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  • GAMEOVER(2)

アニメキャラ・バトルロワイアル @ Wiki

GAMEOVER(2)

最終更新:2022年05月22日 12:19

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GAMEOVER(2) ◆S8pgx99zVs


[ Overman ]


全面より殺到する――弾丸。ロケット弾。榴弾。光弾。光線。ありとあらゆる破壊の矢。
そのどれよりも、キングゲイナーは――速く、――速く、――速く、――疾走する。
彼に噛み付こうとする顎を全てその場に置き去りにして、城の通路を駆け抜ける。

十字路に差し掛かった所で、七色のフォトンマットを散らし空中で華麗にターン。
速さを減することなく、交差する通路にへと飛び込んだ。
そこに待ち構えていたのはツチダマ達の群れだ。
それらが浴びせてくる硝煙弾雨を掻い潜り、または弾き、キングゲイナーはその中を疾走する。

闇雲に飛び回っている――のではない。搭乗するゲイナーには考えがあってのことだ。
城へと向う車の中で、トグサからもたらされた地図と格闘していた彼の頭の中には、城内の構造は全て叩き込まれている。
先程別れたゲインとレヴィ。
彼らの方へと向かうツチダマ達が少しでも減るよう、外から戻ってくるツチダマ達が通るであろう通路を飛び回り、
それらがゲイン達に向かわせた方向とは逆の方向に集まるよう、注意を引いているのだ。

白煙を引いて迫るロケット弾をチェーンガンで撃ち落とし、
霰のように浴びせられる弾丸を、キングゲイナーは集束させたフライング・リングで弾く。
そして、僅かばかりに反撃を行うと、次の角を曲がって通路を更に進む。

ゲイナーの作戦はほぼ完璧に近いレベルで成功していた。
角を曲がるたびに待ち構えているツチダマ達。
彼等は自分達がゲイナーを追い詰めていると考えているに違いなかったが、それもゲイナーの作戦の内だった。
攻撃を最低限に抑え、逃げ回る鼠を演出し、わざと敵が網を張るであろう場所を通り過ぎる。
結果、調子に乗ったツチダマ達は、ハーメルンの笛吹き男に釣られる子供達の様にゲイナーの後を追っている。
そして、その作戦は最後の仕掛けを迎えるに至った。

「僕が一番、キングゲイナーをうまく使えるんだ――ってことを証明してみせるっ!」

遂にはギガゾンビ城の端にまで到達したキングゲイナー。
その先に見えるのは、壁の全面をガラスで覆った広大なメインダイニングだ。
赤絨毯が引かれ、いくつものテーブルが並べられているそこに進入すると、
キングゲイナーはガラス窓をチェーンガンで破壊してそこから外へと飛び出した。

夜空へと飛び上がり眼下を見渡せば、城外に面したメインダイニングには殺到したツチダマの群れ。
そして、それよりさらに下。城門へと続く道がある地上には、城外より城内へと戻ろうとするツチダマの列があった。
さらには城壁に取り付けられた無数の機銃や砲台。
戦力で評価するならば、現存するツチダマ達の戦力の八割方が今ここに集結してる。

そして――

「何だアレはっ? ――速いぞ!」

キングゲイナーよりも更に高空を、何者かが翔け抜けた。そして、それを追って音が通り過ぎる。
音の速さすらも遥かに越えて空を駆るそれは――Su-37戦闘攻撃機!
20世紀末に旧ロシアで開発が進められていた、全方向多目的型汎用戦闘機だ。

「お前に足りないものは~、それは!情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ――――ッ!」

それは、空の果てで大きく旋回すると月を背負ってキングゲイナーの正面へと肉薄した。
互いに超高速機動兵器同士――接触までには一秒もかからない。


刹那の交錯の後、爆煙を伴ってその内の一機が墜落する。
敗北したのは、赤熱化したチェーンガンの刃に胴体を真っ二つにされた、Su-37戦闘攻撃機とそこに搭乗したツチダマの方だ。
そして、彼が発射したミサイルはキングゲイナーの残像を通り抜けると、そのまま地上へと落ちた。

「加速」をオーバースキルとするキングゲイナー。その速さは伊達ではない。
そしてなによりも、キング――王者であるゲイナー。彼の持つその称号もまた伊達ではなかった。

[ In any case ]


「ああ!? ジャン=ダマがやられたギガッ!」

ギガゾンビ城の周囲に展開するツチダマ部隊。その中でいくつもの悲鳴があがった。
機動兵器の中でも虎の子のSu-37戦闘攻撃機と、そこに搭乗した最速のツチダマ――ジャン=ダマ。
それが無情にも、彼らの目の前で炎の塊となって地上へと堕ちた。
しかも、落下地点に多数のツチダマを巻き込んで、だ。


暗い藍色の夜空、そこを月光を浴びる真っ白な一人の巨人が、輝く光の粒を撒き散らし蝶の様に華麗に舞っている。
それを追うのは彩とりどりの光の線。
地上と城の側面から、逆流する滝のように巨人へと浴びせられているが、未だそれを捕らえられてはいない。
逆に、巨人が振るう剣の端から放たれる光弾は、ツチダマや各種兵装、機動兵器を的確に捕らえていた。
今も、巨人に群がる黒金の戦闘蜂――陸上自衛隊多目的攻撃ヘリ・ジカバチAV――が地上へと叩き落とされている所だ。

高空から釣瓶打ちにされる弾丸に、城壁に備え付けられた対空砲台がことごとく沈黙していく。
たった一機の巨人、キングゲイナー。それに全く太刀打ちできないツチダマ達。
彼らを取り囲む黒煙と炎、聞こえてくる怒号と悲鳴。雨の様に降り注ぐ仲間の破片。
そんな悲壮な戦場には諦めと絶望感が漂い始めている――だが、そんな中でもまだ懸命に戦うツチダマも少なからず存在した。


「諦めたら、そこで試合終了ギガァァァァァァ――――ッ!」
周囲の仲間、そして自身を鼓舞しながら、そのツチダマはこれで何発目になるかわからないミサイル弾を撃った。
地対空ミサイルFIM-92スティンガー ――その先端から飛び出したミサイルは、巨人を追い火を噴いて空を駆る。

「風の強い所では、銃よりも原始的な武器の方が有利な時がある――と誰かが言ってたギガ!」
城壁の端、そこに一つの投石器が運ばれてきていた。
中世の時代、城を攻めるために使われた木製のカタパルト。それが号令と共に振るわれ、石の弾を夜空に放り上げる。

「倒せるか倒せないかじゃない、倒すんだギガッ!」
燃える燃料の匂いと熱が充満する、退路を断たれたその真ん中に何体かのツチダマが取り残されている。
爆風に煽られた身体は傷つき、高熱により電子頭脳は機能を停止しようとしていた。
それでも彼らは、残された乏しい武器で最後の瞬間まで、主の敵を倒すために己が死に抵抗する。

「銃身が焼き付くまで撃ち続けてやるギガ!」
一台の兵員輸送用トラックの後部、運ばれる兵士が乗り込むその場所は熱を持った薬莢で溢れていた。
秒針が一回転する内に千発を超える弾丸を吐き出す対空重機関銃が、けたたましい音と薬莢を振りまいている。
休むことなく働かされている銃身は高熱に悲鳴を上げていたが、その悲鳴すらも檄に変えて闘う。

一体の傷ついたツチダマが地に膝をついた。だが、それでも挫けることなく膝を引きずり前へ、前へと進む。
彼の周りには、この逆境から逃げ出そうとしているツチダマもいる。なのに何故彼は諦めないのか?
「……どうして目が前についているのか知っているか? 前に前に、進んでいくためギガ」
そして、その彼の目の前。絶望に暮れるツチダマ達の前に、彼等の希望――もう一体の巨人。

――ザンダクロスがその姿を現した。

[ Marksman ship ]


ぬけ穴ライトを使っていくつかの壁を通り抜け、戦闘の喧騒も遠くなったとある一室。
その明かりが点いていない暗がりの中で、ゲインが肌を露にしたレヴィに傷の手当てをしていた。
彼女は、元より彫り込まれていたトライバルタトゥーによって、その身の一部を黒いパターンで覆っていたが、
今は流血したその赤茶色の跡が、更に胸と背中にそのパターンを広げていた。

手当て――とは言っても、大したことが出来るわけではない。
貫通した胸の傷穴にガーゼを当てテープを貼り付ける。そして、胸囲に包帯を巻くことぐらいだ。
本来ならば手術が必要な負傷だったが、それは望んでも得られるものではなかった。

「痛み止めを飲んでおくか? 気休めぐらいにはなる」
言いながら、ゲインはポケットから錠剤を取り出す。乗ってきた救急車の中で偶々見つけて持ってきた物だ。
「いらねぇ……勘が鈍る……」
脱いだタンクトップを着なおしながらレヴィは答える。
血に濡れた衣装が肌に貼り付くのは不快だったが、あいにく彼女はこれ一着しか衣装を持っていなかった。

そして、再び二人は移動を始めた。何時までもサボっている場合ではないし、またそういう性分でもない。


部屋の角、床の上にあるハッチを開くと二人はそのままメンテナンス用の通路へと潜り込んだ。
左右を電気やガス、通信などの多様で数多いパイプに挟まれた通路を、非常灯を頼りに前へと進んでいく。
別れ際にゲイナーから聞かされた通りに道を進み、小さなドアを潜ると次はエレベータシャフトの中に出た。
二人はそこを壁に設置された梯子を利用して登る。そして、最初の扉を抉じ開けると、静かにその外へと這い出た。

そこは広いエレベータホールの一角だった。
対の一角にある巨大な螺旋階段には、そこを登るツチダマ達の姿が見える。
それが、ギガゾンビの元に向かい、彼を追うドラえもん達を脅かす存在だとは、この時の二人には知る由もない。
だが、ただツチダマ達が上に向かっているというのなら、二人にとってそこで答えを出すことは簡単なものだった。

ギガゾンビ城の中央、地上から屋上までを貫く巨大な螺旋階段。その中腹辺りで、突然大爆発が起きた。
そして、爆発が起きた位置から、そこを登っていたツチダマ達を巻き込み螺旋階段が崩落してゆく。

勿論、大爆発を起こしたのはレヴィとゲインの二人だ。その二人の肩にはそれぞれ一本ずつRPGが構えられている。
「――ハッ! ゴミはゴミ箱に……てな」
盛大な轟音と地響き、そして灰色の煙を立てて崩れゆく様を見て、最低だったレヴィの機嫌も少しは戻ったようだ。
「だが、まだこれで終わりという訳でもなさそう――だ!」
螺旋階段とは別の場所。ホールに入る通路から姿を現したツチダマの集団を発見すると、
ゲインは暴れるレヴィに構わず、彼女を抱き上げて反対側の通路へと駆け出した。
その背中に、二人の存在に気付いたツチダマ達の猛攻が注がれる。

「――――ぐぁっ!」
下半身に走った激痛にゲインの口から息が漏れる。
そして、その場でたたらを踏むゲインの足にさらに銃弾がめり込み、鮮血を迸らせた。

「馬鹿野郎ッ! さっさとあたしを降ろせっ!!」
「君が男だったら、とっくにそうしている――っ!」

意地を張るゲイン。そんな彼を仕留めんと一体のツチダマが狙いをつけるが、それは間一髪の所で阻止された。
ゲインの脇から伸びる腕とその先の銃。抱かれたままの姿勢でレヴィがソードカトラスを振るったおかげだ。
ともかく、その隙に二人は通路の陰へと転がり込む。

レヴィの傷もそうであったが、ゲインが今負った傷も決して軽いものではなかった。
両太腿から流れ出す血は、固い床の上に血の河を作っており、ゲインは急激な失血に身体から熱と力を奪われていた。
レヴィとゲイン――互いに満身創痍。引くも進むも、もう叶わない……。

「テメェ一人で逃げてればこんな目には遭わなかったんだ。間抜けなフェミニストめ!」
回復の兆しを見せていたレヴィの機嫌は、自分のために傷ついたゲインを見て、再び最低の位置まで下がった。
「……フフ、レヴィ嬢は、中々に手厳しい」
だが、二人とも生きているだろう? とゲインは続ける。しかしレヴィは――
「その生きるって事に執着するから、今こんな事になってんだよ。
 敵が目の前に出てくりゃ、飛び込んで撃ち殺せばいい。手前の命の心配なんざ、無駄な贅肉にしかすぎないのさ」
――と、ゲインに辛辣な言葉をぶつける。しかしそれでもゲインは紳士の顔を崩すことなくそれに反論した。
「……それは逆だな、レヴィ。
 命でも感情でもなんでもいい。何かに執着する心――それこそが、人間の最後の力になるんだ。
 エクソダスも、同じ。……その先に夢や希望。新しい人生。それを目指す想いこそが成功の動力源となる」
フ……と、ゲインは微笑みを見せる。傷を負い窮地に立たされても、まだ気持ちまでは殺がれていないと。
逆に、それに対するレヴィの表情は暗黒そのもの。溝泥の中で生まれ溝泥の中で死ぬ者の顔だ。

互いに主張する信条は真逆。そして、それを譲る気など毛頭ない――となれば、
「――丁度いい。一勝負といこうじゃないか」
「勝負だって……?」
怪訝な顔をするゲインを見て、レヴィの顔が暗い笑みに歪む。

「ああ、どうせもうこれで最後だ。あんたとは一度やり合いたいと思っていたのさ。
 ルールは簡単。これからどっちがより多く獲物を狩れるかだ。
 ――判りやすいだろう?」

その時、ロビーを挟んで反対側に位置する通路から、二人が隠れる通路に向って榴弾が発射された。
それは放物線を描いてロビーを渡り、その頂点――ロビーの丁度中央に到達したところで爆ぜた。
狙われた通路の中。そこにはライフルの先から煙を揺蕩たたせるゲインの姿がある。

「今のも点数に入るのか?」
冗談めかして質問するゲインに、レヴィは楽しそうに返答する。
「――オーライ。ツチダマは一体1点で、飛んでくる爆弾は一つで2点だ」
その回答に、それだと君に不利じゃないのか? とゲインは尋ねるが――次の瞬間、幾重ものマズルフラッシュが瞬いた。
それと同時に、ロビーにへと飛び出してきていた二体のツチダマが、頭を撃ち抜かれ床の上に転がる。

「あたしは、テメェの倍撃つから、これぐらいで丁度いいんだよ」

そう言うと、二挺のソードカトラスを両手にレヴィは不敵に顔を歪ませた。

[ Scrimmage ]


深い森の中、スコップ片手に一体のツチダマが喧騒の元へと走っている。
その先では、彼らの追う反逆者――涼宮ハルヒと彼の仲間達が戦っているのだ。

仲間達――最初は数百体もいたその仲間達も、すでに十数体へと数を減らしている。
追っている涼宮ハルヒと、彼女が操る神人と呼ばれる巨人にみんな粉々に砕かれてしまったのだ。
しかし、ついにその巨人は地に伏せ、逃げる涼宮ハルヒをこの森の中へ追い詰めた。

「ああ……もうすぐ終わるギガ。……全部、終わらせるギガ! そう、ひぐらしのな――」

言葉の途中で、ツチダマの頭に上から降ってきた何かがめり込んだ。
それは重いコンダラ――ではなく、手押し用の小さな整地ローラー。そして、それを構えた涼宮ハルヒだった。
ツチダマはそれに気付く間もなく――もちろん脱出などは出来るはずもなく、そのまま地面へと押し潰されてしまう。
地面に降り立ったハルヒは額に貼り付いた髪を拭い、ツチダマが持っていたドイツ製の軍用スコップを手に取ると、
重すぎて使いづらいローラーと潰されたツチダマをその場に残し、「自分達」が戦う戦場へと駆け戻った。


夜天を貫く幾本もの杉の木。その合間で、涼宮ハルヒとツチダマ達による乱闘が繰り広げられていた。
クローンリキッドによって姿を増やした15人の涼宮ハルヒと、生き残った15体のツチダマ。
互いに戦いが始まってからは徐々にその数を減らし、今はどちらも生き残りは十人に満たない。
当初は、暗がりから奇襲をかけるハルヒ側が優勢で、数を増やした彼女にツチダマ達は大いに混乱したが、
その種が割れるとツチダマは冷静さを取り戻し、持ってきた武器を振り回して劣勢を挽回した。
現在は、互いに一進一退の攻防を繰り広げている。


 ◆ ◆ ◆


森の一角。そこで一体のツチダマと一人のハルヒが対峙していた。
素手で挑むハルヒに対するツチダマの手には、唸りを上げて回転する金属製のアメリカンクラッカーが握られている。

「刻むぜ! ツチダマのビートギガァァァッ!」
短い腕でアメリカンクラッカーを振り回し、ツチダマがそれを振り上げ襲い掛かる。
それに対し、受けの構えを見せるハルヒだが――
(――このマヌケ女がぁ! この金属製のアメリカンクラッカーには電流が流されている。触れれば感電よォッ!)
それを見たツチダマは勝利を確信し、そのまま帯電したアメリカンクラッカーを振り下ろした。

「な、何ィ――!」
絶対の勝利を確信して振り下ろされた鉄球は、振り上げられた靴の踵――絶縁体であるゴムによって受け止められていた。
頭よりも高く上がった踵はその位置から、策が破れた衝撃と、
目の前に咲いた真っ白なフリルの華の衝撃に身体を強張らせたツチダマの顔面に叩き落された。
鼻からセラミック片と循環オイルを撒き散らしてふらつくツチダマに、更にハルヒのローキックがお見舞いされる。
超女子高生級のローキックにもんどりを打って倒れた所に、止めの踵落としが炸裂しツチダマはそのまま沈黙した。


 ◆ ◆ ◆


また別の一角。そこでは互いに刀を持ち、切り結ぶハルヒとツチダマがいた。

「ギガゾンビ様の旗の下に散っていった、土魂たちへの鎮魂のためにも――!」

暗闇の中で白刃が二度三度と煌き、キィンと澄んだ金属音が森の中に響き渡る。
そして、互いに二足、三足と間合いを取ると、勝敗を決すべくそれぞれが持つ必殺の構えを取った。

ツチダマの手にあるのは、刃に大きく波打って走る波紋が華やかな名刀――鬼神丸国重。
それを左手に持ち、刃を平に構え大きく身を引いて逆の手を仇の方へと水平に伸ばす。
対する涼宮ハルヒの手には、刃に入った二重の刃文が特徴的な名刀――加州清光。
彼女がとったのは、同じ平突きではあるが刀を真正面に構える正眼の構え。重心を前に移動させ切先に力を込める。
先の先を狙うツチダマと、後の先を狙うハルヒ。切先を向け合うその間に緊張が高まる。

互いの視線が交わるその刹那――先を取ったツチダマが前へと飛び出した。
絞りきった自身の身体を一つの発射装置とし、五足の間合いを一瞬で越え神速の突きを繰り出す。

――悪! ――即! ――斬!

鈍い音を立てて両者が衝突し、それきりに動かなくなる。
ツチダマが突き出した刀の先――それはハルヒの胸板を貫き、心臓を破って彼女を絶命に至らしめていた。
そして、ハルヒが放った突きもまた相手を捕らえていた。すでに、顔面を貫かれていたツチダマも絶命している。

分身であるハルヒの姿が煙と消えると、ツチダマは一人前のめりに伏し、其処には彼と二本の刀だけが残された。


 ◆ ◆ ◆


「ツチダマ! ワープ進化アアァァァァァァ――ッ!」

森の中でも少し開けた場所。窪みの中に月光を湛える、自然のコロッセオ。
その中央で一体のツチダマが、四人のハルヒを相手に大暴れしていた。

そのツチダマが両腕に装着しているのは、ドラモンキラーと呼ばれる巨大な爪を持った盾だ。
撃ちつけられる弾丸を容易く弾き返し、振るえば岩をバターの様にあっさりと切り裂く。
対する四人のハルヒは、二人が前面に出て隙を誘い、後ろの二人が銃で本体を狙うという作戦を取るものの、
それは未だうまくは行っていない。それどころか、すでに幾人かのハルヒがこのツチダマにやられている。

ハルヒの一人がすんでのところで刃爪を避け、その隙を狙って別のハルヒが拳銃を撃つが、
それはもう片方のドラモンキラーによってあっさりと跳ね返された。
前衛にいたもう一人のハルヒがそこに取り付き、それを奪おうとするもこれも簡単に振りほどかれる。

「悪あがきをしおって……跡形もなく全滅にしてくれるギガ!」

そう言うと、ツチダマは一気に攻勢へと出た。
振りほどかれて尻餅をつくハルヒを爪で串刺しにすると、その勢いのままにもう一人のハルヒも横薙ぎにする。
小うるさい前衛を全滅させると、両方の盾を正面に構え後方のハルヒ達へ向けて突進し――ようとして止まった。
逃げるかと思われたハルヒ達が、逆にツチダマがいる窪みの中へと降りてきたのだ。
見れば、その後ろには彼の仲間である他のツチダマ達が迫っていた。

あまり広くはない窪みの中に、五体のツチダマと二人の涼宮ハルヒ。
すでに勝利は貰ったと生き残ったツチダマは確信したが――彼らは大きな勘違いをしていた。
一つに、目の前の涼宮ハルヒはあくまで分身であり、倒したとしてもそれが終わりではないという事。
もう一つは、すでに生き残りのツチダマはここにいるだけで、彼らはまんまとこの場所に誘き寄せられていたという事だ。

ドラモンキラーの凶刃が瞬く間に残った二人の涼宮ハルヒを切り裂く。
そして、彼らが勝利の凱歌を上げようとしたその瞬間――

――地中より天に向けて突き出された神人の拳が、彼らをまとめて夜空の星屑と変えた。


 ◆ ◆ ◆


「……どう? うまくいったかしら」

分身を生み出す元となった本物の涼宮ハルヒ。彼女はすでに森の中にはいなかった。
今は山の麓と市街地が隣接する、その境界にまで戻ってきている。

『敵の全滅を確認。――また、同時に分身も全て消滅しました』

魔法の鎚の返答にハルヒは息を吐いた。
ギリギリではあったが、作戦は成功し彼女を追っていたツチダマは一体残らず撃破された。
腰を下ろしていた地面から立ち上がり、スカートに付いた土を払うとハルヒは西へ向けて走り出す。

「全くあの二人は何をやってるのかしら! こっちは片付いたっていうのに、まだ戻ってきやしない。
 SOS団の団則じゃあ、遅刻は死刑って決まっているのに……」

――だから、私が行くまでは死ぬんじゃない!

眼前に見える巨大な異形――触れるものに終末をもたらす不吉な魔導書――闇の書。その暴走した防衛機構。
それと、そこに囚われた仲間達の元へと、小さな神様――涼宮ハルヒは懸命に走った。

[ interval ]


夜空に輝く七色の光、空気を震わす爆音。そして、それに曝される二体のツチダマ。
そこはギガゾンビ城の中でも最頂に位置する主塔の屋上、見張り台の上だった。
見張り役として、体良く楽な仕事にありついた彼らは、何をするでもなく眼下の光景を眺めている。

「……あれ、ちょっとヤバくないギガか?」「……神様。ダマ達はなんて……なんて無力なんだギガ」
厭世的な台詞を吐くツチダマの後ろで電子音が一つ鳴る。振り向いた先には、彼らの主がそこに現れていた。
「何を貴様らはこんなところでサボっておるか! 働け! 働け!」
エレベータのドアを潜り、ひどい剣幕で捲くし立てながら詰め寄ると、
ギガゾンビは取り寄せバッグからそれぞれに武器を宛がい、フロアの端にある階段を指差した。
「さぁ、貴様らはワシに楯突く愚か者を迎え撃ちに行け! さもなくば、この場で壊してしまうぞっ!」

ギガゾンビの脅しに震え上がると、二体のツチダマは逃げるように階段を降りて行く。
それを確認すると、ギガゾンビは屋上の端から顔を出して地上の様子を窺ったが、吹き上げる熱風に退いてしまう。

「……くそう、あいつら無茶苦茶しよって。
 ザンダクロスさえあれば……ザンダクロスさえあれば……あんなやつらなど一蹴してくれるのにっ!」
ギガゾンビはその場で地団駄を踏む。
彼が最後の一手を求めるように、今この舞台にいる全ての者達がそれぞれの最後の一手へと向かっていた。


――この物語。その結末も、もう遠くはない。


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