ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0596 ドスと理想と長の資格 後
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ankoss
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・この話は、ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前の続きです。見ておかないと状況が把握しにくいので、前編既読推奨です。
・後編であるこの話は、虐待パートとなります。
ストーリー性は補足程度にしか無く、虐待が続くだけなのでご注意ください。
・その他の注意書きは前編を参照していただけると助かります。
それでは、ゆっくりしていってね!!!
人間に捕まって無情な宣告をされてから、どれくらい経っただろうか。
日の光も見えない小屋の中で、身動きが取れないドスは足と頭に走る激痛にただもがくしかなかった。
あれから実際には1日と少ししか経っていなかったのだが、ドスにはもうだいぶ昔の事のように思える。
それもこれも、全てはこの足に刺さって動く事も出来なくなった針の床と、
人間によって頭に突き刺された何かのせいで、痛みに耐えるのに精一杯で時間など気にしていられなかったからだ。
だがそんな状態にあってもドスは、
いくら極限状態にあったからといっても、人間に歯向かってしまった愚を悔やんでいた。
何故あんな事を考えてしまったのか。
冷静に考えれば、自分が人間の知恵に勝てるはずが無い事ぐらいわかっただろうに。
が、いくら後悔しても、群れも、楽しかった日々も、あの優しかった人間達も戻ってくるわけではない。
どうということはない。驕り高ぶっていたのは自分ではないか。
そう悟ったところで今更どうしようもなかった。ただ足と頭の痛みが訴えかけてくるばかりである。
―――――約一日前―――――
村長達が去ってからしばらくしてドスが叫ぶのにも疲れてしまった頃、
今度は違う若者が二人、小屋に入ってきた。
「かひゅー、かひゅー…なんなの…これいじょうなんのよう……?」
「・・・・・・」「・・・・・・」
変な液体でぐちゃぐちゃになった醜い風体で問うドスに、若者達は何も答えなかった。
そして答えぬ代わりに、一人の若者が背中の方から変なものを取り出す。
それはひたすら細く、薄く、長い、竹で作られた槍のような串だった。
それがなんなのかドスには解らなかったが、
何も話そうとせず、ただ黙ってそれを持って近寄ってくる若者達を見て良い予感がするはずも無い。
「な、なにするの…うぞ、やべで……ごないで…」
そして、いたって事務的に若者達はドスの頭に、それを突き刺した―――
「あ゛…あがあ゛あ゛あ゛!!!いだいよぉ゛!!いだい゛!!
ど、どどっどおじでぇぇぇぇ!!!?」
暴れる事もできずにただ痛みを感じる事しかできないドスを前に、
若者達は淡々と言葉を交わす。
「どうだ?やった…みたいだな」
「ああ。上手く中枢餡とかいうのに刺さったみたいだ」
「うわ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛!!」
成果を確認した若者達は、叫ぶドスには全く目もくれずに小屋を去っていった。
誰もいなくなった小屋にドスの叫びだけが響き渡る。
「どぉじでぇ!?どおじでごんな゛ぁ!!」
その問いに答える者は、誰もいない。
―――――更に少し、時は遡り―――――
ドスが叫ぶ小屋を後にした村長はどうしたものかと悩んでいた。
あの饅頭達を食料にすることは決定したが、
どうやってできるだけ長持ちさせるか。それが問題なのだ。
今のままでもなんとか冬を越せそうではあるが、保存用の食料にはできれば手を着けたくない。
ならばあの饅頭達をうまく使うしかないのだが、いくら百を越える饅頭といっても、
半分くらいは、こぶし大の小饅頭である。到底村全員分の食料となるはずも無い。
小さい饅頭を仮に大きくできたとしても、それでも一尺(約30?)に満たない程度の大きさである。
村全体に冬の間満足できる分が行き渡るかは微妙なところだ。
ならば、あの超巨大なドスの中身を増やす方法を探すべきではないだろうかと考えた。
(これはやはり、あのドスに頼るべきかのう…)
なんでも他の村の、ゆっくりに詳しい者から色々と聞いたところによると、
あいつらは苦しめた方が甘く、美味しくなるらしい。後、小さいうちに食べた方が美味いとも。
が、今そんな情報は大した参考にはならない。
欲しいのは量を増やす方法であって美味くする方法ではないのだ。
当然美味い方がいいので一応対策はしておくものの、今は量より質を求めている場合ではない。
…そういえばこんな事も言っていた。
奴らにとっては甘いものが何よりのご馳走で、甘いものを食った方が早く育つ、と。
雑食性ではあるものの、甘いものを常食にしたときの奴らの成長速度は通常の数倍らしい。
これが確かならば、使える。美味い餡子が沢山作れるはず。
先が見えた村長は、気持ち明るくなった表情で村人達に考えを伝えに行った。
――――――――――
時は戻り、所変わってドスのいる小屋。
あれから更に時間が経った―――実際は捕まってまだ二日ほどだが。
飲まず食わずで陽にも当たれず、ひたすら死にそうなほどの激痛が走る体ではゆっくりできるはずもない。
ドスは苦しみぬいて、もはや声も出ない状態にあった。
そんなドスの前に久しぶり(とドスは感じている)に現れた村長。
もはや命乞いをする力も残っていないドスに、村長は話し掛ける。
「おお、たった二日の間に随分やつれたのう」
「だ…だ……だ…ず…げ……で……」
「なにを言うとるか分からん。ちゃんと話せ。
それよりも今日は、お前に食事を持ってきたぞ。
これからは一日一回、ちゃんとした食べ物を与えてやる。心して食うがよい」
「ほ、ほ…ん……と…?」
久しぶりに食事が取れると聞いて、ドスは飛び上がりたい気分になった。
痛みは取れないが、何か食べれさえすれば少しでもこの痛みから逃げられる。忘れられる。
この際何だって構わない。人間のゴミであろうと食べれるだけマシだ。
極限状態にあったドスはなりふり構わず食料を求めた。
「さて、では持ってこんとのう。…うん?」
「…!?あ…あぁ…で…いぶぅ……」
村長達が食事の用意をしに小屋を出て行こうとすると何故かそこには、
ドスの群れの中でも一番子育て上手だったれいむがいた。何故かリボンは無いが、ドスにはわかる。
多少薄汚れてやつれて見えるが無事な様子に、ドスは久方ぶりに安堵した。
「でいぶぅ…ほんどにぶじだっだんだね。ならみんなもげんぎなんだね。
よがっだ、ほんどうによがっだよう…」
「……ざげるな゛……」
「おお。入ってきてしまったか。ドス、久方ぶりの食事の到着じゃぞ」
「……え゛?」
今、この人間はなんと言ったのだ?
村長の信じられない発言に、ドスの思考は完全に停止した。
「じゃから、そいつらを一日一匹、お前には食べてもらう。
甘いものが好物なんじゃろう?存分に食べて、餡子を増やしてくれよ。
毎日その分お前の頭からくり抜くんじゃからな。増やさんと死ぬぞ」
「…で…でぎるわげないでじょぉぉ!!?ゆっぐりをだべれるわげないでじょぉぉ!!?
どずのたいせづなむれのゆっぐりなんだよ!な゛ん「うるざい!おばえなんがおさじゃない!!」……でいぶ?」
「はなしはぜんぶにんげんさんからきいたよ。
にんげんさんはぱちゅりーのかんがえにのってくれるつもりだったんだってね。
れいむたちやめようっていったけど、やっぱりれいむたちがただしかったんだね…
……ふざげるなぁぁぁ!!!な゛にがぶじでよがっだだ!!ぜんぶおばえのぜいじゃな゛いが!!
れいむも!れいむ゛のおぢびぢゃんも!れいむ゛のどもだぢだっだみんなも!!
みんなみんなのごらずごろざれぢゃうんだぞ!!おばえのぜいで!!
なにがどずだ!なにがおざだ!!なんでおばえをしんじたれいむ゛だぢがおばえにくわれでしぬのに、
おばえがゆっぐりでぎるんだ!れいぶだぢをだべでゆっぐりずるげずはじねぇぇぇぇ!!!」
「で…でいぶ……」
「活きがいいのお。さあ、ドス。食うがよい」
「い……いやだ…たべれるわけないよ…」
「なんじゃ、我侭な。仕方ない、お前達、食べさせてやりなさい」
れいむを食べる事を当然嫌がるドスに、村長は傍に控えていた若者に命じて、
無理矢理れいむを食べさせようとした。動けないドスは、口を閉じる事でしか抵抗できない。
が、口を開けないとなると、今度は唇にあたる部分を引き裂かれ、
金槌で歯を叩き折られ、無理矢理隙間を作らされた。
そこかられいむが、残った歯に引っかかって皮が破れようともお構いなしに詰め込まれる。
「ゆ゛がぁ!!いだいぃぃ!!
いや゛ぁぁ!!やべで!だべだぐない!!あぐま゛ぁぁ!!!」
「うるざい!あぐまはおばえだ!じね!じね!ゆっぐりせずにじねぇぇ!!!」
尚も怨嗟の声を出し続けるれいむであったが、ドスの口にすっぽりと収まってしまい、
声にならない声を上げるしかなくなってしまった。
「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ……」
そして、生きたまま飲み込まれ、ドスの腹の中へと収まった。
これからドスの腹の中で溶かされる間、地獄を見ることとなる。
「じ…じあわぜー……う゛ぅ゛、でいぶぅ……うぐ!?や、やべで!どずのおながであばれないでぇ!!
ぎぼぢわるい!ごべんなざい!ゆるじで!」
腹の中に生きたまま飲み込まれても尚、最後の力を振り絞って暴れるれいむに、
ドスは始めて、心の底から恐怖した。が、だからといってどうする事もできない。
ドスにできることは、ただれいむがドスの餡子になるまで謝り続ける事だけだった。
「さて、ではこれで今日の分の食事は終わりじゃな。
次は餡子を抜かせてもらうぞ」
「う…あ……やべ…で…」
「何を言うか。このために貴重な食料をお前にくれてやったのだぞ。
食うておいて食料としての役目を拒否するなど、盗人猛々しいにも程がある。
―――やれ。」
「ゆ゛!?が、あががががが。
や゛、やべで゛。どずのあんご。あ゛ん、あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ」
若者達はひたすら穴を開けたドスの頭から餡子を掻き出す。
ドスがまともに話せなくなり、全体の十分の一ほどの餡子を抜かれたところでようやく終わった。
「よし、今日はこれまでじゃ。
また明日、食事を持ってくるからのう。
ちゃんとさっきのも消化しておけよ。…ゆくぞ」
成果に満足した村長は、若者を伴って小屋から出て行った。
残ったのは餡子を抜かれてまともに話せなくなったドスだけである。
「あ゛っ、どずのあ゛っんご!ゆべっゆべべべ!!」
――――――――――
とりあえずは上手くいった―――村長は胸を撫で下ろした。
餡子が足りないなら増やせばいい。そう考えて思いついた共食い策だったが、今のところ上手くいっている。
捕まって子供と隔離され、ゆっくりできなくなった群れのゆっくり達。
このゆっくり達には、全てを話した。
自分達はこれから、村のために全員死んでもらう事。
補佐役のぱちゅりーの案であれば、受け入れてやってもよかったと思っていた事。
そしてドスが自分の思い付きを無理に通した事で、このような結果になってしまった事。
これから自分達は、一日一匹ずつドスに食われてしまう事。
村の人間たちは、こんな結果になってしまって残念に思っている事。
全て正直に、嘘偽り無く話した。
いや、一つだけ嘘をついたか。
ドスはお前達を食べて、ゆっくりさせてから殺すと言ったのだ。
実際は群れの誰よりも苦しめ、絶望させた上で使い捨てるのだが。
これらを言った事による効果は覿面だった。
自分達が悪いと分かっているゆっくり達は人間にも怒りの矛先を向けるわけにもいかず、
その悲しみや苦しみを自分たちの中に閉じ込める事となる。
そこで聞いたのが、ゆっくりして死ねるというドスの話だ。しかも自分達を食べて。
元はといえば、このような事になったのもドスのせいだ。
だというのに、自分達を犠牲にして何故かゆっくりして死ねるドス。
いくらドスが今までに世話になった大恩ある存在であっても、
いくらゆっくり達が恩を忘れぬ善良なものであっても、
それでは怒りや憎しみの矛先が向いてしまうのは当然といえるだろう。
もはやいくら暴れても逃げることができないと理解しているゆっくり達は、
せめて食われはしてもあのドスをゆっくりさせなくしてやると、憎悪によって死ぬ覚悟を決めた。
こうして、ドスに食われる瞬間に最高にゆっくりできなくなり甘くなった饅頭を、ドスに食わせる事ができる。
そして、それを食わされた直後のドスの餡子を取ることで、また最高の餡子が取れるという寸法だ。
その他にも狭く暗い場所に一匹で、足に針を刺され動けず中枢餡を刺されることで、
継続的に精神的なストレスと激痛が襲うようになる。お陰で夜も眠れないだろう。
今回の収穫で、約八貫(30kg)ほどの餡子が取れた。質も上々だ。
これを餌にして小饅頭もさっさと大きくし、その上で全てを教え、ドスに食わせる。実に効率的だ。
ドスの餌役たちにはそこら辺の枯葉なんかでも与えておけばいいのだから、こちらの懐は痛まない。
毎日八貫取れたとして、大体全て終わる頃には八百貫以上の上質の餡子が取れることになる。
まあ量は調節するにせよ、明らかに村一つでは手に余る量だ。
こいつらの事を色々と教えてくれた若者の村や、他にも食料に困っている村に配ろうか。
困ったときはお互い様である。
村長はいつもの様に眉間に皺を寄せて、家に帰っていった。
さあ、餡子を加工しなければ。
――――――――――
あの食事から今まで、ずっとドスは悲惨な毎日を送っていた。
食事でない時間は一人で足と中枢餡を刺される痛みに耐え、夜も眠れない。
食事の時間になると、かつての仲間に罵倒され、無理矢理それを口に詰め込まれ、
飲み込んでも腹の中で暴れられる不快感に耐えながら、命の源ともいえる餡子を抜かれた。
その後は腹の中のゆっくりが溶け、餡子が補充されるまで頭がおかしくなって訳が分からなくなる。気持ち悪い。
かつてはあんなにも慕ってくれた仲間達は、一人残らずドスを憎み、怨み、罵倒して死んでいった。
何時でもドスを理解し、味方してくれたあの補佐役のぱちゅりーでさえも。
「ぐぞぉぉ!じね!!ごのうらぎりぼの!!ばりざのれいむ゛をがえぜぇぇ!!!」
「むぎゃあぁぁ!!やっばりおまえなんがじんじなぎゃよがっだ!!
ばぢゅりーのおともだちをがえじで!むのーどず!!!」
「おま゛えのぜいでありずのどがいはなおぢびぢゃんもじんじゃうのよ!!いながもの!!
うらんでやる!う゛らんでやる!!ゆっぐりでぎないようにのろっでやる!!!」
「に゛ゃぁぁぁ!!だずげでよ、だれがー!!どずなんでだよりにならな゛がっだよ!!
だずげで、らんじゃま!!なんにもわがらないぃぃ゛ぃ゛!!!」
いっそのこと、狂ってしまいたかった。狂って何もかもから逃げ出してしまいたかった。
だがそれすらも許されない。中枢餡に絶妙な具合で刺さった串の傷みが、嫌でもドスに現実を認識させるのだ。
ちなみに、村の人々はこのような効果まで視野に入れていたわけではない。単に運が良かっただけだ。
食事前後以外の、眠れもせずただ痛みに耐えるだけの時間。
ドスはずっと何処の誰とも知れない存在に謝り、許しを請い続けるのが日課となっていた。
「ゆるじで、ごべんなざい。ばでぃざがわるがっだでず。ゆるじで、ごべんなざい。ばでぃざがわるがっだでず。
ゆるじで、ごべんなざい。ばでぃざがわるがっだでず。ゆるじで、ごべんなざい。ばでぃざがわるがっだでず…」
もはや、ドスでもなんでもない。ただの惨めなでかいだけの饅頭しか、そこにはいなかった。
――――――――――
そうして、全てのゆっくりがドスの腹の中に納まった。
あんなに小さかった子供達も、わざわざ大きくなってドスの前に現れ、罵倒し、食われて死んでいった。
あれからもう3ヶ月以上経っている。
今年の冬は例年通りに終わり、もうすぐ春を告げる妖精が現れる頃だろう。
こうなってしまえばもうドスは用済みだ。
心身共にボロボロになってしまったドスだが、最後にもう一頑張りして死んでもらおう。
村長は十人ほどの若者を連れて、久しぶりに小屋へと足を運んだ。
中には、黒ずんでボソボソと謝罪の言葉を呟く大きな饅頭がいた。
「ドスよ、聞こえておるな?実は昨日のゆっくりが最後だったんじゃ。
もう春も来るし、お前は用済みじゃ。死んでもらうぞ」
その言葉にドスは、これも本当に久しぶりに反応した。心なしか、安堵したような顔をしているように見える。
「……ほん…と…?もう…しんでぼいいの…?ごろじで…くれるの…?」
「ああ。じゃがまあ、最後にもう一仕事してもらうがな」
「な…な゛に…?まざが、また……!」
「なにお前の考えとるようなことではない。
ただ、余った灰があってのう。それを食べて処理してう。それだけじゃ」
灰を食べる。そんなことでいいのか。そんなことで楽に慣れるなら、構わない。
群れのゆっくり達を食べるよりは何倍もマシだ。
「はやぐじで…も゛うらぐに……」
「…良かろう。おい、持って来い。」
そうして若者が持ってきたのは、桶一杯分程度の灰だった。
あれを食べれば、やっと死ねるんだ。
そう思ったドスは、先ほどの弱々しさは何処へやら、今までに無いほど目に精気が滾っていた。
が、桶が近づくにつれ妙なものを感じる。なんだ?これは…
そして、目の前に桶が来たとき、疑問は確信に代わった。
……まさか、嘘だ。これは……
「ああ゛あ゛あ゛あ゛!!!それどごがにやっで!!ぢがづげないで!!!
ごわい!!ゆっぐりでぎない!!!」
「おお、分かるんじゃな。こんな形になってしまっても。
そうじゃよ、これは―――
お前の群れのゆっくりの飾りや帽子を燃やした物じゃよ。」
「いや゛だぁぁぁ゛!!ごべんなざい!!ゆるじでぇ!!
なんでも゛いいがらもうやべでぇ!!!」
ゆっくりにとって、飾りは固体認識にも使われる重要なものである。
ドスや教育を受けた群れのゆっくり達は飾りなしでもそれぞれ認識ができたが、
普通は飾りが無いと、親子ですら互いの見分けがつかない有様である。
それがなぜかは分からない。が、ドスにとっても飾りはそのゆっくりを思い出させる、
いわばゆっくりの分身のようなもの。
しかも死を目の前にした状態で取られたそれには、
ドスにしかわからないような“ゆっくりできなかった”という、
怨念めいた恨みのこもった臭いが灰になってもまだ残っていた。
ドスからすれば、今まで食べたゆっくり達の罵倒を一斉に聞きながら、
恨みの濃縮されたゆっくり達を一気に食べるようなものである。
その上今までで唯一の救いであった甘みさえ無くなってしまっては、いくらなんでも耐えられない。
が、一向に食べる様子が無いと見ると、またもや村長は若者に命じ、無理矢理食べさせた。
「おごっ、おげぇっ!じんじゃ…やべ…おがぁぁぁ゛ぁ゛!!」
耐え切れずに吐きそうになるドスを大勢でしばらく押さえつけ、
その間に他の者は小屋半分くらいの敷き物を広げた。
「もうそろそろ消化したかのう…よし、離せ!!」
合図と共に離したと同時に、ドスは大量の餡子を敷き物の上に吐き散らした。
「おごっ、げぇぇ!!!おぼろろろろろ!!!
も゛っも゛っも゛っも゛っも゛っも゛っも゛っも゛っ」
土石流のように餡子を吐いていくドス。見る見るうちに敷き物の上に餡子の山が出来ていく。
「も゛っも゛っも゛っも゛っ。…ごべっ、おっごぉ!えべぇぇ゛ぇ゛!!!
あ゛っぁ゛っぁ゛………ぁ゛っ……ゆ゛っぐ……」
そして吐いた餡子が体積の半分を過ぎた頃から勢いが無くなり、
最後は搾り出すように吐ききると、苦悶の表情を残してドスは息絶えた。
吐いた餡子は全体の5分の4にも上り、本体の皮はシワシワになって萎んでいる。
よくゆっくりが死ぬ事を永遠にゆっくりするというが、
ドスの死に際の表情はゆっくりなどという言葉からは到底掛け離れたものであった。
こうしてドスは死んだ。
死んで楽になれる。死ぬ瞬間だけは苦痛から解き放たれるという最後の希望すら奪われて……
――――――――――
ようやく最後の仕上げも終わり、今までで最高の品質の餡子が大量に手に入った。
吐いた餡子を食べるのはどうかとも思うが、元々どこから出そうがモノは同じだ。気にする事はない。
ドスの餡子によって、村は余裕を持って当初予定していたよりも数段快適に冬を越せた。
近隣の村も分けた餡子のおかげで、大した犠牲もなく冬が越せたようだ。
村長は自宅の縁側で一人、羊羹を齧り茶をすすっていた。
外では春を告げる妖精が飛び回り、子供達はそれを見ながら、元気に走り回っている。
大人達は早速畑を耕す作業を始めているようだ。腰には軽食である、ドス餡子製饅頭がぶら下がっていた。
これこそが自分や皆の求める理想の、在るべき村の姿だ。
自分はこれと言って取り柄のない男だ。
村を豊かにできる知識もない。特別強い力もない。
が、己を殺し、皆の意見を聞き、まとめあげ、その上で一番意に副った道を選ぶ事ができる。
それこそが長として必要な能力ではないだろうか?と、自分はそう思っている。
そんな自分にとって、ドスがとった行動は理解しがたいものだった。
奴は利口だったと思う。今回の様な危機が来なければ、そのまま上手くやっていけたかもしれない。
しかし、それでも奴に長の資格はないだろうと思う。
いざという時に我を通そうとしてしまう者は、どれだけ優秀であろうが優れた長とは成り得ないのだ。
村長は、彼にしては珍しく、少し疲れたような顔をしてため息をついた。
(あやつら、嫌いではなかったんじゃがのう…)
それでも村を守る為、自分は情を捨てる。それが長の役目だと信じているから。
「さて、遅れてしまったが博麗の神社までお礼参りにでも行こうかの」
そう言うとお賽銭用の小銭と茶菓子の羊羹を持って、村長は最近重く感じてきた腰をゆっくりと上げた。
――――――――――
こうして、かつてドスが夢見た理想の群れは滅んだ。
しかしドスはただ死んだわけではない。
どれだけ苦しんで死んだからといって、決してドスの行為がなかった事にはならないのだ。
此度のドスまりさが人間に反乱を起こしたという話はあっという間に周囲に広がり、
ドスの危険性を再認識した近隣の村は山に入り、連携してドス狩り兼ゆっくり狩りを行う事にしたそうだ。
おまけにドススパーク用のキノコを求めて、魔法の森に住む白黒魔法使いも勝手に首を突っ込んできたそうな。
これで近々、ゆっくりの絶対数自体が激減することになるのは間違いないだろう。
だが当の被害者であるこの村は、参加しなかった。
この村の人々の願いは静かに暮らすこと。たったそれだけ。
そこに友好的な誰かが入ってきたなら、受け入れよう。逆に敵対する誰かが入ってくれば、排除する。
今度のゆっくりなんかは、いざとなれば簡単に排除できる相手だ。そう躍起になる事もあるまい。
山の幸が定期的に手に入ったりしなくなってしまうのは勿体無いが、まあいいだろう。
その程度の認識だ。
よって山狩りなど行なわず、普通に暮らす。それが村の総意だった。
村長は、そんな皆の意見を聞き入れるだけ。
そしていざとなれば心を鬼にして村の先頭に立つ。
それが長の仕事。これからもそうするし、特別な事だとは何も思わない。
村長は何を思うでもなく、のんびりと村の中を歩いている。実にいい天気だ。
今日も村は平和そのもので、ただ時間だけがゆっくりと流れていた。
・あとがき
『ドスの存在は群れの死亡フラグ』『直接的な虐待が書きたい』
『両方』やらなくちゃあならないってのが、『思いつき』のつらいところだな。
まあ覚悟も何もできてないからこんな事になったわけですが。
実は本当に書きたかったのは後編の虐待で、前編は後編のための前フリです。
前フリで20KBオーバーってどんだけよ。
構成力のなさが悔やまれます。今後精進するので許してください。
そして名前、どこかで挙げられた小五ロリあきを頂きます。他に誰もいないよね?
理由はどっちの意味であっても好きなので、あながち間違ってないからなんですが。
では、最後までお付き合いいただきありがとうございました!また次の作品で!
・過去作品
ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と
ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳
ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気
ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前
・後編であるこの話は、虐待パートとなります。
ストーリー性は補足程度にしか無く、虐待が続くだけなのでご注意ください。
・その他の注意書きは前編を参照していただけると助かります。
それでは、ゆっくりしていってね!!!
人間に捕まって無情な宣告をされてから、どれくらい経っただろうか。
日の光も見えない小屋の中で、身動きが取れないドスは足と頭に走る激痛にただもがくしかなかった。
あれから実際には1日と少ししか経っていなかったのだが、ドスにはもうだいぶ昔の事のように思える。
それもこれも、全てはこの足に刺さって動く事も出来なくなった針の床と、
人間によって頭に突き刺された何かのせいで、痛みに耐えるのに精一杯で時間など気にしていられなかったからだ。
だがそんな状態にあってもドスは、
いくら極限状態にあったからといっても、人間に歯向かってしまった愚を悔やんでいた。
何故あんな事を考えてしまったのか。
冷静に考えれば、自分が人間の知恵に勝てるはずが無い事ぐらいわかっただろうに。
が、いくら後悔しても、群れも、楽しかった日々も、あの優しかった人間達も戻ってくるわけではない。
どうということはない。驕り高ぶっていたのは自分ではないか。
そう悟ったところで今更どうしようもなかった。ただ足と頭の痛みが訴えかけてくるばかりである。
―――――約一日前―――――
村長達が去ってからしばらくしてドスが叫ぶのにも疲れてしまった頃、
今度は違う若者が二人、小屋に入ってきた。
「かひゅー、かひゅー…なんなの…これいじょうなんのよう……?」
「・・・・・・」「・・・・・・」
変な液体でぐちゃぐちゃになった醜い風体で問うドスに、若者達は何も答えなかった。
そして答えぬ代わりに、一人の若者が背中の方から変なものを取り出す。
それはひたすら細く、薄く、長い、竹で作られた槍のような串だった。
それがなんなのかドスには解らなかったが、
何も話そうとせず、ただ黙ってそれを持って近寄ってくる若者達を見て良い予感がするはずも無い。
「な、なにするの…うぞ、やべで……ごないで…」
そして、いたって事務的に若者達はドスの頭に、それを突き刺した―――
「あ゛…あがあ゛あ゛あ゛!!!いだいよぉ゛!!いだい゛!!
ど、どどっどおじでぇぇぇぇ!!!?」
暴れる事もできずにただ痛みを感じる事しかできないドスを前に、
若者達は淡々と言葉を交わす。
「どうだ?やった…みたいだな」
「ああ。上手く中枢餡とかいうのに刺さったみたいだ」
「うわ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛!!」
成果を確認した若者達は、叫ぶドスには全く目もくれずに小屋を去っていった。
誰もいなくなった小屋にドスの叫びだけが響き渡る。
「どぉじでぇ!?どおじでごんな゛ぁ!!」
その問いに答える者は、誰もいない。
―――――更に少し、時は遡り―――――
ドスが叫ぶ小屋を後にした村長はどうしたものかと悩んでいた。
あの饅頭達を食料にすることは決定したが、
どうやってできるだけ長持ちさせるか。それが問題なのだ。
今のままでもなんとか冬を越せそうではあるが、保存用の食料にはできれば手を着けたくない。
ならばあの饅頭達をうまく使うしかないのだが、いくら百を越える饅頭といっても、
半分くらいは、こぶし大の小饅頭である。到底村全員分の食料となるはずも無い。
小さい饅頭を仮に大きくできたとしても、それでも一尺(約30?)に満たない程度の大きさである。
村全体に冬の間満足できる分が行き渡るかは微妙なところだ。
ならば、あの超巨大なドスの中身を増やす方法を探すべきではないだろうかと考えた。
(これはやはり、あのドスに頼るべきかのう…)
なんでも他の村の、ゆっくりに詳しい者から色々と聞いたところによると、
あいつらは苦しめた方が甘く、美味しくなるらしい。後、小さいうちに食べた方が美味いとも。
が、今そんな情報は大した参考にはならない。
欲しいのは量を増やす方法であって美味くする方法ではないのだ。
当然美味い方がいいので一応対策はしておくものの、今は量より質を求めている場合ではない。
…そういえばこんな事も言っていた。
奴らにとっては甘いものが何よりのご馳走で、甘いものを食った方が早く育つ、と。
雑食性ではあるものの、甘いものを常食にしたときの奴らの成長速度は通常の数倍らしい。
これが確かならば、使える。美味い餡子が沢山作れるはず。
先が見えた村長は、気持ち明るくなった表情で村人達に考えを伝えに行った。
――――――――――
時は戻り、所変わってドスのいる小屋。
あれから更に時間が経った―――実際は捕まってまだ二日ほどだが。
飲まず食わずで陽にも当たれず、ひたすら死にそうなほどの激痛が走る体ではゆっくりできるはずもない。
ドスは苦しみぬいて、もはや声も出ない状態にあった。
そんなドスの前に久しぶり(とドスは感じている)に現れた村長。
もはや命乞いをする力も残っていないドスに、村長は話し掛ける。
「おお、たった二日の間に随分やつれたのう」
「だ…だ……だ…ず…げ……で……」
「なにを言うとるか分からん。ちゃんと話せ。
それよりも今日は、お前に食事を持ってきたぞ。
これからは一日一回、ちゃんとした食べ物を与えてやる。心して食うがよい」
「ほ、ほ…ん……と…?」
久しぶりに食事が取れると聞いて、ドスは飛び上がりたい気分になった。
痛みは取れないが、何か食べれさえすれば少しでもこの痛みから逃げられる。忘れられる。
この際何だって構わない。人間のゴミであろうと食べれるだけマシだ。
極限状態にあったドスはなりふり構わず食料を求めた。
「さて、では持ってこんとのう。…うん?」
「…!?あ…あぁ…で…いぶぅ……」
村長達が食事の用意をしに小屋を出て行こうとすると何故かそこには、
ドスの群れの中でも一番子育て上手だったれいむがいた。何故かリボンは無いが、ドスにはわかる。
多少薄汚れてやつれて見えるが無事な様子に、ドスは久方ぶりに安堵した。
「でいぶぅ…ほんどにぶじだっだんだね。ならみんなもげんぎなんだね。
よがっだ、ほんどうによがっだよう…」
「……ざげるな゛……」
「おお。入ってきてしまったか。ドス、久方ぶりの食事の到着じゃぞ」
「……え゛?」
今、この人間はなんと言ったのだ?
村長の信じられない発言に、ドスの思考は完全に停止した。
「じゃから、そいつらを一日一匹、お前には食べてもらう。
甘いものが好物なんじゃろう?存分に食べて、餡子を増やしてくれよ。
毎日その分お前の頭からくり抜くんじゃからな。増やさんと死ぬぞ」
「…で…でぎるわげないでじょぉぉ!!?ゆっぐりをだべれるわげないでじょぉぉ!!?
どずのたいせづなむれのゆっぐりなんだよ!な゛ん「うるざい!おばえなんがおさじゃない!!」……でいぶ?」
「はなしはぜんぶにんげんさんからきいたよ。
にんげんさんはぱちゅりーのかんがえにのってくれるつもりだったんだってね。
れいむたちやめようっていったけど、やっぱりれいむたちがただしかったんだね…
……ふざげるなぁぁぁ!!!な゛にがぶじでよがっだだ!!ぜんぶおばえのぜいじゃな゛いが!!
れいむも!れいむ゛のおぢびぢゃんも!れいむ゛のどもだぢだっだみんなも!!
みんなみんなのごらずごろざれぢゃうんだぞ!!おばえのぜいで!!
なにがどずだ!なにがおざだ!!なんでおばえをしんじたれいむ゛だぢがおばえにくわれでしぬのに、
おばえがゆっぐりでぎるんだ!れいぶだぢをだべでゆっぐりずるげずはじねぇぇぇぇ!!!」
「で…でいぶ……」
「活きがいいのお。さあ、ドス。食うがよい」
「い……いやだ…たべれるわけないよ…」
「なんじゃ、我侭な。仕方ない、お前達、食べさせてやりなさい」
れいむを食べる事を当然嫌がるドスに、村長は傍に控えていた若者に命じて、
無理矢理れいむを食べさせようとした。動けないドスは、口を閉じる事でしか抵抗できない。
が、口を開けないとなると、今度は唇にあたる部分を引き裂かれ、
金槌で歯を叩き折られ、無理矢理隙間を作らされた。
そこかられいむが、残った歯に引っかかって皮が破れようともお構いなしに詰め込まれる。
「ゆ゛がぁ!!いだいぃぃ!!
いや゛ぁぁ!!やべで!だべだぐない!!あぐま゛ぁぁ!!!」
「うるざい!あぐまはおばえだ!じね!じね!ゆっぐりせずにじねぇぇ!!!」
尚も怨嗟の声を出し続けるれいむであったが、ドスの口にすっぽりと収まってしまい、
声にならない声を上げるしかなくなってしまった。
「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ……」
そして、生きたまま飲み込まれ、ドスの腹の中へと収まった。
これからドスの腹の中で溶かされる間、地獄を見ることとなる。
「じ…じあわぜー……う゛ぅ゛、でいぶぅ……うぐ!?や、やべで!どずのおながであばれないでぇ!!
ぎぼぢわるい!ごべんなざい!ゆるじで!」
腹の中に生きたまま飲み込まれても尚、最後の力を振り絞って暴れるれいむに、
ドスは始めて、心の底から恐怖した。が、だからといってどうする事もできない。
ドスにできることは、ただれいむがドスの餡子になるまで謝り続ける事だけだった。
「さて、ではこれで今日の分の食事は終わりじゃな。
次は餡子を抜かせてもらうぞ」
「う…あ……やべ…で…」
「何を言うか。このために貴重な食料をお前にくれてやったのだぞ。
食うておいて食料としての役目を拒否するなど、盗人猛々しいにも程がある。
―――やれ。」
「ゆ゛!?が、あががががが。
や゛、やべで゛。どずのあんご。あ゛ん、あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ」
若者達はひたすら穴を開けたドスの頭から餡子を掻き出す。
ドスがまともに話せなくなり、全体の十分の一ほどの餡子を抜かれたところでようやく終わった。
「よし、今日はこれまでじゃ。
また明日、食事を持ってくるからのう。
ちゃんとさっきのも消化しておけよ。…ゆくぞ」
成果に満足した村長は、若者を伴って小屋から出て行った。
残ったのは餡子を抜かれてまともに話せなくなったドスだけである。
「あ゛っ、どずのあ゛っんご!ゆべっゆべべべ!!」
――――――――――
とりあえずは上手くいった―――村長は胸を撫で下ろした。
餡子が足りないなら増やせばいい。そう考えて思いついた共食い策だったが、今のところ上手くいっている。
捕まって子供と隔離され、ゆっくりできなくなった群れのゆっくり達。
このゆっくり達には、全てを話した。
自分達はこれから、村のために全員死んでもらう事。
補佐役のぱちゅりーの案であれば、受け入れてやってもよかったと思っていた事。
そしてドスが自分の思い付きを無理に通した事で、このような結果になってしまった事。
これから自分達は、一日一匹ずつドスに食われてしまう事。
村の人間たちは、こんな結果になってしまって残念に思っている事。
全て正直に、嘘偽り無く話した。
いや、一つだけ嘘をついたか。
ドスはお前達を食べて、ゆっくりさせてから殺すと言ったのだ。
実際は群れの誰よりも苦しめ、絶望させた上で使い捨てるのだが。
これらを言った事による効果は覿面だった。
自分達が悪いと分かっているゆっくり達は人間にも怒りの矛先を向けるわけにもいかず、
その悲しみや苦しみを自分たちの中に閉じ込める事となる。
そこで聞いたのが、ゆっくりして死ねるというドスの話だ。しかも自分達を食べて。
元はといえば、このような事になったのもドスのせいだ。
だというのに、自分達を犠牲にして何故かゆっくりして死ねるドス。
いくらドスが今までに世話になった大恩ある存在であっても、
いくらゆっくり達が恩を忘れぬ善良なものであっても、
それでは怒りや憎しみの矛先が向いてしまうのは当然といえるだろう。
もはやいくら暴れても逃げることができないと理解しているゆっくり達は、
せめて食われはしてもあのドスをゆっくりさせなくしてやると、憎悪によって死ぬ覚悟を決めた。
こうして、ドスに食われる瞬間に最高にゆっくりできなくなり甘くなった饅頭を、ドスに食わせる事ができる。
そして、それを食わされた直後のドスの餡子を取ることで、また最高の餡子が取れるという寸法だ。
その他にも狭く暗い場所に一匹で、足に針を刺され動けず中枢餡を刺されることで、
継続的に精神的なストレスと激痛が襲うようになる。お陰で夜も眠れないだろう。
今回の収穫で、約八貫(30kg)ほどの餡子が取れた。質も上々だ。
これを餌にして小饅頭もさっさと大きくし、その上で全てを教え、ドスに食わせる。実に効率的だ。
ドスの餌役たちにはそこら辺の枯葉なんかでも与えておけばいいのだから、こちらの懐は痛まない。
毎日八貫取れたとして、大体全て終わる頃には八百貫以上の上質の餡子が取れることになる。
まあ量は調節するにせよ、明らかに村一つでは手に余る量だ。
こいつらの事を色々と教えてくれた若者の村や、他にも食料に困っている村に配ろうか。
困ったときはお互い様である。
村長はいつもの様に眉間に皺を寄せて、家に帰っていった。
さあ、餡子を加工しなければ。
――――――――――
あの食事から今まで、ずっとドスは悲惨な毎日を送っていた。
食事でない時間は一人で足と中枢餡を刺される痛みに耐え、夜も眠れない。
食事の時間になると、かつての仲間に罵倒され、無理矢理それを口に詰め込まれ、
飲み込んでも腹の中で暴れられる不快感に耐えながら、命の源ともいえる餡子を抜かれた。
その後は腹の中のゆっくりが溶け、餡子が補充されるまで頭がおかしくなって訳が分からなくなる。気持ち悪い。
かつてはあんなにも慕ってくれた仲間達は、一人残らずドスを憎み、怨み、罵倒して死んでいった。
何時でもドスを理解し、味方してくれたあの補佐役のぱちゅりーでさえも。
「ぐぞぉぉ!じね!!ごのうらぎりぼの!!ばりざのれいむ゛をがえぜぇぇ!!!」
「むぎゃあぁぁ!!やっばりおまえなんがじんじなぎゃよがっだ!!
ばぢゅりーのおともだちをがえじで!むのーどず!!!」
「おま゛えのぜいでありずのどがいはなおぢびぢゃんもじんじゃうのよ!!いながもの!!
うらんでやる!う゛らんでやる!!ゆっぐりでぎないようにのろっでやる!!!」
「に゛ゃぁぁぁ!!だずげでよ、だれがー!!どずなんでだよりにならな゛がっだよ!!
だずげで、らんじゃま!!なんにもわがらないぃぃ゛ぃ゛!!!」
いっそのこと、狂ってしまいたかった。狂って何もかもから逃げ出してしまいたかった。
だがそれすらも許されない。中枢餡に絶妙な具合で刺さった串の傷みが、嫌でもドスに現実を認識させるのだ。
ちなみに、村の人々はこのような効果まで視野に入れていたわけではない。単に運が良かっただけだ。
食事前後以外の、眠れもせずただ痛みに耐えるだけの時間。
ドスはずっと何処の誰とも知れない存在に謝り、許しを請い続けるのが日課となっていた。
「ゆるじで、ごべんなざい。ばでぃざがわるがっだでず。ゆるじで、ごべんなざい。ばでぃざがわるがっだでず。
ゆるじで、ごべんなざい。ばでぃざがわるがっだでず。ゆるじで、ごべんなざい。ばでぃざがわるがっだでず…」
もはや、ドスでもなんでもない。ただの惨めなでかいだけの饅頭しか、そこにはいなかった。
――――――――――
そうして、全てのゆっくりがドスの腹の中に納まった。
あんなに小さかった子供達も、わざわざ大きくなってドスの前に現れ、罵倒し、食われて死んでいった。
あれからもう3ヶ月以上経っている。
今年の冬は例年通りに終わり、もうすぐ春を告げる妖精が現れる頃だろう。
こうなってしまえばもうドスは用済みだ。
心身共にボロボロになってしまったドスだが、最後にもう一頑張りして死んでもらおう。
村長は十人ほどの若者を連れて、久しぶりに小屋へと足を運んだ。
中には、黒ずんでボソボソと謝罪の言葉を呟く大きな饅頭がいた。
「ドスよ、聞こえておるな?実は昨日のゆっくりが最後だったんじゃ。
もう春も来るし、お前は用済みじゃ。死んでもらうぞ」
その言葉にドスは、これも本当に久しぶりに反応した。心なしか、安堵したような顔をしているように見える。
「……ほん…と…?もう…しんでぼいいの…?ごろじで…くれるの…?」
「ああ。じゃがまあ、最後にもう一仕事してもらうがな」
「な…な゛に…?まざが、また……!」
「なにお前の考えとるようなことではない。
ただ、余った灰があってのう。それを食べて処理してう。それだけじゃ」
灰を食べる。そんなことでいいのか。そんなことで楽に慣れるなら、構わない。
群れのゆっくり達を食べるよりは何倍もマシだ。
「はやぐじで…も゛うらぐに……」
「…良かろう。おい、持って来い。」
そうして若者が持ってきたのは、桶一杯分程度の灰だった。
あれを食べれば、やっと死ねるんだ。
そう思ったドスは、先ほどの弱々しさは何処へやら、今までに無いほど目に精気が滾っていた。
が、桶が近づくにつれ妙なものを感じる。なんだ?これは…
そして、目の前に桶が来たとき、疑問は確信に代わった。
……まさか、嘘だ。これは……
「ああ゛あ゛あ゛あ゛!!!それどごがにやっで!!ぢがづげないで!!!
ごわい!!ゆっぐりでぎない!!!」
「おお、分かるんじゃな。こんな形になってしまっても。
そうじゃよ、これは―――
お前の群れのゆっくりの飾りや帽子を燃やした物じゃよ。」
「いや゛だぁぁぁ゛!!ごべんなざい!!ゆるじでぇ!!
なんでも゛いいがらもうやべでぇ!!!」
ゆっくりにとって、飾りは固体認識にも使われる重要なものである。
ドスや教育を受けた群れのゆっくり達は飾りなしでもそれぞれ認識ができたが、
普通は飾りが無いと、親子ですら互いの見分けがつかない有様である。
それがなぜかは分からない。が、ドスにとっても飾りはそのゆっくりを思い出させる、
いわばゆっくりの分身のようなもの。
しかも死を目の前にした状態で取られたそれには、
ドスにしかわからないような“ゆっくりできなかった”という、
怨念めいた恨みのこもった臭いが灰になってもまだ残っていた。
ドスからすれば、今まで食べたゆっくり達の罵倒を一斉に聞きながら、
恨みの濃縮されたゆっくり達を一気に食べるようなものである。
その上今までで唯一の救いであった甘みさえ無くなってしまっては、いくらなんでも耐えられない。
が、一向に食べる様子が無いと見ると、またもや村長は若者に命じ、無理矢理食べさせた。
「おごっ、おげぇっ!じんじゃ…やべ…おがぁぁぁ゛ぁ゛!!」
耐え切れずに吐きそうになるドスを大勢でしばらく押さえつけ、
その間に他の者は小屋半分くらいの敷き物を広げた。
「もうそろそろ消化したかのう…よし、離せ!!」
合図と共に離したと同時に、ドスは大量の餡子を敷き物の上に吐き散らした。
「おごっ、げぇぇ!!!おぼろろろろろ!!!
も゛っも゛っも゛っも゛っも゛っも゛っも゛っも゛っ」
土石流のように餡子を吐いていくドス。見る見るうちに敷き物の上に餡子の山が出来ていく。
「も゛っも゛っも゛っも゛っ。…ごべっ、おっごぉ!えべぇぇ゛ぇ゛!!!
あ゛っぁ゛っぁ゛………ぁ゛っ……ゆ゛っぐ……」
そして吐いた餡子が体積の半分を過ぎた頃から勢いが無くなり、
最後は搾り出すように吐ききると、苦悶の表情を残してドスは息絶えた。
吐いた餡子は全体の5分の4にも上り、本体の皮はシワシワになって萎んでいる。
よくゆっくりが死ぬ事を永遠にゆっくりするというが、
ドスの死に際の表情はゆっくりなどという言葉からは到底掛け離れたものであった。
こうしてドスは死んだ。
死んで楽になれる。死ぬ瞬間だけは苦痛から解き放たれるという最後の希望すら奪われて……
――――――――――
ようやく最後の仕上げも終わり、今までで最高の品質の餡子が大量に手に入った。
吐いた餡子を食べるのはどうかとも思うが、元々どこから出そうがモノは同じだ。気にする事はない。
ドスの餡子によって、村は余裕を持って当初予定していたよりも数段快適に冬を越せた。
近隣の村も分けた餡子のおかげで、大した犠牲もなく冬が越せたようだ。
村長は自宅の縁側で一人、羊羹を齧り茶をすすっていた。
外では春を告げる妖精が飛び回り、子供達はそれを見ながら、元気に走り回っている。
大人達は早速畑を耕す作業を始めているようだ。腰には軽食である、ドス餡子製饅頭がぶら下がっていた。
これこそが自分や皆の求める理想の、在るべき村の姿だ。
自分はこれと言って取り柄のない男だ。
村を豊かにできる知識もない。特別強い力もない。
が、己を殺し、皆の意見を聞き、まとめあげ、その上で一番意に副った道を選ぶ事ができる。
それこそが長として必要な能力ではないだろうか?と、自分はそう思っている。
そんな自分にとって、ドスがとった行動は理解しがたいものだった。
奴は利口だったと思う。今回の様な危機が来なければ、そのまま上手くやっていけたかもしれない。
しかし、それでも奴に長の資格はないだろうと思う。
いざという時に我を通そうとしてしまう者は、どれだけ優秀であろうが優れた長とは成り得ないのだ。
村長は、彼にしては珍しく、少し疲れたような顔をしてため息をついた。
(あやつら、嫌いではなかったんじゃがのう…)
それでも村を守る為、自分は情を捨てる。それが長の役目だと信じているから。
「さて、遅れてしまったが博麗の神社までお礼参りにでも行こうかの」
そう言うとお賽銭用の小銭と茶菓子の羊羹を持って、村長は最近重く感じてきた腰をゆっくりと上げた。
――――――――――
こうして、かつてドスが夢見た理想の群れは滅んだ。
しかしドスはただ死んだわけではない。
どれだけ苦しんで死んだからといって、決してドスの行為がなかった事にはならないのだ。
此度のドスまりさが人間に反乱を起こしたという話はあっという間に周囲に広がり、
ドスの危険性を再認識した近隣の村は山に入り、連携してドス狩り兼ゆっくり狩りを行う事にしたそうだ。
おまけにドススパーク用のキノコを求めて、魔法の森に住む白黒魔法使いも勝手に首を突っ込んできたそうな。
これで近々、ゆっくりの絶対数自体が激減することになるのは間違いないだろう。
だが当の被害者であるこの村は、参加しなかった。
この村の人々の願いは静かに暮らすこと。たったそれだけ。
そこに友好的な誰かが入ってきたなら、受け入れよう。逆に敵対する誰かが入ってくれば、排除する。
今度のゆっくりなんかは、いざとなれば簡単に排除できる相手だ。そう躍起になる事もあるまい。
山の幸が定期的に手に入ったりしなくなってしまうのは勿体無いが、まあいいだろう。
その程度の認識だ。
よって山狩りなど行なわず、普通に暮らす。それが村の総意だった。
村長は、そんな皆の意見を聞き入れるだけ。
そしていざとなれば心を鬼にして村の先頭に立つ。
それが長の仕事。これからもそうするし、特別な事だとは何も思わない。
村長は何を思うでもなく、のんびりと村の中を歩いている。実にいい天気だ。
今日も村は平和そのもので、ただ時間だけがゆっくりと流れていた。
・あとがき
『ドスの存在は群れの死亡フラグ』『直接的な虐待が書きたい』
『両方』やらなくちゃあならないってのが、『思いつき』のつらいところだな。
まあ覚悟も何もできてないからこんな事になったわけですが。
実は本当に書きたかったのは後編の虐待で、前編は後編のための前フリです。
前フリで20KBオーバーってどんだけよ。
構成力のなさが悔やまれます。今後精進するので許してください。
そして名前、どこかで挙げられた小五ロリあきを頂きます。他に誰もいないよね?
理由はどっちの意味であっても好きなので、あながち間違ってないからなんですが。
では、最後までお付き合いいただきありがとうございました!また次の作品で!
・過去作品
ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と
ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳
ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気
ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前