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  • anko3889 きめぇ丸の居場所

ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー

anko3889 きめぇ丸の居場所

最終更新:2011年11月17日 13:12

ankoss

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管理者のみ編集可
『きめぇ丸の居場所』 13KB
観察 飼いゆ 野良ゆ 現代 独自設定 (投稿)やっちゃうよ?やっちゃうよ!?

・これもう(何が書きたかったのか)わかんねぇな…
・感想&批評アニキアリシャス!悪文なのはさ、作者の頭が可哀相って事でもう、いいんじゃない?(小学生並の誤魔化し)










少女の住む家、その裏手にある室外機に繋がるダクトと屋根の隙間は、何時頃からか一頭のきめぇ丸の住居になっていた。
それを最初に見つけたのは少女の父親だが、彼はきめぇ丸を追い立てる事はしなかった。
ゆっくりの生態について少し明るかった彼は、きめぇ丸は人間に対してコミュニケーションを図る事が少ない種である事を知っていたからだ。
市井におけるゆっくりの狼藉を知っていた母親は夫の決断に苦い顔をしたが、
しばらく観察してみればなるほどきめぇ丸はただの鳥と生態に関して大した差が無い事を実感し、
寝床を提供するくらいならと干渉するのを控えるようになった。

「きめぇ丸ー」

両親に反して、少女はその物珍しさからかよく構った。
とはいえ、きめぇ丸がそれに対するリアクションを起こした事は一度も無い。
ふだん少女が声を掛ける機会のある登校時間前から下校時間後までいずこかへと出払っており、
それ以外の時間は狭い暗がりの中でじっと息を潜めて佇んでいるだけである。

「ご飯だよーきめぇ丸ー出ておいでー」

だから少女は週末になると、こうしてきめぇ丸に呼び掛ける。手にある物を見れば野良ゆが目を剥くだろうお菓子の数々が握られていた。
が、暗がりの中の饅頭のシルエットは微動だにしないままだ。すわ死んでいるのではないかと少女が勘違いした事も何度かある。
しかし呼び出された母親が手を伸ばすたびに、ゆっくりらしかぬ速度でひょいとかわして飛び去ってしまうのだから、もはや少女の呼び出しに母が応じる事は無い。

「なんで言う事聞いてくれないのかなあ?ゆっくりってお菓子が好きなんでしょ?」

「こら!」

「うわっ!」

全く反応の無いきめぇ丸を前に訝しむ少女の後ろから、強く咎める母親の声が掛かった。

「野良ゆっくりに餌やるのはやめなさい、って、いつも言ってるでしょうが!」

「野良じゃないよきめぇ丸は。飼ってるんでしょ?」

「そんな訳無いでしょ、勝手に住み着いてるだけ!邪魔にならないから置いてるだけよ」

「おんなじじゃん…」

持っていたお菓子を取り上げられてしまい、恨みがましい目を母親の背に向ける少女。
勝手口が閉じるのを見届けると、またきめぇ丸の潜む暗がりへと視線を戻した。
そこには相変わらず微動だにせず、こちらを何とも思ってなさそうなきめぇ丸のふてぶてしい表情が僅かに見えた。

「おお、うまいうまい…」

翌日、早朝に寝床を後にして、街中へと腹ごしらえに繰り出したきめぇ丸は、
すぐに住宅の壁に張り付いていた蛾を目ざとく捕らえ朝食としていた。
住人の顔も知らないおうちのベランダを借りているのは、自らを捕食しようとする存在から逃れる確率を少しでも上げる為である。
ふと、きめぇ丸は公道を見下ろした。

「ゆぶぎ、ゆぎぎぎぎぎ……」

「ゆ!がんばってねまりさ!もうすこしでやぶれるよ!そしたらいっぱいごはんさんをむーしゃむーしゃできるよおお!」

二頭のゆっくりが、朝食にありつく為だろうかゴミ集積所で尽力している姿があった。
二頭は今、どんな気持ちでビニールに包まれた生ゴミと戦っているのだろうか。
いっぱいごはんをむーしゃむーしゃして、しあわせーな気分になる為か。
それとも、ああするしか生きる方法が他に無い為か。
それともその両方で、あの生ゴミをむーしゃむーしゃしてしあわせーな気分にならなければ生きていけないと考えているからなのか。
いずれにしても、あまり頭の良いゆっくりでは無いだろう事はきめぇ丸にも想像はついた。

「ゆぐぎいいいいいいっっ!!ゆふぅ、ゆふぅ、や、やったよ…!やぶれたよ…!いっぱいむーしゃむーしゃするよ…!」

「やったよ!やったよまりさ!ごはんさんいっぱいだよおおおおぶぢゅ!?」

「………ゆ?」

まりさは、希望が開けた矢先に眼前で餡子の染みとなってゆん生を終えたれいむを見て、思考が停止した。
なぜ?どうして?なんでれいむはずっとゆっくりしちゃってるの?
それを見下ろしている青年は、忌々しげな表情のまま、足を再び持ち上げた。
そしてまりさはようやく、全てを悟った。何もかもがゆっくりし過ぎていたまりさは、眼前に迫る青年の靴底を見ながら涙を流した。

「もっとゆっくりしたk」

今際の言葉も語り終えられずに、まりさのゆん生は幕を閉じた。

「ちっ」

がりがりと靴底の餡子をアスファルトに擦り付けながら、青年はもう一つ持ってきていた空のゴミ袋に二頭の死骸をトングで放り込んだ。

「おお、こわいこわい…」

始終を見ていたきめぇ丸は、ふるふると顔を振動させる。
人間と深く関わってはいけない。人間に深く立ち入らせてはいけない。それはきめぇ丸の餡子深くへと刻まれた本能である。
他のゆっくりと違って並の鳥くらいには敏捷で、容易くその手から逃れられる事は出来るきめぇ丸だが、
決してかれらは侮ってはいけないし、許してもいけない存在であると強く認識していた。
それはこのきめぇ丸だけの本能であるのか、それともきめぇ丸という種全体の特徴たる知性の高さに由来するものなのかは判別する事は出来ない。
ともかく、きめぇ丸はこの街で生きていた。
関わってもいい距離と、立ち入らせてはいけない距離を保ちながら、今日もきめぇ丸はダクトと屋根の間で佇んでいた。

「ゆっくりしていってね!」

「はい、ゆっくりしていってね、まりさ」

少女のきめぇ丸に対する一方通行な思い入れは、親にせがんで飼いゆっくりを購入させる事でひとまず鳴りを潜める運びとなった。
しかし、何しろ購入したのは銀バッヂとはいえまりさ種なのだから、母親が眉を顰めるのも仕方ない。
夫に対して憂慮する心中を漏らすのも、当然である。

「ま…責任とって面倒見る、って言うんだからね」

「でも、甘やかすとすぐ付け上がるって言うじゃないの。野良のみたいなのになったら…」

「だからだよ」

「え?」

「幻想なんて直に触れれば消えてしまうものなんだよ。餡子の詰まった饅頭相手ならなおさら…」

「そんなの…」

「そうならなければ、それで良しって事じゃないか」

自分の夫の、酷薄とも言える計算高さに、母親はわずかに嫌悪を抱いた。しかし、娘の為を思えばという考えも等しくあった。
「ちゃんと責任とるから」
その言葉の重みを、愛する娘が理解する事は決して悪しようにはならないだろう、と。
少女はまりさの面倒をよく見た。
やがて暗がりに潜むきめぇ丸に声を掛ける事も無くなった。
もちろん、それだからと言ってきめぇ丸のライフサイクルに何らかの影響がある筈も無く、
きめぇ丸はいつものように日の出に出かけ、日の入りに帰るのを繰り返す毎日を過ごしていた。
そんなある日、相変わらずダクトの上でじっとしていたきめぇ丸は、家の中から響く声を暗がりの中で聞く機会にあずかった。

「ゆふんっ、おねーさん、まりさおなかすいたよ!はやくごはんもってきてね!」

「はぁ…まりさ、おやつはさっきあげたでしょ。今日のご飯は晩御飯だけだよ。わかるでしょ?」

「な゙に゙い゙っでる゙の゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!?!?
 あれだけでたりるわけないでしょおおおおおおおおおおお!!!??
 まりさのおかげでおねーさんはゆっくりできてるんだから、
 もっとまりさをゆっくりさせなきゃだめでしょおおおおおおおおおおおおおお!!?!??」

「もお…なんでこうなっちゃったの…あんなに良い子だったのに…」

少女は泣きたくなった。普通、こうした子供の我侭で買われてきたペットの面倒とは、子供の監督不行き届きの尻拭いを親がするのが常である。
だが、このまりさの場合はそれが一切無かった。
まりさの躾はすべて少女が行い、まりさの行動の後始末もすべて少女が行う。それが父親の提示した条件だった。
少女は容易い事だと思った。種が違えど所詮同じゆっくり、少し能動的に動くようになったきめぇ丸程度の代物だと思っていたのだ。
決められた食事の時間以外にもお菓子を与え、多少の横柄さともとれる振る舞いも可愛い我侭のうちだと許容した。
果たして銀バッヂのまりさは、見事に自分と人間の力関係を勘違いした、典型的なゆっくりと成り果てた。

「それとねえ!まりさ、この前また遊んでて食器割ったでしょ?おもちゃならここにあるんだから、家のもので遊ばないで!
 お母さんに怒られるのは私なのに、何で何度も同じ事繰り返すのよ!
 このままわがままばっかり言ってたら、あんた、捨てちゃうわよ。分かってるの?」

「ゆへっ、おねーさんはほんとうはそんなことしないよ!こんなにゆっくりしてるまりさがすてられるわけないよ!」

少女とまりさの間で交わされる不毛な会話は、きめぇ丸に自らの立場を再考させる一助となった。
少女がまりさに怒り、悲しんでいるのは、まりさの不始末の責を自分が負うから、という理由だけではないのだろう。
少女はまりさが自分を裏切った、と思っているのだ。
まりさは少女に飼われている。それは、まりさが少女の所有物であるという事だ。まりさが認めるか如何にかかわらず、少女にとってはそうなのだ。
だから少女は失望するのだ。自分の一部となった物が自分の意にそぐわない行動をとる。それが耐え難い事だと感じる。

まりさの居場所は、少女の暮らすこの家ではなく、少女の心の中にこそ存在するのだ。

きめぇ丸は生まれてからそれ程長く生きている訳ではないが、人間の最たる奇特さとはまさにこの点だと思っていた。
人間は、実際に存在する物と、その人自身にしか触れる事の出来ない、心という概念に等しく重きを置いている。
そこにあるだけの物と、自分の心の中に居場所を作った物とでは、価値がまったく違うものとみなすのである。
だから、きめぇ丸は、少女との同化を拒否した。施しを受け入れられる機はあったのに、だ。
それは野生の矜持などではなく、純粋な打算に他ならない。
人間は物質的な損得だけで動く生き物ではないから。自分の心に居場所を与えた相手に、そこを汚される事を強く嫌うから。

きめぇ丸の居場所は、今ここにある暗がり以外に存在しないのだ。

それは、この暗がりが無くなろうとも、この街のどこへでも飛んで行けるきめぇ丸だからこそ思い至れる理屈なのだろう。
そしてきめぇ丸は、その新たな住処で今と変わらない生活を送るのに違いない。
だが、疎まれ、屠られ、甚振られ、それでもなお地を這い生にしがみつくこの街のゆっくり達を見てきたきめぇ丸は、ひそかな望みを抱いていた。
それはきめぇ丸一頭だけでは決して叶えられないものだが、それほど悲観的な望みだとは思っていなかった。


「はあー。あのまりさもあんたみたいに大人しければいいのにねえ」

きめぇ丸が腹ごしらえをする時は、自らを付け狙う空の住人達から逃れるために、人間のテリトリーで獲物を探す。
歩道を人の手の僅かに届かない高さで浮遊する姿は奇異のまなざしを集めるが、あからさまに排除しようと働きかける者は居ない。
彼らが嫌悪するのは路地裏に蠢き、廃棄物を荒らす饅頭達であって、建造物の隅に張り付く虫達を食む奇妙な鳥もどきなど歯牙にもかけない存在だ。
今日もそこでの狩りを終え自分の居場所へ戻って来たきめぇ丸は、その場に居た母親による返答を期待していない愚痴を聞かされている。

「バッヂなんて言っても、所詮あんなものよね…まぁ…しょうがないわよね…」

あれから数日、まりさの態度に改善の見込みは無い。
少女の必死の躾もむなしく、昨日における狼藉は遂に母親による最後通告を引き出させた。

『またやったわね!ちゃんと躾けてるの?全然変わらないじゃないの!!』

『う、ちゃ、ちゃんと言ってるよ。でも…まりさ!やっちゃ駄目って何度言ったらわかんのよ!
 あと!こういう事したらきちんと謝るって、教えてるでしょ!?』

『ゆぷぷぷ、おねーさんもおばさんもぜんぜんゆっくりしてないのぜ。まりさはあやまるようなことなんてしてないのぜ』

『こいつっ!』

『待って、待ってお母さん…あと一回だけ!一回だけ!お願い…』

『…次はないからね』

もちろん、本気の怒りをぶつけたわけではなかった。最初からこうなるのは予想できた事なのだ。
わかってて放置したのである。罪悪感を感じない筈は無い。
しかし、母親はまりさの事を娘より可愛いとは思わなかったし、これからも思える事は無いだろうと確信していた。
それは、子供が縁日で取ってきた金魚に対して母親が抱く感情と同じだった。
ただそれに比べて少し煩く、癇に障る饅頭。母親にとってのまりさはその程度の存在だった。

母親の心の中に、まりさの居場所など最初から無かった。

結局夫の想定どおりになってしまっているのは少し気に食わなかったものの、何かを覆そうという気など毛頭無い。
精々、事の済んだ後には娘のサンドバッグ役を引き受けてくれればいいと考えていた。

「ま…あんたに言ってもしょうがないか」

肩をすくめながら母親は、勝手口の方へ戻っていった。
きめぇ丸は相変わらず、暗がりの中でじっと佇んでいた。


「ゆっふふ~ん、きょうはおでかけなのぜ!こんなにゆっくりしてるまりさはもっとひろいせかいでけんしきをひろめるべきなのぜ!
 そんなこともいままでわからなかったおねえさんはおばかなのぜ!ちっともゆっくりしてないのぜ!」

「…」

「おねえさんきいてるのぜ?みみがばかになっちゃってないのならさっさとこのせまいかごからだすのぜ!
 こんなせまくるしいばしょはゆっくりしてるまりさにはにあわないのぜ!」

「うん…もうちょっとだけ…我慢してね…まりさ…」

「ゆふん!おねえさんはいっつもそうなのぜ!まりさはいっぱいおねえさんをゆっくりさせてあげてるのに、
 まりさのことをぜんぜんゆっくりさせてくれないのぜ!おねえさんはどうしようもないおんしらずのおばかさんなのぜ!
 こんかいだけはゆるしてあげるけど、こんどまりさのことをおこらせたらせいさいなのぜ!」

「…」

少女はもはやまりさの言葉に応答する事は無かった。
何も言わないまま、ケージを抱えて車に乗り込むのを見届けた父親は、アクセルを踏んだ。


「おお、つかれたつかれた…」

肌を茜色に照らされたきめぇ丸はその日も暗がりへと戻って来た。
何も変わらない日々。きめぇ丸はそれに格別な不満も無かった。
しかし、それは前触れ無く唐突に終わる。
それはきめぇ丸の小さな望みが叶う時だった。

「あー!あー!」

「!」

「あー!あー!あー!」

西の空から響く奇妙な鳴き声。それを聞いたきめぇ丸は弾かれたように暗がりから抜け出て、屋根の上から夕日の方角を見やった。

「おお…」

きめぇ丸は、嘆息した。
そこには、空飛ぶ饅頭の奇妙なシルエットが、数十頭もの編隊を成していた。
空に在っては捕食者として地位の低いきめぇ丸だが、だからこそ数の力の持つ意味を知っている。
若く力の足りない個体達は、群れて互いの安全を保障しあうのだ。

きめぇ丸が一頭で生きるのを悪しく思っていなかったのは確かな事だ。
だがその事と、自身の望みを捨てるかどうかという事は、まったく別の事だ。
きめぇ丸は、わき目もふらずに飛び立った。

「あ…」

少女はガレージからそれを見た。後ろには、車を降りた父親と母親が控えていた。
少女が言葉を口にする間も無く、それに手を伸ばす暇すら与えられないまま、
きめぇ丸は、そこを目指して飛び去った。
今まで暮らしていた、自分の居場所を振り返る事無く。
今まで抱いていた、ほんのささやかな望みを得る為に。
もしも最初に、少女とその家族が、その暗がりからきめぇ丸を追い立てようとしていれば、きめぇ丸はそれに従ったに違いない。
しかし、そうはならなかった。
そして、きめぇ丸はかつての居場所に、何も残す事は無かった。

きめぇ丸は、去って行った。
新たな、自分の居場所へと。

少女は何も言わずに、それを見つめていた。
やがてその影が、沢山の空飛ぶ饅頭達の一粒に埋没して、夕日に照らされる街を後にするまで。
母親と父親も、何も言わずにそれを見つめていた。


「ただいまーっ」

学校から帰って来た少女は、家の扉を開けようとすると、そのまま立ち止まった。
そしてしばらくすると、その場を離れ、家の裏手へと歩を進める。
少女は、そこで足を止めると、視線を上へと向けた。
室外機へと繋がるダクトと屋根の間にある、小さな隙間。

「…」

その暗がりには、何も無かった。まるで、家の建った時から、今に至るまで何も無かったかのように、ただ暗がりがあるだけだった。
少女はしばらくそれを見つめていたが、やがて振り返ると玄関へと戻っていった。


夕日の入らない暗がりは相変わらず、ただそこにあるだけだった。
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