Chaosmode(カオスモード)-第六章-混沌状況(Chaos situation)
| + | ... |
「あー、あー、こんな感じか?」
煉は(小さい)凛音に聞く。 「うんうん、確かそれくらいの声だったと思うよ」 「自分の声ってどれだかわかんねぇもんだな、おい」 と、そこで煉はそろそろ学校に行く時間だと気づき、準備し始める。 煉が玄関から出ようとすると、 「じゃぁ、行こー」 「・・・お前も行くのかっ!?」 え?違うの?的な顔をしている凛音に、煉は続けてこう言う。 「いや、小さいんだぞ?お前。その状態でどうやって授業受けるつもりだ、おい」 「私、別に授業受けるわけじゃないよ?」 凛音はこう言った。 「じゃぁ・・・お前は何しに行くんだよ・・・」 煉はうなだれた様子で凛音に聞く。 「むー、私に行かないというなら、一体どこにいろと?」 と凛音は少しムッとしてこう言った。 「・・・この家にいればいいんじゃね?」 「この小さい体の私に、危険だらけの家にいろと?」 「ぐっ・・・」 煉はそれを聞くと、確かに小さい凛音を家に置いておくのは色々と危険な気がした。 「ふふーん、分かったようね、じゃぁ行こ?」 「はは・・・分かったよ・・・」 煉はもう笑うしかない、みたいな感じで返事をすると、玄関を出た。
* * *
「この体もこうやってると楽でいいわねー」
煉の肩にかけているバッグから身を乗り出す凛音。 「あのさ・・・何かリアルなフィギュアを学校に持ち歩く人、みたいに見えると思うのは俺だけかな?」 と煉はそう言いながら、がくーとうなだれる。 もうこうなってしまったら仕方が無い。 「ちゃんと、誰か来たら隠れてくれよ、頼むから」 「どーしよっかなー」 「おいっ!」 「はは、冗談冗談、ちゃんと隠れるからっ」 煉は半ば怪しみつつも学校へと向かう。
「着いた・・・なんかいつもより長くかかった気がする・・・」
「まぁ、気にしちゃだめだって」 凛音は笑いながら、そう言う。 「・・・、頼むからそろそろ隠れててくれないかな」 そう言うと煉は凛音をバッグへ押し入れて、バッグのファスナーを閉じる。 凛音がなんか言っているが、煉は気にしないことにした。 「うーっす、どうした煉っ、そんなとこで立ち止まって!」 ふと後ろを見るとそこには煉の友達、隼がいた。 「お前か・・・」 「あれ、風邪か?なんか声変だぞ?」 声を低くしていなかった煉の声に対し、違和感を感じる隼。 まっずっ、と思って煉は慌てて声色を戻す(?)、 「あー、あー、いや、何でもない、気にすんな、ハハハッ」 隼は首を傾げているが気にしないことにしたようだ。 「まぁいいか、早く行こうぜ、一時間目からテストだし」 と隼が言うと、 「テ・・・スト・・・だと・・・!?」 「あぁ、そういやお前昨日休んでたっけ、今日、数学の模擬(プレ)試験(テスト)、もち追試あり」 「聞いてねぇぇぇぇっ!」 煉は朝早くから叫んだ。 「そりゃそうだろ」 と隼はいつものこと、みたいに冷静に返す。 「冷たいな、お前・・・」 「まぁまぁ、とりあえず早く教室行こうぜ」 「あぁ・・・」 煉は朝から、もうカオス・・・って感じだった。
* * *
「・・・分かんね」
煉は小さく呟いた。 (直前で隼に聞いたはいいが、あんま頭に入らなかったんだよなー) シャーペンを置き、机にうなだれる煉。 ふと下を見ると、
凛音がこっちを見ていた。
「ちょ・・・お前、ちゃんと隠れてろっ」
煉は凛音に囁く。 「問題ない、問題ない、ほら、隣の奴いないじゃん」 凛音の言うとおり、隣の奴は理由は知らないが休んでいるのだ。 「いや・・・それでも問題あるだろ・・・一応授業中ってかテスト中なわけだし、バッグん中で静かにしててくれよ・・・」 「まぁまぁ・・・」 と言いつつ、凛音はバッグから煉の足へと飛び移る。 「ちょっ・・・おまっ・・・」 と、煉は慌てて止めようとするが、 「あまり騒ぐとばれるわよー?」 といった凛音の脅し(笑顔付)の前にどうしようもなかった。 「・・・ひでぇ・・・っていうか何この混沌(カオス)状況っ」 本当は思い切り叫びたい煉だが、テスト中だし、他の人に聞こえないレベルで叫ぶ(?)煉。 「んじゃ、あんたは寝る、みたいな格好になって」 「は?」 凛音の意味不明発言に戸惑う煉。 「いいからいいから」 「?」 言うとおりに机にうつぶせる。 よいしょっとか言う声が少し聞こえたかと思うと、凛音が机の上に上がっていた。もちろん煉の体に隠れるように。 「・・・」 思わず絶句する。 「お前は何をするつもりだ」 「開始十分で力尽きちゃった煉を手伝ってあげようかと、暇だし」 「・・・お前、俺より学年下だろ、普通に考えて無理だろ」 煉は言い返したが、 「なんでよー、この辺とか中三の応用じゃない」 と言って、凛音がシャーペン(の芯)で式を書き始めると、煉は何も言えなくなってしまった。 ――何で分かるんだよ・・・こいつ・・・ そんなことを考えたが仕方が無い。煉は授業の大半寝ているから内容がほぼ分かってないのは仕方ないのだ。 大体試験前に気合と勘で勉強し、並の成績をとるのが精一杯な煉と、混沌空間のせいで少し欠席日数が多いが、その分ちゃんと埋め合わせする凛音とじゃ、頭の良さが違うのは明確だった。 「んー、分かるとこは書いといたから、ぎりぎり受かるんじゃない?」 「あー、そう・・・すか」 もう煉は何か言う気力さえ起きなかった。 凛音を無理やりバッグに戻し(凛音の口を塞ぎつつ)、ファスナーを閉じると、普通に寝てしまった。
* * *
「はい、終わりー」
そんな先生による回収の声で起きた。 用紙を前に回し、うなだれる。 「あー、凛音書いてたし、どうだろ」 そんな独り言を言いつつ、号令を待つ。
礼が終わると、煉は立ち上がり隼の席へと向かう。
「隼ー、どうだったー?」 「おう、案外ふつーに行けたぜ」 「まじかよ、お前もできてません組だと思ったのに」 「勝手に負け組にするな、数学はちゃんとやってるんだよ」 隼は少し呆れたように言い返す。 「ん・・・?」 「どうした?煉、窓の外なんか見て?何もねぇぞ?」 煉のぼーっとした様子に隼は言った。 「あ、いや・・・何でもねーわ、それより次なんだっけ?」 「物理物理物理」 「三回も言わなくていいからっ、てか物理かよ、たりー」 煉は席に戻ると、物理の準備をするため、バッグを開ける。 すると、 「いきなり入れるなっ!閉めるなっ!そして・・むぐっ」 いきなり叫んできた(もちろん小さいのでそれでも音は小さいのだが)凛音の口を指で塞ぐ。 「はぁ・・・頼むから黙れ、叫ぶな、暴れるな」 煉はそう言うと、教科書を取り出し、凛音に、 「家に帰ったらいくらでも愚痴聞いてやるから、頼むから静かにしてくれ・・・」 と言うと、バッグのファスナーを閉じた。 やっと声の高低の調節にもなれてきた煉だが、女の体だからか知らないが体力などがいつもより少ないのだ。いつも通りに過ごしてるとスタミナがもたない。 そうして授業が始まる・・・。
* * *
「おい、起きろー、もう昼休みだぞー」
「はっ!」 煉は隼に起こしてもらってやっと起きた。 「あぁ、悪い、ちょい寝ちまった」 「全然ちょいじゃねーよ、お前は寝すぎだ」 隼は冷静にツッコむ。 「って・・・ん?昼休み?」 「うむ、昼休みだな」 「さっきまで一時間目終わったばっかだったよな?」 「お前の中ではな」 「・・・」 「一応、お前号令ん時には立ってたけどな、すぐ寝たけど」 「ははは、意識ねぇ・・・」 煉はもう笑うしかなかった。 昨日あれだけ寝たのに、授業を三連続で寝るという快挙を成し遂げたのだ、そりゃ笑うしかない。 「てか早く昼飯食えよ」 「ああ」 隼はそう言うと自分の席に戻って飯を食べ始めた。 そう言われてやっと昼飯の存在を思い出し、昼飯(朝コンビニで買ったパン)を取り出して、すぐに食べようと、
した。
凛音が涙を浮かべながら寝ているのを見なければ。
――あれ?あくびで出た奴だよな?いや少し多くね?いや小さいから少ないんだけどさ―ってそんなことはどうでもいい
そんなことを思いながらも周りに気づかれないように凛音を起こす。
「おーい、凛音―起きろー」 「・・・ん・・・はっ」 凛音は飛び起きた。 「うーっす、昼休みだぞー」 「・・・昼休み?ああそっか、寝ちゃったのか・・・」 「そういやなんで泣いてんの?」 「ぇ?ちっ違う!泣いてなんか・・・」 ちょっと声が大きかったので(それでも小さいんだけど)凛音の口を止める煉。 昼休みで周りもうるさいので、ばれたりはしなかったようだ。 「まぁいいや、とりあえず飯食えよ、パン一欠けやるから」 そう言うと煉は凛音にちぎったパンを渡し、普通に食べ始めた。 「む・・・」 凛音は何か言いたげにしていたが、もらったパンを食べ始める。 「なんか無茶苦茶疲れた。何もしてないのに」 「寝すぎなんじゃないの?寝疲れだよ、寝疲れ」 凛音は煉に返す。 「・・・んなのあったっけ」 「姿勢そのまんまとかで寝るとそうなる」 「へー・・・ってか何で俺が寝まくりだって知ってるんだよ」 「え?いやあの、あれじゃん、昨日も帰ってきてすぐ寝たでしょ?」 「お前は知らないだろうが」 「う・・・まぁどうでもいいじゃない」 本当にどうでもよかったので煉はスルーすることにした。 煉は昼飯を食べ終わると、 「じゃぁ俺は隼とかと話してくるから、ちゃんと隠れとけよー」 「あ、うん・・・」 煉は凛音にそういうと、バッグを閉じて、話に行った。
* * *
授業終了のチャイムが鳴る。
「やっと・・・終わったぁぁぁぁあ」 煉はそううなだれながら言った。 それを見た隼が 「なんか一昨日と違うな」 「ん?」 「いや、一昨日は授業終わったーって叫んでたじゃん、今回は何か元気ないな、と思った」 「あー、そういうときもあるって」 煉はそう答えた。 (まさか、声の維持がこんな疲れるとは思わなかった・・・) 煉はそう思った。
* * *
「隼、隼ー」
HRが終わって、部活の準備をしている隼に煉は言った。 「ん?」 「・・・じゃぁな」 「いや、何がいいたいんだよ」 隼はツッコんだ。 「いや、何だっけ・・・あぁ、明日何あったっけ」 「あー、英語の追試があるよな、俺もかかったが」 隼はそう言った。 「英語?」 何の話か分からない煉は聞き返した。 「三時間目の単語テストの奴」 「三・・・時間・・・目?」 煉は焦る。 「・・・そういやお前爆睡してたな・・・これだよ、これ」 隼はそういうとバッグから一枚のプリントを取り出し、煉に見せた。 「・・・お前Keenしかあってないじゃん」 煉は二十問の単語テストで一問正解のプリントを見ると、呆れた顔でこう言った。 「黙れ、解いてすらいないお前には言われたくない」 隼はすぐに言い返す。 「とりあえず受けてないお前は必須で追試だ」 隼はプリントをしまいながら言う。 「まじですか・・・」 煉はがくっ、とうなだれる。 「まぁ、俺は部活いってくるから、じゃーなー」 「あぁ・・・じゃーな」
* * *
煉は校門を出るとバッグを少し開けてやり、こう言った。
「凛音―出てきていいぞー」 「・・・」 凛音は顔をひょい、と出すと煉をじっと見ている。 「・・・どうした?」 と、そんな凛音の様子を見た煉は言った。 「・・・いや、何で女声で喋ってるのかなって」 凛音は尋ねる。 「もう疲れた、声帯死ねる」 「目瞑ってると女の子にしか聞こえないよね」 そんなことを言った凛音の頭に、煉は軽くデコピンをする。 「痛っ、何で・・・」 凛音は涙目で言った。 「いや、分かれよ・・・」 煉はそう言うと、壊された塀の場所にたどり着いた。 「朝はKEEPOUTのテープが貼ってあったけど・・・やっぱ壊れたまんまだなー」 「そりゃねー、どうしようもないわけだし」 「案外酷いな、おい」 「それをなるべく防ぐために頑張るのよっ」 凛音は煉に言う。 「こんな混沌(カオス)状況じゃ何もできないんだけどなー・・・」 煉は自らの体と凛音の姿を見ながらこう言った。 |
Chaosmode(カオスモード)-第七章-怖いものは怖い(A scary thing is scared)
| + | ... |
「ただいまー、っていってもいつもどおり誰もいないけどなー」
煉はそう言いながら家に入る。 「・・・おかえりー、なんて」 「・・・お前も今入ってきたとこだろうが」 と煉は冷静にツッコんだ。 「・・・ちょっと言ってみたのに・・・」 頬を膨らます凛音をよそに、煉は凛音ごとバッグを置くと、 「じゃあ俺着替えてくるわ、三日間ずっと制服な気がしてならない」 「へー、あんた着替えるんだー。ずっと制服で過ごしてるのかと思った」 「普通に考えてないだろ・・・」 と言いながら、煉は二階に上がり、部屋に入っていった。
* * *
「・・・何か凄いね」
着替えて戻ってきた煉を見て、凛音は開口一番そう言った。 「・・・何がだよ」 煉がそう返すと、 「制服のイメージが、って話」 「はぁ?」 凛音は答えに意味が分からない煉は疑問を浮かべる。 「どういうことか詳しくお願いします」 「えとさー、制服だと、男に見えるけど、普通の服だと男物の服着た女の子にしか見え・・・痛っぁ!」 「頼むから言わないでくれ、案外気にする・・・ってか気にしてる」 煉は凛音にデコピンするとそう言った。 「・・・まぁいいや、でさ、何なんだ?」 煉がそう言うと、 「・・・何の話?」 「いや、今日学校で何かお前言ってたじゃん」 煉がそう言ったのを聞くと凛音はギョッとして、 「え・・・えと、別に気にしなくていいよっ!うん!」 「・・・無茶苦茶気になるんだけど」 「い、いやっ、だから気にしなくていいって!」 凛音は必死に手を振って拒否する。 「・・・ならいいや、でさ、この副作用ってのはどれくらいで戻るわけ?」 煉は話を切り替えて凛音に聞く。 「使った『カオス』の量に大体比例するけど・・・私はあと数時間で戻るんじゃないかな・・・」 「私は、って俺はどうなんだよ・・・」 煉がそう聞くと、 「分かるわけないでしょ、一回目なんだし」 凛音はそう言い放った。 「・・・まじですか」 「まじです、でも私と同じくらいか、ちょっと後で戻るんじゃないの?」 凛音がそう言うと、 「・・・そんなもんか」 と煉は無理やり納得した。 「でさ、あんたは部活とか入ってないわけ?」 凛音が煉にいきなり聞くと、 「あー、入ってねぇよ、帰宅部だよ帰宅部、めんどい部活なんてやる価値ねーじゃん」 「確かに一理あるけど、なんかやりなさいよ・・・」 と呆れる凛音。 その様子を見ると煉は、 「だっていい部活ないじゃん、何か気に入るのあればいいんだけどなー」 「・・・自分で作ればいいんじゃない?」 と凛音が言うと、煉は驚いたような顔をして、 「その手があったかっ・・・まぁめんどいから作らないけど」 「作らないんかい」 凛音はびしっとツッコんだ。 「だー、もう、うるせーな、てかお前自分の家はどうした、自分の家は」 「あるけど、ない・・・みたいな?」 「は?」 凛音がそんな回答をしてくるとは予想していなかった煉は疑問しか浮かばなかった。 「いやー、混沌空間に行ったあたりから、なんか親が色々と勘違いしちゃって・・・帰りにくいんだよね、はは・・・」 凛音が軽く笑いながら言うと、 「なんか・・・一言で言うとカオスだな・・・」 煉はそう言った。 * *
『じゃぁ飯作るから、色々起きても困るし、バッグん中入ってろ』
煉はそう言って、凛音をバッグん中に入れると、飯を作りにいった。
「あー、なんかありあわせで適当でいいかなー」
煉は人並みに料理はできる。どっかのレストランとかに出てくる意味不明料理などは普通に無理としても、野菜炒めだとか、カレーとかなら普通に作れるのだ。 「米は炊飯しといたのあるし、問題ねぇか、我ながらテキトー」 煉はそんなことを言いながらリビングに戻ると、色々とうるさいのでバッグに入れておいた凛音を出そうとした。 しかし、煉が凛音を見て開口一番飛び出した言葉はこれだ。 「・・・あのさ・・・もしかして暗いの苦手とか?」 「ひぐっ、ちっ違う!暗いだけなら怖くない・・・けど・・・」 凛音はまたもや涙を浮かべていた。煉は自分が泣かせたみたいで罪悪感一杯、ていうか自分が泣かせたのか?といった感じである。 「けど?」 「けど・・・」 「・・・いや、言いたくないならいいけどさ」 「い、いや、やっぱ言うよっ」 「じゃぁ・・・けど、なんだよ?」 「けど・・・暗いだけならいいんだけど・・・」 「うむ」 「暗くて狭いと怖くて・・・」 と凛音が言うと、 「・・・クッハハ・・・あのさ・・・笑っていい?」 「わっ笑うなっぁぁ!」 凛音はそんな煉の反応を見て怒る。 「ハー、で、何で怖いわけ?」 と煉が聞くと、 「いや、怖いものは怖いじゃん・・・」 「・・・はっきりしてなくても、理由とかあるだろ・・・」 と煉は呆れながら言った。 「むー、強いて言うなら・・・暗いだけなら問題ないけど、暗くて狭いと閉じ込められてる、みたいな感じが強くて・・・」 「まさにそれが理由じゃねぇか」 凛音が言い終わると間髪入れずに煉はツッコんだ。 「てか、バッグに入り始めたのはお前だろうが・・・、怖いなら入るなっつーの」 「・・・いや・・・あの時はあんな怖いとは思わなくて・・・」 「つまりあれか、昼休みに開けた時に泣いてたのはそれか」 煉がそう言うと、凛音はハッと思い出したように、 「あれは誰だって怖いよっ!あんた二時間目の準備した後、昼休みまで一回もバッグ開けてないじゃないっ!三時間もあんなとこにいたら、そりゃ怖いわよ!」 と涙目で必死に言った。 「俺は怖くないぜ?むしろ狭くて暗いとか何か秘密基地的なノリでわくわくしねぇ?」 「うー!それは男だけ!女の子はみんな怖いの!」 「俺今女」 と煉が冷静に返すと、凛音から小さくプチッと音がした気がした。 「こんな時だけ、女って認めるなぁぁぁぁぁ!」 しかし小さいので凛音の攻撃は全然痛くない。 「ふはははっ、小さい凛音には女でも負けないぜっ」 と煉が言ったときだった。 小さい凛音に『カオス』が纏われて、大きさが元に戻ったのは。 「・・・っ!」 煉は驚くしかなかった。 「ふふふ・・・小さい私には負けないんだよね?」 煉は後ずさりしながらガクガクブルブルと震えている。 「ふふふふふ」 「笑ったままこっち来るなぁぁぁぁっ!怖い怖い!」 煉は震えたままそう言った。
* * *
こんにちは、天劾煉です。怖いものナンバー1がさっき怒った凛音に移り変わりました。
正直死ねます。
「・・・いつまでうなだれてんのよ、ちょっとやりすぎたかもだけどさ、あはは」
と凛音はご飯を食べながら言う。 「何回殴ったと思ってるんだ・・・、」 「女の子だし、手加減しといてあげたわよ?」 「・・・殴りたいけど殴れないっ・・・」 凛音の発言にムカつくも、今の状況では勝てるはずがないので煉は諦める。 「てか、体も元に戻ったんだし、家帰れよ・・・何か自然に飯食べてるけどさ・・・」 「んー、しばらくはここにいようかなー」 と凛音が言った瞬間、煉は盛大にむせた。 「がはっ、ごほっ、すいません、もう一度、なんて言いました?」 「え?だからしばらくはここにいようかな、って」 「何それ、同棲?」 と煉が適当に言うと凛音の拳が飛んできた。予想はしてたので煉は回避できたが。 「ちっ違うっ!えーっと・・・言うなら・・・居候よ!居候!」 「あんま変わらない気がするんですが、気のせいかな」 「気・の・せ・い・っ!」 と凛音はきっぱり言ってご飯を勢い良く食べ始めた。 「・・・なんだろうな・・・」 煉は上を向きながら言った。 「混沌(カオス)」 |
Chaosmode(カオスモード)-第八章-絶対敗北(Absolute defeat)
| + | ... |
「勝て・・・ない・・・」
煉はそう呟いた。 そんな煉の呟きを聞いた凛音はこう言った。 「当然でしょ、じゃんけんなんて必勝法あるし、負けるのはこの必勝法を使ってくる機械くらいよ」 「・・・じゃんけんに必勝法なんてあんのかよ・・・」 「眼」 「は?」 「眼だよ、眼。出す直前で敵の手見てれば大体で分かるよ」 さらりと凛音は言った。 「・・・それってつまりは後出しじゃね?てかそんなの動体視力が半端じゃないとできないと思うんだけど・・・」 と煉は正論をぶつける。 「ふふふ、勝てばいいのよ、勝てば」 「せけぇ・・・てかちくしょーっ、この体じゃ、じゃんけんすら勝てないのかっ」 「普通でもじゃんけんは勝てないと思うけど?勝てたらいうこと一つ聞いてあげてもいいくらい」 ふふん、と笑いながら凛音は言った。 「無理だな・・・てかお前の体が元に戻ってから、かれこれ二時間は経つんですが・・・」 「まだ戻らないねー」 「この体、色々と不便すぎる・・・筋力落ちすぎなのが痛い・・・」 「そんな落ちてるの?あんま変わってる気はしないけど」 と凛音が尋ねる。 「これはやばいって、学校行くだけで疲れたからな」 と煉はソファーにぐだーっと、うつぶせながら言う。 「ふーん、てか普通に寝疲れじゃないの?寝疲れ」 「んー・・・分かんね、もうどの疲れかなんか把握できません」 そう言い終わると煉は再びソファーにうつ伏した。 と思うと何か思い出したかのようにバッと頭だけ上げると、 「あ、そういや、お前まさか本当にここに泊まる気ですか?」 と凛音に聞いた。 「うん、そうだけど何か?」 凛音はキョトンとしながら言った。 「・・・服とかあるわけ?」 「さっき持ってきたよ?」 凛音は即答した。 「さっきっていつ!?」 煉は驚きのあまりソファーから飛び起きた。 「あんたが食器洗いしてる時、てか外出たの気づいてなかったわけ?」 と凛音は答える。 「たぶん疲れで、意識あんまなかったです」 ははは、と力無く笑う煉を見ると凛音は少し心配そうな顔をして、 「大丈夫?もう寝たら?」 と言ったのだが、煉はこう返した。 「えと・・・気遣いありがたいんだけどさ・・・お前が寝ないと電気とか心配で寝れないんです」 「・・・!ごっごめんっ!全然気がつかなかった!」
* * *
「じゃぁ、ここ鍵かかるから寝るならここで寝てくれ・・・」
煉がそう言うと、 「・・・」 と凛音はドアをじーっと見ている。 そんな様子に気づいた煉はこう言った。 「いや、普通の部屋だから、狭くないから大丈夫」 「ちっ違っ、そういうこと心配してたわけじゃなくて!」 凛音は必死に手を振って否定する。 「まぁいいや、てか結局寝るまでにこの体戻らなかったな・・・」 煉はがくっとうなだれると自分の部屋に向かっていった。
* * *
ピピピッといういつもの電子音で煉は目覚めた。
「ん・・・」 寝ぼけた頭で目覚ましを止め、制服に着替える。 と、そこで煉は気づいた。 「・・・おぉっ!体戻ってる!」 しばらく硬直していたが、ハッと我にかえると煉は部屋を出る。 そして階段を数段降りたところで、煉は立ち止まった。 「・・・あいつ・・・起きるかな・・・」 煉は例によって追試があるのでいつもより早く起きているが、対して凛音は何も無い。 寝かせておいてあげてもいいのだが、意外に抜けてるとこがあるのを知っていた煉は凛音の寝ている部屋に向かった。 「おーい、凛音―、ちょい早いけど朝だぜー」 ドアをコンコンと叩きながら煉は言う。 「・・・」 部屋から反応はない。 「おーい、起きろー」 と煉はドアノブを思い切りガチャガチャしながら言った。 と、その瞬間ドアは思い切り開き、煉は部屋に引き込まれる。 「!?・・・」 ふと煉が右側を見ると凛音がベッドでスースーと寝息を立てながら眠っていた。 「・・・混沌(カオス)状況だな・・・」 煉はため息をつきながら言った。 そしていざ凛音を起こそうとした時だった。 「・・・どうやって起こそう・・・」 変な起こし方をするとキレられそうだと思った煉はしばらく考え込んだ。 結局、普通に肩を揺すって起こすことにしたのだが。 「おーい、凛音―、起きろー、ってかいい加減起きてくださいお願いします」 と言いながら肩をゆする。 「ん・・・く・・・」 凛音はゆっくりと起き上がり始めた。 そして目の前の煉の存在に気づくと、 「・・・ぇ?ちょ・・・何であんたがここに!?」 と少し顔を赤らめながらも凛音は言った。 「・・・あのさ・・・鍵閉めろと言いましたよね・・・?」 煉はため息をつきながらも言う。 「とりあえず、こんな混沌状況はいろいろと困るから、ちゃんと鍵閉めてくれよ?」 「う・・・うん・・・」 「とりあえず、着替えて下降りてこいよー」 そう言いながら煉は部屋を出て行く。
* * *
煉は朝飯(昨日の残りなのだが)を作ると、そそくさと食べ始めた。
と、そこで凛音が降りてきた。 「お・・・おはよ」 「おはようございます、ってかさっき言うべきだったんじゃねぇの?・・・それはともかく早く食えよ」 と煉は食事を促した。 「う、うん」 凛音は黙々と食べ始める。 「・・・大丈夫か?」 と煉が聞く。 「ふぇっ!?べ、別に何もないって!」 と凛音が言うと、 「・・・ならいいや、合鍵渡しとくから出るとき閉めてけよ?」 と言いながらポケットから鍵を取り出すとテーブルの上に放り投げた。 「え?あ、もう行くの?」 鍵を受け取りながらも凛音は聞く。 「いや、俺追試だし、英語の」 と言うと、煉はリビングから出て行った。 と思いきやすぐに戻ってきて、少し焦った顔で凛音にこう言った。 「マジで閉めてけよ?あと電気も消してくれ」 「わ、分かってるってば!」 そうして煉は家を出ていった。
一方凛音はしばらくして食べ終わると、電気を消し、準備をしていた。
「・・・」 「何か、地味に寂しいかも」 そんな独り言を呟いていた。
* * *
「ありがとございましたー」
そう言って、煉は補習室から出る。 正直、直前にばっと見ただけなので、合ってる自信はない。 しかし受ければいい、というのが煉の考え方だった。 そして煉が教室に入ると、すぐに、 「うーっす、煉、お前追試かー?」 といった声がした。 「・・・あぁ、寝てたからな、昨日」 煉はハハハ・・・と軽く笑いながら答えた。 「寝てたって・・・」 「で、新城、お前も追試?」 煉はバッグを置きつつも新城に聞く。 「ん?俺はただ早く来ただけ。家に居ても弟とかうるさいしな」 「ふーん、よくわかんねーな」 「で、追試の結果はどうだったんだよ?」 「勉強あんましてねーしわかんね、まだ帰ってこないし」 と煉が答える。 「お前さ・・・もう少し危機感持てよ・・・、学期末まであと二週間ちょいだぜ?」 「んー、一週間前くらいになったらやる気出す」 机にうなだれながら煉は言った。 と、そこで追試が終わった隼が教室に入ってきた。 「おーっす、隼、英語できたかー?」 「聞くまでもないだろ、勉強してないし」 冷静にそう答えながら、席に着く隼。 「やってない・・・って、何で?」 新城は呆れた顔で隼にそう聞いた。 「英語なんてなくても生きていける」 「「それは無い」」 煉と新城の声がシンクロした。
* * *
「おっはよーっ、凛音―、二日ぶりだねー?」
「あ、おはよう、春ー」 凛音は入ってきた途端、友達の春に声をかけられた。 「んで、はいっ、休んでた分のノート!」 と言いながら、春は凛音にノートを数冊渡す。 「あ、毎回ごめんねー?ありがと」 凛音は受け取ったノートを開きながら言った。 「それにしても勉強熱心だねー、凛音ー」 「受けてなかった分はちゃんとやっとかないと分からなくなっちゃうから」 答えつつも凛音はノートを写しはじめている。 と、そこで担任が教室に入って来た。 「じゃぁ凛音、またあとでねー」 春はそう言うと、ぴょんと軽くジャンプしながら自らの席に戻っていった。
* * *
「起きろっ・・・っと」
そう言いながら煉は英語の時間中ずっと寝ていた隼の頭にチョップをかました。 「痛・・・」 隼はゆっくりと起き上がる。 「英語いらないからって毎回毎回寝てるのはどうかと思う、てか六時間目終わったぜ、いえーい」 と煉が言う。 「単語テストん時だけ起きてるよ、答え分からんけど」 「だめじゃん」 「黙れ、他ので挽回するから問題ない」 という隼の返答をはいはいと返しつつ、担任が来るのを確認すると、煉は席に戻った。 煉は窓の外を見るとボーッとしていた。 「・・・天劾!聞いてるか!」 という先生の声で我に帰り、あわてて返答する。 「え、あ・・・、はい」 「明日から二週間前なのでなるべく勉強すること、じゃぁ号令」 起立―といった一連の号令が終わる・・・。 * *
一方、凛音の方も授業が終わり、部活に行くなりの準備をしていた。
「凛っ音―、今日は部活ないのー?」 春は着替えながら凛音に聞く。 「今日はないんだー、春頑張ってねー」 「うん、じゃ、また明日ねー」 そんな春の返答を聞くと、凛音は下駄箱に走っていった。 そんな走っている時だった。窓を挟んで奥、そして一階上の男子校舎の方のある教室、そこに見慣れた少年が突っ立っているのを見つけたのは。 「・・・あいつ、何やってるんだろ?」 気になった凛音は靴を履き替えるのをやめ、男子校舎の方へ向かっていった。
* * *
煉は誰もいなくなった教室に一人で突っ立っていた。
「・・・」 その煉の視線には例の窓。煉は何かを窓の先に感じていた。 開いた窓から吹き付けてくる風。 一歩一歩、煉は窓に向けてゆっくりと歩き出していた。 そして窓の前まで辿り着くと、窓の縁に足をかけ、飛び降りた。 その瞬間グラウンドからミシッという音がした。
* * *
教室のドアの覗き窓から見えたのは飛び降りようとする、あの少年。
そんなものを見た凛音は慌てて止めに行こうとした。 その瞬間グラウンドから罅の割れる音がしなければ。 「!?」 その音に驚き、グラウンド側へと視線が向かう。 慌てて煉がいた方向へ視線を戻すが、もう煉はいなかった。 グラウンドからざわめきが聞こえる。 きっとグラウンドを使用していた部活などが非難しているのだろう。 「煉っ!」 慌てて教室に入り込み、煉が落ちたはずの窓へと向かう。
しかし、下を覗いても誰も落ちてなんかはいなかった。
凛音がその状況を理解するのに時間はかからなかった。
(分かったけど・・・何でアイツ・・・!?) 凛音は窓の縁に足をかけると、一気に跳び下りた。
* * *
時は少し戻る・・・
「No.38、ほらよ、報告書だ」 とNo.65はSDカードを机の上に置く。 「ふふ、待ってましたよ・・・それにしても遅かったですね、そんなに使ったんですか?」 「・・・ああ・・・新技を使ったせいでな・・・」 No.65はチッ、と舌打ちをしながら答える。 「ほう、新技ですか」 「混沌重力を圧縮して前に飛ばす奴だ。威力は凄いが『カオス』の使用量が半端ねぇ・・・」 「そんな新技を手に入れたのに負けたのですか、ふふ、面白い」 No.38は笑いつつもSDカードをパソコンに入れる。 「ちっ、黙れ」 「とりあえず、この報告書を見てからにしますかね」 No.38はそう言うと、しばらくパソコンの画面を凝視していた。 「・・・!、この子は・・・残念でしたね、No.65、この子に当たってしまうとは・・・」 「問題はそいつじゃねぇ、確かに強かったが勝てる相手だった」 「ほう!組織内で『裁く少女(エクスキューショナー)』と言われるこの子に勝てそうだったんですか、ということは・・・」 「問題はその下だ」 「赤髪の少年・・・ですか・・・。これはなかなか厄介な能力ですねぇ・・・。」 微笑しながらNo.38は言う。 「厄介ってレベルじゃねぇ」 「少年のコードネームはどうします?」 「んなの、てめーで考えやがれ」 「ふむ、じゃぁ後で考えるとしますか」 「んじゃ、読み終わったか。さっさと行くぞ!」 とNo.65が言うと、No38はきょとんとして、 「行くって、どこにですか?」 と、尋ねる。 「決まったこと聞いてんじゃねぇよ、そいつらんとこに決まってるだろうが」 「・・・場所は分かってるんですか?」 「あぁ、ちゃんと調べといたぜ、面倒臭かったが」 「ほう!あなたにしては珍しいことをしますね!」 「じゃぁ行くぞ、早く準備しやがれ」 「・・・私も行くんですか・・・」 「当然だろうが、お前がいなきゃ前回の二の舞になるだけだ。しかも組織の掟は・・・」 とNO.65が言いかけていたところで、 「はいはい、分かってますよ・・・。一人で駄目なら二人、二人で駄目なら三人で、でしたね。」 「どうせ相手も二人だ、卑怯なことなんて何もねぇよ」 とNo.65が言うと、No.38は笑いながらこう言った。 「くくく、こんな組織に卑怯も何もあったもんじゃないと思いますけどねぇ・・・、で場所はどこです?」 「鳳邦中学、高等学校だ」
* * *
煉が飛び降りた先は教室。教室の中から外へ出たのに、中に飛び降りるというのもなかなか混沌としたものである。
「・・・!」 煉はすぐに教室を飛び出て、グラウンドへ向かう。 向かう間にもグラウンドからの罅割れ音は止まらない。 グラウンドへのスロープを降りたその先には、 見慣れた男が立っていた。 「・・・またテメェか・・・」 煉の存在に気づくとNo.65は煉の方を向き、 「ハハッ、やっぱりここで合ってたっぽいな」 「・・・!」 (こいつ・・・俺の学校調べてきやがったのか・・・!?) と考えた次の瞬間、煉の足元の地面が隆起した。 「!?」 気がつくと空中に飛ばされている、普通に落ちたら体のどこかに損傷を負うだろう。 煉に選択肢は一つしかなかった。 赤い閃光を放ち、『混沌化』になって着地するしか。 「ちっ、やっぱ制御できるようになってやがるか・・・」 「・・・」 (この状態は色々とやばいし、早く決着つけねーと!) そう考えて煉が突っ込んだ矢先、また足元の地面が隆起する。 「くっ・・・!」 仕方なく煉は後方へ下がる。 (新しい能力かっ!?前はこんなの・・・) No.65はどんどん距離を詰めていく。 (これ以上下がると校舎の方にっ!) そんな事を考えている内にも地面はどんどん壊されていく。 煉は仕方なく足へ『カオス』を集中させ、高く跳び上がる。 と空中で煉は気がついた。 「あいつの後ろ・・・誰だ・・!?」 No.65の後ろにいる短髪の男、No.38である。 「地面のはアイツかっ!」 そう気づくと、煉は着地とともにNo.38の方へ向かう。 「ん、やっと気づきましたか」 No.38はそう言うと、手を前にかざす。 「!?」 思わず煉は止まる。 No.38の掌に先にできたのは赤い針。 「針・・・?」 と、次の瞬間、針は煉目がけて飛んできた。 「!!!」 煉はそれを回避したが、頬に鈍い痛みが走る。 「くっ・・・」 とNo.38の方は睨み付けた瞬間、後ろからドカッという破壊音。 「・・・!?」 思わず振り向くと、そこは他と同じように地面が隆起していた。 (おいおい、何だよあの破壊力っ!?どうなってる!?) 「余所見している暇はありませんよ?」 「!」 またもや針が飛んでくる、数秒後には破壊音。 煉は大きく後方に移り避けるが、その時だった。 「・・・!ガハッ・・・!!」 煉は地面に平伏した。 「俺の存在も忘れちゃ困るなぁ、ハハハハッ」 咄嗟に『混沌剣』で斬ることなどできない。 その間にもNo.38は『カオス』で針を構成しながら迫ってきていた。 「あなたの負けですよ?赤髪の少年」 |