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  • アニメキャラ・バトルロワイアル @ Wiki
  • 「ブリブリーブリブリー」

アニメキャラ・バトルロワイアル @ Wiki

「ブリブリーブリブリー」

最終更新:2022年06月08日 23:26

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だれでも歓迎! 編集

「ブリブリーブリブリー」 ◆LXe12sNRSs


「うっほほ~い! オラが一番乗りだゾー!」

 元気の良い声と同時に、盛大な水飛沫が上がる。
 舞い上がった湯のシャワーを浴びながら、ワイシャツ姿のままのロックは疲れ気味に失笑した。

 ここは良いとこエイハチ温泉。
 仮にも殺し合いをするはずのバトルロワイアル会場、その最北東に位置する参加者憩いの場であった。
 門前ではツチダマなる土偶が対応してくれ、サウナやマッサージ器具などの充実した設備を完備。
 お年寄りから子供まで、どんなお客様にも満足頂ける快適なスペースをもっとうにしております。

(……んな馬鹿な)

 広大絶景な露天風呂と、その水面に元気よく飛び込んでいったしんのすけを見て、ロックは笑うしかなかった。
 殺し合い会場に温泉があるなんて、ひょっとしたら何かあるんじゃないだろうかとも思ったが、なんてことはない。
 中身は至って平凡な娯楽施設。日本で経営していけば事業としても十分通用するレベルだった……接客をちゃんと人間がやってくれれば。

(ま、しんのすけ君もすっかり元気を取り戻してくれたようだし、別にいいか)

 裸で温泉を泳ぎ回るしんのすけを見ていると、自然と笑みが零れてきた。
 マップの端に位置する辺境施設……そこに辿り着くまでの山中は、孤高の吸血鬼や騎士王の存在を忘れさせるほどの静けさが続いた。
 市街地方面の雑踏が嘘に思えるくらい、人気がなかったのである。
 中心地である都市部の方が、人と接触する機会は増える――皆、考えることは同じなのだろう。
 しんのすけの母親やレヴィと合流するにも、こんな山の中で燻っているよりは都会に出たほうがよっぽど賢明だ。
 だが、今のところそっちはキョンやトウカに任せておけばいい。
 ロックにとって今一番大切なことは、しんのすけの身柄を守りきること。
 彼から大事なものを奪った、贖罪とも言えるだろうか。
 ヘンゼルが殺されても文句を言えないほどの悪人であろうがなかろうが、しんのすけが悲しんだことには変わりない。

 ロックには責任があるのだ。
 もうこれ以上、しんのすけに涙を流させるわけにはいかないという、責任が。

「おーい! お兄さんも温泉入ろうよぉー!」
「いや、俺はいいよ」

 しんのすけの誘いをやんわりと断り、ロックはまた失笑気味に声を漏らした。
 いつ何処で誰が襲ってくるとも分からない。
 いざという時になって、二人とも裸でいてしまっては対処が追いつかないだろう。
 故にロックは温泉に来ても湯に浸からず、いつものビジネススタイルのまましんのすけを見守ることに徹していたのだ。

「…………」

 そんなロックの思いなど露知らず、純粋無垢な子供はその綺麗で大きな瞳を一心に向けてくる。
 突き刺さるような視線。しんのすけの瞳から何やらキラキラした星のような光線が発射されているふうに見えるのは、幻覚だろうか。
 子供を持たないロックにも分かる。これは、両親におもちゃを買ってもらう時などに用いられる、おねだりの眼差しだ。
 ただダダを捏ねて親の機嫌を悪くするのではなく、子供が持つ特有の愛らしさによって、親に「な、なんて健気なの……分かったわ! 買ってあげる!」と思わせる。
 ようはぶりっ子アイドルと同じ理論だ。自分が可愛い生物であるというアドバンテージを最大限に自覚し、利用する。
 利口かつずる賢い手法だった。それを五歳児がやってのけるというのだから、大物の気質を感じざるを得ない。

「…………」
「……分かった、分かりましたよ。俺も入ればいいんでしょ入れば」

 無言の眼差しに良心を揺さぶられ、ロックは陥落した。
 レヴィたちラグーン商会のメンバーに加わってからというもの、こういった平和を生きる子供とのふれあいはとんと少なくなってしまった。
 貧民街にいるのはストリート・チルドレンばかりだし、しんのすけぐらいの歳で銃器を扱える子供も少なくはない。
 そんな世界を見続けてきた。だから余計に、しんのすけの純粋さに弱い。

「ほらほらぁ~、オラがお着替え手伝ってあげるゾ」
「い、いいってば。一人で脱げるって」
「よいではないか~よいではないか~」

 湯上りでびしょびしょになっているしんのすけにシャツを掴まれ、ロックは身動きを封じられる。
 小さな指がボタンに掛かり、覚束ない手つきでそれを外していく。
 湿った指の温もりが生地を通して肌に伝わり、ロックの身体を熱く穿つ。
 全身が火照るような感覚に襲われ、胸が高まり出した。
 おかしい……この鼓動の速さはなんなのか。静まれと命令しても受け付けない、この気持ちはなんなのだ。
 しんのすけのやや乱暴な手つきによりロックのシャツははだけ、貧相とも逞しいとも言いがたい胸板が露出する。
 その両脇にはちょこん、と突起した二つのピンク色の盛り上がりが。
 僅かに震えたその突起を見て、ロックの鼓動はまた加速する。
 そして、その突起以上に鮮やかなピンク色をした、小さな小さな蕾のようなルージュが――かぷっ。

「あふんっ」

 顔全体を一瞬の内に赤面で覆い、ロックは力なくその場にヘタレこんだ。
 その胸元では、しんのすけが「アハァ~」と妖しく笑っている。

「もぉ~お兄さんも好きねぇ。まるでカザマくんみたいだったゾ」
「…………(恥ずかしさのあまり声が出ない)」

 いったい何をやっているんだろうか、自分。
 五歳児に受けたセクハラ紛いの辱めに、ロックはこの上ない崩落を見せた。
 ガックリと項垂れ、顔は未だ真紅に染まっている。仲間たちには到底見せられないような姿だった。

 まぁ、これもしんのすけが心を開いてくれたのだと解釈すればどうということはない。
 むしろ喜ばしい結果だ。恥ずかしげもなく冗談が交わせるようになったのなら、これ以上の幸運はないではないか。
 湯に浸かりながら、ロックはそう自分自身に言い聞かせていた。

「ねぇねぇお兄さん」
「うーん、なんだい」

 極楽を味わっている最中、ロックの後方からしんのすけの呼びかけが届いた。
 何の気なしに振り向いてみると、

「ぶほっっ!」

 そこには、湯船からお尻だけを出した奇妙な半ケツ浮遊物体の姿があった。
 衝撃映像に思わず吹いてしまったロックだったが、これには見覚えがある。
 そう、たしかあの病院での一件の時だ。ヘンゼルを襲おうとしたロックの注意を引くため、しんのすけが取った苦肉の策。
 五歳児だからこそ許される神技の如き宴会芸。その名も、

「えぇーと…………ケツだけ星人、だったかなたしか」
「当たりぃー。ブリブリーブリブリー」

 器用なものだ。しんのすけは尻以外の全身を湯に沈めているというのに、まったく苦しそうにせず水面を泳いでいる。
 潜水士の才能でもあるのか、いやそれよりも芸人としての方がやっていけるだろうか。
 しんのすけの将来に淡い幻想を見るロックは、また力なく失笑した。疲れている、と正直に言ってしまっていいものだろうか。
 楽しいのは、否定しないが。

「ねぇ、お兄さんもやってみて」
「ん? 何をだい」
「ケツだけ星人」

 ――時は止まった――

(ケツだけ星人……それはしんのすけ君が得意とする宴会芸であり、純粋無垢、恥を知らない男性児童だからこそ許される所業だ。
 それを俺にやれと? まだ若いとはいえ、二十歳過ぎのいい大人である俺に半ケツを晒せと!?
 いや、だがまぁここは風呂だ。風呂で裸でいることはおかしなことじゃない。半ケツくらいどうってことないさ。
 だがやっていいものなのか? 年甲斐もなく、そんな恥ずかしい真似が俺にできるのか?
 くっ、これが子供の無邪気さというものなのか……なんて恐ろしいスキルなんだ!
 しんのすけ君も俺にケツだけ星人やらせていったいどうしようと……うぉっ、またあの眩しい眼差しがっ!)

「やってくれなきゃ……お兄さんとは絶交だゾ」

(……か、核が動いたァー! ダメだ、もうミサイルでも対戦車ライフルでも太刀打ちできない!
 レヴィがカトラス二挺持ったって敵わない! これが子供の戦力、バラライカさんだってひれ伏すぞ!
 戦争をおっぱじめるには火力が足りない。どうする、どうするロック。降伏するしか道は残されていないのか?
 ……いや、ここは逆に考えるんだ。見ているのはしんのすけ君ただ一人、ここは童心に返ったと思って自分を納得させるんだ。
 考えてもみろ。今までの人生、こんな辱めは初めてじゃないだろう。それこそ社員時代は上司の靴の垢を舐めるような思いだったんだ。
 忘年会と考えるんだ。上司連中を楽しませるための宴会芸だと割り切るんだ。
 媚売ったり謝ったりするのはお前の得意技だったろうロック、いや、岡島禄郎!)

 ――そして時は動き出す――

「こ、こうかい?」
「違う違う、もっとこう、おケツを上のほうに突き出すんだゾ」

 風呂から上がって。
 全裸の男児と大人が二人、湯気に包まれた石敷きタイルの上で、ケツだけ星人講習会を開いていた。
 ロックは開き直ったのか、しんのすけのレクチャーに親身に耳を貸している。
 顔は依然赤面したままだったが、動作はぎこちないながらもやる気に満ち溢れていた。
 スキンシップだ。たまの休日を子供に付き合わされるお父さんのつもりで臨めばいい。
 相手は子供。恥はかなぐり捨てろ。どうせ誰も見ちゃいないんだから。
 何べんも何べんもそう言い聞かせ、やがてロックは羞恥心のリミッターを解除することに成功したのだった。

「んじゃあいくぞ…………ブリブリーブリブリー」
「まだテレが見えるゾ! もっと激しく腰を振って!」
「ぶ、ブリブリーブリブリーブリブリーブリブリー」
「そうそう、なかなか上手になってきたゾ! もう一息!」
「ブリブリーブリブリー! ブリブリーブリブリー! ブリブリーブリブリー!」
「おお、お兄さん筋がいいゾ! これでオラのケツだけ星人も将来安泰ですな」

 しんのすけのお墨付きを貰えるまで、ロックは尻を振り続けた。
 次第に楽しくなってきたような錯覚にも陥り、汗迸る笑顔には羞恥心の欠片もない。
 しがない商社マンから命懸けの運び屋に転職し、そして今、ロックはまた新たな領域へと足を踏み入れたのだ――ガララ。

「ブリブリーブリブリー…………え?」

 恍惚を感じつつあった、そんな時だった。
 露天風呂の入り口であるレール式の引き戸が、音を立てて開けられたのである。
 ロックはケツだけ星人のまま引き戸の方を見やり、そして対面した。

 入り口には、白い裸身を晒す少女の姿があった。

 時は止まっている――ロックは翳した尻を引っ込めることも出来ず、妙に冷たい汗をかきながら少女の姿に釘付けなる。
 時は止まっている――少女もまさか中に人が、しかもおケツ丸出しの男性がいるとは思っていなかったのだろう。石像のように硬直して身動きが取れない。
 時は止まっている――しんのすけはしんのすけで、ただ「おぉ~」と他人事のように声を漏らすことしか出来ない。

 時は動き出す。同時に、入ってきた少女の全身がわなわなと震え出す。
 ロックは本能的に逃げ出そうとも思った。だが逃げてどうする。そもそも今の自分は素っ裸、このまま逃げてしまえば思いっきりアレではないか。
 両者互いに汗をダラダラ流し、硬直状態が解かれる瞬間を待った。
 やがて、時を進めたのは少女の方だった。

「――きぃっっっやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ヘンッッッッタイですわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 ロックは泣いていた。


 ◇ ◇ ◇


 空から降ってきた謎の箱。その中身は、多種多様な薬の詰め合わせだった。
 もっとも薬といっても、その効能は治癒に役立つものではない。
 幻覚作用に麻酔効果……どちらかというと患者を貶めるタイプの薬物ばかり。
 沙都子はこれを、『にーにーからの贈り物』だと解釈した。
 まだ圭一が雛見沢にやって来る前のこと――沙都子の兄、北条悟史は謎の失踪を遂げた。
 敬愛していたにーにーが、突然いなくなってしまったのだ。
 いつでも沙都子を守ってくれた、ヒーローみたいに頼れる存在。その消失。
 ショックから立ち直った後も求め続けた。圭一ににーにーの影を重ねながらも、求め続けた。
 求め続ければ、いつかにーにーは駆けつけてくれる。だってにーにーは、沙都子にとってそういう存在だから。

(トラップに応用できそうですわね……)

 手に入れた薬物の数々を見て、沙都子はこれからの作戦を練り始めた。
 先ほどの蜘蛛型ロボットの来襲は不運なケースであった。足を負傷し、満足な物資もないこの場では、あれほどの敵を討ち取れる罠は作り出せない。
 見つからなかったから良いものを、あのまま寺の中を捜索されていたら、沙都子は間違いなく*されていたことだろう。

「いや……」

 小さな身体が小刻みに震える。
 沙都子の本領は『罠』だ。教室のドアに挟んだ黒板消しから誘導地雷まで、ありとあらゆるトラップを駆使する自信がある。
 だがやはり――素材が足りない。
 山の中は物資の宝庫であると言えたが、力の弱い沙都子では精々落ちている木々を拾い集めるくらいかできないし、それをスムーズに行うための足も不足している。
 第一、この人気のない寺ではチャンスが少ない。それでなくても、あの蜘蛛ロボが寺を警戒するように噂を流す可能性だってある。
 このままここに居続ければ、終盤まで生き残ることは可能かもしれない。だが、やがて終焉は来るだろう。
 準備は早い内に整えておく。それこそが勝者の条件なのだ――と、トラップマスターの称号を冠する沙都子は考えた。

「足さえ動けば、この山全体に罠を張ることだって可能ですわ……!」

 トラップ材料として確保しておいた竹竿に木々を組み合わせ、即興の松葉杖を作り上げる。
 片足で歩くよりは幾分かマシになった。とはいえ、この状態で資材を調達しに行くのは自殺行為。
 人気の多い場所には向かえない。どこか、役立つ資材が調達できるような場所はないか――

「……温泉」

 地図を広げて、沙都子は北東に位置する施設に目をつけた。
 フィールドの端っこ、しかも山中。ここならば、人が来ることも少ないだろう。
 殺し合いから逃れる目的で避難してくる者もいるかもしれないが、そういう人物との接触ならむしろ好都合だ。
 それに、足の怪我もある。温泉に浸して完治するような怪我でないことは承知していたが、それでも気持ちは幾分か和らぐかもしれない。
 どんなゲームだって、何より精神が壊れてしまえば終わりだ。気持ちを癒す意味は実に大きい。

 沙都子は寺に新たな竹槍トラップを仕掛け、負傷した足で進路を温泉に向けた。
 歩き慣れた山道。しかしそれを松葉杖で歩くというのはさすがに難儀なもので、途中何度か転ぶこともしばしば。
 そのせいで、身体は土に汚れてしまった。気持ち悪い、早く身体を洗いたい――そんな年頃の女の子が抱く当然の思考のもとに、沙都子は温泉に着いた途端、早々に湯船を目指した。
 引き戸の向こうは白い湯気で何も見えない。防音も完璧のようであり、中の声が漏れてくることもなかった。
 だから、何の警戒もなくその戸を開けてしまったのだ。そして、見てしまった。
 大人の男性の、アレとかコレとかソレとかを。

『言い忘れてたけど、露天風呂は混浴ギガ~』

 ツチダマ談。


 ◇ ◇ ◇


 足の不自由な女の子を背負って、ロックとしんのすけは山中を行く。
 温泉で知り合った少女の名は、北条沙都子。ゲームに乗っていることはまず有り得ない、人畜無害な子供だった。

「まったく、恥ずかしいったらありゃしない! レディの前であんな汚いものを見せるなんて、デリカシーが足りませんわ!」
「きたな……いや、うん、君の言うとおりだと思うよ……ホント。ごめん」
「もぉ~お兄さんったらあんなにはしゃぐから~」

 あの沙都子のヘンタイ発言の後。
 ロックは桶やら石鹸やらタオルやらをぶつけられたあげく、変態に間違われて湯船の中に突き落とされた。
 口や鼻から大量の湯が流れ込み、溺れかけた時は本気で死ぬかと思ったほどだ。
 唯一幸運だったのは、沙都子がその場からすぐ逃げ出そうとしなかったこと。
 本当のところはすぐにでも逃げたかったのだが、足を負傷していた彼女は満足に走ることも出来ず、しばしその場でロックへの抵抗を続けるしかなかった。

(まったく……いきなり中に人がいた時はどうなることかと思いましたけれど、無害そうな人で安心しましたわ)

 自分の悪運の強さに安堵する沙都子だったが、よくよく考えてみれば温泉などに殺人者が好んで訪れるはずもない。
 それどころかロックは超善人――尻丸出しで踊るような変態だが――で、うまく立ち回れば『足』として利用できる逸材だった。
 しかも彼に付き添っていた幼稚園生くらいの子供は、沙都子にとってとても因縁深い人物だったのだ。

(野原しんのすけ……この子がみさえさんの捜していた息子さんですのね)

 毬栗頭に調子の良さそうな顔、聞いていた外見的特徴から見ても明らかだろう。
 沙都子は悩んだ。この五歳児に、母のことを伝えるべきか否か。
 見る限りではしんのすけは元気そうな態度を保っているが、本当は母に会えなくて心細く思ってるかもしれない。
 沙都子だって、にーにーと会えなくなった時には心が押し潰されるような思いだった。
 歳が近いというのもあるのだろう。家族と離れ離れになっている子供の心境というのは、痛いほどによく分かる。

(でも――)

 それを知ってなお、沙都子はしんのすけに母のことを伝えなかった。
 沙都子はもう、決心を済ませた後だったから。
 自分を助けてくれたみさえ、そして彼女が守りたいと願ったしんのすけすらも、にーにーのために犠牲にしようと誓ったのだから。
 今さら引くことはできない。良心に揺さぶられ、下手な安心を与えてはいけない。
 しんのすけにみさえのことを告げれば、彼はきっと母に会いに行くだろう。
 だがそれでは困る。物資の調達と安全圏の確保を目的とする沙都子は、まだ人の集まる場所には向かえないのだ。

「それで――沙都子ちゃんを襲ったっていう、ガッツだっけ? その男はまだ山の出入り口辺りでうろついているのかい?」
「ええ。何か目的があってのことだろうとは思いますけれど、今山を降りるのは危険ですわ。何か、役立つものを調達してからでないと」

 足の怪我については、『ガッツという大男に潰された』と説明してある。
 大男は山の麓辺りを根城にし、見かけた参加者を襲っていくハンティングスタイルを取っているのだそうだ。
 大男に襲われ、支給品を駆使して命からがら逃げ出した沙都子は、今の今まで山の中で足の治療に専念していたらしい。
 だから、そのガッツという大男以外には会ってない。他の参加者に会うのは、ロックとしんのすけが初めてだと――そう嘘の説明をした。

「山の麓にはゲームに乗った大男……下山するには川を越えて、俺たちがやって来た西側から迂回するしかないか」
「そちらの方が安全でしょうね。それと、出来れば材料集めに協力してくださいまし」
「材料? 材料って何に使う材料だい?」
「罠ですわ。わたくし、こう見えても村では凄腕の罠師として名を馳せていましたのよ」
「罠師……ねぇ。ははっ、へぇ~そりゃスゴイな」

 ロックから若干冷めた笑いが飛ぶ。
 所詮は子供の言うこと、大げさに話しているだけで実際は大したことはないのだろう。
 普通の大人ならば、そう受け取ることだろう。だが、それでいい。その反応こそが沙都子の狙い通り。
 変に警戒されるよりは、無害な子供であるという認識でいてもらった方が都合がいい。
 資材集めの人足として、またその名の通り『足』として、ロックには活躍してもらわねばならない。
 と、沙都子を背負いながら山道を行くロックの足が急に停止した。
 しんのすけと沙都子が何事かと聞くと、ロックは「しっ」と二人に静かにするよう指示した。

「……誰か、女の子の泣き声が聞こえる」

 マイクロ補聴器を着けた耳が、森の奥から聞こえてくる少女の声を察知したのだった。

「女の子の泣き声? 本当ですの?」
「ああ、間違いないよ。どこかで聞いたことのあるようなないような……ともかく、放っておくわけにもいかない。行こう」
「えぇ~オラ歩き疲れちゃったゾ~。お兄さんの背中は沙都子ちゃんが一人占めしてるしぃ」
「ああ、もう。だったらしんのすけ君は抱っこだ。胸にしがみ付いてていいから、落ちないようにしっかり掴んどくんだぞ」
「ほーい」

 ロックの胸板に飛び込み、首にしがみ付く。
 おんぶとだっこを同時にこなし、ロックは母親と母コアラの気分を一遍に味わっているようだった。

「さすがに、重……」
「まぁー! レディに対してなんて口を利きますの! この口がぁ~!」
「んまぁー! れでぃーに対してなんて口を利きですますの! この口がぁ~!」
「やへ、くひをひっはるほはやめほっへ!(やめ、口を引っ張るのはやめろって!)」

 二人の子供に翻弄されながら、ロックは泣き声の下へと向かっていった。
 その道中、あの仮面の男が三回目の参上を見せる。


【A-7/1日目/夕方(放送直前)】
【ロック@BLACK LAGOON】
[状態]:若干疲労
[装備]:ルイズの杖@ゼロの使い魔 、マイクロ補聴器@ドラえもん
[道具]:支給品三人分、黒い篭手?@ベルセルク?、どんな病気にも効く薬@ドラえもん、現金数千円
    びっくり箱ステッキ@ドラえもん(10回しか使えない。ドア以外の開けるものには無効)
[思考・状況]
1:泣き声のする方へ向かう。
2:ギガゾンビの監視の方法と、ゲームの目的を探る。
3:山の麓にいるというガッツを警戒。
4:しんのすけ、君島、キョン、トウカの知り合いを探す。
5:しんのすけに第一回放送のことは話さない。
[備考]※ケツだけ星人をマスターしました。

【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:全身にかすり傷、頭にふたつのたんこぶ、腹部に軽傷、歩き疲れ
[装備]:ニューナンブ(残弾4)、ひらりマント@ドラえもん
[道具]:支給品一式 、プラボトル(水満タン)×2、ipod(電池満タン。中身不明)
[思考・状況]
1:お兄さん(ロック)について行く。
2:みさえとひろし、ヘンゼルのお姉さんと合流する。
3:ゲームから脱出して春日部に帰る。
[備考]放送の意味を理解しておらず、その為に君島、ひろしの死に気付いていません。

【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:若干疲労、右足粉砕(一応処置済み)
[装備]:スペツナズナイフ×1
[道具]:基本支給品一式、ロープ、紐、竹竿他トラップ道具、 簡易松葉杖
    エルルゥの薬箱@うたわれるもの(筋力低下剤、嘔吐感をもたらす香、揮発性幻覚剤、揮発性麻酔薬、興奮剤、覚醒剤など)
[思考・状況]
1:ロックとしんのすけを『足』として利用し、罠を作るための資材を集める。
2:十分な資材が入手できた後、新たな拠点を作り罠を張り巡らせる。
3:準備が整うまでは人の集まる場所には行きたくない。
4:生き残ってにーにーに会う。
5:部活メンバーとは会いたくない。


※寺に竹槍トラップ(フェイトとタチコマに仕掛けたのと同じもの)を残してきました。
※女の子の泣き声の正体はエルルゥです。


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164:さよならありがとう ロック 211:WHEN THEY CRY
164:さよならありがとう 野原しんのすけ 211:WHEN THEY CRY
165:Boys don't cry 北条沙都子 211:WHEN THEY CRY

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