「舞台裏2(さいしょのおはなし)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
舞台裏2(さいしょのおはなし) - (2008/07/15 (火) 04:19:50) のソース
**舞台裏2(さいしょのおはなし) ◆LXe12sNRSs ・長い長い監獄生活、退屈な日常を激変させてくれたのが、ある一冊の本でした。 ・人生変わった! 俺、出所したら作家目指すよ! ・この作品は創作意欲を掻き立てさせる……何を創作するかって? もちろん新たな犯罪のシナリオさ。 時は23世紀。タイムパトロールの管理する時間犯罪者専門の刑務所にて。 ある日、囚人間で一冊の小説が話題になった。 その本の名は、『バトルロワイアル』――元は21世紀に誕生した物語であり、殺し合いをテーマにしたサスペンスホラーだった。 愛憎と殺戮の嵐、ミステリーもあればグロテスクな要素もあり。 過激な心理描写は右脳を刺激し、ありとあらゆるエンターテイメントがその一冊に濃縮されていた。 20世紀から数えて約7万年前の時を遡り、世界征服を目論んだ時間犯罪者、ギガゾンビも、バトルロワイアルの虜にされた読者の一人だった。 己が感情に振り回され、醜く朽ち、他人を陥れ、崩壊を連鎖させていく。 この小説に登場するキャラクター達は、なんと愚かで醜い生き物なのだろう。 見たい。この作中内で巻き起こされている最高の喜劇を、現実で見てみたい。 それも単なる中学生などではなく、老若男女人間人外様々な面子に様々な要素をプラスした、改善版を見てみたい。 ああ、自分ならここはこうするのに。ここは参加者の嘆きをより大きくさせるために、こう行動するべきなのに。 生易しい。なんて生易しいんだろう。この本で語られるストーリーは、所詮、平和を生きる凡人作家が生み出した空想の物語にすぎない。 私にメガホンを貸せ。ここはこうしたらもっと面白くなる。だから、私にシナリオを任せてみろ。 ああ、非現実と現実の狭間で葛藤するのがもどかしい……。 自分が思い描く設定、舞台、キャラクター、シナリオで、バトルロワイアルがやりたい。 それも紙上などではなく、リアルで。 ギガゾンビは件の小説を牢屋の中で穴が開くほど読み返し、次第にその欲望を滾らせていった。 憧れの先輩に恋焦がれる女子高生のように純真な心で、殺し合い見てー、と絶叫していたのだ。 ああしかし私は捕らわれの身。憎いアンチキショーのおかげでブチ込まれた暗い暗い牢獄が、今の私のお家。 脱獄したい。脱獄さえできれば、今すぐにでもバトルロワイアルを企画してやるというのに。 強い想いを馳せるギガゾンビだったが、23世紀の堅牢な警備システムが、そう簡単に突き崩されるはずもない。 そう、タイムパトロールの目を掻い潜って脱獄するなど、ギガゾンビの力では到底無理な芸当だった。 それこそ、外から救いのヒーローでもやってこない限り。 「ああ誰か、この殺し合いを見たくて見たくてたまらない私を助けに来てくれる王子様はいないものか。うるうる……」 星に願ったギガゾンビ。 その思いは、ある日、突然叶うこととなる。 「――警備システムが破られただと!?」 「侵入者です! 何者かがギガゾンビのいる監獄に侵入して……う、うわぁあああああぁぁあ!!?」 慌てふためくタイムパトロール共の悲鳴が、序幕の合図だった。 「うるさいなぁ。つまらないなぁ。簡単すぎるなぁ。23世紀のタイムパトロールっていうのは、どうにも役立たずばっかりだねぇ」 ギガゾンビの目の前に突然現れたその人物は――救いのヒーローとも麗しの王子様とも違う、単なる同業者。 見た目はまさしく変態。気持ち悪い独眼マークがプリントされた服を着た、細身の男。 「ぼくの名前はヒエール・ジョコマン! 30世紀から来たステキな時間犯罪者です。どうぞヨロシク」 それが彼、ヒエール・ジョコマンとのファーストコンタクトでした。まる。 ◇ ◇ ◇ 7世紀の時を経ても、時間犯罪というものは流行しているらしく、それに合わせてタイムパトロールの組織力も拡大しているそうだ。 だが時間犯罪といっても、主流は恐竜の密売や文化遺産の密輸などが主で、ヒエールやギガゾンビのような、歴史改変規模の犯罪を目論む者はそういないらしい。 ヒエールのいた30世紀でも、ギガゾンビが起こした犯罪は特A級の時間犯罪として語り継がれていた。 脱獄を果たし、再度歴史の改変を企んだヒエールは、計画の一旦を担う協力者を得ようと考えた。 そして目をつけたのが、時間犯罪の大先輩とも言えるギガゾンビだった。 ヒエールは自らの目的のためにギガゾンビを脱獄させ、新たな計画のための同志として迎え入れたのだ。 しかし、当のギガゾンビは、ヒエールに協力する気など欠片もなかった。 (歴史の改変? 新世界の王となる? 馬鹿馬鹿しい……そんなものは、愚か者のすることだ!) かつての自分が犯してきた所業、その全てを覆すような思いを胸に抱き、頭は完全にバトルロワイアルのことでいっぱいだった。 ヒエールが齎した30世紀の時間遡行技術と次元航行システム、そして以前から思い描いていた、亜空間破壊理論。 これらを用いれば、タイムパトロールにも、時空管理局なる組織にも邪魔されることなく、原作にあった沖木島のような隔離空間を形成することができる。 幸運だ。ラッキーだ。スエルテだ! なんとツイているのだろう……ヒエール・ジョコマン、こいつを利用すれば、夢が叶う。 この手でバトルロワイアルを開催するという、夢が! 若かりし頃の情熱を再燃させたギガゾンビは、ひたすら夢のために翻弄し続けた。 タイムパトロールの目から身を隠しつつ、ヒエールの持ちかけてきた歴史改変計画に上辺だけ賛同し、密かに亜空間破壊装置の製作に熱意を注ぐ毎日。 充実していた。これまでの長かった人生、こんなに充実した時を過ごしたことはなかったかもしれない。 夢は追いかけている時が一番楽しいと言う人もいるが、そんなことはない。 夢は叶えてこその夢だ。目的地は到達してこそ達成感を得ることができる。 もうすぐ……もうすぐ……もうすぐ! 日が進むに連れて、近づく野望成就の瞬間。 ギガゾンビは燃えた。己が野望に。己が欲望に。己が情熱に。 諸君! 私は――バトルロワイアルが大好きだ! やがて――――亜空間破壊装置は完成した。 23世紀と30世紀の時間犯罪者が結んだ、仮初の同盟。 その虚ろな関係が、脆く崩れ去る時がやってきたのだ。 「――ちょっとキミ、このぼくを裏切るつもりかい? 途中までは仲良かったのにぃぃ…………もういい、キミ、殺しちゃう」 「裏切る?――ふっ、ヒエール・ジョコマン。貴殿には多大なる感謝をしているさ。 だが私とおまえは同じ時間犯罪者かもしれんが、見てくれだけの30世紀犯時間罪者とは違い……私のような23世紀時間犯罪者は…… 考え方が違う! 精魂が違う! 理想が違う! 決意が違う! 同盟など端から成立するはずがないのだ、このタ~コ!」 虚を突かれたヒエールの最期は、それはそれはあっけないものだった。 当たり前だ。ギガゾンビはヒエールがこちら側に全幅の信頼を寄せてくるよう、今まで善良な協力者を演じてきたのだから。 ヒエールを亡き者にした後、ギガゾンビは本格的にバトルロワイアル開催の計画を打ち立て始めた。 まず基盤となるルールを考案し、外部からの邪魔が入らないステージを作り上げる必要がある。 そのためにはやはり、前々から計画を進めていた亜空間破壊装置の完成が必須だった。 ヒエールの提供した30世紀技術により大きく躍進を果たしたものの、これではまだ完璧とはいえない。 もう一つ、空間に作用できる何か大きな力が必要だ……。 苦難の末、ギガゾンビはある答えに辿り着いた。 それこそが、時空管理局が最重要項目として置いている未知の力を秘めしモノ……名称を『ロストロギア』。 (あの力を得れば、あるいは……!) ギガゾンビはバトルロワイアルの準備を進めつつ、様々な世界を渡り歩いた。 そして、ついに見つけたのだ。亜空間破壊装置を完全なものとする最後のパーツ、空間に作用する力を秘めたロストロギアを。 製作を進める上で、同空間での装置固定、及び最低でも六つへの分配設置が必要、などの問題点がいくつか見つかったが、どうにか完成にはこじつけた。 亜空間破壊装置の完成と平行して、バトルロワイアル運営用に調整し直しておいた、ニューツチダマ軍団も揃っている。 これで下地は整った。あと必要となってくるのは……メインとも言える参加者。 やはり、原作のような一般中学生の群れではつまらない。 もっと盛り上がり、血が滾るようなメンツを揃える必要があった。 ギガゾンビはヒエールから得た時空間・次元航行技術をフルに活用し、様々な人間を観察していった。 殺し合いをさせるに相応しい人物とは、いったいどんな人間のことを言うのだろうか。 多種多様な展開を生むために、どんな人選が必要か? それを今一度、真剣に考えてみる。 老若男女を網羅するだけでは足りない。超人、異人、死んだ人間、参加させる時間軸を微妙にズラしたり、彼等に相応しい武器を調達したりと、こちら側で調整すれば様式はより魅力的になる。 そうだ、これならば人も呼び込めるかもしれない。一世一代の大イベント……一人で味わうのは申し訳ない。この楽しみを、全世界の鬼畜外道共に提供してやらねば。もちろん有料で。 ああ、なんて楽しいのだろう。 ギガゾンビは胸を高鳴らせながら、日々バトルロワイアル開催の準備に勤しんだ。 『WAWAWAわすっれもの~………………おぅわっ!………………すまん、ごゆっくりぃ~!!』 『が好きだ電撃戦が好きだ打撃戦が好きだ防衛戦が好きだ包囲戦が好きだ突破戦が好きだ退却戦が』 『見ろ、人がゴミのようだ』 『どうして、ねぇどうして!? 現実の未来なんて醜いだけなのに!!』 『いえ、あの方はなにも盗んでいってはいませんわ』 『世界は、いつだって……こんなはずじゃないことばっかりだよ! ずっと昔から、いつだって、誰だってそうなんだ!! 』 『ああー、しかし、それでもあなたの恋は実らないっ!』 『俺は童貞だ!!』 『素人……? 俺は素人ではない。スペシャリストだ』 『あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。彼なら、間違いなく君を幸せにしてくれると僕は信じているよ』 『貴様に兄と呼ばれる言われなどは、まだないッ!』 『また戦争がしたいのか!? アンタ達はァァァァァ!!!』 『心しておくがいい。この男の野望が潰える時……貴様に死が訪れる!! 決して逃れられぬ死が!!!』 『惨劇はねぇ…………人を魅了するんです』 『そんなに好きなのにどうして別れちゃったわけ!? お母さんも言ってたわ、力づくでも引き留めてくれたら別れなかったのにって!!』 『立って歩け。前へ進め。あんたには立派な足がついてるじゃないか』 『ぷぷ? ぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……』 『ぼーくらはみんなーいーきているー♪ いきーているから』 『うるさいうるさいうるさい! そんなこと――』 『――あれは王である俺のものだ。王の宝に手を出す輩は…………失せろ、雑種』 『……ねだんな! 勝ち取れ! さすれば与えられん! ……ア~イ、キャ~ン、フラアアアァァァァァイッ!』 『お前らを認めねえって奴がいるんなら、俺がぶん殴ってやる! お前が泣き虫で大飯喰らいの普通の女だってことを、俺が分からせてやる!』 『ガンダールヴ! 今度こそ、その伝説と共に葬りさってやろう!』 『箱根のみなさーん! うたわれるものですよー!!』 『いい奴等だったのに……何も殺すことないじゃないかァァァァァー!!!』 『泣か、ない、で。と、も、えの、そば、に……みん、な、いるか、ら……。ひとり……じゃ……な、いか……ら…………』 『カラシニコフの裁きの下、5.45ミリ弾で奴らのあぎとを食いちぎれッ!!』 ――映像に纏めた参加者候補たちの生き様が、ギガゾンビの双眸に映し出される。 異世界という概念は、まだ23世紀の時代には確立されていなかった。 ひみつ道具などで作ることができる擬似世界とも、同じ人間があべこべに暮らす鏡の裏の世界とも、単純な平行世界とも違う。 環境、惑星、種族など、根本的なところから他とは一線を画す別次元空間……それが、この度ギガゾンビが新発見することが出来た異世界だった。 人間たちが常に争い続ける戦乱の世界や、独自の文化・文明を築き上げた世界、そもそも人が存在しない世界など、まさに多種多様。 ヒエールによれば、この時代の時空管理局の次元航行システムはまだ未熟なものだから、未開の次元世界も多く存在しているという。 つまり、30世紀の技術を保持するギガゾンビは、この時代の時空管理局よりも高度な次元航行が行えるのだ。 それらを駆使し、様々な世界、様々な時代、様々な人間を観察していく。 バトルロワイアルに出場するに相応しい、選手を見定めるために。 ◇ ◇ ◇ まず――ドラえもん、野比のび太、剛田武、骨川スネ夫、源しずか、先生 こやつ等は外せまい。なにせ、この私にあれだけの苦渋を与えてくれた奴等だ……このゲームのメインゲストとして扱ってやろうじゃないか。 生意気な22世紀のアオダヌキ……それに21世紀のサル共め。かつての借りは、必ず返してやろうぞ! そうだ、例の、ゲームを盛り上げさせるための洗礼は、こやつ等の中から選定してやるとしよう……くっくっくっ。 次に――キョン、涼宮ハルヒ、長門有希、朝比奈みくる、朝倉涼子、鶴屋さん ほう、一件穏やかな日常を暮らすガキ共のようにも見えるが……この涼宮ハルヒとかいう人間の周りはなかなかにおもしろいな。 だが気に入らん。自分の思い通りに世界を改変する力? 世界を創造した神様? あんな小娘が? ありえん! この古泉とかいう小僧も含め、機関とかいう連中はよほどの無能揃いか。閉鎖空間だの神人だの馬鹿馬鹿しい。そんなものが実在するわけないだろ。 この自称超能力者はいらんな。それより興味を引くのは、情報統合思念体とかいう連中……ふふ、面白い。 どれ、この朝倉涼子とかいうインターフェイスも参加させてみるか。ひみつ道具でちょちょいと細工をすれば、復活も容易い。 次に――カズマ、劉鳳、由詑かなみ、君島邦彦、ストレイト・クーガー ふむ、こやつ等もなかなか面白い能力を秘めているな。 自由に移動できるというわけではないらしいが、このアルター能力とやらは、次元間に干渉することが可能ならしい。 そして何より、このずば抜けた戦闘力……やはりただの人間ばかりでは物足りん。こういった面子も集めておくとするか。 時間軸をズラし、死んだ人間を紛れさせておくのもいいな。感動の再会となればお涙頂戴、そうでなければ……グフッ。 次に――アーカード、セラス・ヴィクトリア、ウォルター・C(クム)・ドルネーズ、アレクサンド・アンデルセン なんと、吸血鬼とな! この時代の中世にはそのような伝承が多く刻まれているというが、この世界では確かな存在として君臨しているらしいな。 しかし不死王(ノーライフキング)が実在するとは……彼奴を参加させればゲームを大いに盛り上がるだろうが、どう飼いならすか。 多少イレギュラーになってしまうが、心臓に首輪を直接繋ぐというのもいいかもしれんなぁ……血湧き肉踊るわい! それにしても、この少佐とかいう男とはなかなか話が合いそうだ。が、吸血鬼や化け物神父に比べれば見劣りするな。残念残念。 次に――音無小夜、ソロモン・ゴールドスミス 翼手か。これもなかなかに興味深い種族だ。吸血鬼やグールと性質が似てはいるが、細部はまるで違う。双方がぶつかり合うことも、一興かもな。 だが吸血鬼といい翼手といい、こやつ等の血を司る能力は厄介だな。あのロストロギアを用いれば、多少の融通も効くか……? 人選は……フフフ、この二人など、ロワお決まりの愛憎劇を引き起こすのに持ってこいだな。どちらが先に死ぬか、今から楽しみだ。 次に――桜田ジュン、真紅、水銀燈、翠星石、蒼星石 自立稼働する人形? 科学でも魔法でもなく、まったく未知なる力を持ってか!? 人形師ローゼン……こやつもなかなかどうして、興味深い。 この人形達が行っているアリスゲームなど、まさにバトルロワイアルそのものではないか! いいだろう、ならば私が、本当のバトルロワイアルというものを教えてやる。ローゼンよりもよりシビアな方法でな。 次に――草薙素子、バトー、トグサ、タチコマ この世界は実に面白いな。第三次世界大戦に第四次世界対戦……20世紀末にこれほどの争いが起き、そして独自の文明を確立させている。 義体に思考戦車……SFチックでいいじゃないか。このタチコマというのも人間ではないが、参加させれば面白くなりそうだ。 それに公安9課。成す術もないまま犯罪者の掌で足掻く正義の味方というのも、ステキに滑稽だ。 いっそタイムパトロールの連中も参加させるか……? いや、無能な奴等ではすぐに死ぬのがオチだな、ククク……。 次に――衛宮士郎、セイバー、遠坂凛、アーチャー、佐々木小次郎 魔術師にサーヴァント、そして聖杯戦争か。冒険心豊かな少年が泣いて喜ぶような世界観を持っているな、ここは。 サーヴァントならば、先に選考したアルター使いや吸血鬼ともやりあえるか? いいぞいいぞ、死闘とはよりダイナミックに! より衝撃的に展開してこそ面白みがある。 主従関係を結んでいる輩がいるのも特徴的だが、どれ、ここはあえて、その絆を断ち切ってやるとするか……。 次に――獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風 ほう。この小娘共、旧時代の人間ながら次元航行を経験済みで、しかも世界の救済に一躍買っているのか。 さしずめ異世界に召喚されし勇者様というわけか。だが、その勇猛さは殺し合いの舞台でも発揮されるかな? 強固な信頼関係ほど、崩れ去った時の悲劇は大きくなるのだからな……あー、楽しみだ! 次に――平賀才人、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、タバサ このハルケギニアという世界は、セフィーロにも似ているな。 戦を起こすのは人でありながら、魔法概念が先行しモンスター共が跋扈する。実にファンタジックだ。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラぶべっ! ……きょ、虚無にガンダールヴ、他の連中と組み合わせれば面白くなりそうな要素も多い。 よかろう、こやつ等も参戦だ! 御国に帰りたければ必死に殺し合うんだな~、ヒャッハッッハッハハハハハ!!! 次に――ゲイナー・サンガ、ゲイン・ビジョウ オーバーマン……? それに、オーバースキルだと? 科学や機械工学などではない、なんなのだこの技術は……? このブリュンヒルデとかいうオーバーマンも、明らかに意思を持っている。興味深い。これはあとで、個人的に調べてみたいな。 しかしエクソダスか。ふん、いい言葉ではないか。殖民が自由を求め新天地を目指す、太古よりのロマンではないか! さてさてその手腕、殺し合いの場でも活かせるかな? エクソダース! と拡声器で叫んでみてはどうだ? ぷぷぷっ。 次に――ルパン三世、次元大介、峰不二子、石川五ェ門、銭形警部 アルセーヌ・ルパン? 大昔の怪盗、その三代目か。 どうにも他の連中と比べると見劣りするな……が、奇人変人ばかりでは面白みに欠ける。こいつらのような一般人も必要か。 フッ……こやつ等でも一般の部類に入るとは、吸血鬼やサーヴァントなど、少々化け物を盛り込みすぎたかな? まぁ、無力な人間がそういった化け物にどう立ち向かうかも、また見物。せいぜい楽しませてもらおうか。 次に――八神太一、石田ヤマト こやつ等もまた、魔法騎士の小娘等同様に異世界を旅し者か。だが裏を返せばただの子供。 デジモンが味方してくれない世界で、果たしてどこまで長生きできるかな? まぁ、仲間たちの結束が強固なのは認めてやらんでもない。だからあえて、二人きりで参加させてやろう! 知っている仲間はただ一人! 他に頼れる者はナシ! さぁどうするガキども!? 殺すか、殺されるか、泣き喚くか!? お家に帰りたいよママ~とでも吼えてみるか!? あータマラン! やはり子供は入れておくべきだな! 次に――ロック、レヴィ、ロベルタ、ヘンゼル、グレーテル ロアナプラ? この時代のタイにこんな街があるとは……集っている人間は、無法者揃いか。 裏世界で生きる者が、どういう行動を取るかも興味あるな。人外にぶつかって哀れに死ぬか、それとも弱者に凄惨な現実を突きつけるか。 どちらにせよ、盛り込んでおいて損はない。銃器の扱いに長けた人間も、ある程度は必要だろうからなぁ。 次に――ハクオロ、エルルゥ、アルルゥ、カルラ、トウカ ここも面白いな。世界観は戦国のようでいて、住まう人種は亜人ばかりとな。 銃に精通した人間と対極に位置させる意味も含め、体術自慢も参加させておくか。 この好色皇周りの人間関係など、崩れれば一気に絶望が訪れそうじゃないか。時計やコンパスも扱えぬ輩が、どう足掻いてくれるかな……? 次に――ガッツ、キャスカ、グリフィス ウィツァルネミティアとは逆に、この世界は中世ヨーロッパのような雰囲気を漂わせているな。 しかし、ここにも人外の化け物は潜んでいるようだ……こうしてみると、私の住まう世界は案外平和なのかもしれんなぁ。 だがただ参加させるという風潮にも飽きてきたな。どれ、この三名は拉致する時間軸をバラバラにしてみるか。 このグリフィスとかいう輩は、拷問を受けた後から……身体を修復させてから参戦させてやろう。 次に――高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神はやて、シグナム、ヴィータ こやつ等が、例の時空管理局と関わりを持つ者共か。幼い少女ばかりではないか。 しかしながら、やらかすことはなんと大胆な……ええい、管理局の白い悪魔はバケモノか!? スペックは恐ろしいが、所詮は人の子。幼い身の上でどこまでやれるかな? 魔法が万能だと思ったら大間違いだぞ諸君! せいぜい楽観しておれよ!? クハハハハー! 次に――前原圭一、竜宮レナ、園崎魅音、北条沙都子、古手梨花、富竹ジロウ ん? なんだこやつ等は? 次元間に干渉するたびに人間関係が変わっている……? それに時間軸も微妙に……? まさか、ループしているというのか? …………馬鹿な。何かの間違いだな、そうに決まっている。 いやはや、それにしても、こやつ等の背負う闇は実に恐ろしい。年齢を感じさせぬ素晴らしい狂気だ。 まさにロワ向き。殺し合いをするために生まれてきたような人種ではないか! さて、誰が最初に鬼になることやら……。 次に――平賀=キートン・太一 こやつはアクセントだ! 顔見知りがまったくいない未知の世界、未だかつてない非日常に遭遇した時、男性は何を思うか!? 孤独に打ちひしがれて死ぬか、それとも懸命に足掻いてみるか、知ってる奴がいないなら、案外簡単に殺し合いに乗ったりするかもな。 おっと、いかんいかん。先の展開を妄想するのもいいが、準備を怠っては元も子もない。 しかし一人きり演出とは、冴えているな。さすがギガゾンビ様! 次に――野原しんのすけ、野原みさえ、野原ひろし ヒエールが煮え湯を飲まされたという家族か。どこにでもいるような平凡な連中のように思えるが……こいつ等も入れておくか。 家族揃って仲良く殺し合い。面白いではないか。だが、私とて鬼ではない。さすがに生後間もない赤子を参加させたりはしないさ……。 むしろ急に家族が全滅し、たった一人残された赤子がどう生きるか、そこに興味がある! まぁ何も出来ずにすぐ死ぬのだろうがなぁ~!! 次に――井尻又兵衛由俊 なっ――――!? あの家族、ただの平凡家庭かと思ったら、タイムスリップなぞ経験しているのか!? しかもこれはどういうことだ……まったく原因が掴めん。まさか、ロストロギアが関与した……? まぁいい。戦国の世から、この家族と縁のある侍の一人でも出しておくとするか。過去の人間が未来文化にどう適応するかな……? 次に――ぶりぶりざえもん …………なんだ、こいつは? 野原しんのすけが創作したキャラクター? それが実体化しているだと? まさか、本当にこの家族の周りにはロストロギアが……。 ええい、よくはわからんが、これも次元間の神秘! こいつも放り込んでやれ! ……さて、これでざっと82人。かなり揃ってきたな。 しかし、本当に世界は広い。 30世紀の未来技術と次元航行技術、そしてあのロストロギアの力も合わせ、こんな体験ができるのは私だけに与えられた特権だろうな! これはもはや、神のお告げと取って問題ない。私にバトルロワイアルをやれと、そいうことだなマイゴッドよ!? ウィスパード、ヨロイ、錬金術、トラパー、紅世、コーディネイター、そして天空の城とな! いやはや、まだまだ私のバトルロワイアルに注ぎ込みたい要素は無限に存在しているなぁ。 だが、あまり人数を増やしては企画がグダグダになってしまう。名残惜しいが、参加者はここらで打ち止めにしておくか……。 この計画が無事成功した暁には、そうだな……第二回開催の時のために、今からチェックしておくのも悪くはないな! ああ、とにかくこれで準備は整った! ついに始まるのだ! 我が悲願の成就! 野望の完成形! その名も――――バトルロワイアル!!! ◇ ◇ ◇ かくして、殺戮のゲームは開幕を迎える。 精霊王の努力が作り上げた最高の舞台を持ってして、愚者が踊る。 快楽に身を震わせ、悦に浸り、王は生涯最高の喜びを得ることだろう。 その終焉が大団円となるか、それとも破滅で終わるか、結末は未だ見えず……。 ◇ ◇ ◇ 【亜空間破壊装置により隔離した世界/バトルロワイアル開催直前】 【ギガゾンビ@ドラえもん のび太の日本誕生】 [状態]意気揚々(若干浮かれ気味) [思考・状況] 1:バトルロワイアルを開催するっ! 2:色々お金を使って生活が苦しくなってきたので、見世物にしてお金を稼ぐ。 [備考] ※ヒエールの遺体は、後に30世紀のタイムパトロールに発見されます。23世紀のタイムパトロールはヒエールの詳細を知りません。 ※ギガゾンビが亜空間破壊装置完成に用いた謎のロストロギアについては詳細不明。空間に左様できるということしか判明していません。 ※ギガゾンビは参加者たちの世界情勢、裏事情についての知識をある程度は網羅していますが、深い謎にまでは精通していません。 (例:ハルヒの能力の真意、ハクオロの正体、ローゼンメイデンやオーバーマンの詳細、ひぐらし世界がループしているという事実など)