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  • たった一つの強がり抱いて(前編)

たった一つの強がり抱いて(前編)

最終更新:2022年08月18日 23:25

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たった一つの強がり抱いて(前編) ◆oRFbZD5WiQ



 水を掻き分けて移動する。腹部の傷に容赦なく当たる水流に、ヴィラルは苛立たしげに顔を顰めた。
 下水道の中ほどで立ち止まると、糞、と吐き棄て側面のコンクリートに腰を降ろす。天井には小さな電灯が並んでおり、内部は暗いものの真の闇ではない。
 下水、そう呼ばれる地下水道は汚らしいものだと思っていたのだが、臭いこそあるものの、水は思いのほか澄んでいた。
 いや――よく見れば下水の端に、滑った汚れが張り付いている。しばらく前は、生活廃水が流れていたはずだ。水が澄んだのは、
 この会場から営みが消えてからだろう。

「……螺旋王も、一体なにを考えているのだろうな」

 瞳を閉じながら、小さく呟く。声は思いのほか反響していた。
 自分はこういった『索敵』は行わなかった。
 小さな勢力には部下を向かわせるし、自分が向かうような相手はダイガンザンなどの戦艦でも確認している。
 そう、ヴィラルは戦艦から射出され、目的地に降り立ち、愛機たるエンキで焼き払う――それが、今までの彼の戦い方だった。
 そして、数日後にも同じような任務を執り行うはずだったのだが――

「いや、止そう」

 考えても仕方がない。ありえたかもしれない未来を夢想し、現実から目を逸らすのはなんと愚かな事か。
 自分は人間掃討軍極東方面部隊長なのだ。そのような些事を気にかけている暇があれば、一人でも多くの人間を殺さねばならない。
 その為にも、今は休まねばならないのだが――

「……どうやら、そうも言ってられないらしい」

 足音が徐々に、けれど確実にこちらに向かってきていた。
 思わず舌打ちをしてしまう。万全の――いや、せめて十全の状態であれば、飛んで火に入る夏の虫とばかりにその命を断ち切ってやる自信はある。
 だが――じくじくと痛む腹部の傷が、そして体全体を圧迫するように圧し掛かる疲労が鎖となり、ヴィラルの身体能力を奪っていた。
 黒光りするワルサーを闇に突きつけ、立ち上がる。幽鬼のように、ゆらゆらと体が揺れてしまう。
 銃という武器はあまり慣れてはいないのだが、今、この場面においては好都合だ。
 なにせ、この狭い通路での遠距離武器だ。間合いにさえ入れなければ、例え立ち止まっていたとしても相手を殺す事が出来るだろう。
 己の疲労を隠すように、力強く言い放つ。

「わざわざ殺されに来るとはな……つくづく愚かだよ、貴様らニンゲンは」
「はっ――誰が、誰に殺されるってんだ?」

 自信に満ち満ちたその声、けれど、奥底には燃えるような怒りがあるように思えた。
 それは、まるで炎。全てを覆い、焼き尽くす紅蓮の灼熱。
 遠く響いていた足音は、既に手が届きそうなほどに近くから聞こえている。

「獣人倒すと心に決めて、ガンメン奪ってぶちのめす。妙な場所に連れてこられようと、貫き通すぜ男の意地を!」

 小さな電灯に照らされ、ぎらり、と何かが輝いた。それがV字のサングラスだと気づいた瞬間、男は腰の剣を抜き放っていた。

「よう、まさかこんな場所で会うとは思わなかったぜ……ヴィラル」

 V字のサングラスに覆われた剣呑な瞳、それを煌かせて、言った。
 ――しばし、秒針が半周ほど巻き戻る。
 銃を構えたまま、ヴィラルは頭を回転させる。

(……誰だ、このハダカザルは)

 青い短髪に、がっしりとした体躯。デイバックは右肩に引っ掛けている。
 肌には刺青が彫られたその姿は、ニンゲンの中でも更に存在意義の薄い荒くれ者にも見える。
 だというのに――この男はなぜ、自分を知っている?

(エンキを用いて焼き払った村の生き残り、か?)

 なるほど、それは正しく思える。例えニンゲンであろうとも、仇の相手を覚える頭はあるはずだ。
 だが――それならば、この男はなんだ?
 圧倒的な力で捻じ伏せれば恐怖が残る。現に、獣人に対してレジスタンス活動を行っている黒の兄妹とて、真っ向からぶつかってくる事はなかった。
 けれど、この男は、王都の戦士の如く真っ向から現れた。
 ただの愚か者か、それとも――真っ向から戦っても勝てると思っているのか。

「どちらにしろ――腹立たしい限りだ!」

 銃声が二つ、重なるように響く。大気を穿ち、宙を疾駆する鉄の弾丸。
 左右に道はない。あるのは壁と下水だけだ、逃げ道などありはしない。
 容易かったな、と思いながら銃を収めようとし――目を剥いた。

     ◆     ◆     ◆

 獣の牙とは、引き千切るためにある。
 そう、食いつき、引っ張り――そのまま千切るのだ。
 故に、噛み付かれたからといって、引き剥がそうとすれば逆効果。獣の牙にプラスアルファを加える事になってしまう。
 なら、どうしたらいい?
 ……簡単だ、逆に押し込めばいい。

「俺をっ! 誰だと思っていやがるッ!」

 地を這うに肉食獣の如く体勢を低くし、疾駆。ざりっ、と背中の皮が削れるような感触に顔を顰めながら、剣を振り上げた。

「見下してんじゃねぇ斬りィ――ッ!」

 心から湧き出してくる魂の叫びを剣に乗せ、一気に振り下ろす!
 だが、遅い。
 ぎり、と痛みを発する左肩。それがカミナの剣から速度を奪う。
 ――そう、剣を振り下ろすには左手が中心である必要がある。
 右手が張った状態では体を大きく傾けないかぎり、とてもではないが真下まで振り下ろす事など叶わない。
 故にその剣捌きは、普段の彼よりも予備動作が大きく、そして愚鈍だった。
 鋼の音色が二人きりの観客の耳に届く。
 刃金と銃口が重なり合い、軋むような音を響かせる。 

「知らんよ、ハダカザルの名前なんてなぁ!」

 獰猛な獣のような――いや、そのものな表情を浮かべ、引き金を引く。
 衝撃音。
 跳ね飛ばされた剣を掴んでいたカミナは、まるでバンザイでもするかのように仰け反る。

「はっ……消えうせろ、ハダカザル!」
(マズ――!?)

 思考思考思考、思考だ! 考えろ!
 親父の死骸を見た時のように、時間の流れが遅くなる。
 ヴィラルの勝利を確信した笑みが腹立たしい、ゆっくりと引き金を引く指に焦りを覚える。
 糞、と内心で吐き棄てる。
 こんな時に、シモンがいてくれりゃぁ――
 アイツは、いつでも諦めなかった。
 そして、気弱なところもあるが熱いハートとクールな頭脳も持ち合わせていた。
 そうだ、チミルフとの戦いの時もそうだった。
 自分が無鉄砲に突っ込んで行った時に、策を用いて退けた。螺旋王直属の部下相手にだ!

(畜生。俺は……この程度の男なのかよ)

 心の奥底にある炎が凍えるのを感じた。
 極寒の中、潰えていく気合の炎。それが、ゆっくりと消滅――

 ――――ふと、誰かの泣き言と強がりが聞こえてきた。

(――こいつは)

 深い深い穴倉の中。抜け出そうとして仲間を連れ出した時の話だ。
 仲間だけじゃ不安なんで、村一番の穴掘り名人に声をかけた。だが、岩盤は崩れ、自分たちは閉じ込められた。
 焦った。皆に発破をかけても、泣き言を言って掘るのを止めてしまった。
 そう、もう駄目だと。
 そう、ここで死ぬのだと。
 ――だから、あのひたむきな背中が輝いて見えた。
 最後まで自分を信じてくれた、
 最後まで諦めなかった、
 それがシモンだった。
 それが自分の魂の兄弟だった。
 それが――相棒だった。
 そんな彼に笑われたくなかった、
 そんな彼を裏切りたくはなかった。
 だっていうのに――

「なにやってんだ、俺はァァアァア!」

 その叫びと共に、剣を放り投げた。

     ◆     ◆     ◆

 男が叫び声と共に剣を投げ捨てるのを見て、頬に笑みが浮かんだ。
 ――諦めたか。
 しょせんはハダカザル。威勢はよくても、結局は脆く、弱い生物だ。
 散れ、と引き金を引き絞る。その瞬間、

「な――ッ!?」

 赤い旋風が、眼前まで迫っていた。
 慌てて頭を逸らすが間に合わない。ざり、と頬の肉がこそげ落ちた。

「ぐ――き、さま!」
「はっ。奇策はきかねぇ、って言ってたくせに、ざまぁねぇな」

 赤い雫を垂らす真紅の槍。それを棒切れでも扱うようなぞんざいな握りで持つ眼前の男。
 失態、なんという失態だ。そもそも、戦闘中だというのにデイバックを降ろさなかった時点で、バックに注意を向けるのは当然だろうに!
 全身の血液が沸騰し、思考を犯す。咆哮を上げ、奴に掴みかかりたいという衝動に駆られる。
 だが、その衝動も疲労には勝てなかった。
 ほとんど連戦のこの状況、ここまで動けただけでも僥倖と言えるだろう。けれど、これ以上戦闘して、勝利するまで体が動くかどうか。
 ――自信は、なかった。

「貴様、名をなんという」
「へ、嫌な事は忘れちまう性質か? まぁ、いいぜ。その緩んだ頭引き締めた後、耳かっぽじってよーく聞きやがれ!」

 ぶおん、と真紅の長槍を一回転。そして、その槍先を天井に――いや、天に向け、吼えた。

「狭い穴倉に押し込まれようと、天井拳で打ち砕き! 獣人どもを蹴散らして、向かう先は天の月! 
 大グレン団リーダー、カミナ様だ!」

 馬鹿か、と内心で思う。
 だが――その馬鹿が自分に傷を与えたのだ。甘く見ていて、倒されるのは自分だ。
 噛み締めるように、呟く。

「カミナ、か。ああ、覚えたよ」
「へっ、今度は忘れねぇようにしとくんだな」
「ああ、忘れたくても忘れられん」

 五メートル程度の距離を維持しながら、じりじり、と二人の足が動く。
 それは、束の間の停滞。間奏のようなものだ。
 そう――主旋律は、すぐそこまで来ている。

「カミナ、この勝負、預けるぞ!」

 そう吼え、駆けた。
 男の瞳が鮮烈なまでに鋭くなり、自分を射抜く。両手で握った槍を、草でも刈るように横薙ぎに振るってくる。
 それを、ありったけの体力を使った跳躍で回避。轟、と寸暇の間だけ自分がいた場所に赤色の軌跡が描かれる。

「ぐ――!」

 じわり、と傷口から血液が吹き出す。応急処置したとはいえ、この動作だ。開いてしまったらしい。
 だが、あと数分だけ持てばいい!
 滞空するヴィラルは、側面に手を当て――力を込め、急落下。カミナの元に疾駆する。
 これで隙を見つけたら殺してやろうと思ったが……このカミナという男、随分と戦いなれている。この三次元の動作に、ぴったりと食いついてきている。
 恐らく、今攻撃しても、その長槍で受け止められるだけだろう。

「なら!」

 落下の速度を利用し、踵を振り下ろす。案の定、その長槍でガードしてくるカミナ。
 だが、ヴィラルは焦る事無く更に力を込める。
 カミナの表情が引き攣った。左肩の裂傷が疼きだしたのだ。
 瞬間、ほんの僅かな間に力が緩まる。その間隙を縫うように――一気に押し出す!

「うお――ぁあ!?」

 水柱を立て、下水に落下するカミナを確認する事無く、ヴィラルはすぐさま下水を逆走した。
 呼吸は荒い。腹部の傷は開ききり、血涙を流している。
 だが、いつまでもここで立ち止まっていれば、自分は殺されてしまう。そう、螺旋王の期待に添えないままに。
 それだけは許せなかった。人に近い肉体になるという屈辱を受けながら、殺したのが一人だけとは、笑い話にもならない。

「この――待ちやがれ!」

 背後から響くカミナの声に、思わず舌打ちを漏らす。
 予想以上にリカバリーが早い。これでは、下水から出たとしても逃げ切れるかどうか――
 そこまで考えて下水から飛び出て……それを見た。

「……はっ」

 ああ。もし神という存在がいるとしたら、今くらいは感謝してもいいかもしれない。
 目の前にある『ソレ』には車輪がついており、内部にはガンメンとは構造が違うもののコックピットのようなものがあった。
 ヴィラルは知らなかったが、それはゴーカートと呼ばれる乗り物である。

「丁度いい、使わせてもらおう」

 最初はデタラメにハンドルやペダルなどに触れ、この乗り物の反応を確かめる。
 幸い、機械関連はガンメンの扱いで多少は慣れていた。起動さえすれば、後は様子を見ながら動かせるはずだ。

「この――ってっめえ! 人のモン勝手に使いやがって!」
「ッ!? くそ、動け!」

 既にカミナは下水道から抜け出し、こちらに向かって駆けてきている。
 追いつくまで、あと数十秒といったところか。
 早く早く、という気持ちとは裏腹に、コックピットはなんの反応も返してこない。
 糞っ! と。苛立たしげにペダルを踏み込んだ。

「ッ!」

 瞬間、背後のシートに体を押し付けられるような感覚。それと共に、車輪が急回転し、運動エネルギーを地面に伝え加速する。

「……動いた、のか」

 遠くで吼えるハダカザルの声を聞きながら、ふう、と息を吐いた。
 ハンドルを回す。すると、車体もその方向に向きを変えた。どうやら、この乗り物はペダルとハンドルを用いて前に進むモノらしい。
 道をジグザクに進み、追撃をさせないようにする。これが頭のよい奴なら目的地を理解できるだろうが、あのカミナという男は、さして頭が良さそうには見えなかった。

「早く、休まねば――」

 一番手近な建物である空港。そこに入ると、格納庫らしき場所に入り込んだ。
 中は異常な程にだだっ広い。本来は戦艦サイズのガンメンも入りそうなのだが、今はツギハギの見えないコンテナが複数、置いてあるだけだ。

「――ふう」

 小さく息を吐き、シートに体を預けながら、そのコンテナを見やる。
 サイズはみなバラバラだ。ガンメンが複数入りそうな物もあれば、ギリギリ一体入るかどうか、という物もある。
 疑問に思い、ゴーカートを近くまで寄せてみるが、やはりツギハギは見えなかった。

「この首輪と同じ、か?」

 自身の首を覆う金属質のそれに触れながら、少し残念そうに呟く。
 もし開けられたら、そして運良く中にガンメンがあれば、クルクルやケンモチ、そして蛇女やカミナというニンゲンに苦戦する事はなかったろうに。
 だが、無い物ねだりをしても仕方がない。それならば、この乗り物を調べた方がずっと有意義――

「む?」

 そう思いながら背後に視線をやって、ようやくその存在に気づいた。
 まず、デイバックが二つ。一人に一つだけ支給される物なのだから、おそらくカミナが殺して奪ったものだろう。
 まあ、それはいい。武器や道具が増える事は喜ばしい事だ。だが、

「女……?」

 金髪の女性だった。
 豊満な体躯を覆うのは茶のスーツにタイトスカート。耳にはリング状のピアスが揺れている。
 その豊満の体は、マントに縛られる事によって更に強調されたその姿は、とても蠱惑的であった。
 ごくり、と一瞬息を飲むが、すぐさま頭を振る。

「全く、ニンゲンとは下劣な生き物だ」

 女性を昏倒させ、縛り上げた男。その男がその後どうするか――想像に難くない。
 もっとも、案外そちらの方がよかったのかもしれないな、とも思う。
 その姿態を蹂躙されるのと、今ここで殺されてしまう事。どちらかといえば、前者の方がマシだろう。
 す、と両手を女性の首に伸ばす。首は細く、獣人の力で握り締めれば、容易く引き千切れてしまいそうだ。 

「運がなかったな、女」

 そう言って、両腕に力を込め――――

「……なんだと?」

 その違和感に気づいた。

     ◆     ◆     ◆

「畜生、逃がしちまった!」

 がんっ! と地面に拳を叩きつけながら漏らす。

 苛立ちがつのる。もし、あいつをこのまま放っておいたら、今度はヨーコたちも殺されてしまうかもしれない。

「いや――」

 小さく呟き、頭を振る。
 それでは、シモンの死を認めてしまったようではないか、と。

「俺は、自分の目でみねぇかぎり、ぜってぇ信じねぇ」

 アイツがそう簡単にくたばるはずがない。カミナはそう信じていた。
 だが、もし、もし本当に殺されていたら――

「そんときゃ、魂の底から泣いた後に、胸に刻めばいい」

 悲しみという存在は図々しいものだ。
 今まで大切な誰かがいた場所に、いなくなると同時に滑り込んできやがる。
 そんな奴らをどう追っ払うかって? 
 簡単だ、泣けばいい。
 心の底から、魂の底から泣きまくって、その濁流で悲しみなんぞ押し流す。
 そして――空いた空洞には思い出を詰めるんだ。
 そいつがどんな奴だったのか、
 どんなすげぇ奴で、
 どんなに助けられたかを。
 誰かに、笑って語れるようにすりゃあいい。

「だよなぁ、親父」

 父の亡骸を見つけた時を思い出しながら、剣を腰に差し、槍をバックに仕舞いこんだ。
 やっぱり、剣の方が性にあっているな。そう思いながら、どこかに歩き出そうとして――

『あーあー、あーあー……ちゃんと電源入っとるんかなぁ、コレ?
 ……ええかな?
 えーと、いきなりこんな声が聞こえてきて、ビックリしている人もいると思います。
 私は――ううん、私だけやない、同じような考えを持っとる人の言葉、全部を代弁して言わせて貰います』

 遠くから、誰かの声が響いてきた。

「な、なんだぁ!?」

 ガンメンに乗って喋る時も、外からはこんな感じで聞こえてたよな、と思いながら、耳を欹てる。

『――皆、迷っとるやろ?
 おっかない、他人が信用出来ない、死にたくない……何もしないでいても、そんな気持ちばかり湧いてくる。
 いっそ、殺し合いに乗ってしまおうか。そうすれば楽になれるんじゃないか。
 分かるで……私もほんの今の今までそーんな、グチャグチャした考えで頭の中が一杯やった』

「……そりゃぁ」

 あのガンメンモドキの心ない言葉によって頭が沸騰した時、あの女を絞め殺してやろうかとは思ったのは確かだ。
 遠くから響いてくる女の声を聞きながら、ふう、と息を吐く。
 オーケー、落ち着いてきた。
 やっぱりケンカは熱いハートにクールな頭脳だ。

「なんだ、マトモな奴も、いるんじゃねえか」
『そして……な。今、一人で脅えてる子がいたら聞いて欲しいんよ。
 私が、そして同じような気持ちの人が絶対他にもおる! だから心配する必要なんてないんや!
 必ず助けたる、そんで皆一緒にココから脱出して、ロージェノムを捕まえるんや!』

 ガンメンモドキに、カマイタチのようなモノを放つ男、そしていきなり銃をぶっ放してきた女。
 誰も彼も、妙な奴ばかりだ。
 だから、こういう普通の言葉に、少しだけ安堵を覚えた。

『それと……そや、制服! 茶色い布地で胸の部分に黄色のプレートが付いてる制服を着ている人間を探してください。
 その人達は皆、私の仲間――五人……今は四人に減ってしもうたけど……四人とも、本当に信用出来る仲間です。
 名前は……すいません。今は……言えません。
 だけど、私はコレから北に向かうつもりです。
 例の制服を見かけたら声を掛けて下さい。多分、後は声で分かって貰えると思います。
 最後に……皆、絶対に諦めたりしたらあかんで!!』

「――――ちょっと、待て」

 この女、今、なに言った?
 茶色の布地に、黄色のプレートがついた服――ああ、そりゃ分かるさ。けれど、

『ごめんなさいね。
 今死ぬあなたに名乗る名前はないわ』

 だけどそれは、自分たちに銃をぶっ放してきた、あの女が着ていた服じゃないのか?

「……へっ、そういう事かよ」

 頭の中でピースが噛み合う。
 ――そうやって人を集めて、殺してるんだな、テメエらは。
 怯えてる奴は、きっとなにか支えを欲しがるだろう。そしてこの声は、その支えになり得るものだ。
 そうして現れた弱い誰かを、一人一人、殺して行ってるのだ、この声の主は。

「――んのやろう、ふざけやがって」

 ぎり、と拳を握りしめる。
 紅蓮の炎のような苛立ち。それと同時に、なるほどとも思えた。
 シモンだって、いきなり後ろから刺されりゃ、諦めないも糞もねぇよな――と。
 もし殺されたとしたら、この女が言ったみてぇな手で殺されたんじゃねぇのか? と! 

「誰だか知らねぇが、んな企み、ぶっ壊してやるよ!」

 剣を抜き放ち、天に突き付ける。
 それは宣誓するように、それは宣言するように。

「このカミナ様がなぁ!」


【F-3/大きな道路沿い/1日目/午前】
【カミナ@天元突破グレンラガン】
[状態]:激しい怒り
   体力大消耗・左肩に中程度の裂傷(激しく動かすと痛みが走るが、我慢できないほどでは無い )マントを脱いでいる
   大きく動かしたため、裂傷の状態が酷くなっている可能性もあります。
[装備]:なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん、
[道具]:支給品一式、ベリーなメロン(3個)@金色のガッシュベル!!(?) 、ゲイボルク@Fate/stay night
[思考・状況]基本:殺し合いには意地でも乗らない。
1:あの女(八神はやて)……!
2:ヨーコと一刻も早く合流したい
3:ヴィラルを逃がした事に苛立ち
3:グレンとラガンは誰が持ってんだ?
4:もう一回白目野郎(ヒィッツカラルド)と出会ったら今度こそぶっ倒す!
※グレンとラガンも支給品として誰かに支給されているのではないかと思っています。
※ビクトリームをガンメンに似た何かだと認識しています。
※文字が読めないため、名簿や地図の確認は不可能だと思われます。
※ゴーカートの動かし方をだいたい覚えました。
※ゲイボルクの効果にまるで気づいていません。
※1/4メロンは海に出た際、落っことしました。どこかに流れ着いても、さぞかし塩辛いことでしょう。
※向岸流で流れ着いたメロンが6個、F-1の海岸線に放置されています。
※シモン死に対しては半信半疑の状態です。
※拡声器の声の主(八神はやて)、機動六課メンバーを危険人物と認識しました。


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120:テメェに何が分かるんだ シャマル 132:たった一つの強がり抱いて(後編)
120:テメェに何が分かるんだ ヴィラル 132:たった一つの強がり抱いて(後編)

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