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第三話
- 六羽の鳥。ガチョウかアヒル、あるいはカモだろう。
- 余談だが、キリストにマントを分け与えて洗礼を受けたフランス・ドイツの守護聖人、聖マルティヌスの記念日にはガチョウ(鴨)を食べる習慣がある。
第四話
第七話
- 「Cruwn city」「to my love...」と書かれた風景の写真。キスマークが添えられている。
- 写っているのはホテルOO?
- 97/4/12の日付。
- 年齢からするに作者Ryu genkei氏の旅行記念等ではない。作中時間?
第八話
- 薔薇の花とそれに触れようとしている手。黒のマニキュアが塗られているため、トルトゥーガだと思われる。
- おそらくトルトゥーガがロゼール・デ・ブアデを殺したことに関しての描写。
- 磯部太一郎と磯部ガキに手を出そうとしていることの示唆でもある?
第九話
- 「招き猫記念品」と書かれた常州おたふく神社の招き猫の写真。前には太一郎が立っている。
- 97/6/21の日付。
第十話
- オオカミ。
- 「磯部ガキ」の上にセリフ。「ここまでだな──亡き記憶に囚われている俺に奇跡なんて起きねえし生まれ変わりもねえ」「自分の魂を縛り付ける運命に服従した瞬間から俺の存在は消え去る 傷跡だけを残して──」
第十一話
- 過越の祭り。カナン(約束の地)に到達したイスラエルの民が行う祭事の一つである。旧約聖書の『出エジプト記』『申命記』に記されている。『出エジプト記』においては、主がイスラエルの民を滅ぼさないようにするため家の柱や鴨居に屠った羊の血を塗るように命じ、それをイスラエルの民であることの目印としてその家を過ぎ越したことからそう呼ばれる。
- 『申命記』においては上述の出来事を忘れないよう、子羊の血によってイスラエルの民が救われたこと・贖われたことを祈念するため、主の定めた場所において、主の定めた時間に牛と羊を屠り、主に捧げなければならないとされている。
- キリスト教においては、『コリントの信徒への手紙一』の中で「わたしたちの過越の小羊であるキリストは、すでにほふられた」と書かれているように、キリストは人類がその原罪を贖うためにほふった子羊であると解釈される。
第十二話
- ヒンドゥー教で信仰される象頭四臂の神ガネーシャの絵画。障害を討ち払い財と知恵を司る神。シュリー・ガネーシャ。
- ガネーシャとは集団(ガナ)と主人(シャ)の複合語であると解釈されることが多く、すなわちその名は父にしてトリムルティの一角である破壊神シヴァの従者神群(ガナ)の主であることを意味する。
- 神話においては、シヴァの妃パールヴァティーが単独で産んだ神であり、シヴァによって首を刎ねられてしまう。パールヴァティーにそれが息子であると告げられたシヴァはガネーシャの首を取り戻そうとするがついに見つからず、象の首をガネーシャの胴に据え付けた。
- シーヴァと関係があるかもしれない。
- 獣頭の神、すなわちトルトゥーガに合わせてしばしば描かれる獣性の象徴である可能性がある。
第十三話
- ギリシアにおける豊穣と酩酊、狂乱、ぶどう酒の神であるディオニュソス(バッカス)。画像の出典はリュシクラテスに設置された記念碑。ギリシア神話において、海賊に捕縛されたディオニュソスが軽く頷くと、その体を縛る鎖はライオンへと変化してディオニュソスと戯れた。
- ぶどう酒とは転じて神の血である。ヨハネの福音書によれば、イエス・キリストが公に見せた最初の奇跡は水をぶどう酒に変えることであったという。
- 「磯部ガキ」「風のうわさで聞いた 仲間はみんな混沌に飲まれて消えた────...って」の文字。
- 数百年前ミラカワ地区に派遣されて磯部ガキの前に全滅した先遣隊のことだろう。ここでは磯部ガキを「混沌」と評しており、それと関連するセリフとして、大札使い(封印術師)たちはガキの復活により「世界に混乱をもたら」すと述べている。
- 反面紅丸は五家を「混沌の元凶」と呼んでいる。
第十四話
- 蛇を嚙む豹。Katie Scott氏のアート。
- トルトゥーガおよびアブレウスの持つ獣性の象徴かもしれない。
第十五話
- サメの頭部。ホオジロザメかニシネズミザメだろう。
- 第四話サブタイトル『鱶胃袋』との関連性が読み取れるが、詳細は不明。
- 十六話で発動される古代魔法の中にサメもいたのだろうか。
第十六話
第十七話
- 「アブレウスは神々から炎を盗み出し人類に与えた 怒った神々はアブレウスを串刺しにし彼を封じた そして人類は炎で大地を焼き尽くした──」
- アブレウスについての神話。単なる寓話に過ぎないのか、この世界で実際に起こったことの記録なのかは不明である。アブレウスの永炎はおそらくここに由来する力だろう。
- 人に文明の象徴たる火を与える神々の神話は世界各地に残っている。
- ギリシアにおいてはオケアニデスの子、すなわちは上古を支配したティーターンの裔たる鍛冶神プロメーテウスが人類に火を与えたが、しかし人類がその力で幾度となく戦争を引き起こしたため、代償としてゼウスの命により磔にされ生肝を喰らわれ続ける罰を与えられた。
- ユダヤ教のうち今日では偽典とされる『エノク書』では、人類を監視するために主に遣わされたグリゴリの一団が、指導者のひとりであるセムヤザ(シェミハザ)の提案により、人類に火を与え妻を娶り地上で暮らすことを決めた。その子らである巨人ネピリム(ネフィリム)は知恵と巨躯によって英雄となったとされる。しかし、戦争と飢えで荒れ果てた地上を見た主が大洪水を起こし、彼らすべてを流し去ったのちにグリゴリを地の底に閉じ込めた。
第十八話
- 「アブレウスは許しを乞う 何度も乞い続けたが 彼は己の罪を永遠に贖う宿命にあった」
- アブレウスについての神話。おそらくは人類に炎を与えたことで罰されている。
- 十七話の項目で述べた神話の類型に当てはまるもの。
第十九話
- 出典は不明。毛皮をまとっていること、二人組であることから推測すると『創世記』に描かれるアダムとエバ、あるいはカインとアベルだろう。サブタイトルが「カインとアベル」なのでそのまま後者の可能性が高い。
- 土より作られたアダムとその骨より生まれた女は、地のもとでもっとも賢い生き物である蛇に唆され、エデンの園の中央になる実を食べてしまう。すべて獣の中で呪われるようになった人間は、地において汗水を垂らしてパンを求め、苦痛と共に子を成し、塵より生まれたものとしていずれ呪われたる土へと塵になって還る罰を受けた。
- このとき、命あるものの母たる存在として女はエバ(命)の名を受け、アダムとエバは毛皮の衣服を授かり、エデンの東へと追放された。このとき、主は命の木を守るためにきらめく炎の剣とケルビムを置いたという。
- その子らたるカインとアベルは、それぞれ地を耕すものと羊を飼うものになった。主はカインの捧げる作物に目もくれなかったため、怒ったカインはアベルを殺し、それによって主の呪いを受ける。カインは「主に呪われて地を放浪するものとなった私を見れば誰であれ打ち殺そうとする」と言うが、主によって同時にしるしを受け、カインを狙うものは誰であれその復讐を受けるようになった。カインはエデンのはるか東、ノド(放浪者)の地に住んだという。
- これらは次ページと併せてアブレウスの神話に連なるテーマだろう。
- 「人という生き物は過ちを犯すし失敗もする」「結局 人は失敗から学ぶ以外方法はないのだ」
- おそらくアブレウス、あるいは他の高次存在の台詞。いくつかの神話において、神によって知恵を与えられた人類は最終的に争いを起こす。アブレウスもそのような人類を見て嘆いたのかもしれない。
第二十話
- ヒンドゥー教の神にして風神ヴァーユとアンジャナーの子ハヌマーン。アンジャネーヤ。
- 幼いころに果実と間違えて太陽を取ろうとしたため、雷霆神インドラによってその顎を打ち砕かれた。故にハヌマーン(顎の変形したもの)と呼ぶという説がある。
- 猿の主ともされ、その知恵と英雄性により篤く信仰されている。
- 猿の神、すなわちこれも獣の神と言えるだろう。トルトゥーガの獣性についての言及の一つであるかもしれない。
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