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  • アイが呼ぶほうへ side-I(前編)

アイが呼ぶほうへ side-I(前編)

最終更新:2023年06月11日 15:00

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だれでも歓迎! 編集

アイが呼ぶほうへ side-I(前編) ◆2PGjCBHFlk



 それは突然のことだった。
 機械だらけの一室は、懐かしいテッペリンをどこか思い出させるものだった。
 もちろんあの空に浮かぶ宮殿よりもずっと機械的な場所であったのだけれど、
 彼女はそこにどこか懐かしい父親の面影を感じ取っていた。

 カミナ達三人が目の前の機械について話し合っている間、ニアは自分の直感が間違っていないと確信していた。
 ここはおそらく、お父様との関係が決して薄くない場所であると。

 その間にクロスミラージュが機械の解析を終え、その結論を三人に説明した。
 難しい話の途中は理解できなかったが、思った相手のところへ移動できるというのは便利な上、素敵なもののように感じる。

(これがアニキさんの仰っていたような、凄いモンなのですね)

 そう納得したのも束の間のことだった。
 部屋全体が細かく振動し、何度か繰り返された電子音声の再生。
 クロスミラージュに比べて温かみのまるでないそれを聞きながら、ニアは思っていたのだ。

 ――もしも願う誰かの元へ飛べるなら、私はシータさんを止めたい。


 願いは叶った。
 螺旋界認識転移システムはその力を遺憾なく発揮し、ニアの細身を空間を捻じ曲げて対象の元へ転移させる。
 時間はかからない。ほんの一瞬、瞬きの間の出来事だった。

 ぱちくりと大きな瞳が開閉された一瞬の間、そして彼女は大グレン団の仲間と逸れていた。

 目を開けて見回す周囲、そこには見覚えのない荒地が広がっている。
 四方八方のどこもかしこにも破壊の痕跡が刻まれ、踏み締める大地さえ確かではない。

 咄嗟の事態に対し動揺しないのは彼女の美徳だ。
 穏和な性格、あるいは世間知らずが故の心の強さ。
 それが仲間を見失い、見覚えのない破壊だらけの場所に置き去りにされるという状況ですら、取り乱すことを未然に防いだ。
 だから彼女はいつものように小首を傾げ、一番身近に見えた男に声をかける。

「あの、ここはどこでしょうか?」

 無防備な彼女の問い掛けに、身構えていた男は危険はないと思ったのか拳を引く。
 それから周囲の惨状を見渡すと十字傷のある頬に触れて、

「ここは……その、卸売り場だった……はずだ。確かに少し面影はなくなってしまったが」
「はぁ……それで私、どうしてここにいるんでしょうか?」
「それは俺が聞きたいぐらいだ。君は気配もなく、急にそこに現れたんだぞ」

 毒気を抜かれたような返答に微笑みながら、ニアはふと目の前の人物の容姿に引っかかりを覚える。
 黒髪に巻いたハチマキ。ほっぺたにある十字の傷――聞いていた誰かの容姿に、とても似ている気がする。

「あの、あなたはひょっとして……」

 一歩踏み出し、その男性にニアは駆け寄ろうとする。
 そうして最初の位置から動いたから、ニアはようやくその存在に気づいた。
 長身の男の陰になる位置で、蹲って泣きじゃくるシータの姿に。

「――シータさん?」

 花模様の双眸が初めて驚きに揺れ、しくしくと断続していた涙声が停止する。
 そして涙の雫を湛えた双眸で上目に睨み、幽鬼めいた仕草で少女が顔を上げた。
 その姿は紛れもなく、捜し求めていたシータだ。
 しかし数時間前に別れた時よりも、その服装は血と泥によって際限なく汚れ、双眸に宿る感情の迷走は色濃くなっていた。

 その変わり様に思わず息を呑むニアに、その姿を視認したシータが告げる。

「なぁんだ……本当に、生きてたんですか」

 殺意というものには色も熱もある。
 東方不敗に襲われた時、かの達人がニアに向けた殺意は熱く、炎のように赤かった。
 かつて遭遇した時、シータの抱く殺意は青白く、身を凍らせる永久凍土であった。

 しかし今の彼女は違う。
 今の彼女が抱く殺意は、これまでのどの殺意ともあまりにも違う。
 黒かった。どす黒かった。
 どこまでも色は暗黒で、その性質は粘着質な汚泥じみている。
 熱い冷たいでそれを図ることはできない。黒く、深い、澱みだ。

「すみません。わぁわぁ子どもみたいに泣いてしまって。
 くすくす、シータちょっぴり反省です。でも、そのおかげでとってもすっきりしました」

 涙の跡の残る顔を袖で乱暴に拭い、シータは晴れやかな表情で笑顔を作った。
 そうして見れば愛らしい笑顔だ。
 その内心を狂気が渦巻いていることを知らなければ、きっと見るものも笑顔を返す気になることだろう。

 だが彼女の狂気を知るこの場の二人にとって、その笑顔はあまりにも歪んだものだった。

「お前は……いや、シータだったな。シータ、お前は一体……」
「あ、お待たせしてしまってすみませんでした。
 でも、泣き止むのを待ってくれるなんて優しいんですね。それにとってもお強いし……くすくす、理想的です」

 すぐ傍に立つシータの変貌が理解できず、ドモンは眉根を寄せる。
 その少女の白い手が真っ直ぐにドモンに伸びてくる。ただの華奢な細い手だ。
 何が握られているわけでもなく、全くの敵意も感じられない。
 だからその手が胸に伸びてくるのを放置し、ドモンは彼女の発言を待つ。
 そして人差し指でいじらしく、妖しげにドモンの胸をなぞり、彼女は言った。

「今度はあなたが、私を守ってくれる兵隊さんなんですね」
「……貴様、何を言っている?」
「ロボットの兵隊さんは負けてしまいました。でも、代わりに現れたのがあなたです。
 私の新しい兵隊さん。神様が古い役立たずの代わりにくださった新しい私の武器。
 前のよりずっとずっと強くて、ああ――コレならきっと優勝できます、神様!」

 歓喜の表情で両手を天に伸ばすシータの声に、一片の疑念も存在していなかった。
 だからこそその根底に根付いた狂気の深さに、ドモンは本能的な嫌悪感を感じる。
 たった一人の少女をたった一日の間に、これだけ破壊しきるゲームの腐り加減に。

「――断る」
「何が欲しいんですか? あげられるものはあまりなくて……私の体でよければ使ってください。
 くすくす、意外と恥ずかしがらずに言えました。
 あ、でも、明るいところは少し嫌です。汚くてもいいので建物の中が……」
「――何を代価にされようと、俺は頷かない」

 自身の解れた衣服に触れ、白い足を見せつけるように覗かせる姿を見ていられなかった。
 瞑目し、唇を噛み締めて無情さに身を震わせるドモン。そんな彼の様子を不思議そうに眺め、シータは唇に指を当てる。

「くすくす、おかしな兵隊さん。新しい兵隊さんは少しわがままなんですね。
 でも大丈夫です。私は王族ですから、臣下を従える資質はあります。
 ちょっとくらい不忠者でも、甘い飴をあげれば大人しくついてきてくれますよね?」

 湧き上がる自信はどこから出てくるものなのか。
 シータの言動と行動は、眼前のドモンを篭絡することができると信じて疑っていない。

「さあ、従ってください、兵隊さん。私を好きにしてくれていいですから。
 王族に触れることができるんですよ? とてもとても名誉なことじゃありませんか?
 本当はパズーだけなのに、とてもとても凄いことですよ? 早く皆さんを皆殺しにして、生き返らせてあげましょう」

 論理は破綻している。言動は支離滅裂だ。
 なのにドモンには、その少女を真っ向から破壊する言葉をうまく選ぶことができない。
 拳を培ってきた日々が、ガンダムファイターとしてキング・オブ・ハートの称号を得て尚、
 この手が届かない領域があることを思い知らされていた。

 だから聞くに堪えない妄念を口にするシータの、その頬を張ったのはドモンではない。
 それはこれまでずっと黙って静観していた少女――ニアの掌だった。

 ドモンは知らないが、ニアの掌がシータの頬を叩くのはこれが初めてではない。
 そのためか、結構な勢いの平手にも関わらず、シータは痛がる素振りを見せなかった。
 ただ叩かれて横を向いた顔を正面に戻し、異様に冷たい眼差しでニアをちらと見て、

「まだ、いたんですか。そうだ、兵隊さん。手始めに、このニアさんを殺してください。
 殺したはずなのに死なないんです、ニアさん。卑怯ですよね、ズルイですよね。
 死なない人なんてこの場所にいちゃいけないのに。とりあえず手足を折るか千切ってください。
 そうすれば動けないニアさんを禁止エリアに放り込めます。泣いて喚いて血塗れです。
 あとは何回でも首が爆発するのを見ましょう。わあ、ちょっと楽しいかもしれませんね」
「――あなたは、とても悲しい方です」

 手を叩き、自分の考えがさも名案だと言いたげなシータに対し、ニアは悲しみに満ちた瞳でそう投げ掛けた。

「なん、ですか?」
「あれからずっと、今までずっとその考えに囚われてきたのですね。それはとても、残念なことです」

 ニアは自分が悲しみを覚えた時、自分の傍にいてくれた人々を思い出す。

 ――ドーラおばさまは優しかった。
 彼女がいなければ、シモンを亡くした悲しみに自分が耐え切れたかどうかわからない。
 ――ビクトリームさんは勇気のある人だった。
 最初の出会いは突然で、逸れた時もあったけど、最後の最後に彼は自分達を信じてくれた。
 ――マタタビさんをもっと知りたかった。
 傷だらけの出会い。言葉を交わす余裕もなく、失ってしまったありえたかもしれない絆。
 ――ルルーシュさんは味方になってくれた。
 皆に行動を疑われ、心細く反論もできない自分を庇ってくれた。
 ――ガッシュさんは大事な大事な大グレン団の仲間。
 小さいのに、勇気がある、王様を目指す勇敢なお友達。
 ――クロスミラージュさんは頭のいいデバイスさん。
 こんがらがってしまった思考の糸を解いて、道を示してくれる立派な方。

 ――そして、シモンが信じたアニキさん。
 でっかいシモンが信じた通り、でっかい背中の凄い人。無理を通して道理を蹴っ飛ばす。大グレン団、不撓不屈の鬼リーダー。

 もう死んでしまった人もいるけれど、全ては掛け替えのない出会いだった。
 ニアはこの時間の中でたくさんの人に巡り合い、話し合い、時には戦い合いながら、心の芽に水を与えてきた。
 蕾がどんな花をつけるかはまだわからない。咲けるかどうかも確信はない。
 それでも綺麗な花をつけるのではと、花模様の双眸は信じて疑っていない。

「誰も、シータさんを救ってはくださらなかったのですか?」
「そんなこと、ありませんよ。マオさんがいました。エドがいました。
 言峰神父も優しい言葉をかけてくれましたから。だから私、幸せです」

 語るシータはにこにこと微笑み、その黒い眼は相変わらずの漆黒を描いていた。

 出会い全てが悪かったわけではない。
 シータにだって、このゲームの中で大切だと思える出会いがあった。
 大切だと思える人々もいた。

 だから――シータはもう一人のニアなのだ。
 ニアがこれまでの出会いで救われてこなければ、シータと同じ道を歩いたかもしれない。
 彼女はIFの自分。このゲームの中で大切な人を得て、失った、もう一人の私。

「失ってしまった大切な人は、もう戻ってきません」
「戻ってきますよ。私が優勝して、全員を生き返らせますから。ニアさんも安心してください」
「いいえ、安心しません。私は生き返りたいと思わないし、生き返らせたいとも思わないです」
「生き返った人に責められるからですか? 大丈夫です。私と同じ価値観になって生き返ってきてもらいます。
 そうすれば生き返ったことを誰も不思議にもおかしいとも思いません。あぁ、なんて素敵な世界でしょう」
「そんな風に生き返ってしまった人は、たとえ大切だった人でも、もう違う人になってしまいます」

 ぴた、とシータの動きが止まった。
 口元からは笑みが消失し、見開かれた目がニアを睨む。怖じず、彼女は続けた。

「私が大好きだった人達。私が大好きになった人達。
 もう会えない人もたくさんいて、そのことは悲しいです。辛いです。ずっと、心に傷を残すかもしれません」
「だから……!」
「でも、生き返らせて怒られないために考えを変えてしまうなら、それはもう同じ形をした別の存在。
 ――大好きだったその人じゃ、きっとないんです」
「うるさい! 黙って! 兵隊さん、この人を殺して! 早く!」
「大好きだった人達も、出会うまでは知らない人達でした。
 私もお城を出るまで、シモンのことは全然知らない人だったんですよ」

 あの天空の宮殿の中で、たった一人だけニンゲンとして育てられていた自分。
 何も知らずに捨てられて、シモンやヨーコ。大グレン団のみんなに助けられた自分。
 彼らを好きになっていった。話せば話すほど、助け合えば助け合うほど。

 そうして好きになった彼らは、その瞬間に作られた彼らだったろうか。
 違う、とニアは思う。
 彼女が愛した人々は、赤子として生まれ、名前を貰って成長し、自分を作り上げた。

 一から積み上げられた全てと付き合って、ニアは彼らを愛したのだ。

「仮初めのシモンに、私は会いたいと思いません。
 私の知っているシモンは、この場所で懸命に生きるために戦いました――それが、私の大好きなシモンの全て」
「泣き喚いて……無様に足掻いて、命乞いをしながら死んだかもしれませんよ……?」
「いいえ、シモンは最期まで戦いました。
 だってシモンのドリルは、天を突くドリル! シモンは、『男』なんですからっ!」

 ニアの信じる心、強い眼差しに気圧されるように、シータの上体が背後に揺らぐ。

 シータにとって、ニアの発言は一から十まで聞く価値のない戯言だ。
 そうに決まっている。そんなもの、心に留めておく価値などどこにあるものか。

 ――パズーの形をしただけの、違うモノ。

 目覚めた朝、鳥達とトランペットを吹いていた彼。
 追われているとわかった自分を、懸命に助けてくれた彼。
 魔法の鞄からたくさんの宝物を取り出し、笑わせてくれた彼。
 ドーラおばさまの力を借りて、軍の駐留する場へ助けにきてくれた彼。
 一緒にラピュタへ向かう道筋、慣れぬ飛行船作業で顔を黒く汚していた彼。
 ラピュタを捜す見張り場で、一緒の毛布に包まって、互いに笑い合っていた彼。

 ――蘇るのは、その愛しいパズーとは違うモノ?

 そんなはずはない。そんなことがあっていいはずがない。
 だって生き返るパズーはシータと同じ価値観なのだ。
 シータと同じものを見て笑い、シータと同じものに対し怒り、シータと同じ場面で悲しみ、
 シータと同じことに愛おしさを感じ、シータと同じことに同じことに同じことに同じことに同じことにオナジコトニ……

「全てが自分と同じになることを、愛と呼ぶのとは違うと思うんです」
「うるさいです。静かにして……これ以上、困らせないでください」
「シモンと私は違う人間ですから、一緒になることはできません。
 でも、違うから、違っているから、違っていてもいいと思えるから――それを、嬉しいと思います」
「聞こえない聞こえません。あーあーあーあーあー!
 うるさいんです! 兵隊さんは何をしてるの! 早く、早く殺してください!」

 耳を塞ぎ、声を出し、ニアの言葉から遠ざかる。
 あの声は、言葉は、仕草は、存在は、全てがシータにとって猛毒だ。

「私はラピュタの王族、リュシータ・トエル・ウル・ラピュタなのに!」
「私だって螺旋王の娘、第一王女ニアです!」

 絶叫に応じた大声の内容に、傍らで二人のやり取りを見守るドモンすら驚愕する。
 そのドモンの動揺が可愛くなるほどの衝撃に、シータの思考は激しく揺さぶられた。

 螺旋『王』の娘――つまり、彼女もまた、王族。それも……第一王女。
 シータがこの場で唯一無二であると信じる優秀な血に、匹敵する存在。

 足場が瓦解する。もはやまともに立っていることすら困難だ。
 シータは足がなくなったように腰から崩れ落ち、すぐ近くのデイパックに手を入れる。
 その中身を乱暴に漁りながら、必死の形相で取り出したのはストラーダ。

 自暴自棄で何を取り出すと警戒していたドモンの前で、彼女は腕時計になってしまっているストラーダに懸命に呼びかける。

「動いて! 動いてください、ストラーダ! この人を、ニアさんを殺して!
 お願いします、お願いします! あなたは私の道具でしょう!?」

 魔力を失った仮初めの主に、ストラーダは応じる気配もない。
 腕時計の針は静かに時を刻み、虚しい絶叫に淡々と時間の経過を伝えるのみだ。

 何も告げないストラーダを、癇癪を起こした子どものように放り捨てる。
 それから何も応じないデイパックをごそごそと漁るが、何も状況を打開する術が出てこない。

「どうして……どうして、私は神様に……神様……そう、神父様! 言峰神父! どこですか!
 出てきてください、言峰神父! 私、神父様のお言葉がやっと理解できたんです!
 もう馬鹿で神父様を困らせる私はいません! だから助けて!」

 支給品のデイパックを投げ出し、シータはここにいない長身の神父の名前を叫ぶ。
 呼べばその存在が正義の味方の如く現れるというように。
 シータは狂笑を浮かべながら、ニアとドモンの二人を指差して、

「ニアさんも! 命令を聞かない兵隊さんも! みんなみんな神父様がやっつけてくださいます!
 わぁ、やっぱり私は神様に愛されている!」

 的外れな愛を高らかに叫ぶシータ。その姿を痛ましげに見ていたドモンの表情が変わる。
 ふと空を見上げるその動作にニアが続くと、その声は聞こえてきた。


 ――――生き延びた者達よ、聞くといい。




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