第四回定時放送 ~二四時間後~  ◆W.hp1QcmWc



「夜分遅く失礼します。インデックスです。
ゲーム開始より24時間が経過いたしました。
これより第四回定時放送を開始します。
今回も一度限りの通達となりますので、ご注意ください。


………………

…………

……


よろしいでしょうか。連絡事項をお伝えします。
まずは電車の運行についてお知らせします。
【D-6】から【E-6】の区間について復旧が完了しました。
現在、【D-6】駅の復旧作業中です。
作業完了はこの放送より1時間後、午前1時を予定しています。

また、【C-6】に仮設駅を設置しました事もご連絡します。
現在【B-4】から【C-6】間と【F-5】から【D-2】間については電車の利用が可能です。
ただし、【D-6】駅が利用可能となった際は撤去いたしますので、ご了承ください。
詳細については駅内電光掲示板を御覧ください。

続いて、禁止エリアの発表です。
この放送より3時間後、午前3時より立ち入り禁止エリアが3つ増加します。
今回の禁止エリアは【A-5】【D-3】【E-6】の3箇所です。
行動の際は時間と場所にお気をつけください。

最後に、前回の放送から今回の放送までの6時間で死亡した参加者の名前を読み上げます。
今回もこちらが死亡を確認した順番となります。


以上、4名です。残り参加者は22名となります。

これをもちまして、私からの連絡事項の通達を終了します。
最後に、遠藤より皆様にメッセージがございます」

◇ ◇ ◇

「コングラチュレーションっ……おめでとう、諸君っ……!!
おっと、これだと何の祝辞か分からないか。
1日目の生還おめでとうっ、諸君っ……!!
よく生き延びたと褒めてやるぞっ……お前たちこそ選ばれし参加者だっ……!!



と、祝辞はここまでにしておこう。
お前たちもそんな言葉は聞きたくないだろう?
どうせ聞くならもっと有益な情報がいいだろうしな……。

そんなお前たちに有益な情報だっ……。
例によって今回も各施設に商品が追加されるっ……。
これから先はパワーゲームになる。早いところ、装備を充実させることだなっ……。
ただ、その装備は出来るだけ手持ちに確保しておくことだっ……。
今は協力している隣人も少し先にはお前たちに襲い掛かってくるかも知れんぞっ……?
ほら、そこのお前たちのことだっ……。
おっと、これでは誰の事か分からんかな?
まあ、心当たりがあるのならば、用心することだっ……。
どうせ1人しか生き残れないのだからなっ……。ククク……。

しかし、今回の死亡者数は4人か。
殺さないのは構わんが、徐々に禁止エリアが増えているのを忘れるなよっ……。
会場を広く使えるのは今のうちだけなのだからなっ……。

さて、俺からの言葉もこのくらいにしておこうかっ……。
健闘を祈っているぞっ……!!」

◇ ◇ ◇

「カット! 今回も良い演技でしたよ」
「フッ、このような小細工で褒められても仕方あるまい」

言峰綺礼ディートハルト・リート
主催陣営である彼らは第三回の放送と同様に遠藤を真似た放送を作っていた。
言峰はこの放送のため、定期的にここに戻ってくるようになっている。

「どうですか、結界とやらは」
「作業は順調に進行している……が、私も忙しくてな。自らの仕事で手一杯なのだよ」
「仕事と言うと、サーヴァントの魂の回収とやらで?」
「それもあるが、薬局の件だ。インデックスに任せてしまったのでな。
天江衣にどういう形で接触したのかなど情報を整理する必要があった」

言峰としては参加者との接触はできるだけ自分でしたかったのである。
その点ではライダーの魂を回収していて、薬局に出向けなかった事に悔いが残っていた。

(私がいれば、天江衣の精神を切開してやれたものを)

などと言う事を半ば本気で考えていた。
それが魂の回収や結界の維持よりも優先すべきものではないのは明らかであるが、それでも惜しいものは惜しい。
この言峰、生粋のロワ充。

「それにしても……」
「む?」
「会場にいる謎の女、何者なんでしょうね」

ディートハルトはそれと同時に走り書きされたメモをさりげなく見せる。
言峰はそれをすかさず読破し、ふむと一息吐いた。

「あれが何者であれ、注意を怠らなければ問題あるまい」
「そんなものですか」
「『あちら側』から対処の命令も依然として来ていない。現状維持だ」

部屋の片隅にいるシスターズの1人に視線をやりながら、言峰は言葉を締めた。
ディートハルトもそれに了承の意を示し、やがて放送の後片付けに取り掛かっていった。

◇ ◇ ◇

ディートハルトが言峰に見せたメモ。
そこにはこう書かれていた。

『会場にいる謎の女の正体は荒耶宗蓮

(やはり生きていたか、荒耶宗蓮)

会場内をうろつく謎の女。
十中八九はそうだろうと思っていたが、やはり―――。
荒耶がこちらに連絡もせずに独自行動を続けている所に言峰は言いようもない愉快さを感じていた。

(孤独なる荒耶の行く道に神の加護が有らんことを)

そう念じて十字を切る言峰。
その面持ちが神の加護を願う様相であるかどうかは定かではない。



こうして惨劇の幕開けたる一日は終わった。
そして、また新たな一日が始まろうとしていた。

【第四回定時放送終了(ゲーム開始二四時間経過)@残り22人】

【?-? ???/二日目/深夜】

【インデックス@とある魔術の禁書目録】
[状態]:ペンデックス?
[服装]:歩く教会
[装備]:???
[道具]:???
[思考]
基本:???
0:バトルロワイアルを円滑に進行させる。
1:友達………………?

【ディートハルト・リート@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康
[服装]:普段着(セーターにジャケット)
[装備]:???
[道具]:???
[思考]
基本:主催側の目的を探る。
1:生きてこのゲームを終了させる。
2:言峰と妹達への密かな恐れ
[備考]
※参加者の情報をかなり詳しく知りました。
※主催側は神殺しの力を欲していると仮定を立てましたが、彼自身も懐疑的です。

【言峰綺礼@Fate stay/night】
[状態]:健康
[服装]:神父服、外套
[装備]:???
[道具]:???、麻婆豆腐の詰まったタッパー
[思考]
基本:???
1:サーヴァントの死体(魂)を回収する。
2:荒耶宗蓮に陰ながら協力する。
3:この立場でバトルロワイアルを楽しむ。
4:結界の修復を手伝う。ただし1を優先する。
5:敵のアジトの結界の代替地になりそうな場所を探し、結界を設置する。


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262:ディートハルト・リートの戸惑い ディートハルト・リート 287:裏切り者、二人と一匹
249:とある月夜の友情物語 インデックス 276:友達の定義
270:とある魔物の海底撈月(前編) 言峰綺礼 270:とある魔物の海底撈月(後編)


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最終更新:2010年09月20日 23:08