、自身の言葉によって世界を定義し──ウィトゲンシュタインに言わせれば、「私の言語の限界が、私の世界の限界を意味する」ように振る舞い、眼前に迫り来る大地と友誼を結ぶことを夢想しながら、ついぞ現実を理解できず墜落して死ぬのである。
「地上へ向かってミサイルのように落ちてくるクジラ」という点で、古代魔法とは奇妙な類似性が見いだされる。
最終更新:2026年02月15日 16:40