三国志について

1:『三国志』って何?


語ると長いが、『三国志』自体は中国の歴史書の名前である。著者は陳寿(字は承祚。232-297。三国~晋の時代に生きてた人)。
裴松之(372-451)という人が後になって異説や民間伝承などを注釈として入れ、現存する今の形になっている。
この注釈部分が後に出る『三国志演義』に大きな影響を与えた。

『三国志』は、中国後漢・三国時代を紀伝体という書き方でまとめたもので、中国歴代正史の一つ。
その名の通り、中国大陸を「魏」・「呉」・「蜀」と三つに分けた時代の成り立ちから末路までを著している。
魏が30巻、呉が20巻、蜀が15巻の全65巻。
漢(後漢)の皇帝から禅譲(全く血の繋がらない貴方に皇帝の座を譲ります、ということ)された「魏」を正当な王朝としている。だから巻数も多い。
後漢が名ばかりの国となり群雄割拠の時代に入る。その中から飛び出した「曹操」・「孫権」・「劉備」が「魏」・「呉」・「蜀」という国をそれぞれ建国し、その後三国時代からその末期までを時代に生きた人物伝で追うことができる。

余談だが、「漢」という字自体中国に関することを表す。「漢方」・「漢字」・「漢文」など。


2:劉備が主人公?曹操って悪い奴って聞いたけど?


そうではない。そんなのは人それぞれの感じ方次第だと言いたいが、文学の影響は絶大である。
何故、こんなイメージがついてしまったか。
全ては『三国志演義』にある。
『三国志演義』は中国明の時代(1368-1644)に出来た全120回の長編小説で、羅貫中(&施耐庵)という人がまとめた。
漢の皇帝の血を引いている(と言っても何十人といた皇帝の子供の末裔)劉備が、草鞋売りから一念発起して戦いと放浪の果てに今の中国四川省を中心に「蜀(蜀漢)」という国を作って、劉備が亡くなると臣下の諸葛亮が劉備の思いを叶えようと必死に頑張る姿が描かれている。
有名な横山光輝の『三国志』も、『三国志演義』をベース(吉川英治ベース)にしている。
だから劉備が主人公で、曹操がライバルとして描かれているのだ。
一言で「三国志」といってもごちゃごちゃになるので、『正史』・『演義』と区別することがある。ただ、基本的に「三国志」といったら『正史』を示す。
語弊があるかもしれないが、『三国志』が原作で、『三国志演義』が二次創作、と言えば分かりやすいか。

ちなみに。
『演義』の内容を正史だと言わんばかりに熱く語ると、痛い奴だと思われるし、笑われるので気を付けよう。
でも、『正史』が全て正しい訳ではないので、その点も注意しよう。(「正史」というのは、皇帝から正式に認められた史書という意味だよ)


3:三国志のゲームってどうなってるの?


『幻想三国志』で使用されているゲームは、KOEI(旧光栄。2ch内では”肥”と呼ばれる。面倒なのでここでも肥で)から出ている三國志シリーズ第9弾『三國志9』(PCPK版)。
PS2でも出ているが、顔グラの変更ができない。
基本的に三国志演義準拠。ただし、正史にしか登場しない人物も出てくる。能力値などは5作品目くらいから正史要素も含まれ始めた。
詳しいシステムについては三國志9の基本システムで述べるが、プレイヤーが君主となり、国を育て繁栄させる内政や、自国を守ったり他国の領土を奪う戦争、他国との外交、他国への計略などを指示する。で、領土を広げ、全ての都市を攻略し大陸統一を果たして終了。
シリーズによっては、プレイヤー=君主ではないものもある。三國志に出てくる全ての武将から一人選んで操作。つまり自分の分身。君主になるもよし、軍師を目指すのもよし、友達100人目指すのも、引き篭もりニートでもよし。
しかし、このシステムのシリーズは、大体売り上げと評判がわr(ry

ちなみに、これから買う方に注意。
肥の歴史戦略ゲームシリーズには必ず「本体」とその後に出る「PK」がある。「PK」とはパワーアップキットの略。
「本体」の追加要素として販売されるが、実はコイツが曲者。
「本体」ではいろいろと不具合の多かった部分が改善されたり、面白システムが追加されていたりする。
『三國志9』でいう「抜擢武将システム」がいい例。
なので、「本体」だけでは絶対に後悔する。試作品とまで言われているくらいだ。なので、必ず「PK」と一緒に買うこと。
そして、肥のサイトへ行ってバグの修正(パッチをあてる)をしよう。

「本体」だけでは絶対に満足させず(人はこれを手抜きといふ)、「PK」を買わせる。これが『肥商法』である。
キタネーヨ、と思わせつつも、ついつい買うのが三國志ゲームファン。
歴代の三國志ゲームを続けているつわものは皆、この道を歩んでいる。


4:結局、歴史なんて難しすぎてワカンネーヨ


待て、慌てるな。これは孔明の(ry
という、この孔明も三国志の人物である。

歴史は後世の人物が綴ったものであり、100%真実ではない。それを読んだ人間によって感じ方は様々。また、古ければ古いほど史料の残存率は低く、結局は想像と憶測でしか語れない部分も少なくない。

管理人の個人的意見だが、もし、『幻想三国志』の動画を見て『三国志』に触れたくなったら、吉川英治の「三国志」をまずお勧めする。北方謙三や横光もお勧め。
「お勧め三国志」という項目も作ったので、自分にあった三国志入門書が見つかると思う。

それから『正史』に触れて欲しいな。いきなり『正史』は難しいよ。


最終更新:2010年02月02日 19:06