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  • 俺達が愛したタフな日々

俺達が愛したタフな日々

最終更新:2023年06月11日 16:40

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だれでも歓迎! 編集

俺達が愛したタフな日々 ◆2PGjCBHFlk



 卸売り場での戦闘から離脱したウルフウッドが求めたのは、まず何よりも休養である。
 そのために彼は身近なところにあった図書館を選んだのだ。
 荒らされた様子もないそこを根城に、しばしの仮眠を取ろうとした判断は正しいはず。
 正直なところ、選んだ避難所は外見も中身も設計者の頭の中身を疑いたくなる代物だったのだが、その無駄な設計思想が幸いして隠れる場所は結構に多い。

 頭の中では相変わらず「死ねコール」が絶え間なく続いており、いい加減に慣れてくると意識しなくても無視することができるようになる。人間の体は偉大だ。
 カウンターを乗り越えて奥の通路を通り抜け、階段を上がって『更衣室』というプレートのかけられた部屋に乱暴に押し入る。
 血止めなどの簡易的な応急処置を済ませ、置いてあった長椅子に陣取ると遠慮なくその場に横たわった。
 最初に入った時、館内に誰もいない様子なのは確認済みだ。本に支配された図書城は戦いの喧騒もどこか遠く、静寂に満ちた空間が今の軋む体と心にありがたかった。

「タバコ……タバコ吸いたいわ。あかん、ほんまに頭ボーっとしてきた」

 眠るつもりでやってきて、昏睡したら洒落にならんなぁと思いながら、意識が暗闇の中に飲み込まれていく。
 まぁ、眠っただけなら危険を察知すれば勝手に体が起きるはずだ。
 もしも昏睡したなら、その時に危険人物を送り込むような酷薄な神の御許に殴り込み、偉そうな髭面を粉砕してやる。

(なんや、案外まだまだワイも余裕あるやんか……)

 死ねコールは鳴り止まないし、節々は痛むわで碌なことがない。
 それでも眠りにつくその内心は、どこか穏やかなものを保っていられた。

 ――のも束の間、ほんの十分程度のことではあるまいか。

「――そうか! 間違いねぇ! そういうことに違いねぇぞ!」

 唐突に張り上げられた書架の塔からの大声に、寝入っていた体がびくりと震える。
 ぼさぼさに乱れた頭を掻き、寝惚け眼を擦り、懐にいつもの癖で手を入れて、望みのものがそこにないのを確認して、怒りが頂点に達した。

(なんやなんや、どこのイカレポンチやねん。ワイの聖域に断りもなく入り込んで、じたばたじたばた騒ぎ立ておってからに。ドコノクミノモンジャワレスマキニシテシズメタルカコラ)
 凄まじい怒気が吹き上がり、無粋な連中に対する殺意へと昇華されていく。
 さらには侵入者達は怒るウルフウッドをおちょくるかのように、次々と重いものを地面に叩き落としている。
 音とこの場所にあったものからして本だろう。しかも一冊とかではなく数十冊単位で次々と。

(その行為にワイをムカつかせる他の何の意味があるんや)

 もはや収まりがつかない。急襲し、螺旋塔の馬鹿どもを殲滅する。
 サーチ・アンド・デストロイ。サーチ・アンド・デストロイ。
 YES、ワイのマスターワイ。ハリー、ハリー、もひとつおまけにハリーやで。

 残弾八発に予備マガジン。
 件の馬鹿が油断して阿呆面を並べたボケナス共なら、十分にやれるはずの武装であるはずだ。

 移動した先に感じる気配は三人。聞こえる声の様子からして、男が三人と女が一人。
 あかんやん、計算がいきなり合っとらんやんけ。
 この距離で声は聞こえるのに気配は断ってるって、どんな達人君がおるねん。

 はい、終了。突撃急襲作戦は未然に防がれました万歳。
 声の感じからして三人はガキ。子どもを殺すのは胸糞悪いが、正直なところこの場に足を踏み入れてから子どもばっかり殺してて感覚が麻痺してきよる。
 まぁ、賢そうな声の奴の気配がどこにも感じられんから、そんな手練れと一戦交えるつもりなんて毛ほども出てこうへんのやけど。

 ドッスン、バッタン、ドッスン、バッタン。
 皆さんどうぞお好きにどうぞ。効率が悪いので、二組に分かれて左右同時攻略推奨。
 頭おかしくなった四人組とかだったらどうしようか。そもそもこの場に安穏と留まるべきかどうかも問題だ。
 奴らの目的がこの図書館中の本に地べたを舐めさせるという部分にあるのであれば、いずれはこの場所にも「本はどぉこだぁ~」と現れる可能性がある。
 となるとここでイヤンバカン好きにして状態で転がる自分との遭遇は必至なわけで。


(なんや一秒たりともこんな場所に長居する必要ないやんか)

 結論に至れば動きは早い。枕にしていたデイパックを回収し、ほんの数分だが寝転がるのに利用させてもらった長椅子に触れて別れを惜しむ。

 悲しいけれどこれでお別れや。ワイは西から東へ、あてもなくさ迷う流浪のコメディアン。
 ああ、行かないで。ここに残って。もっと私の固さを味わって。
 そうは言ってくれるんやないで。別れが泣き顔になるんは、趣味やないんや。
 手紙書くわ、だから手紙……きっときっと書いてね。
 おおきに、任せとき。われも風邪ひかんよう、元気に伸び伸びとやれや。
 さようなら、初めて私に寝そべった人。

 脳内会話終了。
 自分で自分がかなりヤバイ状態になっていることが理解できる。しかし本気で頭駄目な人は自分が駄目なことに気づかないらしい。となればヤバイことになってると理解しているワイはヤバイことにはなっとらんのとちゃうんか?

 ガシガシと頭を掻き、結局、自分は何をしなければならなかったのかを思い出す。
 えーっと、そもそもここには何をしにきたんだったか。
 脳内ウルフウッドさん、お答えをどうぞ。

(死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね)

 そやったそやった。もうこんだけ言われてるんやから大人しく死のう。
 わー、死のう。さようなら人生、ありがとう毎日。ビバ・涅槃。

「んなわけあるかい。と、遂に一人突っ込みの領域やでこれ」

 疲労の極致が認識と判断力の齟齬を生み、中途半端な仮眠が眠気を増大させて耳鳴りがする。
 右からは耳鳴り、左からは死ねコール。真ん中にいるのはウルフウッド君でーす、いえー。

 何しにここへきたんだったか。
 そうだ思い出した。

「ワイ、一眠りしにきたんやないか」

 ならばまだるっこしいことは忘れて、とっとと寝よう。
 目の前にはおあつらえ向きに寝転がれる長椅子があるし、枕代わりのデイパック。
 なんや寝る準備万端やないけ、知らんふりして、ネンネのふりしおってなぁ。
 あかん、ほんまにもう限界や、寝るで。たとえ一秒後に世界が滅んでも。

 あら、いらっしゃい。またきたのね。
 阿呆か、初対面やろが。ええからちゃっちゃと体貸せ。

 悪態をついて長椅子に横たわり、頭の下にデイパックを置いて準備完了。
 ではさようなら現実。目が覚めたらタバコ屋が目の前にありますように。

 ――ドッスン、バッタン。

 はい現実逃避終了。今度こそきりきり戻ってきて、きっちり動かんかい。
 あまりの間抜けさにほんま頭が下がるで。呆れました。ぶっちゃけ愛想も尽きました。
 愛想も尽きたし正直ネタも尽きました。これ以上は間が持たへん。

 さっきまでドタバタ騒がしかったはずの館内が急に静まり返っている。
 かといって侵入者が出て行ったようにも感じられず、ウルフウッドは首を傾げて階段を下る。

(ほんま嫌やでこれ。実はワイを誘き出すための陽動作戦とかやったらどないやねん。
 ガキが騒いでその間に気配のない奴が上階に潜入。
 一人ボケ一人突っ込みに夢中のウルフウッド君、スッパリやられて地獄行き――阿呆か)


 ちらと確認した書架の塔の一階はひどい有様だ。
 階段上の本棚から次々と投げ出された本がうず高く積まれ、識者達の嘆きを誘う。関係ないけど。
 見上げた本棚の一割程度に過ぎないが、綺麗な仕事ぶりにウルフウッドは感嘆。完全に侵入者が病気であることを確信。
 もしくは猟奇的なフェチや。本が床の上でだらしなく寝そべっている光景に性的興奮を覚える輩の犯行や。
 ギラリと冴え渡る名推理。灰色の脳細胞が唸りを上げて、とっとと眠れと直訴している。

 いやワイもそうしたいのは山々やねんけど、おちおち居眠りもできひんのやここ。

 脳内助手に適当に応じて、関係者通路の最奥を目指す。
 侵入者達の気配はどうやらその部屋の中らしい。
 不思議なことに四人もいて話し声の一つも聞こえないのだが、まさかあられもない本の姿にうっとりしているのだろうか。
 想像しただけでげんなりやでほんま。

「あー、こういうことかこういうことか。なんや、変なフェチ入ってるんやないか疑って悪かったわ。
 むしろものごっつい賢いやんか。ワイ、なんやかなりの阿呆やん」

 部屋の様子を入り口から窺い、室内に誰も見当たらないのと、最奥に漆黒の扉が存在感を主張しているのを見て納得する。
 扉は位置からして、一つだけ存在感を主張する移動したと思しき書棚の裏。
 つまり侵入者は性癖ではなく、本棚の裏の扉を求めて次々と書架を陵辱していったわけである。丸。

「ほんならわざわざ隠してあるぐらいや。中にあるんは何なんやろなぁ」

 まさか貸し出し禁止の貴重な本、なんてオチは待っていないだろう。
 鉄の扉の厳重さからいって、中に封印されているのはそれなりの代物。

「ひょっとして武器庫かなにか? いやいや、タバコ屋という線も捨てきれんで」

 小声で益体もない戯言を漏らしながら、ウルフウッドは装弾された銃を握る。
 姿勢は低く、扉の陰に身を潜め、中の連中に見つからないように内側を覗き、
 ――期待がどっちも完璧に裏切られたことを知る。

(なんやプラントの工場みたいなもんやんけ。似ても焼いても食えるもんちゃうで)

 落胆も露に額に手を当てるウルフウッドの気持ちも知らず、中にいる少年達はがやがやと嬉しげに手を叩きあっている。
 というかなんやねんそのアットホームな感じは。
 ここが今、何をする場所でどんだけ人が死んでるのかわかってるっちゅーんか。
 人死にがわんさか出て、それでも笑える心が残っとるなんてトンガリみたいな連中やんけ。
 うわぁ、そう考えれば考えるほどに腹立ってきた。

 殺したろかな。隙だらけやんか、あいつら。
 あの水色の髪の嬢ちゃんなんか、多分、自分が死んだかどうかわからんぐらいアッサリいけるで。
 三人合わせてものの数秒――あかんて、だから声が四人分聞こえるねんて。
 というかこの場においてもまだ四人目の声が聞こえて姿が見えないってどないなことやねん。
 透明か。透明人間なんか。あかん、透明人間を倒すのはワイには無理や。
 だって透明人間は血も透明やから死んだかどうかが確認できんもん。透明人間はごっついキツイわ~。
 あ、でもアレやな。透明人間もずっと裸でおるんは寒くて無理やろうから、夜になって寒なってきたら服を置いといたらどうやろ。
 そんでもって透明人間がまんまと服に袖を通して、服だけが浮いてるのを確認すればばっちり殺せるやんけ。
 あ、ダメや。透明人間が子どもやったら、ちょっと子供服は用意できへんからな。
 参った。これさえなけりゃ完璧な作戦やったのに。

 ウルフウッドが脳内で対透明人間戦のシミュレーションを余念なく行っていた時だ。
 室内で騒いでいた面々に、新たな変化の兆しが訪れたのは。

『――螺旋界認識転移システム起動、転移開始』

 妙に無機質な声が聞こえたと思った瞬間、部屋の中から白光が溢れ出しウルフウッドの目を焼いた。
 一瞬、視界が奪われる不徳に全身が臨戦態勢を取って身構えるが、攻撃はない。
 何度かの瞬きで視界を取り戻したウルフウッドは、先ほどまで目の前にいたはずのガキ連中が見当たらないことに気づき、

「なんや最近のガキは逃げ足速いんやな。こんだけ速けりゃ世界が狙えるで世界が。何の世界かは知らんけど」

 呟きながら室内に入り込み、目新しいものはないかと物色する。
 プラントよりさらに小難しそうな機械が群れているだけで収穫なし。

「螺旋界認識転移システム……やったか?」

 先ほどのガキ共の交わしていた内容が正しければ、求めるもののある場所へ一瞬で飛ばしてくれる装置らしい。
 それを利用してガキ共は会場の中をメルヘンヤッホー感動のご対面スペシャルしているわけだ。
 あるいは背後のウルフウッドに気づき、慌てて逃げ出したのかもしれない。
 まあどちらにせよ何たる便利機能、完璧にゴチになります。
 確か青髪の刺青青年がごちゃごちゃ押したのがこの赤いスイッチやったはず。
 ほな、ポチッといきまーす。

「あー、そやな。とりあえずあれや、パニッシャーんとこに飛ばしてくれんかな」
『――螺旋力が確認できません』

 いやそんな一見さんはお断りですーみたいな感じでこられても困る話やから。
 なんや客を選ぶんかい。お客様は神様ですー言うやん、ちゃうんかい。

「そんなつれんこと言わんと、ワイのパニッシャー返したってくれや」
『――螺旋力が確認できません』
「なんちゅー頑固さ。こうなりゃワイもそっちがYESと首を縦に振るまで、断固として同じ要求を繰り返す。我々は暴力には屈さへんで」

 ――パニッシャー。
 ――螺旋力が確認できません。
 ――パニッシャー。
 ――螺旋力が確認できません。
 ――あかん、もう飽きた。

「そもそも螺旋力ってなんやねん。なんや、グルグル回ります的な力のことかい。
 ほんならこれでどないやねん。ワイは死ぬ前は血塗れの人生を撃ったり撃たれたりしながらぐるぐる回ってきました。
 でもって最終的にそこで死んで、死んだと思いきやこのゲームや。生きてても死んでても殺し殺し殺しの螺旋。どや、これは螺旋力にならんか?」
『――螺旋力が確認できません』
「なんやシビアやねんな。ほんならこれはどないや? 実は結構前から頭の中でずーっと誰かが『死ね死ね死ね死ね』繰り返しとんねん。
 ちょっと気の弱い奴やったら自殺に追い込まれそうな負の連鎖。
 右から左へ流れるように、ぐるぐる終わらないこの死ねコール。これは螺旋力にならんのか?」
『――螺旋力が確認できません』

 あまりの頑なさに完全にお手上げ、白旗状態。
 意地の張りすぎはよくない。負けるが勝ち、引くのが大人。

「あれか? アレなんか? なんや思いの力が足りませんよー的な?
 本当にあなたが欲しいと思っているものはそんなものではありませんよー的な?」

 誰にともなく虚空に呼びかけ、それからウルフウッドは仕方ないと舌打ちして、

「そやねん。ほんまはな、ワイは今はパニッシャーなんて欲しないねん。
 ほんまのほんま、ここだけの話、ワイが欲しいんわな……タバコやねん。どないやこの本音」
『――螺旋力が確認できません』
「どーいうこっちゃねん!」

 けたけた笑う。自分の道化ぶりが自分でおかしく、しかも板についてきた気がする。
 今後はコメディアンやのーて、ピエロで売っていったろか。
 いやそもそも、ワイってコメディアンやったことあったっけ?

「こりゃ傑作やないか! わっは、わっはっはっはっは! わっは……げほっ、がほっ、わはっはっは!」

 肩を大いに震わせ、口を大いに開けて、顔を大いにくしゃくしゃにし、咳き込みながら大声を上げて大いに笑う。
 そうして一頻り笑いの衝動が収まったところで、ウルフウッドは黙り込んだ。

 沈黙し、赤いスイッチの手前の椅子に腰掛ける。
 それからボーっと装置を眺め、何気なくその赤いボタンにもう一度触れた。


「――ヴァッシュ・ザ・スタンピードや。
 ワイが、もう一度会いたいんは。ヴァッシュ・ザ・スタンピードや。これでどないや」


 応答までの無言はこれまでで最も長かったような気がする。
 だからひょっとしたらと、期待させられてしまった。
 運命を定める神はウルフウッドを嫌っていて、そんなこと承知だったというのに。

『――螺旋力が確認できません』

 無機質な声に「は」と最初に乾いた音が漏れ、後に投げ遣りな笑声が続いた。
 まぁ、無理だろうと思っていた。トンガリが死んだのは知っているわけだし。
 そもそも実際のところ、これで飛ばされていたとして自分は何がしたかったのか。

 ――千切れた首か、残った胴体。どっちかのところに飛び出すわけや。
  そんなもん目の前にしても正味、ワイが出来んのは十字切る程度のもんやで。

 ああ、でも、それも良かったかもしれない。
 胴体はともかく首のところに出れば、あの小憎たらしい嬢ちゃんに会えたかもしれない。
 そうしたらよっぽど苦しめ抜いて殺してやって、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの弔い合戦もできたかもしれないのに。

「弔いとか、阿呆やんなぁ、ワイ。そんなこと別に考えてへんねんで」
『――螺旋力が確認できません』
「なんやねん、その返答。それじゃまるでワイが、まだトンガリに会いたがってるみたいやんけ」
『――螺旋力が確認できません』
「ちょっとぉ、勘弁したってぇな。死ぬ前は散々突き放してたくせに、いざ死んでもうたら実はもっと一緒にいたかったんですぅなんてやっすい芝居でも流行らんぞ」
『――螺旋力が確認できません』
「困ったわ。これもう人格攻撃の域やで、ほんま。
 われがその言葉を言うたんびに、ワイの中の高潔なウルフウッド像的なもんが削り取られていくんや。訴訟問題起こしたら、これちょっと完全にワイが勝訴やで」
『――螺旋力が確認できません』
「やめえ、ゆうとるやないかぁ――ッ!」

 機械の計器を怒りのままに思い切り蹴りつけ、ウルフウッドは吠える。
 頑強な造りの機器には何の影響もなく、ウルフウッドの爪先が痛くなっただけの結果だ。
 おまけに一向に、声は鳴り止まない――


『――螺旋力が確認できません』
「そうか。そんなにまで、ワイが間違ってるいうんか」


『――螺旋力が確認できません』
「違うで、トンガリ。これはな、ちゃうんや。ワイはな、あくまでタバコが欲しいだけやねん。
 だからこうして、プライドも捨てて何度も何度も頼み込めるわけや。タバコはワイの命の糧。
 流石に何事も命とは引き換えにできんからなぁ」


『――螺旋力が確認できません』
「われが死んで悲しいなんて、これっぽっちも思っとらんのや。だって、そやろ?
 ワシらの関係ってのはいつ死ぬかもわからんような戦場で、互いに憎まれ口叩いて、
 ヘマしてるの見たら腹抱えて笑って、そんな関係やったやんな?
 せやからわれが死んだら笑うのが筋で、これで寂しがるなんてのはワシらと違うんや」


『――螺旋力が確認できません』
「だからな、違てるんや。違てるんやで。トンガリ、ワイはお前が死んだことなんかちっとも悲しないで。
 なんや死んだワイと会ってわれはずいぶん喜んどったけど、ワイは正直サブイもんや。
 二十歳越えた大人が……っていうかわれの場合はそういう規模やないやんけ」


『――螺旋力が確認できません』
「確かにな、なんやかんやで楽しい日々やったのは事実やで。われと背中合わせで戦った日々は悪ぅなかった。
 けどな、戻る言うたわれの手をワイは振り払ったやんか。友達やー言うて出てきたわれを見捨てたやんか。な?
 ワイのどこに、われの死を悲しむ理由がある?」


『――螺旋力が確認できません』
「せやから、タバコや。ほんまに早う、タバコのとこに飛ばしたってくれ」


『――螺旋力が確認できません』
「ワイがこれでタバコのとこに飛んでいけるなら――」


『――螺旋力が確認できません』


 ――ワイはトンガリが死んだことなんか悲しないって、開き直れるんや。


 繰り返し繰り返し、その問答は続けられる。
 笑い混じりの涙声と、無機質な言葉の繰り返しのやり取りが。

 会場の全域に響き渡る放送も、完全に意識の外側に置いたままウルフウッドは呟く。

 機械によって構築された室内で――自分に何もしてくれない部屋の片隅で。



『――螺旋力が確認できません』




【B-4/螺旋界認識転移装置室/2日目/朝】
【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン】
[状態]:疲れによる認識力判断力の欠如、情緒不安定、全身に浅い裂傷(治療済み)、肋骨骨折、全身打撲、頭部裂傷、貧血気味 寝不足による思考の混乱
    軽いイライラ、聖杯の泥
[装備]:アゾット剣@Fate/stay night、デザートイーグル(残弾:8/8発)@現実(予備マガジン×1)
[道具]:支給品一式
[思考]
 基本思考:自分を甦らせたことを“無し”にしようとする神に復讐する。(①絶対に死なない②外道の道をあえて進む)
0:ワイはトンガリのことなんてどうでもいい。タバコが欲しいだけなんや。
1:とにかく休憩したい。図書館は誰もいないから、丁度いいはず。
2:売られた喧嘩は買うが、自分の生存を最優先。他者は適当に利用して適当に裏切る。
3:神への復讐の一環として、殺人も続行。女子供にも容赦はしない。迷いもない。  
4:自分の手でゲームを終わらせたいが、無謀なことはしない。
5:ヴァッシュに対して深い■■■
6:言峰に対して――――?


[備考]
※迷いは完全に断ち切りました。
※ヴァッシュ・ザ・スタンピードへの思いは――
※シータを槍(ストラーダ)、鎌鼬(ルフトメッサー )、高速移動、ロボットの使い手と認識しました。
※言峰の言葉により感情の波が一定していません。躁鬱的な傾向が見られます。
※シータのロボットは飛行、レーザービーム機能持ちであることを確認。
※螺旋界認識転移システムの場所と効果を理解しましたが、未覚醒のため使用できません。
※五回目の放送を聞き逃しました。


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255:陸でなしと寄せ集めブルース ニコラス・D・ウルフウッド 265:TRIP OF 『D』/死を運ぶ黒き風

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