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  • ただ撃ち貫くのみ

ただ撃ち貫くのみ

最終更新:2023年02月23日 23:00

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だれでも歓迎! 編集

ただ撃ち貫くのみ ◆1sC7CjNPu2



 Dボゥイと小早川ゆたかは自然公園を出てB-6にある学校を目指すことにした。
 ゆたかの友人が全員女子高生なので、安直だとは思ったが学校に集まるだろうと思ったからだ。
 そして現在、二人はD-6の道路のちょうど真ん中あたりを歩いていた。
 辺りは住宅団地のようで、無人のビルが並んでいた。
 途中で轟音が聞こえゆたかが怯えたりもしたが、それ以外は特にこれといったことはなく順調だった。

 「・・・・・・大丈夫か?」
 「あっ!はい!大丈夫です!」
 Dボゥイの問いに、ゆたかは過剰に反応して答えた。
 自然公園を出てしばらくしてから、ゆたかは気がついたのだ。

 ――抱きしめられちゃった。

 初対面の男性に、思いっきり泣きながら。
 思い出してすぐにゆたかの顔は火が出るほど真っ赤になった。
 ゆたかには男性と交際した経験はない。しかし女子高生である以上、周囲からそれとなくそういった情報は耳に入ってくるものなのである。

 チラッとDボゥイの顔を見ると、彼は怪訝そうにこちらを見返した。
 あわててゆたかは顔をそらす。

 ただ抱きしめられただけである。
 キスしたわけでもなく、恋人の抱擁でもなんでもなく、事実泣いている子供を慰めるためのものなのである。
 ただそれだけなのだが・・・・・・やはり恥ずかしいのだ。

 ■

 原因であるDボゥイは風邪でも引いたかと心配していた。
 ――足つきはしっかりしているし、勘違いだろうか?
 そこでDボゥイは軽く頭を振った。
 自分が思った以上に、このゆたかという少女に入れ込んでいると感じたからだ。
 ごまかすように、これからのことを考える。
 少しペースが遅いが、ここでゆたかに無理をさせて体調を崩させるわけにはいかない。現状でそれは命取りになる。
 実は途中でゆたかを背負っていくかとも提案したが、なぜかすごい勢いで却下されてお流れとなった。

 ――今はこれでいい、問題はシンヤのことだ。

 シンヤを、ラダムのテッカマンを殺す。それは絶対にDボゥイには譲れないことだった。
 そして、その戦いにゆたかを巻き込むことはできない。それもまた、譲れないことだった。

 「ゆたか」
 「あっ!はい!」
 「俺は、君を君の友人か、信頼できる人物に預けたら別行動を取る」

 結局、Dボゥイの出した結論はそんなものだった。

 Dボゥイがゆたかの近くにいることは、彼女を守ることには繋がらない。
 Dボゥイ自身がシンヤを殺そうとするように、シンヤもまた、Dボゥイを殺そうとするだろう。
 ゆたかの近くにいれば、必ず巻き込んでしまうことになる。
 そして、復讐の鬼となったDボゥイはシンヤと殺し合いを演じることになる。
 その光景は、ゆたかには見られたくなかった。

 ■

 ゆたかはその言葉で、浮ついていた心を一気に現実に引き戻された。

 「なんで、ですか?」
 「俺の都合だ、君には関係ない」

 ――そんなこと言われても、困ります。

 困惑するゆたかを尻目に、Dボゥイは歩き続ける。
 ゆたかは慌てて声をかける。

 「ええと、Dボゥイさんはこのゲームに乗っていないんですよね?」
 「ああ」
 「それじゃあ・・・・・・え~と」

 そこでゆたかは、自分がこのゲームから脱出すると決意したものの、具体的なことをまったくといっていいほど決めていないことに気がついた。
 ええと、まずはお姉ちゃんやかがみさん、つかささんと合流して・・・・・・
 そうだ、人を集めるんだ。
 私一人じゃ何もできないけど、沢山の人がいればきっとどうにかできる。
 よし、と気合を入れてゆたかはDボゥイに思いついたこと伝えた。

 「あの、一緒に逃げましょう」
 「は?」
 「・・・・・・ああ!ちっちちちっちちち違いますえとえとそういう意味じゃなくて!」

 ゆたかは自分の失言に再び顔を真っ赤に染めた。
 Dボゥイはゆたかを、流石に困った表情で見つめていた。

 ――やはり風邪か?

 そう思い自分のデイパックの中から支給品の一つである赤いマフラーを取り出し、ゆたかの首にかける。
 首輪が邪魔だが、無いよりはましだろう。

 「落ち着け」
 「はっ、はい。・・・・・・落ち着きました」

 ゆたかは大きく深呼吸をして自分を落ち着かせた。
 とはいえ恥ずかしさは残っており、その顔はまだ赤い。
 ゆたかは一度自分の言いたいことを整理して、今度こそ言いたいことを伝えた。

 「あの、私と一緒にこのゲームから脱出するのをお手伝いしてくれませんか」

 ■

 Dボゥイは表情には出さないものの内心では困っていた。

 ――口に出したのは早計だったか?

 必要以上になつかれないようにと、先に伝えたのが間違いだったかもしれない。
 いずれ離れるということを伝えておけば、別れる時にそう騒がれないだろうという打算もあったのだが。

 「悪いが、断る」
 「な、なんですか?」

 これは思ったより面倒なことになったか?
 ゆたかの困った顔を見ながら、短くため息をつく。
 Dボゥイがこれからゆたかを説得するにしろ、ごまかすにしろ、不必要な労力を費やすことを想像して少し後悔した。


 そんな時に、そいつは現れた。


 「おやおや、喧嘩はいけないな」

 男はふざけた調子で二人の前に現れた。
 まるで待ち伏せしていたように、道路の曲がり角から出てきたのだ。
 右手でパールグリーンの中折帽(なかおれぼうし)を押さえ、左手をクリーム色のスーツのポケットに入れて腰を少し低く落としている。
 今にでもスリラーでも踊りそうな雰囲気だ。
 しかしちょっぴり期待したゆたかの予想は、裏切られることになる。
 男は右手を帽子から離すと、ゆっくりと親指と中指とを合わせた。

 「どれ、私が二人の仲を取り持ってあげよう」

 Dボゥイは腰の後に手を回し、ゆたかから譲り受けたM500ハンターを取り出した。
 こいつは敵だ。そう確信できるほどの邪気が目の前の男から溢れ出していた。

 ■

 素晴らしきヒィッツカラルドは自分の幸運を、信じてもいない神に感謝していた。
 見るからに普通の少女に、見たところ少々訓練を受けた程度の青年、先ほどの口直しにはちょうどいい。
 ヒィッツカラルドは国際警察機構のエキスパートでもない限り、生身の人間に負けるはずなどないと思っていた。
 古墳の件については例外だ。負けたわけでもないし、あのV字の物体は人間ではない。

 「二人ともここで真っ二つになれば、もう離れることもないだろう?」

 さあ、狩を始めることにしよう。


 ヒィッツカラルドが右手の指をパチンッと鳴らした瞬間、Dボゥイはゆたかを抱えて駆け出した。
 戦士としての直感が、あれを危険だと感じたのだ。
 事実、数秒送れてDボゥイがいた地面に亀裂が生じた。ヒィッツカラルドの放ったカマイタチだ。
 駆けながら、Dボゥイは適当に狙いをつけて発砲した。
 当たれば御の字の牽制、しかしその銃弾は再びヒィッツカラルドが指を鳴らしたとたんに真っ二つになった。
 常識外れな現象を、Dボゥイは驚いたものの静かにその事実を受け止めながら走った。
 とりあえずは、遮蔽物のあるところへ。

 ――ほう、手加減したとはいえよくぞ避けた。

 ヒィッツカラルドは素直に感嘆した。
 カマイタチで裂傷を作り、じわじわと恐怖を味わわせてやるつもりだったがまさか避けられるとは思ってもみなかったのだ。
 そして銃弾を真っ二つにしてやったときも、しっかりとこちらを観察していた。
 どうやらあの青年は思った以上に修羅場をくぐり抜けてきたようだ。

 ――面白い、すぐに終わってしまっては味気がなさすぎる。

 ヒィッツカラルドは余裕をもって二人の後を追い始めた。

 ■

 現在地はD-7のちょうど真ん中あたりだろうか。
 近くに自然公園があるためか、もしくはここも自然公園の一部なのか、そこは森といっていいほど緑に恵まれていた。
 当然のように、遮蔽物になりえる木は大量に存在した。
 木々の間に滑り込み、二人はひとまずの安息を得る。

 「Dボゥイさん、あの人、なんで」
 「静かに」

 ゆたかは震えていた。
 何が起きたかはよく分からなかったが、問答無用で殺されそうになった。それだけは理解できた。
 そして理解できなかった。なぜこうも簡単に人を殺そうとするのかが。
 そのことを問おうとしたのか、それとも慰めてほしかったのか、ゆたかが口を開いたその瞬間のことだ。
 カマイタチが、近くの木の枝を切り裂いた。

 「そういえば、まだ名乗っていなかったね」

 ゆたかは恐怖した。
 口を開いたならば、自分たちの潜んでいる場所が知られたなら、あっというまに切り刻まれてしまうのではないか。
 どうしてか、悪い方向にばかり想像が広がってしまう。
 そんなゆたかの様子を知ってか知らずか、ヒィッツカラルドは今更な自己紹介を始めた。

 「私の名は素晴らしきヒィッツカラルド、君たちの仲人だ。冥土の土産にでも覚えてくれたまえ」

 パチンっと指を鳴らす音が響き、今度は近くの木が輪切りになった。
 遮蔽物に意味は無いと、暗に言っているのだ。
 Dボゥイはゆたかを低く伏せさせて、問う。

 「何で俺たちを襲う!」
 「それは本気で言っているのかね?」

 ヒィッツカラルドは小馬鹿にしたように答えた。
 殺し合いに乗っている。そいうことなのだろう。

 「お前は、殺戮と破壊を楽しむというのか!」
 「ああ!楽しくてしょうがないよ!」

 パチン、パチンと次々に右手の指を鳴らす。そのたびに木は削られ、枝葉は切り落とされた。

 「・・・・・・そうか、お前も、ラダムと、同じか」

 ゆたかは思わず顔を上げ、Dボゥイを見た。
 そこには怒りや憎しみ、悲しみや後悔、様々な感情が込められていた。

 ――理不尽に、全てを奪っていく悪魔。貴様はそれと同じだ!

 ゆたかには、Dボゥイが、自分を優しく抱きしめてくれた青年が、まったく別の生き物に見えた。
 ゆたかは知らない。全てを奪われて復讐に身を焦がす人間を、彼女は見たことが無かったのだ。
 Dボゥイがゆたかに告げる。

 「俺があの男の相手をしている間に、君は逃げろ」

 一人ぼっちになった気がした。この場所には、もう怖い生き物しかいないような気がした。
 ゆたかは怖くて肯くことしかできなかった。

 ■

 怒りに支配されながらも、Dボゥイは冷静であった。
 冷静に、ヒィッツカラルドをどう殺すかを考えていた。

 ――あれは見えない何かを、指を鳴らすことで打ち出している。
 ――そしてさっきから乱発しているところを見ると弾は無尽蔵か、それに近いほど保有している。

 流石に指を鳴らしてカマイタチを発生させているとは分からなかったが、Dボゥイの考察は正解に近かった。
 少し考え、Dボゥイはおもむろにデイバックから紙のぎっしりと詰まったトランクケースを取り出し軽く蓋を開ける。
 銃は再び腰の後に差し込む。アレに対しては銃弾は無駄弾になるだけだと判断したのだ。

 「俺がトランクを投げたら全力で走れ」

 それだけをゆたかに告げ、トランクケースをヒィッツカラルドの頭上に目掛けて投げた。
 トランクの容量を越えるような紙が舞い、森を白く染める。常識外れの紙ふぶきだ。

 「行け!」

 ゆたかに向かって叫び、デイパックに片手を突っ込みながらDボゥイは駆け出した。
 飛び出したDボゥイに向けて、ヒィッツカラルドが右手の指をパチンとさせる。
 思った通り、見えない刃が紙を切り裂きながら飛んできた。

 ――見えていれば、対処のしようはいくらでもある。

 カマイタチは一発撃ってから、次の発射までわずかな時間があった。
 そして、カマイタチが発射される瞬間はあまりにも分かりやすかった。

 一発目、二発目、三発目とやり過ごし、ヒィッツカラルドに迫る。
 ――妙だ
 あまりにも簡単に踏み込ませすぎる。
 だが今更退くことはできない。後退すれば敵に狙い撃ちされるだけだ。
 そこで、Dボゥイは自分が罠にはまったのだと悟った。

 ■

 「なるほど、孔明の気持ちが少しは分かった気がするよ」

 ヒィッツカラルドは愉快だった。適当な罠をはったら、愚かな獲物はみごとに食らいついてきたのだ。
 ヒィッツカラルドは『左手』をポケットから取り出し、親指と中指を合わせる。
 ヒィッツカラルドは、二人と出会ってから今まで右手でしかカマイタチを打ち出さなかった。
 たまたま思いついたことだった。弱者をいたぶるための罠として。
 獲物はもう逃げられないところまで来ていた。

 Dボゥイはヒィッツカラルドが左手を出したのを見ると、即座に次の行動に移った。
 デイパックに突っ込んでいた手には、テッカマンアックスのテックランサー――片刃のハルバードが握られていた。
 人の手に余るこいつをデイパックから抜き出し、そのままの勢いでヒィッツカラルドに叩きつけるつもりであったがもう猶予はない。
 距離は足りない。しかし、まだ手はある。

 「食らえ!」

 Dボゥイはデイパックからアックスのテックランサーを抜き出し、そのままヒィッツカラルドに向けてハンマー投げのように投擲した。
 大きく重いそれはそれほど遠くには飛ばない。しかしヒィッツカラルドまでには充分届いた。

 「残念だったね」

 届くには、届いたのだ。
 しかしそれはヒィッツカラルドには滑稽なほど遅く鈍く、紙一重で避けるには充分すぎたのだ。
 ヒィッツカラルドが投擲でバランスを崩したDボゥイに向けて指を鳴らす。
 とっさに身をよじったものの、今度は避けることはできなかった。


 「・・・・・・ふむ」

 ヒィッツカラルドはDボゥイの捨て身の攻撃を紙一重で避けたものの、不満げだった。
 足元にはヒィッツカラルドの支給品が転がっている。投擲でデイパックを切り裂かれたのだ。
 その中には月の石も含まれており、残念なことに三つほど瓶が割れていた。
 本来ならば、彼にこのようなミスはない。
 しかし螺旋王が施した制限が、ヒィッツカラルドの見切りを乱したのだ。

 ――まあいい、もともと私には必要ないものばかりだ。

 デイパックもこいつらから奪い取ればいいだけの話。
 そう結論付けたが、ヒィッツカラルドは月の石を一つ拾いスーツの内ポケットに入れる。
 少々、もったいない気がしたのだ。どうせすぐに効果が消えるのなら、有効に使った方がいいだろう。
 気を取り直し、ヒィッツカラルドはDボゥイに止めを刺すために近づく。
 あと少しといったところで、ヒィッツカラルドの前に一人の少女が立ちふさがった。
 小早川ゆたかだった。

 ■

 時間は少し遡る。

 「行け!」

 そう言われても、ゆたかの足は一歩も前に出なかった。
 一人になることが、怖かった。
 何も考えられなかった。
 ただ、何も分からないことも怖くて木からひょっこりと顔を出して様子をうかがったのだ。

 そして、ゆたかの目にDボゥイが倒れ伏す姿が映った。

 ごちゃごちゃの飽和状態だったゆたかの頭の中で、たった一つだけ言葉が響いた。

 ――嫌だ

 優しい人は怖い人だった。怖い人だったけど優しかった。
 そう、優しい人だったんだ。だから私は信じることにしたんだ。
 それで、みんなで帰ろうって決めて・・・・・・みんな、お姉ちゃんにかがみさんにつかささん。
 それと、Dボゥイさんも。

 ――こんなの、嫌だ!

 私は帰りたい。みんなと帰りたい。
 こんな所で死にたくない。死んでほしくない。
 私は・・・・・そうだ、私はDボゥイさんのことを何も知らないし、私もぜんぜん話してない。

 ――よく分からないけど、こんなの、嫌だ!

 それはパニックに似ていたかもしれない。
 支離滅裂な思考で、普段なら考えられないような行動をとってしまう。
 Dボゥイの元に駆け出したゆたかは、何も考えてなどいなかった。

 ■

 Dボゥイを守るように立ちはだかったゆたかは、大きく腕を広げて真っ直ぐにヒィッツカラルドを見つめた。
 それだけだった。
 ヒィッツカラルドは訝しげな顔を見せたものの、それは次第に笑みに変わった。

 「・・・・・・ふ、ふはははははは」

 ヒィッツカラルドのテンションは上がりっぱなしだった。

 ――この二人は、なんと私を楽しませてくれることか!

 「くあっはっはっは!あーはっはっはっは!」

 ヒィッツカラルドは大きく背をそらし、頭に手を当てて嗤った。
 あまりにもおかしすぎて腹を曲げ、指をさして嗤った。
 そしてひとしきり嗤い終えると、両手を指を鳴らす構えに戻す。
 もう十二分に楽しんだ、そろそろ終わりにしてやろう。

 「よかろう、ではそこの男と一緒に・・・・・・むっ?」

 真っ二つにしてやろう、と続けようとしたヒィッツカラルドはあることに気がついた。
 ゆたかの胸にあるドリルのようなアクセサリー、がうっすらとだが光っているのだ。

 ――確かあのVの男は『心の力』がどうだとか言っていたな。

 結びつけるのは早計かもしれないが、確保しておいて悪いことはあるまい。
 ヒィッツカラルドは構えを解くとゆたかとの距離を詰める。
 ゆたかは一歩だけ後ずさるが、自分の後にDボゥイがいることを思い出すと気丈にもヒィッツカラルドを睨みつけた。
 その姿を見たヒィッツカラルドに、段々と嗜虐心が湧き上がってきた。

 ――ゆっくりとくびり殺してやろうか

 コアドリルに伸ばそうとしていた手の行き先を、ゆたかの首に変更した。
 マフラー越しに掴んだところで、首輪の硬い感触が手に伝わる。
 そのまま首輪を掴んでゆたかを空中に吊り上げ、ヒィッツカラルドは思いついた。

 「首輪を真っ二つにしてみるのも、面白そうだな」

 はたして首輪は爆発せずに残るかどうか。その可能性は限りなく低いだろう。

 ――だが、何事も試してみないと始まらないからな。

 首輪を真っ二つにする瞬間を想像し、ヒィッツカラルドは大いに嗤った。

 ■

 Dボゥイは死に掛けていた。
 カマイタチの一撃は、いったいどんな理屈かDボゥイを切断するまでにはいかなかった。
 ひょっとしたら、これがロージェノムの言っていた制限なのかもしれない。
 しかし肩から背中まで走ったその裂傷は、紙で白く染まった大地に赤い血の海を作っていた。
 死への恐怖があったが、不思議と安らぎもあった。
 これ以上戦わなくいい。もう休んでもいい。奇妙な誘いだった。
 Dボゥイがその安らぎに身を任せようかと思ったその時に、嗤い声が聞こえた。

 ――人が気持ちよく寝るっていうのに、耳障りだな。

 そう思いDボゥイはうっすらと目を開け、覚醒した。
 また繰り返すつもりか、俺は。
 立ち上がって命をかけるだけの理由は、そこにあった。

 身体が痛い。
 ――どうにかなる
 血が足りない。
 ――それがどうかしたか。
 これ以上は死んでしまう。
 ――また、俺は大切なものをこの手から取りこぼすのか?

 「これ以上、貴様のような悪魔に、くれてやるものなどあるものか!」

 ゼロから、トップへ。
 死に掛けの身体を無理矢理起こし、距離を詰めるため全力で駆け出した。

 ■

 ヒィッツカラルドはそれを詰まらなさそうに眺めていた。
 所詮は死にかけ、しかも馬鹿正直に一直線に向かってくる。
 指を一度鳴らしただけで、また地面に這いずるだろう。

 ――少々興ざめかな?

 そんなことを思いながら空いている方の指を鳴らそうとした時、ゆたかを吊り上げた腕に何かが刺さった。

 ゆたかは無我夢中だった。
 Dボゥイが生きていた、それは嬉しい。
 けれどこの危険な男は、またDボゥイを傷つけようとしている。

 ――なんとか、なんとかしなくちゃ。

 必死に考え、とっさに身近なものでヒィッツカラルドの腕を突き刺したのだ。
 後のことを考える余裕は、ゆたかにはなかった。

 「Dボゥイさん!」

 どんな意味で叫んだかは、ゆたか本人にも分からなかった。
 生きてほしかった。生きたかった。
 みんなで帰りたかった。

 その思いは、螺旋力となってヒィッツカラルドを貫いた。

 ■

 ヒィッツカラルドは自身に起きたことが信じられなかった。

 ――なんだ!これは!

 ヒィッツカラルドの二の腕、コアドリルが突き刺さった場所に風穴が空いていた。
 手に力が入らず、ゆたかが解放される。

 「きゃっ!」

 ゆたかはろくに着地もできず尻餅をつき、自らの行為に呆然とした。
 ただのアクセサリーだと思っていたものが、まったくの別物だとやっと気がついたのだ。

 「貴様ぁ!」

 ヒィッツカラルドは激昂した。
 油断した自分が悪いのだが、愉快な気分に一気に水をさされたのだ。
 この責任を取ってもらおうと、無事な方の手で指を鳴らそうと構えた。

 そして、Dボゥイの握るM500ハンターがヒィッツカラルドの額に押し付けられた。

 「零距離、とったぞ」

 火薬の音が響く。
 銃弾はヒィッツカラルドの骨を砕き、肉を抉り、脳を滅茶苦茶に掻き回した。

 ――馬鹿な、十傑集の私がこんなところで!

 その答えは、簡単だった。
 素晴らしきヒィッツカラルドは単に遊びすぎたのだ。

 ■

 Dボゥイは銃弾を受け倒れたヒィッツカラルドに重なるようにぶっ倒れた。
 カマイタチの傷跡は相変わらず血を流しており、しかも短い距離とはいえ全力疾走をしたのだから当然といえる。

 「Dボゥイさん!」

 頭に血が回らなくて、誰の声か分からなかった。
 ただ、今度こそ守れたような気がした。
 そこまで考えて、Dボゥイの意識は闇に沈んだ。


 「Dボゥイさん!Dボゥイさん!」

 人を傷つけたことも、人が死んだこともゆたかにはショックだった。
 でも今は全て後回しだ。逃避かもしれないが、今はDボゥイのことが心配だった。
 そして、何回目になるか分からない衝撃を受けることになった。

 「え、傷が・・・・・・」

 Dボゥイの傷は、ゆっくりとだが回復していたのだ。
 もっとも血が止まっただけで、傷は生々しく残っていたのだが。

 ――Dボゥイさんって何者なんだろう?

 目が覚めたら、もっと話し合おう。
 私のこととか、私の友達のこととか、学校のこととか話してみよう。
 それから、あらためてお願いしてみよう。
 一緒に帰ろう、て。

 そこまで考えて、小早川ゆたかの意識は闇に沈んだ。
 安心した瞬間に気が抜けたのだ。
 普段のゆたかでは考えられないほど動き回ったのだ。その反動だろうか。
 ゆたかはゆっくりと仰向けになって寝転んだ。

 ■

 死に絶えたヒィッツカラルドの内ポケットの中で、月の石のかけらは徐々にその光を失っていた。
 Dボゥイを回復させたのは、月の石のかけらの効果だった。
 ヒィッツカラルドに倒れ込んだDボゥイが偶然にも光を浴びた、それだけだった。
 月の石のかけらはついにその光を失い、ただの石に戻った。
 墓石にしては、その石はあまりに小さかった。


【D-7/住宅団地/1日目/早朝】

【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:左肩から背中の中心まで大きな裂傷、吹き飛ばされたときに全身に打撲
[装備]:M500ハンター(残弾、3/5)、テッカマンアックスのテックランサー(斧)@宇宙の騎士テッカマンブレード
[道具]:支給品一式
[思考]
1:今は眠る
2:テッカマンエビル、相羽シンヤを殺す
3:2を果たすためなら、下記の思考を度外視する可能性あり
4:ゆたかを知り合いか信頼できる人物にゆだねる。
5:ゲームに乗っている人間を殺す
[備考]
 :殺し合いに乗っているものはラダムと同じだと結論しました
 :テッカマンアックス撃破後、身体が蝕まれる前ぐらいを意識しました

【小早川ゆたか@らき☆すた】
[状態]:肉体的にも精神的にも疲労大
[装備]:
[道具]:支給品一式、コアドリル@天元突破グレンラガン、鴇羽舞衣のマフラー@舞-HiME、糸色望の旅立ちセット@さよなら絶望先生[遺書用の封筒が欠損]
[思考]
1:今は眠る
2:みんなでこのゲームから脱出
3:Dボゥイさんの目が覚めたら色々お話をする(脱出を手伝ってもらう)
4:泉こなた、柊かがみ、柊つかさを探す
[備考]
 :コアドリルがただのアクセサリーではないということに気がつきました。


【素晴らしきヒィッツカラルド@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日- 死亡】


 ※Dボゥイとゆたかはお互いが別の世界から集められたと気がついていません。
 ※D-6の団地の一部に大量の紙が散らばっています。
 ※ヒィッツカラルドの支給品(0~1)が近くに転がっています。
 ※月の石のかけら二個(@金色のガッシュベル!!)も上記と同様に転がっています。
 ※紙の入ったトランクケース(@R.O.D)は少々の中身を残して近くに転がっています。
 ※ヒィッツカラルドはフィーロの帽子(@BACCANO バッカーノ!)をかぶったままです。


時系列順で読む

Back:その名は絶望 Next:蘇れ、ラピュタの神よ

投下順で読む

Back:いろいろな人たち Next:この手に堕ちた腐りかけの肉塊

002:この血塗られた指先で救えるのなら Dボゥイ 106:悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱
002:この血塗られた指先で救えるのなら 小早川ゆたか 106:悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱
004:人の名前を変えんじゃねえ!!(後編) 素晴らしきヒィッツカラルド

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