概要

対空魔導砲(対空砲)とは、ザールックにおいて登場した空中戦艦ダルスバードに対抗するために生み出された兵器。
魔導砲と同じく、火薬類を一切使わず、法術を蓄積させた砲台である。

ダルスバードが歴史に登場した当初、相手国も艦隊を持っている場合は艦隊戦を展開することができたが、そうでない場合、空中から一方的に攻撃を仕掛けられる空中艦隊の存在は脅威そのものであり、それまでの戦いのやり方を一変させた。
しかし、艦隊を持っていない国も、試行錯誤の結果この対空魔導砲を開発することとなる。
対空砲には、国内のあらゆる要所にあらかじめ設置されているものと、輸送部隊が戦場まで運ぶ移動可能なものの二種類が存在する。

原理は通常の魔導砲と同じだが、使用される法術は雷撃系であり、上空に放たれた法術は空中で四散してダルスバードに損害を与え、外れた場合も空中で消滅するため、地上に被害をもたらさない。
また、ダルスバードから放たれる魔導砲を中和する防御壁を展開することができる。
この防御方法は、優れた術者個人でも可能なため、「防御」だけに徹した魔導部隊も投入されることとなる。

こうして、対空魔導砲と防壁手段が誕生したことにより、艦隊戦と地上戦が同時に進行する大規模な戦いにおいて、空中戦で勝利した側の艦隊が一方的に敵軍の地上部隊を攻撃しようとしてもある程度の迎撃が可能となり、要塞などの要所においても艦隊を撃退することが可能となった。
また対空砲で落とされた艦が墜落した結果、敵味方関係なく地上の戦場そのものを混乱させることから、いつしか艦隊戦と地上戦は混戦においても、距離をおいて別々に行われるのが暗黙の了解となっていた。


火薬と法術

ダルスバードが生まれる以前から、砲台という武器は存在し、かつては火薬を使用した砲台と法術を使用した砲台が併用されていたが、火薬は輸送時の重量問題と、不注意による暴発事故が起きたのに対して、魔導砲は魔力を水晶に凝縮しているため、大量の輸送が容易な上に暴発の心配がなかった為、次第に完全上位互換の法術砲に規格統一されていった。
更に、ダルスバードが法術砲を標準装備としたため、互換性を高めるため地上兵器も法術砲がメインとなり、現在火薬を用いた砲台は旧式をそのまま使っている一部に留まっている。


関連項目



最終更新:2024年08月23日 01:06