ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4
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ankoss
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『ゲスゆっくり奮闘記4』 20KB
いじめ 制裁 観察 差別・格差 飾り 群れ 赤ゆ ゲス 現代 失礼します。
いじめ 制裁 観察 差別・格差 飾り 群れ 赤ゆ ゲス 現代 失礼します。
ゲスゆっくり奮闘記1、2、3の続きです
「」ゆっくりの台詞
『』人間の台詞でお願いします
誤字脱字失礼します
「」ゆっくりの台詞
『』人間の台詞でお願いします
誤字脱字失礼します
「おでがいじばず!! おかねさんをぐだざい! ひゃくえんさんをれいぶにくだざい!!」
「そこのらんしゃまぁぁっぁああ! ちぇんがこまってるんだよー! おかねさんがほしいんだよー!」
「おがねを、おがねをばりざによこすのぜぇぇぇぇえええ!!」
「まりちゃはしゅっごゆっきゅりなのじぇ! だきゃらおきゃねよこしぇぇぇぇ!!」
「ちーんぽ! まら! まらまーら! アへがお!」
「むきゅ、ぱちぇのちしきをわけるわ! だからおかねをよこしなさい!」
「ありしゅにおかねしゃん、くだしゃい、にゃんでもちましゅ、だから」
とある公園、たまに人が通るそこに大小様々なゆっくりたちが数え切れないほど集まっていた。
そして、口々に金を要求していた。
その様子を一人の作業着姿の男性が、クリップボードに何か書き込みながら見ていた。
『なんだかなぁ、増えすぎだろ、ゆっくり……』
男性は加工所の職員で、物乞いというか金を要求するゆっくりを数える仕事を任されていた。
普段なら物乞いゆっくりが集まれば即座に駆除対象なのだが、今回は様子が妙だし、数が多いということで原因解明をすることになっていた。
以前から物乞いのゆっくりはいた、数匹、多くて十数匹というところだ。
しかし今回はこの公園以外にも、近くの商店街住宅街等にも金要求ゆっくりが集まっているらしく、そこにも加工所の職員が向かっている。
『ゆっくりの種類とか、大きさに変な偏りがあるわけじゃない、か』
男は公園の物乞いをしてるゆっくりを種類や大きさ別にカウントし終えたのか、ボードを脇に挟み考え込む仕草をする。
考えるのは【どうして物乞いが増えた】それと【何で金を要求するか】である。
『大規模なゴミ改革が起きた訳でもないよなぁ……』
ゴミ改革、街ぐるみでゴミ捨て場、ゴミ箱、ゴミ袋をゆっくり及びカラスなどの被害に合わないように変えたなんてことはしていない。
ゴミ捨て場はいつものようにネットかけただけだし、ゴミ箱も地面に固定していたりはしない。
『ってか、今もゴミ漁りは続いているんだよな……』
この件について少し前に開かれた会議を思い出す。
この物乞いゆっくりについての会議の内容は以下の通り
「そこのらんしゃまぁぁっぁああ! ちぇんがこまってるんだよー! おかねさんがほしいんだよー!」
「おがねを、おがねをばりざによこすのぜぇぇぇぇえええ!!」
「まりちゃはしゅっごゆっきゅりなのじぇ! だきゃらおきゃねよこしぇぇぇぇ!!」
「ちーんぽ! まら! まらまーら! アへがお!」
「むきゅ、ぱちぇのちしきをわけるわ! だからおかねをよこしなさい!」
「ありしゅにおかねしゃん、くだしゃい、にゃんでもちましゅ、だから」
とある公園、たまに人が通るそこに大小様々なゆっくりたちが数え切れないほど集まっていた。
そして、口々に金を要求していた。
その様子を一人の作業着姿の男性が、クリップボードに何か書き込みながら見ていた。
『なんだかなぁ、増えすぎだろ、ゆっくり……』
男性は加工所の職員で、物乞いというか金を要求するゆっくりを数える仕事を任されていた。
普段なら物乞いゆっくりが集まれば即座に駆除対象なのだが、今回は様子が妙だし、数が多いということで原因解明をすることになっていた。
以前から物乞いのゆっくりはいた、数匹、多くて十数匹というところだ。
しかし今回はこの公園以外にも、近くの商店街住宅街等にも金要求ゆっくりが集まっているらしく、そこにも加工所の職員が向かっている。
『ゆっくりの種類とか、大きさに変な偏りがあるわけじゃない、か』
男は公園の物乞いをしてるゆっくりを種類や大きさ別にカウントし終えたのか、ボードを脇に挟み考え込む仕草をする。
考えるのは【どうして物乞いが増えた】それと【何で金を要求するか】である。
『大規模なゴミ改革が起きた訳でもないよなぁ……』
ゴミ改革、街ぐるみでゴミ捨て場、ゴミ箱、ゴミ袋をゆっくり及びカラスなどの被害に合わないように変えたなんてことはしていない。
ゴミ捨て場はいつものようにネットかけただけだし、ゴミ箱も地面に固定していたりはしない。
『ってか、今もゴミ漁りは続いているんだよな……』
この件について少し前に開かれた会議を思い出す。
この物乞いゆっくりについての会議の内容は以下の通り
- 物乞いをするゆっくりが増えた
- 要求するのは食べ物もだが、圧倒的に金銭、特にひゃくえんさん(100円玉)
- ゴミ捨て場の一斉改修などしていない
- ゴミ漁りがなくなった訳ではない
→むしろゴミ漁りは増えている
- ある公園では大量のゆっくりが這い回って何かを探していた
→恐らく金を
などである。
『まだ人間や飼いゆっくりに被害は出ていないけど、こりゃ時間の問題だな』
物乞いしているゆっくりの中には、元飼いゆっくりもいるだろう。
そいつらが【にんげんがおかねをたくさんもってる】と言い出せば、に狙い出すのは明白だった。
そうなる前に原因究明、もしくは一斉駆除しなくてはならない。
『つっても、一斉駆除はなぁ……』
男はぼやきながら髪を無造作にかく。
ぼやくには理由がある。
この街の加工所は、ゆっくり性の餡子やクリームを使う菓子を作って、その売り上げがかなりのものになっている。
そんな加工所職員が、泣き喚くゆっくりを追い掛け回していたらどう見えるか?
事実はどんなものであれ、【金の為にゆっくりを無理矢理捕獲して、菓子にして売り出す】そんな風に見られかねない。
しかも、今は情報伝達については素晴らしい発展を遂げてしまっている。
そうなると、妙な誤解を生む可能性も出てくるのだ。
誤解されなくても、今は妙なゆっくり愛護団体がはびこっている世の中だ、どんなことになるか解らない。
だから、加工所では【一般市民からのゆっくり買い取り】などという面倒なことをして、少しでもゆっくりの駆除を行っている。
今、この街以外の加工所も一斉駆除はしにくくなってしまっている。
する場合は、市民からの要請が必要になっているのが現状なのだ。
このまま放置しても、被害が今のところ一部地域なので一斉駆除までいかない、しかししないで居れば被害を受けている一部住民から非難が来る。
それ故の、原因究明なのだ。
『はぁ、どうしたもんかね』
男はまた溜息をつくと、加工所へ戻ることに。
これからまた会議をして、いち早い原因究明を、である。
『せっかくの日曜日なのに、はぁ……ん?』
溜息をついた男は、公園の前の道を駆けていく小学生ほどの女の子と男の子を見かけた。
ジャージ姿の女の子に、ジーパンにシャツだけの男の子。
最近よく、加工所に赤ゆっくりを買取に持ってくる2人組み。
たまに受け取り窓口で作業していると、元気にやってくる。
服装から、明らかに経済格差を感じてしまうが子供には関係ないらしい。
『休みの日に仲良く、ゆっくり探しかぁ……いいなぁ』
ついつい笑みが零れてしまう。
『今日来るかな……ジュースでも用意しておいてあげようかな』
そんなことを考えながら、男はゆっくり歩き出した。
……。
…………。
『よう、来たぜ』
『きたぜー、ですよー』
「むきゅ、いらっしゃい、まってたわ!」
「あまあま! あまあま!」「まりさが、まりさがいちばんなのぜ!」
「はやく! ありすもうがまんできないわ!」「れぃみゅがむーしゃむーしゃしゅるよ! じぇんぶね!」
少年と少女がとある公園の倉庫、例のゲスの群れが活動拠点にしてるところに来ると、長ぱちゅりーを先頭にゲスの群れが集まっていた。
元は100匹程度の群れ、そこから子供が30ほど間引かれ70前後だったゲスの群れは人間という兵器を手にしたことで200近い群れになっていた。
その大半は赤ゆっくりで、涎を垂らしながら少年たちを見ている。
といより、少年が持っているビニール袋、その中のお菓子である。
ゲスの群れは、他のゆっくりの奴隷化により安定した食料、そしてゆっくりした住居を手にした。
更に、その奴隷ゆっくり相手に日常的な差別リンチを繰り返し、この上の無いゆっくりを手にしていた。
少年少女に金を払い、住居の製作、外敵の排除を繰り返し、もう十分なゆっくりを得たゲスの群れは、1000円払い【あまあま】の提供を受けることにしたのだ。
金は奴隷ゆっくりが自動で持ってくるので、使えるだけ使おう、ということらしい。
「むきゅ! にんげんさん、はやくぱちぇにあまあまちょうだい!」
長ぱちゅりー含め、元が飼いゆっくりであったこの群れは以前に食べた人間のあまあまが忘れられないのだろう。
今にも飛び掛らん勢いだ。
『っても、集まってるなぁ、全員分ないぞ、多分』
『良いんですよー、適当にばら撒けば、勿体無いですけどー』
少年は不安そうに、近所のスーパーで買った安いクッキー数袋入ったビニール袋を見る。
一袋に何枚入ってるかしらないけど、これだけの数のゆっくりが満足するほどの量はないのは明白だった。
しかし、少女は気にした風もない、むしろゆっくり相手にばら撒くことについてを残念そうにしているみたいだった。
『それもそっか、ほらあまあまだぞ』
『だぞー』
「「「「「「「あばあばぁぁぁぁぁぁあぁぁあ!!!!」」」」」」」
少年少女は、手分けしてクッキーをばら撒く。
そこかしこに撒かれたクッキーに、ゆっくりが殺到する。
「あまあま! これ、めっちゃうめぇぇ!!」「とかいはなあじよぉぉおおお!」
「まりちゃ、こんにゃのたべ、ゆびゅっ!」「でいぶのクッキーさんをとるゲスチビはじね!」
「むきゅ、このけんじゃなあじ!」「わ、わがるよぉおおお!! おにーさんがくれたクッキーのあじといっしょだよぉおお!!」
『……帰るか』
『ですねー、ゲロ袋さん今日の分はどこですか?』
「むきゃ! うめ! ゆびゅべっ! 『どこですかー』 そ、そのはこさんのなかにいるから、すきにもっていってください……」
少女が手際よく聞きだすと、少年は倉庫の隅に並べられた汚いダンボールに近づく。
『どれから持ってく?』
「「「「「っ!!!」」」」」
少年の言葉に、並べられた箱がビクっと震えた。
このダンボールの中には、奴隷ゆっくりが捕らえられていて延々と二人に渡す子供を作り続けている。
せっかく出来た子供も、直ぐに連れて行かれてしまう。
その上、日常的に長ぱちゅりーのストレス発散に使われ身も心もボロボロのゆっくりたちは交換が激しい。
せめてものゆっくりを、子供のと一緒にいる幸せを長く味わいたい彼女らは、自分たちのいる箱が選ばれないことを必死に祈っていた。
「お、きゃーしゃん、にゃんでにゃいてるにょ?」「このこだけは、このこだけは!」
「もう、ばりざのおちびつれていかないで!」「わ、わからにゃいよー! なきやんでよー、おきゃーしゃん!」
「アリスのおちびちゃんはうまれたばかりなの! おねがい!」「ちょきゃいは?」
『適当にって言われたので、全部持って行きましょー』
「「「「「「ゆっ!!?」」」」」」
『それもそっか』
ゆっくりたちの祈り空しく、まだ蔦に成っている実ゆっくりまで含めて全て回収されていった。
そのことを悲しむ親ゆっくりたちは、あまあまを食べられなかったゲスの群れのゆっくりたちの八つ当たりによってリンチの末に殺された。
……。
…………。
『はい、これ今日の分のお金とレシート、あとこれジュース、いつもありがとうな』
『あ、ありがとうおじさん!』
『お、おじさん、かぁ……あ、あははは、どういたしまして』
夕方、加工所のゆっくり回収窓口。
少年はいつものように集めたゆっくりを渡し、代金を貰った。
そして、窓口の男からジュースまで貰えた。
笑顔でそれを受け取ると、外で待っている少女の下まで走る。
『おーい! これ、ジュース貰えた!』
『おー、お手柄ですねー』
『いつも来てくれてるからだってさ、あとこれお金、半分な』
少年はジュースと、男が親切に半分づつ小さなビニールに分けてくれたゆっくりの代金を少女に渡す。
『やっぱり今日は多めですねー』
『全部持ってきたからなー、そりゃ』
2人はジュース片手に歩き出す。
時刻はもう夕方、そろそろ帰らなくてはいけない時間なので、自分たちの家がある方に、向かう。
少年が住むのは一戸建て、かたや少女は安アパート。
家のある場所は近い、小さい頃からの付き合いでもある。
しかし、お互いがお互いの家で遊んだことは数えるほどしかない。
2人はいつも外で遊んでいた、小さいながら解ることがあるのだろう。
遊ぶネタがないときなど、こうして意味無く散歩をしていたので特に不満も無い。
傍から見たら【デート】に見えるのだろうが、それを意識するほど2人は大人ではない。
だから適当に会話しながら、お互いの家への分岐路で分かれた。
『じゃーなー、また明日な』
『はいー、じゃーなーですよー』
適当に手を振る少年と、少年が見えなくなるまで手を振る少女。
対照的な2人だったが、仲良しだった。
少年は、真っ直ぐ家への道を歩く。
今日も外で遊んだので服が汚れているので、母親に見咎められないように手で軽く叩きながら歩いていると。
「おにぇがいしましゅ! れいみゅにおきゃねをくだしゃい!」
「しゃっしゃとよこちゅんだじぇ! くしょちび!」
『はぁ?』
あと少しで家という場所で、いきなり小さなゆっくりに二匹に絡まれた。
れいむとまりさ、ともにまだ生まれて間もない小さな姿だった。
普通これくらいのサイズのゆっくりは、まだ親のいる巣の中で過ごしていて汚れも少ないハズなのに、揃って惨めに汚れてお飾りまで半分千切れていた。
少年は、しゃがんでそのゆっくりに少しだけ顔を近づける。
『なんで金なんか欲しがるんだよ、お前らゆっくりだろ?』
「いいからよきょしゅのじぇぇえぇええ!!」
「ゆぐ、ゆぐぅっ……お、おきゃしゃんがないと、れいみゅたちたいへんなんだよ!」
『大変ってなんで?』
少年はゲスが既に発言しているまりさを無視して、まだマシそうなれいむに話しかける。
「お、おかねしゃんがにゃいと、れいむたちいたいいたいされちゃうんだよ!」
「しゃっしゃとよこちぇぇぇええ! せいっしゃいしゅるのじぇぇぇえええ!!」
『いたいいたい、あぁ、痛い痛いか、ふぅん……ゆっくりの世界も大変なんだなぁ』
自分のしたことで、ゆっくりの世界が大混乱していることも知らず少年はしみじみ呟く。
「ゆぐ、ゆぐっ、れいみゅ、おきゃね、おきゃねしゃん」「しぇ、しぇい、しぇいっしゃ、せいっしゃい……」
涙を流し震えるれいむと、いつの間にか騒ぎ疲れて虫の息になっているまりさ。
少年の目にはどう映ったのか、ポケットから財布を取り出し中から一円玉を二枚摘む。
『……仕方ねーなぁ、これ、やるから早く帰れよ』
「ゆ?」「ゆへぇ、ゆはぁ……ゆ?」
少年が目の前にそれぞれ置いた一円玉。
夕日を浴びて鈍く光るそれに、れいむとまりさは魅入られたように見つめる。
「こりぇが、おきゃねしゃん?」
『うん、って、見たことなかったのかよ……』
野良ゆっくり、ひいてはゆっくりがどんな生き物か詳しく知らない少年は呆れたように呟くと立ち上がる。
『それがお金さん、ほらさっさと持って帰れよ、暗くなるぞ?』
そして、二匹の前から姿を消した。
「「…………」」
それでも二匹はじっと目の前の一円玉を見つめていた。
「まりちゃ」
「れいみゅ」
そしてしばらくフリーズした二匹は、お互いを呼び合い目を合わせると。
「「おきゃねしゃんだよぉおおおおおお!!! ゆっくりぃいいいいい!!」」
小さい身体を精一杯動かして喜びを表していた。
れいむは揉み上げを上下に振り、半分千切れたリボンを揺らし。
まりさはお下げをピンと伸ばし、半分千切れた帽子を落とす勢いで跳ね回る。
「はやきゅもっちぇかえろうにぇ!」
「こりぇがあればまりしゃもれいみゅも、おきゃーしゃんたちもどれいかいっほうなのじぇ!」
二匹は一枚ずつ、一円玉を咥えると小さな身体で精一杯跳ねだした。
この二匹は、工場跡地に住むマメドスまりさの群れのゆっくりだった。
しかし、家族総出で街に出て【にんげんさん】についての勉強をしているところをゲスの群れに囚われた。
そして、奴隷の証として飾りを千切られ、親はゴミ漁り、子供は群れの玩具にされていた。
元は6匹もいた子供たちであったが、ボール代わりに遊ばれ、いたずらに踏み潰され、無理矢理すっきりさせられ、八つ当たりに潰され、今やこのれいむとまりさだけになっていた。
いずれは殺される二匹だったが、必死に懇願した結果。
【おかねさんをもってくれば、おやもかいほーするんだねー】と言われ、必死にお金集めをしていた。
お金なんて見たこともなかったけど、必死に声をあげた。
その結果手に入った自由への切符をけして逃さないように、二匹は走り続けた。
「まりちゃ! みんなでおうちにもどったら、ドスにいいつけてみんなせいっしゃいだね!」
「あたりまえなのじぇ! あのゲスもにんげんもじぇんぶころしてやるのじぇ!」
2人は輝かしい未来に向かって走り続けた。
……。
…………。
「や、やめちぇぇぇぇええ!!」
「ゆべっ! や、やめるの、じぇ、いちゃ、いちゃいのじぇ!」
「こんなもんじゃないよー、こんなはしたがねしかもってこれないクズにようはないからねー!」
一円玉咥えて公園についた二匹は、既に暗くなり寝ていた幹部ちぇんのおうちの乗り込み散々騒いだ。
親を自分を解放しろ、今までのことを謝れ、これからはお前が奴隷だ、と。
寝起きで更に、今日あまあまを少ししか食べられかたったのでイライラしてた幹部ちぇんは即座に尻尾で叩こうとしたが。
二匹は盾にするように、それぞれ一円玉を見せ付けてきた。
そして、これが欲しいなら土下座しろ等と喚き、ちぇんが少年少女に作って貰ったダンボール製のおうちに糞尿を撒き散らしたのだ。
我慢の限界が来たちぇんは、連日の労働及び暴行で突かれきった奴隷ゆっくりたちを集め、街灯の下で公開せいっさいをしていた。
いつの間にか集まったこの公園に住むゲスの群れゆっくりも見に来ていた。
「ほら! まだまだだよー!」
「「ゆ、ゆる、しちぇぇぇぇええ!!」」
成体であるちゃんの尻尾で何度も殴られ転がされ、少年に会ったとき以上にボロボロになったに引きは必死に許しを求めた。
しかし……。
「ゆるすわけないでしょぉおお!!」「ゲスがちゃんのいえでうんうんしたのしってるんだぜ!」
「そんなことしたどれいはせいっさいいがいないでしょぉおおお!!」「でいぶがじきじきにせいっさいしたくらいだよ!」
「「にゃ、にゃんでっぇえぇえええ! れいむ(まりちゃ)はおかねもってるのにぃいいい!!」」
ゲスの群れの怒りの声に、二匹は涙する。
「いちえんだま にまいしかもってこれないくせに、おおきなくちきくんじゃないよー! わかれよー!」
「にゃんでぇ! しょれ、おきゃねしゃんでしょ!? にんげんさんがそういってたよ!」
「もっちぇ、きたにょに、にゃんでなのじぇ!」
二匹はボロボロの身体に鞭打って、声をあげ、正当性を語る。
「うるさいんだよー! これじゃたりないんだよー!」
「「ゆぶべっ!?」」
しかし、帰ってきたのは尻尾のビンタだった。
ついに、餡子を吐き出しながら転がる。
その姿に、集められた奴隷ゆっくりたちは無言で震えていた。
子ゆっくりの中には気絶してるものもいた。
だが、どのゆっくりも二匹を助けようとはしない、自分がせいっさいされたらかなわないから。
「もっと、たくさんひつようなんだよー! わかれよー!」
「「ゆべろぉ!!?」」
その後、ちぇん指導のせいっさいは二匹の友ゆん、その家族まで及び、最終的には13匹のゆっくりが殺された。
ちなみに、二匹の両親は昼間にあまあま食べられなかったゲスゆっくりにサンドバックにされて殺されていた。
こんなのは日常茶飯事、ありふれた悲劇になっていた。
……。
…………。
「むきゅ……おかしいわね、さいきんおかねのあつまりがわるいわ」
数日後、長ぱちゅりーは拠点にしてる公園の倉庫で呟いた。
その前には一円玉が数枚、5円玉が1枚、10円3枚が置かれていた。
それを挟んで、相対するように幹部まりさと幹部ちぇんがいた。
「ど、どれがむのーだからしかたないんだよー」
「ま、まりささまが、また、せ、せいっさいするしかないのぜー」
「…………」
二匹は長ぱちゅりーの言葉にあからさまに動揺していた、そして何か聞かれる前にとそそくさと倉庫から出ていった。
幹部ちゃんと幹部まりさは、それぞれ一づつ公園をぱちゅりーから任され、直属の部下とその公園に住み、奴隷を使いお金や食料を集めていた。
食料については、各自の公園で自由に配布、お金は長ぱちゅりーに渡す、それがルール。
しかし、最近になってお金の集まりが落ちている、否そんなものではない。
今、目の前に置かれてお金のほとんどは長ぱちゅりーが使役する奴隷により集めたものだった。
あの二匹は、申し訳程度に一円玉を一枚づつ持ってきただけだった。
最近ずっとこんな感じである、正確にはあまあまを少年少女から買った日からである。
「むきゅ……どうしてきゅうにあつまらなくなったのかしら」
長ぱちゅりーは困り顔で俯いていた。
そろそろ少年と少女が来る日が近づいていた。
しかし、お金も赤ゆっくりも用意出来ていなかった。
子供を強制的に生ませていたゆっくりたちは、最近のお金の集まりの悪さでイライラして殺してしまったし。
新しく適当な奴隷ゆっくりを補充してはみたけど、日ごろの労働、食糧事情の悪さで子供を作らせると片っ端から養分取られて死んでしまう。
新しい奴隷を捕獲しようとしても、最近は警戒されているのか、他の群れのゆっくりが近くで見当たらなくなってしまった。
少年たちに頼もうとしても、この間のあまあま引き換えにほとんど渡してしまった。
いくら食糧事情がよくなっても、奴隷ありきの生活。
別に長ぱちゅりーたちが優秀に、強くなった訳ではない。
もし、調子に乗って他の群れのテリトリーに乗り込んでしまえば返り討ちになりかねない。
それくらいは長ぱちゅりーでも解っていた。
チラホラ衰弱死する奴隷ゆっくりも増えてきた、物乞いして潰されるゆっくりだって多い。
全盛期の半分以下にまで奴隷ゆっくりは減っているし、今も減り続けている。
ある種生命線である奴隷ゆっくりたちを、ゲスの群れは日々使い潰していた。
どうでも良い理由でせいっさい、八つ当たりでせいっさい、玩具代わりにせいっさい。
どんどん減っていく。
その事実の危うさに薄っすらぱちゅりーは気付き始めていた。
しかし、具体的な案は出ない。
選んだ奴隷ゆっくりにそこそこ上等な食事をさせて子作りでもさせれば良いのに、奴隷にやる食料はないとばかりに考え付かない。
長ぱちゅりーは歯噛みする。
「なんで、どうして ゆっしゅうなぱちぇが こんなに なやまないといけないの……」
お下げで頭を抱えるような仕草をしながら、いつまで同じ台詞を呟いていた。
その外ではゲスの群れのゆっくりによって、貴重な資源である奴隷ゆっくりが今日も潰されていた。
……。
…………。
『あいつは今日はお出かけかー』
週末、いつものように少女を誘いゆっくりの回収に向かおうとしたところ、少女の家は留守だった。
少女の家は片親で、少女が出かければ家は無人になるのでどこかにお使いにでも行ってるのかと思ったが、家の前に石で重石された紙と、ゆっくりの回収ノートが置かれていた。
そこには【今日はお出かけしてきます、ごめんなさい 今日の分は全部あげます】と書いてあった。
そのメモ紙を片手に、少年は公園の道を歩いていた。
長ぱちゅりーの元へ、お金と赤ゆっくりを回収しお仕事をする為に。
といっても、最近は家を作るのもゲスのおっぱらいも頼まれないのでほとんどあまあま代の先払い回収だ。
『今は、金が137円で、ゆっくりを23匹貰ってるんだからー、えっと、あとどれくらいだ?』
少年は少女が残したいって、ゆっくりの回収をメモしたノートを見ながら、頭を抱える。
お金と赤ゆっくりを一緒に貰っているので、計算は訳が解らなくなっている。
その辺りは少女に任せているので、少年は諦めてノートを閉じた。
『ま、さっさと済ませるかな目標までもう少しだし 「まってたのぜにんげんさん!」 ぅおっと!?』
呟いた少年の足元で、いきなり甲高い声がした。
気を抜いていた少年は、大きくよろめいてしまう。
『な、なんだぁ?』
「ゆっ! まりさはまりさだよ! あまあまちょーだいね!」
『はぁ? やだよ、どけよ……ったく』
ゆっくりのゆっくりらしい宣言を聞いて、少年は呆れたように歩き出す。
「ま、まってほしいのぜ! まりさはまりさなのぜ!? おかねさんもちゃんとあるんだぜ!」
『え? 金?』
少年はまりさの言葉に興味をそそられ足を止めて、しゃがみこむ。
その動きに安心したのか、まりさは一呼吸して胸を張るように宣言した。
「ゆふぅ、まりさはかんぶのまりさなのぜ!」
どうやら、このまりさはゲスの群れの幹部まりさらしい。
『お前あれか、ぱちゅりーの部下の』
「そうなのぜ! でも、まりさは あんなむのうのしたに おさまるうつわじゃないのぜ! みるのぜ!」
そう言うと、幹部まりさは自らの帽子からバラバラと小銭た、ゲームコイン、ジュースの王冠などを落とした。
「ぜんぶまりさがあつめたのぜ!」
実際は奴隷ゆっくりが、であるが、幹部まりさが長ぱちゅりーに渡さず貯めこんだものである。。
『へぇ、結構あるな……ん?』
「ゆっへん!」
地面に小銭のみを拾い上げた少年は、自慢げに笑う幹部まりさの帽子からはみ出る何かを見つけた。
『お、これ千円じゃん! すげー』
はみ出ていたのは、多少汚れているが紛れもない千円札だった。
少年はそれを取ると、感動的に日に透かせていた。
「ゆ? そのかみさんがどうかしたのぜ?」
持ってきた幹部まりさは、紙幣を知らなかったのか不思議そうに少年を見ていた。
『あぁ、これはな、えっと、この丸いお金より凄いんだ! これくれんなら、直ぐにクッキー買ってきてやるぞ?』
「ゆゆ!? ほ、ほんとうなのかぜ!!?」
『あぁ、この前と同じくらいで良いんだろ?』
「ゆゆゆゆ!!!」
幹部まりさは以前配られたあまあま、あれが全部自分のものになることにうれしーしーをちょろちょろ漏らしていた。
そして、勝手に自分が世界一優秀なゆっくりだと思い込みだしていた。
そんなまりさの考えなど気付かない少年は『ここで待ってろよ』と告げて、近くのスーパーに走った。
外国製らしい、凄く甘のクッキー一袋67円を3袋買いに。
これをきっかけに、幹部まりさとその部下、それらが支配する群れはゲスの群れから抜けた。
幹部まりさは大量のあまあまを手に主にみょんの群れのゆっくりを引き抜き、瞬く間に一大勢力を気付き上げた。
幹部ちぇんも幹部まりさの群れに加わり、共同でお金を集め出した、あまあまの為に。
以前までは3つの公園、その周辺だけの話であったがゆっくりゆっくりと範囲は広まっていた。
奴隷ゆっくり被害もそうなのだが【おかねであまあまもらえる】ということが野良ゆっくりにとっては衝撃的な事実だった。
幹部まりさが「おかねさんをもってきたら、あまあまとかえてやるんだぜ!」と言い出したのが元であり。
そこからゆっくり的伝言ゲームで情報が歪められ、おかね=あまあまに等しい価値観が蔓延し出した。
お金がどんなものか知らない、手に入ってもどうしたら良いか解らないにも関わらず。
どれだけ賢いゆっくりでも、あまあまの誘惑にはそう簡単に抗えない。
日に日に、街中で何かを求めてウロウロするゆっくりが増えていった。
『まだ人間や飼いゆっくりに被害は出ていないけど、こりゃ時間の問題だな』
物乞いしているゆっくりの中には、元飼いゆっくりもいるだろう。
そいつらが【にんげんがおかねをたくさんもってる】と言い出せば、に狙い出すのは明白だった。
そうなる前に原因究明、もしくは一斉駆除しなくてはならない。
『つっても、一斉駆除はなぁ……』
男はぼやきながら髪を無造作にかく。
ぼやくには理由がある。
この街の加工所は、ゆっくり性の餡子やクリームを使う菓子を作って、その売り上げがかなりのものになっている。
そんな加工所職員が、泣き喚くゆっくりを追い掛け回していたらどう見えるか?
事実はどんなものであれ、【金の為にゆっくりを無理矢理捕獲して、菓子にして売り出す】そんな風に見られかねない。
しかも、今は情報伝達については素晴らしい発展を遂げてしまっている。
そうなると、妙な誤解を生む可能性も出てくるのだ。
誤解されなくても、今は妙なゆっくり愛護団体がはびこっている世の中だ、どんなことになるか解らない。
だから、加工所では【一般市民からのゆっくり買い取り】などという面倒なことをして、少しでもゆっくりの駆除を行っている。
今、この街以外の加工所も一斉駆除はしにくくなってしまっている。
する場合は、市民からの要請が必要になっているのが現状なのだ。
このまま放置しても、被害が今のところ一部地域なので一斉駆除までいかない、しかししないで居れば被害を受けている一部住民から非難が来る。
それ故の、原因究明なのだ。
『はぁ、どうしたもんかね』
男はまた溜息をつくと、加工所へ戻ることに。
これからまた会議をして、いち早い原因究明を、である。
『せっかくの日曜日なのに、はぁ……ん?』
溜息をついた男は、公園の前の道を駆けていく小学生ほどの女の子と男の子を見かけた。
ジャージ姿の女の子に、ジーパンにシャツだけの男の子。
最近よく、加工所に赤ゆっくりを買取に持ってくる2人組み。
たまに受け取り窓口で作業していると、元気にやってくる。
服装から、明らかに経済格差を感じてしまうが子供には関係ないらしい。
『休みの日に仲良く、ゆっくり探しかぁ……いいなぁ』
ついつい笑みが零れてしまう。
『今日来るかな……ジュースでも用意しておいてあげようかな』
そんなことを考えながら、男はゆっくり歩き出した。
……。
…………。
『よう、来たぜ』
『きたぜー、ですよー』
「むきゅ、いらっしゃい、まってたわ!」
「あまあま! あまあま!」「まりさが、まりさがいちばんなのぜ!」
「はやく! ありすもうがまんできないわ!」「れぃみゅがむーしゃむーしゃしゅるよ! じぇんぶね!」
少年と少女がとある公園の倉庫、例のゲスの群れが活動拠点にしてるところに来ると、長ぱちゅりーを先頭にゲスの群れが集まっていた。
元は100匹程度の群れ、そこから子供が30ほど間引かれ70前後だったゲスの群れは人間という兵器を手にしたことで200近い群れになっていた。
その大半は赤ゆっくりで、涎を垂らしながら少年たちを見ている。
といより、少年が持っているビニール袋、その中のお菓子である。
ゲスの群れは、他のゆっくりの奴隷化により安定した食料、そしてゆっくりした住居を手にした。
更に、その奴隷ゆっくり相手に日常的な差別リンチを繰り返し、この上の無いゆっくりを手にしていた。
少年少女に金を払い、住居の製作、外敵の排除を繰り返し、もう十分なゆっくりを得たゲスの群れは、1000円払い【あまあま】の提供を受けることにしたのだ。
金は奴隷ゆっくりが自動で持ってくるので、使えるだけ使おう、ということらしい。
「むきゅ! にんげんさん、はやくぱちぇにあまあまちょうだい!」
長ぱちゅりー含め、元が飼いゆっくりであったこの群れは以前に食べた人間のあまあまが忘れられないのだろう。
今にも飛び掛らん勢いだ。
『っても、集まってるなぁ、全員分ないぞ、多分』
『良いんですよー、適当にばら撒けば、勿体無いですけどー』
少年は不安そうに、近所のスーパーで買った安いクッキー数袋入ったビニール袋を見る。
一袋に何枚入ってるかしらないけど、これだけの数のゆっくりが満足するほどの量はないのは明白だった。
しかし、少女は気にした風もない、むしろゆっくり相手にばら撒くことについてを残念そうにしているみたいだった。
『それもそっか、ほらあまあまだぞ』
『だぞー』
「「「「「「「あばあばぁぁぁぁぁぁあぁぁあ!!!!」」」」」」」
少年少女は、手分けしてクッキーをばら撒く。
そこかしこに撒かれたクッキーに、ゆっくりが殺到する。
「あまあま! これ、めっちゃうめぇぇ!!」「とかいはなあじよぉぉおおお!」
「まりちゃ、こんにゃのたべ、ゆびゅっ!」「でいぶのクッキーさんをとるゲスチビはじね!」
「むきゅ、このけんじゃなあじ!」「わ、わがるよぉおおお!! おにーさんがくれたクッキーのあじといっしょだよぉおお!!」
『……帰るか』
『ですねー、ゲロ袋さん今日の分はどこですか?』
「むきゃ! うめ! ゆびゅべっ! 『どこですかー』 そ、そのはこさんのなかにいるから、すきにもっていってください……」
少女が手際よく聞きだすと、少年は倉庫の隅に並べられた汚いダンボールに近づく。
『どれから持ってく?』
「「「「「っ!!!」」」」」
少年の言葉に、並べられた箱がビクっと震えた。
このダンボールの中には、奴隷ゆっくりが捕らえられていて延々と二人に渡す子供を作り続けている。
せっかく出来た子供も、直ぐに連れて行かれてしまう。
その上、日常的に長ぱちゅりーのストレス発散に使われ身も心もボロボロのゆっくりたちは交換が激しい。
せめてものゆっくりを、子供のと一緒にいる幸せを長く味わいたい彼女らは、自分たちのいる箱が選ばれないことを必死に祈っていた。
「お、きゃーしゃん、にゃんでにゃいてるにょ?」「このこだけは、このこだけは!」
「もう、ばりざのおちびつれていかないで!」「わ、わからにゃいよー! なきやんでよー、おきゃーしゃん!」
「アリスのおちびちゃんはうまれたばかりなの! おねがい!」「ちょきゃいは?」
『適当にって言われたので、全部持って行きましょー』
「「「「「「ゆっ!!?」」」」」」
『それもそっか』
ゆっくりたちの祈り空しく、まだ蔦に成っている実ゆっくりまで含めて全て回収されていった。
そのことを悲しむ親ゆっくりたちは、あまあまを食べられなかったゲスの群れのゆっくりたちの八つ当たりによってリンチの末に殺された。
……。
…………。
『はい、これ今日の分のお金とレシート、あとこれジュース、いつもありがとうな』
『あ、ありがとうおじさん!』
『お、おじさん、かぁ……あ、あははは、どういたしまして』
夕方、加工所のゆっくり回収窓口。
少年はいつものように集めたゆっくりを渡し、代金を貰った。
そして、窓口の男からジュースまで貰えた。
笑顔でそれを受け取ると、外で待っている少女の下まで走る。
『おーい! これ、ジュース貰えた!』
『おー、お手柄ですねー』
『いつも来てくれてるからだってさ、あとこれお金、半分な』
少年はジュースと、男が親切に半分づつ小さなビニールに分けてくれたゆっくりの代金を少女に渡す。
『やっぱり今日は多めですねー』
『全部持ってきたからなー、そりゃ』
2人はジュース片手に歩き出す。
時刻はもう夕方、そろそろ帰らなくてはいけない時間なので、自分たちの家がある方に、向かう。
少年が住むのは一戸建て、かたや少女は安アパート。
家のある場所は近い、小さい頃からの付き合いでもある。
しかし、お互いがお互いの家で遊んだことは数えるほどしかない。
2人はいつも外で遊んでいた、小さいながら解ることがあるのだろう。
遊ぶネタがないときなど、こうして意味無く散歩をしていたので特に不満も無い。
傍から見たら【デート】に見えるのだろうが、それを意識するほど2人は大人ではない。
だから適当に会話しながら、お互いの家への分岐路で分かれた。
『じゃーなー、また明日な』
『はいー、じゃーなーですよー』
適当に手を振る少年と、少年が見えなくなるまで手を振る少女。
対照的な2人だったが、仲良しだった。
少年は、真っ直ぐ家への道を歩く。
今日も外で遊んだので服が汚れているので、母親に見咎められないように手で軽く叩きながら歩いていると。
「おにぇがいしましゅ! れいみゅにおきゃねをくだしゃい!」
「しゃっしゃとよこちゅんだじぇ! くしょちび!」
『はぁ?』
あと少しで家という場所で、いきなり小さなゆっくりに二匹に絡まれた。
れいむとまりさ、ともにまだ生まれて間もない小さな姿だった。
普通これくらいのサイズのゆっくりは、まだ親のいる巣の中で過ごしていて汚れも少ないハズなのに、揃って惨めに汚れてお飾りまで半分千切れていた。
少年は、しゃがんでそのゆっくりに少しだけ顔を近づける。
『なんで金なんか欲しがるんだよ、お前らゆっくりだろ?』
「いいからよきょしゅのじぇぇえぇええ!!」
「ゆぐ、ゆぐぅっ……お、おきゃしゃんがないと、れいみゅたちたいへんなんだよ!」
『大変ってなんで?』
少年はゲスが既に発言しているまりさを無視して、まだマシそうなれいむに話しかける。
「お、おかねしゃんがにゃいと、れいむたちいたいいたいされちゃうんだよ!」
「しゃっしゃとよこちぇぇぇええ! せいっしゃいしゅるのじぇぇぇえええ!!」
『いたいいたい、あぁ、痛い痛いか、ふぅん……ゆっくりの世界も大変なんだなぁ』
自分のしたことで、ゆっくりの世界が大混乱していることも知らず少年はしみじみ呟く。
「ゆぐ、ゆぐっ、れいみゅ、おきゃね、おきゃねしゃん」「しぇ、しぇい、しぇいっしゃ、せいっしゃい……」
涙を流し震えるれいむと、いつの間にか騒ぎ疲れて虫の息になっているまりさ。
少年の目にはどう映ったのか、ポケットから財布を取り出し中から一円玉を二枚摘む。
『……仕方ねーなぁ、これ、やるから早く帰れよ』
「ゆ?」「ゆへぇ、ゆはぁ……ゆ?」
少年が目の前にそれぞれ置いた一円玉。
夕日を浴びて鈍く光るそれに、れいむとまりさは魅入られたように見つめる。
「こりぇが、おきゃねしゃん?」
『うん、って、見たことなかったのかよ……』
野良ゆっくり、ひいてはゆっくりがどんな生き物か詳しく知らない少年は呆れたように呟くと立ち上がる。
『それがお金さん、ほらさっさと持って帰れよ、暗くなるぞ?』
そして、二匹の前から姿を消した。
「「…………」」
それでも二匹はじっと目の前の一円玉を見つめていた。
「まりちゃ」
「れいみゅ」
そしてしばらくフリーズした二匹は、お互いを呼び合い目を合わせると。
「「おきゃねしゃんだよぉおおおおおお!!! ゆっくりぃいいいいい!!」」
小さい身体を精一杯動かして喜びを表していた。
れいむは揉み上げを上下に振り、半分千切れたリボンを揺らし。
まりさはお下げをピンと伸ばし、半分千切れた帽子を落とす勢いで跳ね回る。
「はやきゅもっちぇかえろうにぇ!」
「こりぇがあればまりしゃもれいみゅも、おきゃーしゃんたちもどれいかいっほうなのじぇ!」
二匹は一枚ずつ、一円玉を咥えると小さな身体で精一杯跳ねだした。
この二匹は、工場跡地に住むマメドスまりさの群れのゆっくりだった。
しかし、家族総出で街に出て【にんげんさん】についての勉強をしているところをゲスの群れに囚われた。
そして、奴隷の証として飾りを千切られ、親はゴミ漁り、子供は群れの玩具にされていた。
元は6匹もいた子供たちであったが、ボール代わりに遊ばれ、いたずらに踏み潰され、無理矢理すっきりさせられ、八つ当たりに潰され、今やこのれいむとまりさだけになっていた。
いずれは殺される二匹だったが、必死に懇願した結果。
【おかねさんをもってくれば、おやもかいほーするんだねー】と言われ、必死にお金集めをしていた。
お金なんて見たこともなかったけど、必死に声をあげた。
その結果手に入った自由への切符をけして逃さないように、二匹は走り続けた。
「まりちゃ! みんなでおうちにもどったら、ドスにいいつけてみんなせいっしゃいだね!」
「あたりまえなのじぇ! あのゲスもにんげんもじぇんぶころしてやるのじぇ!」
2人は輝かしい未来に向かって走り続けた。
……。
…………。
「や、やめちぇぇぇぇええ!!」
「ゆべっ! や、やめるの、じぇ、いちゃ、いちゃいのじぇ!」
「こんなもんじゃないよー、こんなはしたがねしかもってこれないクズにようはないからねー!」
一円玉咥えて公園についた二匹は、既に暗くなり寝ていた幹部ちぇんのおうちの乗り込み散々騒いだ。
親を自分を解放しろ、今までのことを謝れ、これからはお前が奴隷だ、と。
寝起きで更に、今日あまあまを少ししか食べられかたったのでイライラしてた幹部ちぇんは即座に尻尾で叩こうとしたが。
二匹は盾にするように、それぞれ一円玉を見せ付けてきた。
そして、これが欲しいなら土下座しろ等と喚き、ちぇんが少年少女に作って貰ったダンボール製のおうちに糞尿を撒き散らしたのだ。
我慢の限界が来たちぇんは、連日の労働及び暴行で突かれきった奴隷ゆっくりたちを集め、街灯の下で公開せいっさいをしていた。
いつの間にか集まったこの公園に住むゲスの群れゆっくりも見に来ていた。
「ほら! まだまだだよー!」
「「ゆ、ゆる、しちぇぇぇぇええ!!」」
成体であるちゃんの尻尾で何度も殴られ転がされ、少年に会ったとき以上にボロボロになったに引きは必死に許しを求めた。
しかし……。
「ゆるすわけないでしょぉおお!!」「ゲスがちゃんのいえでうんうんしたのしってるんだぜ!」
「そんなことしたどれいはせいっさいいがいないでしょぉおおお!!」「でいぶがじきじきにせいっさいしたくらいだよ!」
「「にゃ、にゃんでっぇえぇえええ! れいむ(まりちゃ)はおかねもってるのにぃいいい!!」」
ゲスの群れの怒りの声に、二匹は涙する。
「いちえんだま にまいしかもってこれないくせに、おおきなくちきくんじゃないよー! わかれよー!」
「にゃんでぇ! しょれ、おきゃねしゃんでしょ!? にんげんさんがそういってたよ!」
「もっちぇ、きたにょに、にゃんでなのじぇ!」
二匹はボロボロの身体に鞭打って、声をあげ、正当性を語る。
「うるさいんだよー! これじゃたりないんだよー!」
「「ゆぶべっ!?」」
しかし、帰ってきたのは尻尾のビンタだった。
ついに、餡子を吐き出しながら転がる。
その姿に、集められた奴隷ゆっくりたちは無言で震えていた。
子ゆっくりの中には気絶してるものもいた。
だが、どのゆっくりも二匹を助けようとはしない、自分がせいっさいされたらかなわないから。
「もっと、たくさんひつようなんだよー! わかれよー!」
「「ゆべろぉ!!?」」
その後、ちぇん指導のせいっさいは二匹の友ゆん、その家族まで及び、最終的には13匹のゆっくりが殺された。
ちなみに、二匹の両親は昼間にあまあま食べられなかったゲスゆっくりにサンドバックにされて殺されていた。
こんなのは日常茶飯事、ありふれた悲劇になっていた。
……。
…………。
「むきゅ……おかしいわね、さいきんおかねのあつまりがわるいわ」
数日後、長ぱちゅりーは拠点にしてる公園の倉庫で呟いた。
その前には一円玉が数枚、5円玉が1枚、10円3枚が置かれていた。
それを挟んで、相対するように幹部まりさと幹部ちぇんがいた。
「ど、どれがむのーだからしかたないんだよー」
「ま、まりささまが、また、せ、せいっさいするしかないのぜー」
「…………」
二匹は長ぱちゅりーの言葉にあからさまに動揺していた、そして何か聞かれる前にとそそくさと倉庫から出ていった。
幹部ちゃんと幹部まりさは、それぞれ一づつ公園をぱちゅりーから任され、直属の部下とその公園に住み、奴隷を使いお金や食料を集めていた。
食料については、各自の公園で自由に配布、お金は長ぱちゅりーに渡す、それがルール。
しかし、最近になってお金の集まりが落ちている、否そんなものではない。
今、目の前に置かれてお金のほとんどは長ぱちゅりーが使役する奴隷により集めたものだった。
あの二匹は、申し訳程度に一円玉を一枚づつ持ってきただけだった。
最近ずっとこんな感じである、正確にはあまあまを少年少女から買った日からである。
「むきゅ……どうしてきゅうにあつまらなくなったのかしら」
長ぱちゅりーは困り顔で俯いていた。
そろそろ少年と少女が来る日が近づいていた。
しかし、お金も赤ゆっくりも用意出来ていなかった。
子供を強制的に生ませていたゆっくりたちは、最近のお金の集まりの悪さでイライラして殺してしまったし。
新しく適当な奴隷ゆっくりを補充してはみたけど、日ごろの労働、食糧事情の悪さで子供を作らせると片っ端から養分取られて死んでしまう。
新しい奴隷を捕獲しようとしても、最近は警戒されているのか、他の群れのゆっくりが近くで見当たらなくなってしまった。
少年たちに頼もうとしても、この間のあまあま引き換えにほとんど渡してしまった。
いくら食糧事情がよくなっても、奴隷ありきの生活。
別に長ぱちゅりーたちが優秀に、強くなった訳ではない。
もし、調子に乗って他の群れのテリトリーに乗り込んでしまえば返り討ちになりかねない。
それくらいは長ぱちゅりーでも解っていた。
チラホラ衰弱死する奴隷ゆっくりも増えてきた、物乞いして潰されるゆっくりだって多い。
全盛期の半分以下にまで奴隷ゆっくりは減っているし、今も減り続けている。
ある種生命線である奴隷ゆっくりたちを、ゲスの群れは日々使い潰していた。
どうでも良い理由でせいっさい、八つ当たりでせいっさい、玩具代わりにせいっさい。
どんどん減っていく。
その事実の危うさに薄っすらぱちゅりーは気付き始めていた。
しかし、具体的な案は出ない。
選んだ奴隷ゆっくりにそこそこ上等な食事をさせて子作りでもさせれば良いのに、奴隷にやる食料はないとばかりに考え付かない。
長ぱちゅりーは歯噛みする。
「なんで、どうして ゆっしゅうなぱちぇが こんなに なやまないといけないの……」
お下げで頭を抱えるような仕草をしながら、いつまで同じ台詞を呟いていた。
その外ではゲスの群れのゆっくりによって、貴重な資源である奴隷ゆっくりが今日も潰されていた。
……。
…………。
『あいつは今日はお出かけかー』
週末、いつものように少女を誘いゆっくりの回収に向かおうとしたところ、少女の家は留守だった。
少女の家は片親で、少女が出かければ家は無人になるのでどこかにお使いにでも行ってるのかと思ったが、家の前に石で重石された紙と、ゆっくりの回収ノートが置かれていた。
そこには【今日はお出かけしてきます、ごめんなさい 今日の分は全部あげます】と書いてあった。
そのメモ紙を片手に、少年は公園の道を歩いていた。
長ぱちゅりーの元へ、お金と赤ゆっくりを回収しお仕事をする為に。
といっても、最近は家を作るのもゲスのおっぱらいも頼まれないのでほとんどあまあま代の先払い回収だ。
『今は、金が137円で、ゆっくりを23匹貰ってるんだからー、えっと、あとどれくらいだ?』
少年は少女が残したいって、ゆっくりの回収をメモしたノートを見ながら、頭を抱える。
お金と赤ゆっくりを一緒に貰っているので、計算は訳が解らなくなっている。
その辺りは少女に任せているので、少年は諦めてノートを閉じた。
『ま、さっさと済ませるかな目標までもう少しだし 「まってたのぜにんげんさん!」 ぅおっと!?』
呟いた少年の足元で、いきなり甲高い声がした。
気を抜いていた少年は、大きくよろめいてしまう。
『な、なんだぁ?』
「ゆっ! まりさはまりさだよ! あまあまちょーだいね!」
『はぁ? やだよ、どけよ……ったく』
ゆっくりのゆっくりらしい宣言を聞いて、少年は呆れたように歩き出す。
「ま、まってほしいのぜ! まりさはまりさなのぜ!? おかねさんもちゃんとあるんだぜ!」
『え? 金?』
少年はまりさの言葉に興味をそそられ足を止めて、しゃがみこむ。
その動きに安心したのか、まりさは一呼吸して胸を張るように宣言した。
「ゆふぅ、まりさはかんぶのまりさなのぜ!」
どうやら、このまりさはゲスの群れの幹部まりさらしい。
『お前あれか、ぱちゅりーの部下の』
「そうなのぜ! でも、まりさは あんなむのうのしたに おさまるうつわじゃないのぜ! みるのぜ!」
そう言うと、幹部まりさは自らの帽子からバラバラと小銭た、ゲームコイン、ジュースの王冠などを落とした。
「ぜんぶまりさがあつめたのぜ!」
実際は奴隷ゆっくりが、であるが、幹部まりさが長ぱちゅりーに渡さず貯めこんだものである。。
『へぇ、結構あるな……ん?』
「ゆっへん!」
地面に小銭のみを拾い上げた少年は、自慢げに笑う幹部まりさの帽子からはみ出る何かを見つけた。
『お、これ千円じゃん! すげー』
はみ出ていたのは、多少汚れているが紛れもない千円札だった。
少年はそれを取ると、感動的に日に透かせていた。
「ゆ? そのかみさんがどうかしたのぜ?」
持ってきた幹部まりさは、紙幣を知らなかったのか不思議そうに少年を見ていた。
『あぁ、これはな、えっと、この丸いお金より凄いんだ! これくれんなら、直ぐにクッキー買ってきてやるぞ?』
「ゆゆ!? ほ、ほんとうなのかぜ!!?」
『あぁ、この前と同じくらいで良いんだろ?』
「ゆゆゆゆ!!!」
幹部まりさは以前配られたあまあま、あれが全部自分のものになることにうれしーしーをちょろちょろ漏らしていた。
そして、勝手に自分が世界一優秀なゆっくりだと思い込みだしていた。
そんなまりさの考えなど気付かない少年は『ここで待ってろよ』と告げて、近くのスーパーに走った。
外国製らしい、凄く甘のクッキー一袋67円を3袋買いに。
これをきっかけに、幹部まりさとその部下、それらが支配する群れはゲスの群れから抜けた。
幹部まりさは大量のあまあまを手に主にみょんの群れのゆっくりを引き抜き、瞬く間に一大勢力を気付き上げた。
幹部ちぇんも幹部まりさの群れに加わり、共同でお金を集め出した、あまあまの為に。
以前までは3つの公園、その周辺だけの話であったがゆっくりゆっくりと範囲は広まっていた。
奴隷ゆっくり被害もそうなのだが【おかねであまあまもらえる】ということが野良ゆっくりにとっては衝撃的な事実だった。
幹部まりさが「おかねさんをもってきたら、あまあまとかえてやるんだぜ!」と言い出したのが元であり。
そこからゆっくり的伝言ゲームで情報が歪められ、おかね=あまあまに等しい価値観が蔓延し出した。
お金がどんなものか知らない、手に入ってもどうしたら良いか解らないにも関わらず。
どれだけ賢いゆっくりでも、あまあまの誘惑にはそう簡単に抗えない。
日に日に、街中で何かを求めてウロウロするゆっくりが増えていった。
~続く~