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  • anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで

ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー

anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで

最終更新:2011年08月26日 20:08

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『子ゆっくりのゆん生が終わるまで』 30KB
虐待 制裁 観察 越冬 家族崩壊 姉妹 自然界 現代 虐待人間 6作目





 これは、とある埼玉の小さな小さな山に住むゆっくりたちのお話です。

 季節は秋。
 赤い紅葉がはらはらと舞い落ちる様は、食料を集めるゆっくりたちも時折それに見惚れるほどに美しいもので
した。

 とはいえ、もうすぐ寒い冬がやってきます。えっとうっ、の準備を急がなければなりません。それでもやっぱ
り、ゆっくりたちは燃えるような葉の嵐を見ては少しだけゆっくりするのでした。

 さてさて。
 その小さな山にはぱちゅりーを長とする小さなゆっくりの群れが住んでいました。彼らは小さな群れでしたが、
賢いぱちゅりーのおかげでそれなりーにゆっくりな毎日を過ごしていました。

 ただ、どんな群れにもやはり「ゆっくり反りがあわない」という者が出てきます。
 狩りの名手であるそのまりさは、かつてぱちゅりーの群れの一員でしたが、ある出来事をきっかけに番のれい
むと共に群れを出ました。


 とはいえ、発見即せいっさいというような厳しいものではなく、ただ群れの保護から離れるだけのこと。そし
て、この山は人間も滅多に来ず、食料もそれなりーにあるので、家族はとてもゆっくりできていました。














『子ゆっくりのゆん生が終わるまで』


















 vol1.長男 子まりさ



 その子まりさは、親まりさのことが本当に好きでした。


 子が親を愛し尊敬するのは、人間動物問わず極々当たり前のことですが、子まりさの信奉っぷりは群を抜いて
いました。

 というのも、子まりさはれみりゃに襲われたとき、果敢に戦った親まりさに救って貰ったという思い出がある
のです。

 ――お父さんのようになりたいよ。

 子まりさは常日頃、その夢を口にしていました。母親である親れいむの温かい眼差しを受けつつ、子まりさは
日夜走り回って体力をつけていました。
 狩りにはまだ行かせて貰えなかったのですが、父からは「もうすぐおちびちゃんにも狩りを教えてあげるね。
いっぱいごはんさんをみつけていっぱいむーしゃむーしゃできるようにしてあげるね」と言われていました。

 子まりさはそう言われた日の夜、親れいむにベッドに寝かしつけられるまで興奮のあまり眠れませんでした。

 一つ残念なことに、子まりさに友達はいませんでした。自分が生まれたときには既に、親まりさたちは群れを
離れていたからです。

 一度、お散歩の途中で見かけたぱちゅりーに話しかけてみましたが「むきゅ。あのいっかのおちびちゃんね。
あなたとわたしはむかんけいだから、はなしかけちゃだめよ」と言われてしまうだけでした。

 そのことを子まりさが伝えると、親まりさは仕方ないねというように寂しげに笑い、それを親れいむがすーり
すーりして慰めました。
 子まりさは子まりさなりに、この話題がタブーなのだと理解しました。

 代わりに妹たちとはよく遊びました。
 次女のれいむは、姉である子まりさの目からみても「しょうらいゆっくりしたおよめさんになれるね」という
感じのしっかりした子でした。
 末のまりさは、二人より少し歳が離れているせいかちょっと甘えん坊ですが、すぐ泣いてすぐ笑う、家族のム
ードメーカーです。

 狩りに連れて行くと親まりさが言った日から「たいようさんに3かいゆっくりおはようといった」日が過ぎて。
 とうとう待望の狩りに連れて貰う日がやってきました。

「おとうさん、ゆっくりかりをするよ!」
「ゆふん。おちびちゃん、ちょっとまってね。ちゃんとおとうしゃんのいうことをきかないと、ゆっくりできな
くなるからね」
「ゆっくりりかいしたよ! おとうさん、どうすればいいの!」

 親まりさの教えを受けた子まりさは、子まりさなりに頑張ってみたがどうにも上手くいきません。

「ばったさん! どうしてゆっくりしてくれないの! まりさおこるよ! ぷくーするからね、ぷくーだよ!」

 そんな風に言っても、バッタはいうことを聞いてくれないのです。
 結局その日、子まりさが狩りで手に入れたのは小さな小さなきのこ一つ。それも、親まりさが見つけてくれた
ものでした。

 帰り道に涙ぐむ子まりさに、親まりさはこう言って聞かせました。

「おちびちゃん。さいしょはだれでも、うまくいかないものなんだよ」
「おとうさんも……?」
「そうだよ。まりさもさいしょは、ぜーんぜんとれなかったんだよ。おとうさんについていって、たくさんのこ
とをおしえてもらったんだよ……」
「まりさも、かりがうまくなれる?」
 親まりさがすーりすーりしてくれました。
「もちろんだよ、おちびちゃん」

 焦らずゆっくりと育つ。それがゆっくりにとってゆっくりできる成長なのです。
 子まりさはその日、一つ大人になりました。


 vol2.次女 子れいむ


 甘えん坊の妹と、元気いっぱいの姉に挟まれた次女れいむは、親まりさより親れいむにべったりで、必然的に
家のお手伝いをよくすることが多くなりました。
 親れいむは、子供の目から見ても色んな知識を蓄えていました。特に、母親がありす種だったせいか「こーで
ぃねーと」の腕は、ありす種に勝るとも劣らずといった感じでした。

「こうやってはっぱさんを口ではむはむして、おさらさんをつくるんだよ」
「ゆゆ~……おかあさん、ゆっくりすごいよ!」
「ゆふん。おちびちゃんもつくってみる?」
 小さな葉っぱさんを渡された次女れいむは、うんしょうんしょっと舌で一生懸命葉っぱを折りたたんでみまし
たが、いつまで経っても「おさらさん」にはなりません。

「ゆぅ……」
 次女れいむは、上手くいかない自分に嫌気がさして涙ぐんでしまいます。それを見てとった親れいむは、あら
あらと苦笑しながらすーりすーりして言いました。
「てつだってあげるね、おちびちゃん」
「うん!」
 親れいむが舌を出して、分かりやすくおりたたみ方を説明していきます。次女れいむもそれを見ながら、ゆっ
くりがんばります。
 その日の夕食、子まりさの「おさらさん」が変わりました。
「ゆゆ? まりさのおさらさん、いつもとちがうね!」
「ゆふふ。それはね、れいむがつくってくれたおさらさんなんだよ」
「ほんとう、れいむ!?」
 次女れいむは照れたようにもみあげをもじもじさせながらいいました。
「ゆゆ~……お、おねえしゃんにぷれぜんとしたかったの……」
「れいむ! まりさかんげきしたよ! ゆっくりありがとう!」
「ゆふん……」
 温かく姉妹愛を見守る両親。その後、末っ子が「まりしゃもほしい!」と我が侭を言っててんやわんやしたの
は、また別の話。


 vol3.三女 子まりさ


 末っ子の子まりさは、いつも劣等感を抱えていました。
 長女である姉まりさは、お父さんに狩りに連れて行って貰えるほどの元気の良さ。
 次女である姉れいむは、いつもおうちのお手伝いをしているしっかりもの。


 自分だけが、何もできない気がしていました。まあ、この末まりさ。実はまだ一人でうんうんもできないほど
の甘やかされっぷりなので、まずはそこからだろうという話なのですが。
 まず最初に、姉のように狩りに連れて行って貰うように頼んでみました。親まりさは困ったような顔で、彼女
を宥めるようにすーりすーりしました。
「ゆゆ~ん。おちびちゃんにはまだはやいよ! でも、たくさんあしたがきたらすぐにかりにいけるからね!」
「ゆぅぅぅ! まりしゃだいじょうぶだよ! いもむししゃんだってちょうちょしゃんだってむーしゃむーしゃ
できるよ!」
「おちびちゃん。おとうさんをこまらせたらゆっくりできないよ?」
「うぅ……うぅぅ……うあぁぁぁぁぁん! やだやだやだああああ! まりしゃもかりにいくぅぅぅぅぅ!」


 こればっかりはどうすることもできず、親たちも溜息をついて、肩ならぬもみあげとおさげを竦めるしかでき
ませんでした。


「まりさ、まりさ」
「ゆぅぅ……にゃに……?」
 ある日、末まりさは皆が寝静まっている夜に起こされました。起こしたのは、姉まりさです。
「ゆっくりおはなしがあるんだよ、しずかにね」
「ゆゆ。まりしゃゆっくりするよ」
「じつはね、かりのとちゅうでおはなさんがいっぱいあるゆっくりプレイスをみつけたんだよ」
「ゆゆ~……おはなさん。おはなさんはゆっくりできるにぇ」
「ゆふん。しょろーりしょろーりとそのおはなさんをつみつみしようね」
「ゆうう……でも、まりしゃまだひとりでしゃんぽはできないよ……」
「ひとりじゃないよ。まりさとれいむとまりさで、ゆっくりいこうね」
「ほんと!? ゆわぁ……! ゆっくち! ゆっくちだね!」
 浮かれて飛び跳ねる末まりさを、姉まりさは慌てて押さえました。
「しーっ、しーっ!」
「ゆう……おちびちゃん……よふかしはゆっくりできないよ……」
「ゆ! ご、ごめんなさいおかあさん」


 次の日の朝。
 姉まりさと姉れいむ、そして末まりさは三匹で一緒にお花畑に行きました。お父さんお母さんには「ゆっくり
あそびにいくよ」とだけ伝えてあります。
「ゆわぁ……」
 そこには白いお花さんがたくさんたくさん咲いています。ゆっくりたちにとっては種類なんてどうでもいいで
しょう。ともかくそのお花はたいへんゆっくりできるものでした。
「いっぱいむーしゃむーしゃするよ!」
「ちがうよまりさ! このおはなさんで、はなわさんをつくるんだよ!」
「ゆぅぅぅ!? むーしゃむーしゃできないの!? どぼじでえええ!?」
 次女れいむが諭すように言います。
「まりさ。まりさはおとうさんおかあさんみたいになりたいよね?」
「ゆうう……あたりまえだよ! まりしゃだって、おとうしゃんみたいににゃれるもん!」
「だったら。おとうさんおかあさんにはなわさんをぷれぜんとしようよ! そうしたら、おとうさんもおかあさ
んもまりさのこと『すごくゆっくりしてるね!』ってほめてくれるよ!」
「ゆ……ほ、ほんとう?」
「ほんとうだよ! だって、おはなさんではなわさんをつくるのってすっごくゆっくりしているからね!」

 言われて、末まりさは周囲を見回します。
 このきれいなお花さんで花輪をつくれば、確かに両親も自分のことを見直すかもしれません。子ゆっくりにと
って、食欲は何よりも優先されるべきものですが、彼ら三匹はとても優秀なようですね。


「うん! まりちゃつくるよ! はなわさんをつくるよ!」


 子ゆっくりたちは、息せき切ってお花を集めます。それから、次女れいむの指示に従って、お花さんを加工し
ていきます。

「ゆうう……かんせいしたよ!」
 花輪がとうとう完成しました。

「ゆわーい……とってもゆっくりしたはなわさんだよ!」
「おとうさんよろこぶかな?」
「おかあさんよろこぶよね!」

 子ゆっくりたちは花輪を大事そうに抱えて、お家へと向かいます。
 長女まりさが鼻歌を歌い始めました。
「ゆっくりのひ~♪」
 次女れいむがそれに合わせます。
「まったりのひ~♪」
 末まりさも続けます。
「すっきちのひ~♪」
 三匹の合唱は、秋の森に春のような明るさを与えてくれます。


「ゆゆ? おちびちゃん、おそかったね……ってどうしたのこれ!?」
「ゆぅ……まりしゃからのぷれじぇんとだよ!」
「まりさたちはちょっとおてつだいしただけだよ!」
「まりさがおとうさんおかあさんのためにがんばってくれたんだよ!」
「ち、ちがうよ! まりしゃはおてつだいしただけで、おねえちゃんがぜんぶ……」
 末まりさは慌てて訂正します。
 聡い両親はすぐに、どうしてそんなことをしたのかを理解しました。これこそ愛です、家族の愛情なのです。

「ゆ……ゆ……ゆ……ゆううううん! おちびちゃああああああん! すーりすーり! すーりすーりだよーー
ーーーー!」
 両親は二匹でこれまでで最大のすーりすーりを三匹に与えました。


「「「ゆわあああああああい!」」」


 その日の夜。厳しい冬を乗り越えるためのゆっくりエネルギーを補充するかのように……彼らのお家では、い
つまでもいつまでもすーりすーりと歓声が絶えることなく続くでしょう。


 秋にしては珍しくぽーかぽーかした日和。
 頭に花輪をつけた親まりさと親れいむは、自分のそばでお昼寝する子ゆっくりたちを見ながらのんびりとすー
りすーりしていました。


 ――ゆわあああ……すごくゆっくりしたおちびちゃんたち! ゆっくりしていってね!
 ――ゆっくちちていってね!

 ――うんうんはここでしなきゃ、ゆっくりできないからね!
 ――ゆっくちりかいちたよ!
 ――ゆうううう!? どぼじでうんうんもらしてるのぉぉぉ!

 ――ゆううう! れみりゃがああ! れみりゃがあああ!
 ――だいじょうぶだよ、おちびちゃん。れみりゃはおとうさんがやっつけたからね。
 ――すーりすーり……あんしんしておやすみ、おちびちゃん。
 ――ゆ、ゆ……ゆっくちぃ……。

 ――きゃわいいまりしゃのすーぴゃーうんうんちゃいむだよ!
 ――ぎゃんばれぎゃんばれま・り・しゃ!
 ――ぎゃんばれぎゃんばれま・り・しゃ!
 ――うん、うん……しゅっきりいいいいい!
 ――やったね! ひとりでうんうん、できるようになったね!
 ――ゆわああい! おかあしゃん! しゅーりしゅーりしてー!




「ゆっくり……しあわせー」
「まったり……しあわせー」
「……ねえ、れいむ。えっとうっ、がおわったら……」
「ゆぅ……はずかしいよ、まりさ。おちびちゃんがいるんだし……」
「だいじょうぶ。ねむってるよ……」

 春になったら。
 おちびちゃんたちに、また妹が出来るのかもしれません。
 二人はその日を夢見て、でもまずは……今のゆっくりしたしあわせー、を噛み締めるのでした……。















 ――まあ、そんなハートフルストーリーなど一切合切関係なく君たちは死ぬんですが。














 vol4.いつものマンネリ打破お兄さん




 ゆっくり埼玉研究所の「博士」から「虐待もできてお金も貰えるというアルバイトしませんか?」と誘いを受
けた。
 日曜で暇を持て余しているということもあり、喜び勇んでやってきた次第である。しかし、山に登るときまで
白衣なんですか博士。


「ここには、ぱちゅりーが長をやっている小規模な群れがあります」
「その群れを全滅させるんですか!」
 俺の言葉に、博士は苦笑した。
「せっかちすぎますよ。全滅はよろしくありませんね。ゆっくりの群れは中規模レベルになると個数の厳密な管
理が必要になります。大規模レベルになると、森の生態系を乱す恐れがあるからです。ただ、中規模はともかく
小規模になるとなかなか国も管理しきれない」
「はぁ……」
「そこで。山の持ち主から依頼されて、定期的に間引きを行う訳です。ゆっくりは小規模なら生態系を乱さず、
定期的に死亡することで土壌を豊かにしますからね」
「なるほど。間引きですか」
「ええ。さて……まずは群れから追放されたり、出て行った『はぐれ』を間引くとしましょうか」
「分かりました! って、『はぐれ』かどうかってどうやって分かるんですか?」
「ああ、案内ゆっくりがいますから」

 博士はそう言って、きょろきょろと周囲を見回した。天然の花畑のようだ。真っ白い花が、風にゆらゆら揺れ
ている。その景色にまったりしていると、草むらからがさがさと音を立てて、ぱちゅりーが現れた。
 野生のゆっくりにしては、妙に小綺麗で金バッジ付のような知的な眼差しを持っていた。
「むきゅ。おひさしぶりです、はかせ」
「お久しぶりです。長ぱちゅりー」
「『はぐれ』のところにあんないするわ。ついてきてください」
「ありがとうございます。あ、そうそう。こちら今回の助手さんです」
「むきゅ。これは、しつれいしました。おさぱちゅりーです」
「ああ、こちらこそご丁寧に……」
 ぺこりと頭を下げるぱちゅりーに、何故か恐縮して思わず頭を下げてしまった。
「あの……博士」
「はいはい?」
 思わず小声で囁く。
「間引きに、群れの長が協力するんですか?」
「賢い長なら、ですがね。ここの長ぱちゅりーは、その辺ドライですから」
「はかせ。『はぐれ』の一家はあそこです」
 ぱちゅりーがもみあげで指した先には、確かにゆっ、ゆっ、ゆっ、という歓声が聞こえてくる。
「今回はそれ以外にも?」
「むきゅう。もうそろそろ、いまあるしょくりょうのけいさんがおわります。ただ、まびきしないわけにはいか
なさそうです……むきゅ」
「では、ひとまずあの『はぐれ』からということですね。了解です」
「それではよろしくおねがいします。むきゅ」

 長ぱちゅりーががさがさと草むらに消えていく。

「食料の計算って何ですか?」
「越冬用の食料を計算して、何匹間引かないと駄目か、計算しているんですよ。冬直前に、もう一度間引きに来
なきゃいけないようですね」
「へぇ……凄いですね」
「どこの群れもこうなら、楽なんでしょうがね。さて、まああの『はぐれ』は我々の獲物です。今回の虐待道具
は……」

 鼻歌交じりで博士が取り出した道具。それは博士のオリジナル虐待道具らしい。
「名付けて――『お母さんのおくちのなかはとってもゆっくりできるね』です」
 ネーミングセンスはないな、と俺は思った。



 ぽかぽかした陽気のせいか、一家は揃ってうたたねしている。
「親まりさ・親れいむ・子まりさ・子れいむ・子まりさ……普通ですね」
「普通が一番じゃないですか。起こしますか?」
「ええ。打ち合わせ通りによろしくです」
 俺はクラッカーを取り出し、彼らの鼻先でぱん、と爆発させた。




「「「「「ゆ゛っっっ!!!」」」」」




 飛び起きた一家は、目をぱちぱちさせている。
「よっ!」
「ゆ……だ、だれ……ゆっくりできない……」
「に、にんげん……さん?」
「ゆう……ゆんやあああああああ! うるじゃいいいい! うるじゃいよおお!」
「ゆ、ゆっくりできないよぉ!」
「にんげんさん! なんだぜ! ま、まりさたちになにかようなのかだぜ!?」

 親まりさがようやく立ち直り、四匹を守るように立ちはだかる。俺は笑って子ゆっくりの一匹を指差した。
「そのガキどもが欲しい」



「「「ゆ゛ッ!!?」」」



 子ゆっくりたちは硬直したが、親たちの反応は速かった。
「おちびちゃん! おかあさんのおくちのなかにはいるんだぜ!」
 子ゆっくり三匹程度なら、楽勝で口の中に入るだろう。
 博士は道具を構えて、今か今かと待ち構えている。
「ゆうう! おちびちゃん、ゆっくりしないでいそいで!」
「ゆ! ゆっくりりかいしたよ! まりさ!」
「ゆう……きょわいよおおお! ゆあああああん!」
 まりさが泣きながら、れいむがきりっと眉を吊り上げて口の中に入った。が、一回りだけ体の大きいまりさは
口の中に入ろうとしない。
「ゆゆ! おちびちゃん、さっさとはいってね!」
「いやじゃ! まりしゃもたたかうよ! こんなゆっくりしてないにんげん、まりさもせいっさいするよ!」


 ……ふむ。どうします?


 やっちゃってー、と博士の指示が出たので俺は素早く動いて子まりさにデコピンを喰らわせた。呆然としてい
た子まりさの皮が、じんわりと赤くなり……見る見る内に子まりさの目に涙が浮かぶ。


「ゆび!? い、い、いじゃああああああああああああああああああい! ゆんやあああああああああああああ
あ!」


 子まりさは飛び跳ねて痛みを訴える。相変わらず、痛みに弱いなぁコイツ等。
「おちびちゃあああああああああああん! はやくおかあさんのおくちのなかにいいい!」
「ゆんやああああ! おうちかえるうううう!」
 ぴょんぴょんと子まりさがお家に入ろうとする、おいおい違うだろ。
「おうちはだめだよおおおお! おちびちゃんはこっちいいいいい!」
 親まりさが誘導して、ようやく子まりさは口の中に入ってくれた。ホッと一息。



「では、始めるとしますか」
「かぞくにはてをださせないよ! ぷくーーーーーっ!」
 膨らんだ親まりさの帽子を取り上げ、中に入っていた凶器(木の枝)を念のために奪ってから、親まりさの頭
に座り込んだ。

「ゆぶべ!? ど、どいてえええええ! どいてよおおおおおお!」
 ケツでじたばたする親まりさがたまらなく鬱陶しいので、適当に突っついて大人しくさせる。
「いだっ、いだだだっ! やべっ、やべでええええ!」
「まあ、落ち着いて見てなって」


「さてさて、まずはご開帳♪」
 博士が鼻歌交じりで、親れいむの口をこじ開けた。


「ゆんやあああああ! どぼぢでおくちさんがひらくのおおおおおお!?」
「きょないでええええ! れいむぷくーするからねえええ!」
「やじゃあああ! きょわいのやじゃああああああああああああああ! いだいのやじゃああああああああ!」


「ふぇご! ふぇげええ!」
 訳の分からない鳴き声をあげる親れいむの喉に、まずは第一の装置をセットする。アクリルの板は喉に複数の
フックで引っかかり、絶対に子ゆっくりたちを飲み込ませない。


「続いて枠をつけて、と……」
 親れいむの口に、自動車のタイヤ交換に使用するジャッキのような金属装置を取り付ける。このジャッキで口
は限界まで広げられる。
「ふぉ……ふぁ……」
「よし、大きさはこんなものか……」
 それから、透明なガラスをその枠にセットして終了である。
「ふぉげ!? ふぁ……ふぉぁああああああ!?」
「やべろおおおおおお! れいむになにするんだあああああああああ!」
 目を白黒させる親れいむ。
 必死になってもがく親まりさ。
「あんよ焼きかあんよ剥がししますか?」
「ちょっとやそっとじゃ、外れませんからねえ。せっかくですし、あんよを焼かない状態で成体ゆっくりを押さ
えつける経験もしておいた方がいいでしょう」
「そうっすね」
 まあ、うねうねもがくのが多少鬱陶しいが、慣れればどうということはない。
「それより見えますか?」
「ええ、バッチリです」
 子まりさ二匹、子れいむ一匹が、不安そうにこちらを覗き込んでいた。恐らく、彼らは気付いていないのだろ
う。お母さんの口の中は安心できる、としか知らないのだ。


 ……どんな場所でも、長く居すぎるとロクなことはないんだぜ?















 何ということでしょう。
 悪辣な「にんげんさん」が突如、しあわせーな一家を妬んで襲いかかってきました。勇敢な親まりさが戦い、
親れいむは子供を守るために口の中に入れました。
 一緒に戦おうとした子まりさも、親の愛情を受け止めて仕方なく口の中に入りました。決してデコピンが痛か
ったから、などという理由ではないのです。

「ゆぅ。おかあさんのおくちのなか、とってもあたたかくてゆっくりできるね」
「ゆふふふふ。にんげんもこまっちぇるね!」
「あとはおとうさんがにんげんさんをせいっさいするのをまつだけだね!」

 そんな風に、三姉妹は笑い合います。彼らにとって父親は絶対的な存在です。親まりさが負けることなど、あ
り得るはずがないのです。
 ところが……。


「ゆゆっ! おくちさんがひらいちゃったよ!」
「ゆんやあああああああああ! きょわいよおおおおおおおおおお!」
「やめじぇええええええ!」


 何ということでしょう。人間さんの手がするすると伸びたかと思うと、お母さんのお口に変なものを入れまし
た。どうやら、『透明な壁さん』のようです。



「ゆゆうう! おそとがみえるよ!」
「ゆぅ……おとうさん、なにしてるんだろうね?」
「おとうしゃん、うんうんたいそうしちぇるの?」
「ちぎゃうよ! きっとあれは……ぽんぽんあそびをしているんだよ!」
 ぽんぽんあそびとは、親まりさのおなかをトランポリン代わりにする遊びです。
「ゆう。じゃあ、にんげんさんとなかよくなったのかな?」
「きっとこうさんしたんだよ!」
「ゆうう……じゃあまたゆっくちできるね!」
「ゆっくり、ゆっくりー!」



 子ゆっくりたちには、父親が椅子にされていることが分かりません。だって、お父さんは無敵なのですから。
 今まで幸せだったのだから。これからもきっと幸せ。
 そんな幻想を、この子ゆっくりたちは抱いているのです。人間の言葉でいうところの、現実逃避ですね。
 人間の場合は、冷静な判断力が戻れば現実に立ち向かおうともするのでしょうが、子ゆっくりたちには、そも
そも現実を認識できる力がありません。

 だから、子ゆっくりたちは自分たちにできることをしました。
「おねーちゃん、ゆっくりしようよ!」
「……そうだね、みんなでゆっくりしよう!」
「ゆっくり♪ ゆっくり~♪」


 長女まりさが歌を歌い始めました。
「ゆっくりのひ~♪」
 次女れいむがそれに合わせます。
「まったりのひ~♪」
 末まりさも続けます。
「すっきちのひ~♪」
 三匹の可愛らしい合唱は、お母さんのお口の中で響きます。
「ふぉふぇー! ふぉふぉっふぇー!」
 親れいむは、必死になって口の板を何とかしようともごもごしています。でも、当然ながら無駄な努力です。

 親れいむは知っています。
 長時間口の中に居た子ゆっくりが……どうなってしまうのかを。
 人間たちが何か言っています。
「どうです。水槽で見ているみたいでしょう。時間制限つきですが」
「なんか歌ってるみたいですね。微かに声が聞こえますし」
「無邪気なものですね。さて、第二段階に移行するのにあと十分というところですか」
「じゃ、ゆっくり待ちますか」
「ゆっくり待ちましょうか」
 親れいむにはよく分かりませんが……とにかく、すごくゆっくりしてないことを言っていると、理解できまし
た。



 ――十分後。



「ゆ? ゆゆ? あんよしゃんが……むずむずするよ!」
 れいむが飛び跳ねます。が、いつもの半分も跳べません。それはそうでしょう。もう既に、彼女のあんよは溶
けかかっているのですから。
「ゆううう!? まりさのあんよしゃんもへんだよおおおお!」
「ゆんやああああああ! べとべとしゅるううう! おかあしゃんのおくちのなか、べとべとしゅるよおおお!」
 三匹がぴょんぴょんと飛び跳ねます。
 その度に、どんどんとあんよは溶けていきます。
 親れいむはあまあまな味が口の中に広がってきたことに絶望します。
「ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


「いじゃい! あんよしゃんがいじゃいいいいい!」
「うあ……でるううう! おうちかえるううううう!」
「まりしゃも! まりしゃもおうぢいいいいい!」


 三匹がお母さんのお口から出ようとします。ですが、透明な壁さんがそれを阻んでいます。
「かべしゃん、かべしゃん! ゆっくりどいてね!」
「ぷくーしちゃうよ! ぷくうううううう!」
「れいむたち、おくちからでたいの! だからどいてよおおおおおおお!」
 ぽこんぽこんと、ピンポン玉のようなしょんぼりした勢いで壁に当たっては弾かれを繰り返しています。
 その様は、二人の人間からはとてもゆっくりできるほどに滑稽でした。


「やべろおおおおお! おぢびちゃんが! おちびちゃんがああああああああ!」
「あんよが溶けたと気付いてから、五分後に次の虐待に移りますよー」
「どげじゃうううう! ゆっくりしていたおちびちゃんがとげじゃうよおおお!」


 おや? 白い人間さんが立ち上がりましたね。
 親れいむの横に回って、何やらゆっくりしてないものを取り出しましたよ?


「さくっ、さくっ、さくっと」
「ふぉふぇええええええええええええええええええええええ!?」
 なんと、白い人間さんはナイフで親れいむの頬に四角い切れ込みを入れました。それから、手でその頬をぶち
りと引き千切りました。
 親れいむは激痛でびったんびったんと暴れ狂います。その度、子ゆっくりたちは悲鳴を上げました。


「やべでええええ! おかあしゃん、やべでよおおおおおおお!」
「おかあさあああああん! ゆっくりしでよおおおおおお!」
「ゆんやあああああああ! もうやじゃあああああああああああ!」


 ――と、そんな彼らの前に光が現れました。何と、お母さんの頬がぱかっと開いて、出口が作られたのです。
「おーい、こっから出られるぞー」
「ゆ゛! でられるよ! ここからでられるよ!」
「いもーしょ! しっかり! しっかり!」
「ゆうっ……ゆっくち! ゆっくちぃっ!」
 人間さんの声に、子ゆっくりたちは無我夢中でそちらに向かってずーりずーりします。ところが不思議なこと
に、段々と傾斜がキツくなってきました。

「ふぇあああああああああああああああああああああああ!」
「おー、なるほどなるほど。そういう風にすれば絶対にクリアできないと」
「おまけに間近で絶望する子ゆっくりも見られますよ」
「あ、じゃあ替わってくれませんか」
「いいですよ。どうぞ」
 人間が入れ替わります。中を覗き込んだ人間は、満面の笑顔を浮かべました。


「どぼじで……どぼじでのぼれないの……」
 次女れいむが泣きながらよじよじしては、滑り落ちています。
「ゆんやあああああああああああ! ゆんやああああああああああ!」
 長女まりさは、ただ泣き喚くだけです。おまけにうんうんとおそろしーしーまで漏らしてます。親れいむはそ
れどころじゃないのが救いですね。
「うんしょ、うんしょ、のーびのーび……のーびのーび」
 もう歩けないと判断した末まりさは一生懸命のーびのーびしますが、無駄な努力です。


 どんどんどんどん。
 子ゆっくりたちは溶けていきます。
 思い出も、成長も、大切なものは何もかも全部。


「ゆう……ゆゆ……ゆび……ゆびびびびび…」
 長女まりさは、溶ける痛みと恐怖に狂いました。
「どぼ……じで……おか……しゃ……」
 次女れいむは、どうして大好きなお母さんが自分を殺そうとするのか、理解できません。
「とけるの……やじゃ……」
 末まりさは、無慈悲な現実に涙しました。



「おちびちゃああああああああああああああん! まりさの! まりしゃのゆっくぢしだおぢびじゃあああああ
ああああああああああああああああああん!!!!」
「ふぁあああああああああ! ふぉおおおおおおおおおおお! ふぇおおおおおおお!」




 長女まりさには夢がありました。
 いつか、狩りでおとうさんを追い越すのです。

「ゆぅ……ついにまけたよ! おとうさん、これであんしんしていんたいっ、できるね!」
「まかせてよ、おとうさん! まりさが、ずーっとごはんさんをむーしゃむーしゃできるくらいに、とってきて
あげるからね!」


 次女れいむには夢がありました。
 いつか、長女まりさと同じくらい格好いいまりさにぷろぽーずっをしてもらって、ゆっくりした家庭を築くの
です。そしてこーでぃねーとしたおうちで、子ゆっくりたちと一緒にゆっくり暮らすのです。

「ゆふふふ……まりさ。れいむ、しあわせー」
「せかいでいちばんびゆっくりのれいむをつがいにした、まりさこそしあわせーだよ」




 末まりさには夢がありました。
 近くにぱちゅりーの率いる群れがあります。そこに次の長として、立候補するのです。
 そうして、どんどんと群れを大きくして世界を制覇するのです。


「うへええええ。人間ではとてもまりささまに敵いません」
「ゆっくりとうぜんだね! さっそくだけどあまあまもってきてね! そしたらまりさせんようのどれいさんっ、
にしてあげるから!」
「おおまりささまなんとありがたい。さあ、ゆっくりしないであまあまを集めるんだ!」



 そんな他愛もない夢は。
 母親の口の中で、どろどろに溶けて消えていったのでした。










「さて。すいませんが、れいむの方はこっちで潰しますので、まりさよろしくお願いします」
「はーい」
 俺は親まりさを潰そうと立ち上がった。
「うぎぎぎぎぎ……がああああああああああああああああああああ!」
 復讐と殺意に満ちた視線を、はいはいとおざなりに受け流す。
「どぼぢで……どうじでごんなごどおおおおおおお! ぐぞじじい! じね! じねええええええええええええ
ええええ! おに! あぐまあああああああああああ!」
「どうしてってなぁ……間引きってどう説明したらいいものか」
「ああ、じゃあ僕が説明してあげますよ」
 中枢餡を素早く突いて即死させたのだろう、親れいむは既に事切れていた。何ちゅう早業だ。


「いいですか、まりさ。この山は小さくて、ぱちゅりーの群れがちょっと増えただけでも、山の資源が枯渇して
しまいかねないほどなのです」
「……ゆ?」
「要するに、越冬するためにまりさが食料を集めますよね?」
「えっとうっ、するからあたりまえだよ……」
「あの群れもみんなえっとうっ、しますよね? そうすると、ごはんさんが足りなくなるのです」
「たり……ない?」
「ええ。あなたたちゆっくりの食欲は旺盛すぎて、放置しておくと山の食料が全部なくなりかねないほどなので
す。だから、我々は定期的にやってきてゆっくりを駆除するのです」
「くじょ……? これが、これがくじょ……?」
「ええ」


 親まりさが歯を剥き出しにする。
「うぞづげえええええええええええええええ! まりさは! まりさはゆっぐりじでだんだああああ! ぞんな
まりざだぢが! くじょされでいいもんかあああああああああ!」
「ええ。……掟を破ってまで、ですよね」
「え゛」
 親まりさが凍りついた。
 家族が全て殺されたにも関わらず、彼はそれどころじゃないとばかりに狼狽し始めた。
「おちびちゃんは一家族につき一匹。何らかの事情があるときのみ、もう一匹追加を許される。忘れたとは言わ
せませんよ?」
「ど……どぼじで……どぼじでおぎでじってるのおおお!?」
 長ぱちゅりーから聞いていたからだが、博士は俺にそっと目配せした。教えるつもりはないらしい。
「まあ、ともかく。掟を破って子供を三匹も作ったあなたは、山の敵なんですよ」
「おやまさんの……てき……」
「あなたたちがゆっくりすると、群れの誰かがゆっくりできなくなるんです。だから、死になさい」
「ゆ――――」


 親まりさがビクンと全身を震えさせる。カチカチと歯を鳴らす。
 れいむに助けを求める――死んでいる。
 長ぱちゅりーに助けを求める――ここにはいない。




「むきゅ。まりさ……おちびちゃんはいっぴきだけよ。ほかのおちびちゃんは、みゆっくりのときにかりとらな
いといけないわ」
「やじゃあああ! やじゃああ! おちびちゃんはゆっくりできるんだああ! ごはんさんだって、まだまだた
くさんあるだろおおお!」
「むきゅう……それはいまのはなしよ。あきさんがくるころには、どうなるかわからないわ」
「うるざいいっっ! まりざはれいむといっしょにむれをでるよっっ!」
「……わかったわ。それがまりさののぞみならしかたないわね。みんな! まりさはむれからついっほうされた
わっ! ごはんさんをわけたりするとせいっさいのたいしょうになるからね!」
「まりさぁ……」
「ゆ。れいむ、だいじょうぶだよ……まりさがまもるから」











「ゆ゛……ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
 まりさが博士に飛びかかる。博士は右手に持っていた針で、素早くまりさの目から中枢餡を突いた。
「はい、終了っと」
「ゆ゛。ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ぐ……ぢ……」





 まりさには、夢がありました。
「それじゃあおとうさん……いってくるのぜ!」
「おとうさん、れいむいってくるよ!」
「おとうさん、いってきます!」
 とうとう、最初の子供三匹が巣立ちのとき。精悍な顔立ちになった長女まりさ、誰もが振り返るような美ゆっ
くりになった次女れいむ、元気溌剌の末まりさ。
 みんなみんな、ゆっくりしたゆっくりでした。
 それを見送って、れいむと二匹でゆっくりのんびりと暮らし――。


「ゆ。れいむ……」
「ゆふん。……つぎのおちびちゃんも、りっぱにそだてようね」


 そうして、どんどんとまりさの餡筋のゆっくりたちが増えていくのです。彼らは世界中どこでもゆっくりして
いるゆっくりと大評判。
 たくさんたくさんの月日が流れて――。
 子ゆっくり、孫ゆっくり、ひ孫ゆっくりたちがお家に集まる中、まりさとれいむはすーりすーりしながらゆっ
くりと息絶えるのでした。
 そのあと、たくさんのゆっくりしたゆっくりを作ったゆっくりとしてゆっくりえいきに認められ、ゆんごくで
二匹、のんびりと暮らすのです。


 そんな夢を中枢餡が破壊される瞬間まで、まりさは考えていました。
 中枢餡に針が突き立った瞬間、それが夢だと分かりました。
 現実を理解した瞬間、一気に非ゆっくり症になるほど、まりさは絶望しました。


 中枢餡を損傷して、激痛に動くことすらできないまま――時間は、ゆっくりと流れます。
(もっと……ゆっくり……したかった……)
 そう考えて、息絶えるまで現実では一秒にも満たなかったでしょう。
 しかし、まりさにとっては――何年何十年もの時間に感じ取れたのでした。








 残された死体は、群れのゆっくりたちが見つけないように叩き潰され土に撒かれました。
 風が吹き、埋めた土の上に偶然にもあの花輪が二つ、ころころと流されてきました。
 それはまるで、親まりさと親れいむの死を悼んでいるかのようでした。











「いやあ、めでたしめでたし」
 博士はそう言って、笑ってこの物語を締めくくった。





















<あとがき>


 口の中ネタは、もうちょっと幅を広げたいなあ。






 過去の作品

 anko3216 愛するでいぶ
 anko3238 ゆ虐思考
 anko3257 赤ゆ十連発(前編)
 anko3263 赤ゆ十連発(後編)
 anko3271 手を触れずに殺害せよ


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挿絵:

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マンネリあき 挿絵
「anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで」をウィキ内検索
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