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  • Reckless fire

アニメキャラ・バトルロワイアル @ Wiki

Reckless fire

最終更新:2022年04月30日 10:10

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だれでも歓迎! 編集

Reckless fire ◆2kGkudiwr6







――夢を。
夢を、見ていました。

違う時から呼び出されたのなら、こうはなっていなかったのかもしれない。
けれど、今、そんなことは知りようがないこと。
こうして出会ってしまった。だから戻れない。

全ては前に歩くために。
全ては今までのことを清算するために。

目的は正反対。だから対峙する。しなくてはならない。
そう思っているはず――あなたも!







■

「……どこ行きやがった」

民家の屋根の上。
首を動かして周囲を見渡しながら、カズマが唸る。
周りにセイバーの姿はないし、見えない。
しかし――カズマはそれを「逃げ切られた」と思ったのではなく、「近くに隠れた」と判断していた。

一見、この判断は相当無茶があるものに思えるかもしれない。
だが、地理的に考えればそれなりに理は通っている。
最初、カズマ達がセイバーと戦っていたエリアはC-4。
すぐ東には禁止エリアがあり、南や北も同様にすぐ禁止エリアにぶつかる場所だ。
当然、移動するにあたっては自然とルートが制限されることになる。
互いの移動する速さは大して変わらない以上、追えばいいだけのカズマが有利になるのは自然なこと。
したがって相手の姿が見えなくなった原因は逃げ切られた可能性よりも、
どこかに隠れられた可能性の方が高い、というわけだ。

……もっとも、カズマはそこまで考えて結論を出したわけではない。
もともと理屈で考えるなんて、彼の性ではないのだ。
ただこの辺りにいそうだと思ったから、見渡しているだけ。
理性的な理由はない。強いて言うならば、勘。
ロストグラウンドでネイティブアルターとして生きた彼の第六感が、
彼の体に警報を鳴らしている、それだけだ。

――しかし、カズマにとっては十分信用に足る、理由。

「――――」

決心したかのように、カズマは視点を固定した。
今彼がいるのは、ちょうどB-4の南端。そしてそのど真ん中だ。
正確に言えば、B-4の中心から約200m程度南に行った場所ということになる。
そして、ここは隠れ場所には困らない。
点在する民家、映画館、そして森。
この場合、カズマにとって気を付けるべきなのは二つ。
一つは自分が奇襲を受けること。もう一つは、隠れたまま逃げ切られることだ。
もっとも、カズマの注意はほとんど後者に対して向けられていた。
相手が襲い掛かってくるなら上等……むしろ御の字。
ちんたら下らない駆け引きをやっているより、ただ喧嘩をするほうが単純でわかりやすい。
彼はそういう性格だ。
つまり――まるでかくれんぼのような今の状態は彼にとって好ましいものではない、ということでもある。

「森か……それとも建物か」

位置を変えないまま周囲を見渡し、苦い顔でカズマは周りを見渡した。
いくらカズマでも、高いところにいたほうが探すのに好都合だということくらいわかる。
そして、建物と建物の間を移動するには、一度外に出なくてはならないということもだ。
更に、時刻は夕方。日は落ちてきている。ただ待ち続けるだけでは追われる側が有利になるばかり。
とはいえ、焦って下手な行動をすれば、その隙を突かれる可能性も十分すぎるほどにあるのだが。

「……めんどくせえ。片っ端からぶっ潰すだけだ」

そう吐き捨てて、カズマは屋根から飛び降りた。
そのまま、跳躍。着地した先は、森のはずれ。山と平地の境界のように置かれた木々。
迷いも逡巡もなく、着地と同時に拳を突きつける。
彼にとっては、動きがないということほどかったるいことはない。
ならば、自分自身が動くだけ。
敵が見つからないというのなら、強引にでも引きずり出す!

「シェルブリット――バースト!」

肩から噴射音を響かせながら、カズマは地にその拳を叩き付けた。
それは木の根ごと、などという生易しいレベルではない。
衝撃は大地を抉り、亀裂を入れ――周囲の地面一帯さえも吹き飛ばす。
土煙が巻き上がり、木片が散らばっていく。
もしセイバーがすぐそばにいたのなら、ただでは済むまい。
仮に離れていたとしても、この威力はなんらかの回避・防御行動を取らせて余りある。

森に、いたのなら。

それほどの一撃ならば、当然隙も大きく。
映画館に潜んでいたセイバーにとっては、奇襲のタイミングとしてこれ以上なく有効だ。

影に潜んでいたセイバーが土煙に紛れて一瞬にして跳躍し、刀を振り上げる。
それでも、カズマはとっさに右腕をセイバーへと向けて伸ばした。
カズマのアルターは、銃弾も軽々とはじき返す盾でもある。
しかし、そんなことはセイバーの前には無意味。
関節などを見切った剣筋が、一瞬で肩から腕を切り離す。
そこまでされて、やっと振り返ったカズマの表情は。

「――来やがったな」

にやりと、笑っていた。
そのまままったく怯む様子も見せず、カズマは後ろへと跳び、距離を取る。
予定通りだと言わんばかりに。

「なっ!?」

セイバーに、その表情を訝しがる余裕などない。
そうしている間に切り落とされた右腕が霧散し――再び、カズマの体に元通り生えたのだから。
アルターの再構成を利用した、右腕の再生。
右腕そのものをアルターと化すカズマだからこそできる、裏技的な方法だ。
そして、予想外の反応は――行動の停止、つまり隙を生む。
その時間、アルターを構成するのには十分に過ぎる!

「もういっちょお!
 シェルブリット! バァァァァアアアアアストォォォオオオオオ!!!」

肩のプロペラが再び回転する。
勢いを付けられた拳が、セイバーへと叩きつけられる!
回避など間に合うはずもない。拳は軽々とセイバーを吹き飛ばした。
受身を取って着地したセイバーの兜は砕け……そして、その口からは血が流れている。
……だが、それだけ。戦闘不能になるほどのダメージを受けた様子はない。
すばやく刀で受け流した。とっさに後ろに跳んだ。どちらもしっかりとした説得力がある。
アルターを構成する時間もまた、セイバーに姿勢を立て直させるには十分な時間だったのだから。
だが――本当の理由はただ一つ。

「威力が落ちていますね」
「……うっせぇよ」

苦々しい顔でセイバーに言葉を返すカズマの右腕が伝えているのは、鋭い痛み。
再構成したシェルブリットもまた、今までのものに比べ明らかに色彩が鈍い。
威力に関しては言うまでもないだろう。
カズマには、セイバーのような治癒能力も自然回復させる道具もない。
今までの戦闘のダメージと疲労が、ここに来て顕在化していた。
腕を強引な方法で再生したツケは、相当に高い。
しかし――

「何発でも撃ってやるさ。
 てめえは俺の前に立ちふさがった。何度も邪魔をしやがった。
 なら――ぶっ飛ばして前に進むだけだ!」

それでもなお正面から喧嘩を売るのが、トリーズナーだ。

「…………」
「てめえがどんな考えを持って殺し合いに乗ったかは知らねえ。
 だが、どうせろくでもねえだろうし……」
「――私のせいで失われたものを、返してあげたい」
「……何ィ?」

言葉を辛辣にぶつけていくカズマに、ただセイバーはぽつりと返した。
まるで、小雨が葉を濡らすように、静かに。

「ここに来る前に犯してきた罪を、清算する。
 例え泥を舐めてでも。あるいはあの男の首元に剣を突きつけてでも。
 ……貴方にもあるでしょう。私に殺された仲間が生き返ればいい、と思ったことが。
 私を憎く思っている以上は」

優勝を譲る気など毛頭ありませんが、と言い添えて。
剣の向きも表情も変えぬまま、セイバーはそう告げる。
それに対して、カズマは怒ることもなく、笑うこともなく。
ただ、目を閉じた。

「――そうか。ありがとよ。
 おかげで、俺はお前とは絶対にウマが合わねえってわかった。
 例え今の言葉を聞いても聞かなかったとしても、俺のやることは変わらねえ」

そうして。
彼は、代わりに口を開く。

「俺は後悔なんかしねえ。後ろは向かねえ。
 そんなことをしてる暇があったら――」

次に開かれたのは、目。
アルターを使っていなければろくに見えないようになった、右目。
それが、射るようにセイバーを見つめて。

「前に進むだけだッ!」

言葉もまた、放たれた。

「一生相容れませんね、私と貴方は」
「当然だ。
 俺はてめえみたいに偉そうでもねえし、背負ってるもんも違え。
 俺はただのネイティブアルター。名字もねえ、ただのカズマだ。
 けどよ。俺にも誇れるものがある。だから……」

カズマの右腕が、突きつけられる。
肩のプロペラが、唸りを上げる。
その両目が、しっかりとセイバーを見据えている。

「てめえが俺の壁になった以上は!
 シェルブリットのカズマの、唯一の誇りで……この拳で!
 てめえに、反逆する!!!」
「……いいでしょう。我が名はアーサー、称号は騎士王。
 20年程度とは言え、ブリテンから敵を討ち払い続けた身……」

セイバーが、刀を掲げる。
それが纏うのは、風王結界。
魔力が巻き起こす、不可視の竜巻。

「剣を以って、反逆者を鎮圧する!」

風と闘気と、決着の気配を巻き起こし。
王と反逆者は、ここに対峙した。

■







自分で決めたことを、曲げられない気持ち。
宿命から、誇りから――逃げたくない、気持ち。
それは、どっちにもあったから。
だから――これで最後の、本気の勝負を今ここで。

――自分の力、全てを賭けて!







■

路上を王と反逆者が舞う。夕日に照らされながら。
逸れた拳が民家に当たり、その建築材を粉々に粉砕する。
避けられた刀が、地を断つ。電信柱ごと。
顔面を狙った一撃がセイバーの髪を揺らし、
刃がカズマの頬を掠め、筋を作る。
アルターと不可視の刀が、火花を散らす。

闘いは苛烈を極めていた。
しかし――不可視というアドバンテージはここでも健在だ。
再び、カズマの右腕が切り落とされた。

「それが――どぉしたあああああああああ!!!」

それでも、カズマは意に介さない。あくまで盾として使われたからこそ、右腕が斬りおとされたのに過ぎない。
再々構成。腕が再びカズマの右腕に装着され、アルターがその腕に纏われる。
時間がないことと疲労から、第一形態のシェルブリットだったが……

「兄貴譲りの!
 衝撃の、ファーストブリットオオオオオオオ!」

それでも、吹き飛ばすのには十分。
セイバーの体を映画館へと叩き込む――カズマの左肩に突き刺さっていた、刀ごと。
一瞬のうちに、斬り返されていたのだ。

「ぐ……これくらいで!」

シェルブリットを地へ叩きつけ、宙へと飛び上がる。
目的地はもちろん、映画館。内部へと吹き飛ばされた相手を追撃する!
その顔を夕日と鮮血で紅く染めながら、カズマは突進していく。
しかし、相手の立ち直りは予想以上に早かった。
待ち受けていたのは、血を拭いながらも得物を携えてしっかりと立つセイバーの姿。
突進してくる相手を不可視の刀で切り裂かんとする見え透いた待ち伏せ。それならば。

「へ、見えなくたってよ……てめえを叩けば勝ちだろうがァ!!!」
「――舐めるなッ!」

視線が交錯する。
夕日が洩れこみ薄暗い電灯が照らす映画館内部、
金属のぶつかり合いより激しい火花を両者の視線が散らす――!

「撃滅の! セカンドブリットォォォオオオオオオ!」

宙から地へ。重力の助けを借り、カズマが急降下する。
猪突猛進という言葉が似合うが――この猪は並みの猪ではない。
戦いのセンスは野生の獣を越え、その力は車を軽々とひっくり返す。
そして、その勘は理屈を介することなく勝つための戦術を生む!

「!?」

セイバーは回避するために相手の軌道の目算を付け……目を見張った。
カズマが狙っていたのはセイバーがいた地点よりも少し手前。
何もない床に拳を叩きつけられ、陥没し、歪んでいく。
その下にあるのは地下道だ。地面に空洞がある以上、他の地面に比べて脆い。
穴が開かないまでも亀裂が走り、床が揺れる。
巻き込まれるのを嫌って、セイバーは更に後ろへと跳んでいく。
しかし、カズマの狙いは床ではない。彼の狙いは、そんな低いところにありはしない。
そもそも、カズマは地下道を知らなかったのだから。
床をシェルブリットで砕いた以上は、破片が周囲に散らばる。
重量のない、塵や埃と同じくらいの大きさの破片はどうなるか?
当然、空気を漂う。これほどの破壊だ、それらは一時的とはいえ視界を遮るほどに多い。
だが、この煙はセイバーにとっての目潰しになるがカズマにとってはそうではない。
ただ一点。風に包まれ、破片や煙を払う物が有る!

「へ、見えたぜ! はっきりとなあ!」

覆われた視界の中でカズマが睨むのはただ一点。
明らかに風を生み出し、微細に塵芥を動かしている不可視の刀、ただ一つ!

「抹殺の!
 ラストブリットォオオオオオオ!!!」

吹き上げた破片を片端から吹き飛ばしながら、シェルブリットが迫る。
あくまで一回限りの目くらましだ、先手さえ取れれば後は構わない。
黄金の腕が不可視の刀とぶつかり合う。
火花をあげ、軋ませながら押し込んでいく。

しかし、カズマ自身も気付かざるを得なかった。
まっすぐ、正面からぶつかれていないことに。
――そう。カズマが目測としていたのは、あくまで不可視の刀にすぎないのだ。
相手の姿はおぼろげにしか見ていなかったのは、カズマも同じだ。
故に、シェルブリットの狙いは僅かにずれており……それが、セイバーを衝撃を受け流すための素地となる。

きん、と金属音が走り、刀が飛んでいった。

「……っ!」
「く――!」

互いの歯軋りが響く。
刀は折れなかったものの、セイバーの手から離れ。
カズマの拳は、刀を弾き飛ばしたもののセイバーに当たらず逸れた。
攻め切れず、防ぎきれず。強いて言うならば痛みわけの状態。
セイバーに武器はなく、カズマのアルターは弾切れ。

それでもなお、両方が追撃を選んだ。

「…………」
「……のヤロォ!」

セイバーは鉄骨の破片を蹴り上げてその手に掴み、風王結界を纏わせ即席の剣とする。
カズマは弾切れのシェルブリットで殴りかかる。
シェルブリット第一形態が三発限り、というのは見ればだいたい分かること。
そもそもセイバーはカズマとの交戦経験がある。気付くには十分だ。
だからこそ、彼女はここは押し切るべきと判断した。
そして、カズマは弾切れになったからといってわざわざ退くような性格ではない。

カズマの髪を、不可視の剣が掠めていく。
ただでさえ薄暗い映画館の中を、透明な刃と毛髪が舞う。
更に頭部から胴体への返し。
だがそれはカズマの右腕とぶつかり、同時に金属で覆われた正拳が突き出された。
相手の得物を弾き返す防御と脳震盪を狙う攻撃を同時に行う行動。
しかし、それはセイバーの髪を少し巻き上げるだけだ。
スウェーバックによる最小限の回避を用い、カズマの腕が伸びきる限界ギリギリでセイバーは拳を回避したのだ。
そのまま反撃に移ろうとした瞬間……セイバーの脛に、痛みが走った。

「……っ!?」
「誰が殴るだけしかしねえっつったよ!」

直撃したのは、カズマの下段蹴り。
英霊とは言ってもこの場においてはほとんど人間だ、流石に痛む。
続いて繰り出されたのは、左ストレート。しかし、それは赤く染まった。
カズマ自身の鮮血によって。

「ぐあ……!」
「ただの棒でも風王結界を纏った以上、右腕以外で受ければ斬られるということを忘れないことです!」

不可視なはずのセイバーの得物もまた、返り血で赤く染まっていた。
誰の血かは言うまでもない。
カズマは痛みで目を剥きながら、それでも。

「へ……おかげで、てめえの得物が丸見えだぜ!」
「強がりをっ!」

再び、右腕を突きだした。今度は周囲の空気ごとかき混ぜるラリアット。
セイバーは得物を叩きつけて、力ずくでそれに対抗した。
何度も上がるのは火花と金属音。
大技は互いに撃ち出さず、通常の攻撃で以って戦う。

――刀を拾いに行くにせよアルターを再構成するにせよ、ある程度の時間が必要である。
そして、二人は逃げてその時間を確保するのではなく、
近接戦闘で相手を圧倒して隙を生み、大技をぶつける前段階とすることを選んだ。
逆に言えば……この戦闘が終わるときが、決着へ向けてのカウントを一気に進めるということだ。

セイバーが身を屈めて腕を得物ごと横に構えた。払いと言うよりは突きに近い。
相手のラリアットを回避し、その勢いを利用して刃をぶつける。カウンターの要領だ。
勢いあまったカズマの腕はセイバーの頭上を通り過ぎかけて……突如、振り下ろされた。
反射的に、相手の動きを見切ったのだ。これならセイバーの攻撃が届くこともない。
それでもセイバーはとっさに前転し、回避。めきりと床に亀裂が走る。
しかし体勢を立て直すより早く、カズマの後ろ蹴りが突き出され……セイバーの頬を掠めた。
舌打ちをしながらカズマが振り向こうとした、瞬間。
セイバーが片手で、カズマの足を掴んだ。
そのまま、足を刈り取るべく得物を振り下ろす。
だが結論から言えば、この攻撃は足を両断するには至らなかった。
理由は三つ。得物が完璧ではなかったこと。
次に、体勢が十分ではなかったこと。
そしてもう一つ……カズマが素早く、バク転の要領で体を持ち上げたこと!
腕を地面につけて足を天へと向ける動き。当然、セイバーもそのまま足とともに持ち上げられる。
そのままカズマはオーバーヘッドキックのように足を動かし、セイバーを投げ飛ばした。
セイバーが壁に叩きつけられるのを確認し、カズマは素早く右腕を突き出す。
言うまでもなく、アルターを再構成し弾を補充する……もしくはシェルブリット第二形態へと移行するためだ。
相手が体勢を立て直せていれば前者、立て直せていなければ後者。
距離が短いためどの道一回は確実に攻撃を受けてしまうが……
一回までならば、セイバーの攻撃は受けられる。
今セイバーが使っている武器とも呼べない武器ではシェルブリットは断てない。
腕でその斬撃を防ぎ、シェルブリットの反撃で決着を付ければいいだけの話。
相手の姿勢を確認するため、カズマはセイバーへと視線を向け……
彼女の顔が勝利を確信しているのと、武器が変わっているのに、気付いた。

そう。セイバーが吹き飛ばされた、否。
吹き飛ばされたと見せかけて、自分から跳んだ先は……

「はあっ!」

セイバーが再び距離を詰める。腕をかざして防御したものの、何の意味もありはしない。
アルターを再構成しようと隙だらけのカズマを、セイバーは再び拾い上げた刀で以って一閃した。
ころりと黒い床の上に、金属に覆われたカズマの右手が転がり落ちる。

そう、セイバーが移動した先。
それは、刀が弾き飛ばされた場所。
強烈な一閃はカズマの右手を斬りとばすに留まらず、カズマの体そのものを弾き飛ばし、
近くにあった椅子に叩きつけた。
この隙を見逃すような彼女ではない。
夕日の赤と電灯の黄に照らされながら、風を集束させていく!

「風王――」

風が、竜巻と化す。
これもまた、大技。威力が高いが故に、隙も大きい。
だが、カズマがその隙の間にできたのは、立ち上がることだけだった。

「――結界!」

気合いと共に、セイバーが刀を振り下ろす。
竜巻と化した風龍が、主の求めに応じて唸りを上げ、カズマの首目掛けて踊りかかる。
風王結界による遠距離攻撃は、純粋な魔力攻撃だ。
そしてそれが風のカタチをなしている以上、その弾速は極めて早い。銃弾など、比ではない。
防ぐとすれば風王結界の威力を上回る何かで相殺するか防ぐか、
それとも撃つ前の隙を一瞬で距離を詰めて攻撃することで突くか。
シェルブリットを撃ち切ったカズマには、どちらもすることができない。

だが、カズマは防御も、回避もせず。
それどころかその右腕を隠し、あえて、自らの身で風王結界を受けた。
顔面をただ左腕で覆っただけ。そんなちゃちなガードで受けきれるような攻撃ではない。
風がカズマの身を斬り刻んでいく。足はゆれ、鮮血は奔り、左腕が飛ぶ。
強力な旋風はそれで止まるどころかセイバーの視界をも覆い隠し……カズマの背後の壁にぶつかって映画館さえ揺らす。
故に風王結界を飛ばしたセイバーには、見えなかった。
全身を切り刻まれ左腕を失い、血を噴き出しながらも立っているカズマの姿が。
――アルターの再構成を済ませ、再生した右手を突き出しているその姿が!

そう。
魔力を取り込んだアルターは、その構成が促進される――!

「見せて、やる……これが、俺の。
 ヴィータ、譲りの」

呟くような声はセイバーには届かない。けれど、その体に悪寒が走る。
右腕を隠したのは、腕を傷つけないため。手の傷をこれ以上を悪化させないため。
再生するアルターにダメージを受けることで、再構成を遅らせないため。
そうして、一瞬でも早く攻撃に移り、大技を撃ち出した相手の隙を突くため!
自らの身をも盾にして……相手の大技を真正面から耐え切ったカズマが、叫んで腕を振り上げる!

「鉄槌の!
 シェルブリットだああああああああああああああああああああ!!!」

そう、防げないと言うのなら。
その攻撃を耐え切って、追撃される前に相手をぶっ倒してやればいいだけだ。

煙を突き破って、カズマが突進する。
弾丸……いや、大砲という表現さえも、この攻撃の前では生ぬるい。
セイバーにはほとんどいきなり現れたかのようにしか見えなかっただろう。
それでも、とっさに刀で防御できたのはさすが剣の英霊というべきか。
しかし、必殺の意志を籠めたカズマのこの攻撃を防ぐには、甘すぎる。
刀は数瞬で折れ――いや粉砕され、更にセイバーの胴体に拳を叩きつける!

「おおおおぉぉるぁあああああああ!」
「――ぐ、ぐ……!」

そしてそれでもなお、カズマはセイバーと密着したまま突進していく。
止まる気はない。壁にぶつかっても、だ。壁をぶち破り、自分の力が続く限り突き進む!
壁に叩きつけられる寸前、セイバーは歯を食いしばり、念じた。
薄れる意識と圧倒的なスピードの両面から白く飛んでいく風景の中。
口から血を吐き、意識を飛ばされかけながら、それでも。
壁に叩きつけられる寸前。かろうじてセイバーは魔力噴射で体をずらし、拳から逃れて倒れこむ。
それでもカズマは止まらず、シェルブリットは壁に直撃した。
相手が回避したと分かって、カズマは勢いを増すのを止めても……今までの圧倒的な速さがなくなるわけではない。
圧倒的なまでの速度で突進していたカズマが止まるまでには、数秒を要し。
やっと止まったときには、開けた穴に腕をめり込ませながらもたれかかり。
そして――その間に壁に入った亀裂は一瞬にして視界一杯に広がっていた。

「……!?」
「な、なんだ……!?」

セイバーとカズマに動きはない。むしろ動けない。
それぞれ自分の大技を使い、相手の必殺技を直に受けた身。立ち直るには時間が足りない。
しかし、崩壊の予兆は待つことを知らない。
そうしている間にも亀裂は走る。柱は崩れ出し、天井は落ち始める。
立ち上がろうとしたセイバーの前に映写機が落下し、
壁から手を離したカズマの頭に破片が直撃する。

原因は言うまでもない。
二人が巻き起こした衝撃に、耐え切れなかったから。
そして、結末も言うまでもない。
音を響かせ、破片を飛び散らせ。
映画館は……無残にも倒壊した。

■


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286:涼宮ハルヒの喪失(後編) カズマ 288:夢
286:涼宮ハルヒの喪失(後編) セイバー 288:夢

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