ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4286 まりさは飼われゆっくり4
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『まりさは飼われゆっくり4』 32KB
虐待 観察 育児 家族崩壊 飼いゆ 赤ゆ 現代 失礼します
虐待 観察 育児 家族崩壊 飼いゆ 赤ゆ 現代 失礼します
※「anko4273 まりさは飼われゆっくり3」の続きです。anko4266, 4272から続けて読んでいただけると幸いです。
※観察系虐待です
※観察系虐待です
玄関脇の箱がなくなり、野良ゆっくり一家がやってきたことを示す痕跡が何もなくなってからも、まりさは酷く塞ぎこんでいた。
1日のほとんどをゆっくりハウスに頭を突っ込んだまま過ごし、楽しいおもちゃにもお庭が見える窓際にも近寄らない。
最低限のゆっくりフードしか口にせず、ほとんどうんうんもしないし、故にシャワーさんを浴びることも遠慮する。
お兄さんが根気良くお外に行こう一緒に遊ぼうと誘っても、「ゆぅ……」とだけ呟いてもそもそとハウスの奥に引き篭もってしまう始末。
こうなってしまうと喋らぬ動かぬただの饅頭、いわゆる廃ゆんとすら呼べるような有様である。
ハウスの入り口からはみ出ている、僅かにうんうんのこびり付いたまりさのあにゃるを見下ろしながら、お兄さんは「ふぅ……」とため息をついた。
1日のほとんどをゆっくりハウスに頭を突っ込んだまま過ごし、楽しいおもちゃにもお庭が見える窓際にも近寄らない。
最低限のゆっくりフードしか口にせず、ほとんどうんうんもしないし、故にシャワーさんを浴びることも遠慮する。
お兄さんが根気良くお外に行こう一緒に遊ぼうと誘っても、「ゆぅ……」とだけ呟いてもそもそとハウスの奥に引き篭もってしまう始末。
こうなってしまうと喋らぬ動かぬただの饅頭、いわゆる廃ゆんとすら呼べるような有様である。
ハウスの入り口からはみ出ている、僅かにうんうんのこびり付いたまりさのあにゃるを見下ろしながら、お兄さんは「ふぅ……」とため息をついた。
結論から言って、先日お兄さんのお庭に侵入した野良ゆっくり一家は、まりさが同情するに値する、野良にしては極めて善良な類のものだった。
何かしら飼い主と問題を起こして捨てられた元愛玩ゆに、身の丈に合わないしあわせー!を求めて山から下りてきた野生ゆが加わって成り立っている野良ゆコロニーは、基本的に自分勝手で思い込みが激しく、餡子脳傾向・ゲス傾向が高い。
元愛玩ゆにとっては少し跳ねたり這ったりするだけですぐにゆっくりできなくなる硬い地面さん。
森と異なり極端に少ないご飯さん。同じく安定的な供給など望めるはずもないお水さん。
雨風から身を守ってくれるまともなおうちもなく、人や車やその他の動物から徹底的に排斥される毎日。
そんなゆっくりできない環境の中では、たとえかつて飼いゆだったころやお山のゆっくりプレイスにいたころに”善良”なように見えていたゆっくりでも、容易く本来の甘ちゃんで極めて自己中心的な性質が露呈されるのだ。
何かしら飼い主と問題を起こして捨てられた元愛玩ゆに、身の丈に合わないしあわせー!を求めて山から下りてきた野生ゆが加わって成り立っている野良ゆコロニーは、基本的に自分勝手で思い込みが激しく、餡子脳傾向・ゲス傾向が高い。
元愛玩ゆにとっては少し跳ねたり這ったりするだけですぐにゆっくりできなくなる硬い地面さん。
森と異なり極端に少ないご飯さん。同じく安定的な供給など望めるはずもないお水さん。
雨風から身を守ってくれるまともなおうちもなく、人や車やその他の動物から徹底的に排斥される毎日。
そんなゆっくりできない環境の中では、たとえかつて飼いゆだったころやお山のゆっくりプレイスにいたころに”善良”なように見えていたゆっくりでも、容易く本来の甘ちゃんで極めて自己中心的な性質が露呈されるのだ。
絵本やTV番組やペット雑誌に描かれるような、孤独を嫌い、家族や群れの仲間と一緒に”ゆっくりする”ことを何よりの至上命題とする牧歌的な姿をゆっくり生来の生き方だと認識している人は多いが、それはいわば商業的なゆっくり業界が作り上げた、限られた条件でのみ成り立つ幻想である。
何はともあれ自分がゆっくりしていなければ始まらないのがゆっくりであり、不足しているしあわせー!を得るためなら、徹底的に駄々をこね、同胞だろうが生みの親だろうが実の子だろうが構わず裏切り、切り捨て、適当な言い訳をつけて制裁する。
辛い生活でも家族や仲間がいれば……といったゆー饅ドラマはお涙頂戴のヒューマンドラマと同じく、多くが創作の中だけの話。
まともなエサを取って来れない夫と、あってもなくても変わらない程度のおうちの留守番をする妻が互いに罵りあう。
都合のいい遺餡子の追憶や刹那的な快楽を求めてすっきりー!した結果として生えてくる小うるさいだけのうんうん製造機は飽きた頃に潰されるか食われる。
極限状態の中でも紛いなりに助け合いの精神を見せていたあの一家の方が、全体から見れば異端なのだ。
何はともあれ自分がゆっくりしていなければ始まらないのがゆっくりであり、不足しているしあわせー!を得るためなら、徹底的に駄々をこね、同胞だろうが生みの親だろうが実の子だろうが構わず裏切り、切り捨て、適当な言い訳をつけて制裁する。
辛い生活でも家族や仲間がいれば……といったゆー饅ドラマはお涙頂戴のヒューマンドラマと同じく、多くが創作の中だけの話。
まともなエサを取って来れない夫と、あってもなくても変わらない程度のおうちの留守番をする妻が互いに罵りあう。
都合のいい遺餡子の追憶や刹那的な快楽を求めてすっきりー!した結果として生えてくる小うるさいだけのうんうん製造機は飽きた頃に潰されるか食われる。
極限状態の中でも紛いなりに助け合いの精神を見せていたあの一家の方が、全体から見れば異端なのだ。
そして、そんな殊勝な同胞が非業の死を遂げたのを目の当たりにして心に大きなダメージを受けてしまったまりさも、やはりその異端の中に含まれる。
野良ゆっくりさんはお空のゆっくりプレイスに旅立ったんだね!ゆん国でゆっくりしていってね!
あるいは
ゆぁ~ん?あんなゆっくりしてない奴らは死んで当然なのぜぇ!しあわせー!は選ばれたゆっくりのものなのぜ!
といった耳障りの良い解釈を持ち出して罪悪感を葬り去り、今ここでゆっくりしている自分はとりあえずこのままゆっくりする。
これが一般的な"善良"飼いゆだろう。
野良ゆっくりさんはお空のゆっくりプレイスに旅立ったんだね!ゆん国でゆっくりしていってね!
あるいは
ゆぁ~ん?あんなゆっくりしてない奴らは死んで当然なのぜぇ!しあわせー!は選ばれたゆっくりのものなのぜ!
といった耳障りの良い解釈を持ち出して罪悪感を葬り去り、今ここでゆっくりしている自分はとりあえずこのままゆっくりする。
これが一般的な"善良"飼いゆだろう。
赤の他ゆんの喪に服すように、今まで享受してきたしあわせー!を拒絶しているかにも見えるまりさは、高級まりさの名に相応しく堅実な想像力を備え、感情移入能力が高いのだ。
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「ゆぁっ……」
何日か経って、ある時まりさはお兄さんに両手で掴まれ、ハウスの中から引きずり出された。
それは決して乱暴な動作ではなかったものの、その時点でほぼゆっくりハウスと柵の中だけで生活を完結させるようになっていたまりさは、ドキッとした。
それは決して乱暴な動作ではなかったものの、その時点でほぼゆっくりハウスと柵の中だけで生活を完結させるようになっていたまりさは、ドキッとした。
もしかして……自分はこれからお兄さんに叱られるのではないだろうか。
今朝も「ご飯さんだよっ」と薄甘く温かい牛乳さんに浸けられたゆっくりフードを持ってきてくれたように、毎日甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるお兄さんにまりさはずっと甘えてしまっていたが、本来自分とお兄さんの関係はペットと飼い主。
ブリーダーお姉さんに教わってきたとおり、飼いゆっくりは飼い主さんをゆっくりさせるのが仕事である。
ここ数日は遊びの誘いもすべて無下に断ってきたし、不貞腐れたような顔でニートさんをしていた自分はきっとゆっくりできないゆっくりであっただろう。
今朝も「ご飯さんだよっ」と薄甘く温かい牛乳さんに浸けられたゆっくりフードを持ってきてくれたように、毎日甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるお兄さんにまりさはずっと甘えてしまっていたが、本来自分とお兄さんの関係はペットと飼い主。
ブリーダーお姉さんに教わってきたとおり、飼いゆっくりは飼い主さんをゆっくりさせるのが仕事である。
ここ数日は遊びの誘いもすべて無下に断ってきたし、不貞腐れたような顔でニートさんをしていた自分はきっとゆっくりできないゆっくりであっただろう。
「はい、ちょっとここで待っててね」
「ゆ、ゆぅ……」
「ゆ、ゆぅ……」
テーブルの上に乗せられたまりさ。
ふいっと席をはずしたお兄さんの足音が地下室に降りていく。
ふいっと席をはずしたお兄さんの足音が地下室に降りていく。
お兄さんを待つ間、テーブルの上という逃げ場のない状況に若干のゆっくりできなさを感じながら、まりさは考えた。
お兄さんにゆっくり謝ろう。
自分がゆっくりできていないからといって、お兄さんまでゆっくりできなくさせるのは飼いゆっくりとして失格だ。
野良ゆっくりがゆっくりできていないことに涙しておきながら、一方では自分自身が大好きなお兄さんをゆっくりさせてあげられていない。
全く餡子脳もいいところである。何故自分はこんな基本的なことを忘れてしまっていたのか。
お兄さんにゆっくり謝ろう。
自分がゆっくりできていないからといって、お兄さんまでゆっくりできなくさせるのは飼いゆっくりとして失格だ。
野良ゆっくりがゆっくりできていないことに涙しておきながら、一方では自分自身が大好きなお兄さんをゆっくりさせてあげられていない。
全く餡子脳もいいところである。何故自分はこんな基本的なことを忘れてしまっていたのか。
お兄さんに対する申し訳なさが急速に意識される一方で、まりさは不思議と心が落ち着くのを感じた。
そうだ、自分は飼いゆっくりだ。
それもブリーダーお姉さん曰く、高級で特別優秀なスーパー飼いゆっくりらしい。
自然公園の野良おちびちゃんや、街中の野良家族をゆっくりさせる力はないが、飼い主のお兄さんをゆっくりさせてあげることは出来るし、それが自分の使命である。
そう思うと、ぽーかぽーか温かな充実感が餡子の底から湧き上がってくる。
そうだ、自分は飼いゆっくりだ。
それもブリーダーお姉さん曰く、高級で特別優秀なスーパー飼いゆっくりらしい。
自然公園の野良おちびちゃんや、街中の野良家族をゆっくりさせる力はないが、飼い主のお兄さんをゆっくりさせてあげることは出来るし、それが自分の使命である。
そう思うと、ぽーかぽーか温かな充実感が餡子の底から湧き上がってくる。
まりさは胸を張って、戻ってきたお兄さんを出迎えた。
「ゆんっ!おにーさん、いままで ゆっくりごめんなさいっ!」
「おっと、いきなり何だい、まりさ」
「まりさ、ずっとおうちにこもってばっかりで、おにーさんをぜんっぜんゆっくりさせてあげられてなかったよっ!
ゆっくりしてないわるいこだったよっ!ごめんなさいっ!」
「おっと、いきなり何だい、まりさ」
「まりさ、ずっとおうちにこもってばっかりで、おにーさんをぜんっぜんゆっくりさせてあげられてなかったよっ!
ゆっくりしてないわるいこだったよっ!ごめんなさいっ!」
お兄さんはまりさの言葉を聞いて僅かに微笑みながら、テーブルの席に座り、まりさを真っ直ぐに見据えた。
身を屈めて視線を合わせてくれるお兄さんに、まりさは嬉しくなり、言葉を続ける。
身を屈めて視線を合わせてくれるお兄さんに、まりさは嬉しくなり、言葉を続ける。
「まりさ、はんっせい!したよっ!これからは ちゃんとおにーさんをゆっくりさせるよっ!
ゆゆんっ……おにーさん!ゆっくりしていってねぇっ!!」
「うん、ありがとう。ゆっくりしていってね。でもまりさ、勘違いだね。
今日まりさに出てきてもらったのは、そういうわけじゃないんだ」
「ゆ、ゆんっ……?」
ゆゆんっ……おにーさん!ゆっくりしていってねぇっ!!」
「うん、ありがとう。ゆっくりしていってね。でもまりさ、勘違いだね。
今日まりさに出てきてもらったのは、そういうわけじゃないんだ」
「ゆ、ゆんっ……?」
思えば数日振りになる挨拶、それも渾身のゆっくりを込めた元気な挨拶を存外さらっと流されて、まりさは肩透かしを食らった気分になった。
が、何はともあれお兄さんは挨拶に応えてくれたし、いつもと変わらず笑っている。
まりさが心配したように、怒っているわけではないようだが……
が、何はともあれお兄さんは挨拶に応えてくれたし、いつもと変わらず笑っている。
まりさが心配したように、怒っているわけではないようだが……
「まりさ、君は他ゆんや他人をゆっくりさせてあげられないと、ゆっくりできないんだろう?
君のお父さんもそうだったし、そのお父さん、お父さんのお父さんのお父さんもそうだった。
君はみんなのために頑張れる英雄……”英ゆんまりさ”の餡系なんだよ」
「ゆ、ゆぅぅう……?」
「まあ難しいことはともかく。僕の可愛いまりさがゆっくりできてないのは困るからね。
まりさ、おちびちゃんを作ってみないかい?
おとーさんになって、おちびちゃんたちをゆっくりさせてみないかい?」
「ゆっ!?」
君のお父さんもそうだったし、そのお父さん、お父さんのお父さんのお父さんもそうだった。
君はみんなのために頑張れる英雄……”英ゆんまりさ”の餡系なんだよ」
「ゆ、ゆぅぅう……?」
「まあ難しいことはともかく。僕の可愛いまりさがゆっくりできてないのは困るからね。
まりさ、おちびちゃんを作ってみないかい?
おとーさんになって、おちびちゃんたちをゆっくりさせてみないかい?」
「ゆっ!?」
おちびちゃん。
久しく忘れていたその響きに原初の記憶が呼び起こされ、遺餡子がおちびちゃんはとってもかわいいんだよ!と叫ぶ。
自分にそっくりの小さな存在が、ゆきゃいゆきゃいと笑いながら、すーりすーりを求めてくる様。
最強の自分が狩って来た豪勢なご飯さんを前に涎を垂らし、きらきらとした尊敬の眼差しを注いでくる様。
かつて自分もそうであったおちびちゃんの可愛い姿が思い描かれる。
そして何より、偉大な父の姿がついにこの身に当てはめられることにこの上ない栄誉が予感され、まりさは震えた。
久しく忘れていたその響きに原初の記憶が呼び起こされ、遺餡子がおちびちゃんはとってもかわいいんだよ!と叫ぶ。
自分にそっくりの小さな存在が、ゆきゃいゆきゃいと笑いながら、すーりすーりを求めてくる様。
最強の自分が狩って来た豪勢なご飯さんを前に涎を垂らし、きらきらとした尊敬の眼差しを注いでくる様。
かつて自分もそうであったおちびちゃんの可愛い姿が思い描かれる。
そして何より、偉大な父の姿がついにこの身に当てはめられることにこの上ない栄誉が予感され、まりさは震えた。
「ゆわぁ、ゆわああぁぁ……!!い、いいのっ……?ほんっとうに、いいのぉ!?おにーさんっ!」
おちびちゃんを作ってはいけないというのは、高級ゆっくりなら誰でも餡の髄まで、それこそ餡統を調節されてまで叩き込まれている鉄則である。
それを意にも介さず、子作りを許可してくれるお兄さんは何て寛大なのだろう!
それを意にも介さず、子作りを許可してくれるお兄さんは何て寛大なのだろう!
「まりさが嫌じゃなければね。ほら、これを見て」
「ゆゆー?」
「ゆゆー?」
お兄さんがまりさの目の前に、ぷーすぷーすさんの付いた筒を置く。
透明な筒の中は、薄っすらと白が混じった餡子色の流動体で満たされているようだった。
透明な筒の中は、薄っすらと白が混じった餡子色の流動体で満たされているようだった。
「お嫁さんをもらってきて、番にしてあげられるわけじゃない。
このおちびちゃんが生まれてくるお薬を注射して、まりさにしんぐるふぁざーになってもらう方法なんだけど、大丈夫かな?」
「ゆゆんっ!いいよっ!!まりさ、ぜんっぜん きにしないよっ!おちびちゃんをつくろうねぇっ!!」
このおちびちゃんが生まれてくるお薬を注射して、まりさにしんぐるふぁざーになってもらう方法なんだけど、大丈夫かな?」
「ゆゆんっ!いいよっ!!まりさ、ぜんっぜん きにしないよっ!おちびちゃんをつくろうねぇっ!!」
期待の余り、ゆあーんゆよーんと体の上部を大きく揺らす。
お兄さんは「じゃあ早速」とぷーすぷーすさんを手に取り、まりさの額に近づけた。
お兄さんは「じゃあ早速」とぷーすぷーすさんを手に取り、まりさの額に近づけた。
「ゆびぃいいっ!!」
「はいはい、我慢してね」
「はいはい、我慢してね」
瞬間、想像もしなかったような鋭敏な痛みがまりさを襲った。
「いたいよぉぉ!!ちーくちーくするよぉぉお!!おにーさん、たすけてえええ!!」
「頑張って、まりさ。お薬が入っていきますよー、はい、ちゅーっとな」
「ゆぇぇ、ゆえええんん!!ゆぁ……?ゆ、ゆあ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「頑張って、まりさ。お薬が入っていきますよー、はい、ちゅーっとな」
「ゆぇぇ、ゆえええんん!!ゆぁ……?ゆ、ゆあ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
透明な筒の中に入ったお薬が注入され、まりさの額の餡子を圧迫し、掻き乱す。
皮の下を虫が這いずり回っているような鈍く強い痛みとゆっくりできない異物感。
今まで肉体的な苦痛を一切味わってこなかったまりさは、眉をひそめ、赤ゆっくりのように泣きじゃくった。
皮の下を虫が這いずり回っているような鈍く強い痛みとゆっくりできない異物感。
今まで肉体的な苦痛を一切味わってこなかったまりさは、眉をひそめ、赤ゆっくりのように泣きじゃくった。
お兄さんはお薬を入れ終わると、指でまりさの涙を拭い、ぷしゃ!と漏れ出たしーしーをティッシュさんで拭き取った。
縋るような責めるような上目遣いでお兄さんを見上げるまりさにそっと手を伸ばし、優しく撫でてくれる。
そうしていると、見る見るうちにまりさの額から茎が伸び、たくさんの実ゆっくりおちびちゃんが生った。
一転ぱあああ!と顔を明るくするまりさに、少し前までの陰鬱な雰囲気はない。
縋るような責めるような上目遣いでお兄さんを見上げるまりさにそっと手を伸ばし、優しく撫でてくれる。
そうしていると、見る見るうちにまりさの額から茎が伸び、たくさんの実ゆっくりおちびちゃんが生った。
一転ぱあああ!と顔を明るくするまりさに、少し前までの陰鬱な雰囲気はない。
「ゆわあぁぁ……!!ゆ、ゆっくりぃっ!!おにーさんっ!これ みてええええ!!」
「うん、この子たちがまりさのおちびちゃんになるんだよ。可愛いおちびちゃんでゆっくりしていってね、"おとーさん"?」
「ゆんっ!ゆゆんっ!!ゆっくりするよっ!おにーさんも、ゆっくりしていってねえ!!」
「うん、この子たちがまりさのおちびちゃんになるんだよ。可愛いおちびちゃんでゆっくりしていってね、"おとーさん"?」
「ゆんっ!ゆゆんっ!!ゆっくりするよっ!おにーさんも、ゆっくりしていってねえ!!」
ゆーらゆーら揺れるおちびちゃんたちを見上げながら、まりさは涙ながらに感嘆の声を上げた。
茎に付いているのは、まりさにそっくりの小さな実まりちゃがたくさんと、かつてゆっくり牧場にいた頃のはつこいっ!相手だったれいむに似た、これまたたくさんの実れいみゅ。
あんなにちっちゃい体なのに、しっかりと息づき、わずかに上下しながらゆっくりと動いている。
その尊い尊い小さな命の輝きに、まりさの胸はQNQNと心地よく痛んだ。
おちびちゃんたちは自分の下で元気にぐんぐんと育っていき、いずれ立派に巣立っていくだろう。
その過程のあらゆる出来事を思い浮かべ、おとーさんになるまりさは餡子が芯からぽーかぽーか温まってくるのを感じた。
ああ、これでやっとしあわせー!になれる。
茎に付いているのは、まりさにそっくりの小さな実まりちゃがたくさんと、かつてゆっくり牧場にいた頃のはつこいっ!相手だったれいむに似た、これまたたくさんの実れいみゅ。
あんなにちっちゃい体なのに、しっかりと息づき、わずかに上下しながらゆっくりと動いている。
その尊い尊い小さな命の輝きに、まりさの胸はQNQNと心地よく痛んだ。
おちびちゃんたちは自分の下で元気にぐんぐんと育っていき、いずれ立派に巣立っていくだろう。
その過程のあらゆる出来事を思い浮かべ、おとーさんになるまりさは餡子が芯からぽーかぽーか温まってくるのを感じた。
ああ、これでやっとしあわせー!になれる。
この時のまりさは、未だそう思っていた。
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親となり、守るべきモノが出来たまりさのしあわせー!な充実感は、しばらく続いた。
元気を取り戻したまりさは、額の茎で眠るおちびちゃんにたくさんの栄養がいくよう、もりもりご飯を食べるようになった。
身体の餡子が固まって茎に送る餡流が悪くならないよう、おちびちゃんたちが揺れ落ちないように気を使いながら、おうちの中をずーりずーりと飽きずに這いずり回って運動もする。
胎教ならぬ茎教として、夜はおとーさん自らの声で子守唄を歌い、ゆっくり生まれてきてねっ!と優しく語りかけた。
当然、飼い主たるお兄さんとの会話やスキンシップも以前のように活発なものになる。
可愛い実ゆっくりたちを共に見守る中で、まりさもお兄さんも笑顔が絶えなかった。
元気を取り戻したまりさは、額の茎で眠るおちびちゃんにたくさんの栄養がいくよう、もりもりご飯を食べるようになった。
身体の餡子が固まって茎に送る餡流が悪くならないよう、おちびちゃんたちが揺れ落ちないように気を使いながら、おうちの中をずーりずーりと飽きずに這いずり回って運動もする。
胎教ならぬ茎教として、夜はおとーさん自らの声で子守唄を歌い、ゆっくり生まれてきてねっ!と優しく語りかけた。
当然、飼い主たるお兄さんとの会話やスキンシップも以前のように活発なものになる。
可愛い実ゆっくりたちを共に見守る中で、まりさもお兄さんも笑顔が絶えなかった。
おちびちゃんたちが普段より一層ぷるぷると震えだし、まりさは世紀の瞬間がついに訪れようとしていることを直感的に察知した。
ずっと閉じられていた目が開かれ「うまれりゅ!ゆっくちうまりぇりゅうっ!」とわさわさ動き出したおちびちゃんの下に素早く自らのお帽子を敷き、息を呑んで待ち構える。
ずっと閉じられていた目が開かれ「うまれりゅ!ゆっくちうまりぇりゅうっ!」とわさわさ動き出したおちびちゃんの下に素早く自らのお帽子を敷き、息を呑んで待ち構える。
「「「おちょらをとんでりゅみちゃいのじぇえええ!!」」」
「「「れいみゅは きゅーとなえんじぇりゅしゃんっ!!」」」
「「「れいみゅは きゅーとなえんじぇりゅしゃんっ!!」」」
ぽとんっ
「ゆぅぅぅううう……!!!」
「「「れいみゅは れいみゅぢゃよっ!!ゆっくちしちぇいっちぇにぇええ!!」」」
「「「ゆっへんっ!まりちゃは まりちゃなのじぇえ!!ゆっくちしちぇいきゅのじぇぇえ!!」」」
「ゆわぁああああ!!!や、やったああああ!!まりさのかわいいあかちゃん、ゆっくりうまれたよぉぉおお!!!
ゆっくりしていってねええええ!!」
「「「れいみゅは れいみゅぢゃよっ!!ゆっくちしちぇいっちぇにぇええ!!」」」
「「「ゆっへんっ!まりちゃは まりちゃなのじぇえ!!ゆっくちしちぇいきゅのじぇぇえ!!」」」
「ゆわぁああああ!!!や、やったああああ!!まりさのかわいいあかちゃん、ゆっくりうまれたよぉぉおお!!!
ゆっくりしていってねええええ!!」
毛の長い柔らかなカーペットに置かれたふーかふーかなクッションの上のまりさの砂糖細工黒帽子の中に降臨した天使たち。
早くも姉妹同士でもぞもぞと蠢き、挨拶しあったり、すーりすーりし合ったりしている様子は実に可愛らしい。
早くも姉妹同士でもぞもぞと蠢き、挨拶しあったり、すーりすーりし合ったりしている様子は実に可愛らしい。
傍で一緒に見守っていたお兄さんがまりさの茎を丁寧に折り、まりさが口に含みやすいよう短くしてくれる。
くっちゃくっちゃと噛んで柔らかくしたそれを吐き出すと、「ゆゆっ!!あみゃあみゃぁあ!!」とおちびちゃんたちが目をキラキラさせて叫んだ。
ちっちゃな体でゆっちゆっちとお帽子の中から這い出ようとし、ころころ転げてお尻を打ってしまった赤まりちゃを早速ぺーろぺーろして慰める。
「にゃんであみゃあみゃしゃん、こっち こにゃいにょぉぉお!!」と揉み上げをわさわさ伸ばして泣く赤れいみゅたちを、口で咥えて運び出してあげる。
そして、無事に姉妹揃って初めてのすーぱーむーちゃむーちゃたいみゅ。
「むーちゃむーちゃ!ちちちああああしぇええええ!!」としあわせさんを噛み締めている子ども達を前にして、まりさはこれこそが本当のしあわせ、真実のゆっくりだと確信していた。
くっちゃくっちゃと噛んで柔らかくしたそれを吐き出すと、「ゆゆっ!!あみゃあみゃぁあ!!」とおちびちゃんたちが目をキラキラさせて叫んだ。
ちっちゃな体でゆっちゆっちとお帽子の中から這い出ようとし、ころころ転げてお尻を打ってしまった赤まりちゃを早速ぺーろぺーろして慰める。
「にゃんであみゃあみゃしゃん、こっち こにゃいにょぉぉお!!」と揉み上げをわさわさ伸ばして泣く赤れいみゅたちを、口で咥えて運び出してあげる。
そして、無事に姉妹揃って初めてのすーぱーむーちゃむーちゃたいみゅ。
「むーちゃむーちゃ!ちちちああああしぇええええ!!」としあわせさんを噛み締めている子ども達を前にして、まりさはこれこそが本当のしあわせ、真実のゆっくりだと確信していた。
これがまりさの楽しい子育ての、あまりにも早い絶頂期だった。
相手の気持ちだとか自分の置かれた立場だとか長期的に見た損得だとかを考えず、ゆっくりは自分に起こった出来事に短絡的に反応し、歯にお飾り着せず素直に感想あるいは妄想を実況する。
遺餡子の都合のいい記憶や、親ゆっくりがひたすら自分を誉めそやす言葉以外に何も知らない赤ゆっくりともなれば、その性質は最大限に発揮される。
特に赤ゆっくりの場合はこの世のすべてが自分をゆっくりさせるために存在するという思い込みすらあり、ゆっくりできないことに対して我慢することをせず、ちょっとしたことで大げさに傷つき、騒ぎ立てる。
遺餡子の都合のいい記憶や、親ゆっくりがひたすら自分を誉めそやす言葉以外に何も知らない赤ゆっくりともなれば、その性質は最大限に発揮される。
特に赤ゆっくりの場合はこの世のすべてが自分をゆっくりさせるために存在するという思い込みすらあり、ゆっくりできないことに対して我慢することをせず、ちょっとしたことで大げさに傷つき、騒ぎ立てる。
そして、「ゆっくりしたい。ゆっくりさせないものは許さない」という赤ゆっくりの尊大な願望を、動く饅頭に過ぎない親ゆっくりが満たしてやることは不可能に近い。
元々徹底的にゆっくりできない野良ゆの場合はもちろん、見かけ上のゆっくりプレイスを維持している野生の群れにおいても、実際に始まった子育ては究極にゆっくりできないものであり、故に赤ゆのほとんどは「ゲスだった」という名目で潰されるのだ。
元々徹底的にゆっくりできない野良ゆの場合はもちろん、見かけ上のゆっくりプレイスを維持している野生の群れにおいても、実際に始まった子育ては究極にゆっくりできないものであり、故に赤ゆのほとんどは「ゲスだった」という名目で潰されるのだ。
賢い高級ゆっくりであるまりさは幸い、そういった悲劇的あるいは喜劇的ともいえる事態には陥っていない。
しかし、まりさはおちびちゃんが誕生してすぐ、再びゆっくりできなくなっていた。
飼われゆっくりとしての特異な状況が生み出すもやもやした苦しさが、まりさをじわじわと苛み始めたのだ。
しかし、まりさはおちびちゃんが誕生してすぐ、再びゆっくりできなくなっていた。
飼われゆっくりとしての特異な状況が生み出すもやもやした苦しさが、まりさをじわじわと苛み始めたのだ。
…………。
「むーちゃむーちゃ!!ちあわしぇええ!!やわやわふーどしゃん、とっちぇも おいちーにぇっ!!」
「ゆっきゅりできりゅんだじぇっ!!もーしゃもーしゃっ!ゆぅぅうんっ」
「おにーしゃんっ!まいにち ありがとぉおお!!ちあわちぇ、ちあわちぇえええ!!」
「……ゆっ。おちびちゃんたち、よかったねっ……」
「ゆっきゅりできりゅんだじぇっ!!もーしゃもーしゃっ!ゆぅぅうんっ」
「おにーしゃんっ!まいにち ありがとぉおお!!ちあわちぇ、ちあわちぇえええ!!」
「……ゆっ。おちびちゃんたち、よかったねっ……」
野生や野良の家族と異なり、ここではおちびちゃんのためにご飯さんを狩って来るのは父親たるまりさではない。
「おとーしゃっ、おにゃかすいちゃーっ!」が「おにーしゃんっ!おにゃかすいちゃーっ!」に変わるまで、時間は全くかからなかった。
優しいお兄さんは、噛む力の弱いおちびちゃんたちのために、柔らかく温かいフードさんを持ってきてくれる。
それは自分がカチカチフードをただおちびちゃんの口に入る大きさに噛み砕いただけのものより、明らかにゆっくりしているのだった。
「おとーしゃっ、おにゃかすいちゃーっ!」が「おにーしゃんっ!おにゃかすいちゃーっ!」に変わるまで、時間は全くかからなかった。
優しいお兄さんは、噛む力の弱いおちびちゃんたちのために、柔らかく温かいフードさんを持ってきてくれる。
それは自分がカチカチフードをただおちびちゃんの口に入る大きさに噛み砕いただけのものより、明らかにゆっくりしているのだった。
…………。
「おちびちゃんっ!といれさんはこっちだよっ!こっちこっちっ!!ゆあっ……あ゛あ゛、まって!まってねっ!!ゆっくりがまんして――」
「ちーちーでりゅうう!!!ちゅちゅちゅっきりゅいぃぃぃいい!!」
「まりちゃの うんうんしゃんも、おでかけしゅりゅんだじぇええっ!!ちゅぅぅうっきりー!!」
「ちーちーでりゅうう!!!ちゅちゅちゅっきりゅいぃぃぃいい!!」
「まりちゃの うんうんしゃんも、おでかけしゅりゅんだじぇええっ!!ちゅぅぅうっきりー!!」
ご飯さんを食べてお腹いっぱいになったおちびちゃんたちは、緩いあにゃるまみゅまみゅから、すぐにうんうんしーしーを漏らす。
「といれしゃんってにゃに?あみゃあみゃ?」という具合で、そもそもうんしーを決められた場所にしなければならないということを理解していない。
れいみゅとまりちゃに続いて他のおちびちゃんたちが次々にその場でうんしーを垂れ流していくのを、お口ひとつお下げひとつのまりさは呆然と眺めることしか出来なかった。
「といれしゃんってにゃに?あみゃあみゃ?」という具合で、そもそもうんしーを決められた場所にしなければならないということを理解していない。
れいみゅとまりちゃに続いて他のおちびちゃんたちが次々にその場でうんしーを垂れ流していくのを、お口ひとつお下げひとつのまりさは呆然と眺めることしか出来なかった。
「ゆんやあああ!!うんうん、きもちわりゅいいい!!しーしーも くっちゃああいいいのじぇええ!!」
「きれいきれいしちぇえええ!!おひめしゃまの れいみゅが ないちぇりゅんぢゃよぉおお!?」
「ゆっくちできにゃいいいい!!びっだんびっだんっ!!」
「ゆぁ?ん?おかじゃりのないゆっくちがいりゅんだじぇっ!!
くっしゃい うんうんしちゃのは、おまえにゃのじぇ?しぇいっしゃい!にゃのじぇえええ!!」
「ゆぴぃぃぃいいい!!!どぼじでれいみゅをいじめりゅにょぉぉおお!!うんうんまりちゃは ちにぇえええ!!」
「ゆわ゛あ゛あ゛あ゛っ!お、おちびちゃんだちぃい!!やめてねっ!!ゆっくりしてねえええ!!」
「きれいきれいしちぇえええ!!おひめしゃまの れいみゅが ないちぇりゅんぢゃよぉおお!?」
「ゆっくちできにゃいいいい!!びっだんびっだんっ!!」
「ゆぁ?ん?おかじゃりのないゆっくちがいりゅんだじぇっ!!
くっしゃい うんうんしちゃのは、おまえにゃのじぇ?しぇいっしゃい!にゃのじぇえええ!!」
「ゆぴぃぃぃいいい!!!どぼじでれいみゅをいじめりゅにょぉぉおお!!うんうんまりちゃは ちにぇえええ!!」
「ゆわ゛あ゛あ゛あ゛っ!お、おちびちゃんだちぃい!!やめてねっ!!ゆっくりしてねえええ!!」
泣き喚くおちびちゃんがころころばたばたと暴れ、全身に自らの排泄物を塗りたくって、さらに泣き叫ぶ。
お飾りの外れた赤れいみゅに、うんうんまみれの赤まりちゃが体当たりする。
お飾りの外れた赤れいみゅに、うんうんまみれの赤まりちゃが体当たりする。
あちらこちらで好き勝手暴れ回り、こーろこーろ転がってくるおちびちゃんを踏み潰さないよう、おろおろそろーりそろーりと近付く。
たくさんの泣いているおちびちゃんを前に、まりさの餡子脳はどこから手をつけていいのか、最初に誰をゆっくりさせればいいかゆー先順位がつけられない。
数十秒ほどゆーんゆーんと悩んだ後、ひとまず自分のあんよ元にぽすんと転がって来た赤れいみゅをきれいきれいしてあげることにした。
たくさんの泣いているおちびちゃんを前に、まりさの餡子脳はどこから手をつけていいのか、最初に誰をゆっくりさせればいいかゆー先順位がつけられない。
数十秒ほどゆーんゆーんと悩んだ後、ひとまず自分のあんよ元にぽすんと転がって来た赤れいみゅをきれいきれいしてあげることにした。
「おちびちゃんっ、あにゃるさんをゆっくりおとーさんのほうに むけてねっ!あにゃるさんだよ……ほら、ゆっくりずーりずーり……
ゆんやあ、どおしてゆーこときいてくれないのおお!!?」
「くちゃいい!!ゆっきゅりできにゃいいい!!ゆんやゆんやああああっ!!かなちーちぃいい!!」
「ゆぶぅっ!!しーしーがおくちにはいっちゃったよっ!!ゆぐぅ……!!ゆ、ゆゆんっ!!まけないよっ!」
ゆんやあ、どおしてゆーこときいてくれないのおお!!?」
「くちゃいい!!ゆっきゅりできにゃいいい!!ゆんやゆんやああああっ!!かなちーちぃいい!!」
「ゆぶぅっ!!しーしーがおくちにはいっちゃったよっ!!ゆぐぅ……!!ゆ、ゆゆんっ!!まけないよっ!」
お下げを使い、泣き喚く赤れいみゅを潰さぬよう、ゆっくりとお尻を向けさせる。
「ほら、おちびちゃん、あにゃるさんぺーろぺーろ、きれいきれ……ゆぶぁあっ!!ぐざっ!!」
「ゆんやああっ!!にゃんにゃの!!?れいみゅのうんうんしゃんが きちゃにゃいっちぇゆうのぉお!!?
おちょーしゃんには あいじょうっ!ってものがにゃいにょぉおおおっ!!?」
「ゆぐっ!!ご、ごめんねっ!!きたなくないよっ!!ちょっとおどろいちゃっただけだよっ……
はい、きれいきれいできたね。せいっけつ!なあにゃるさんで、ゆっくりしていってねぇっ!」
「はああああ!!?ばきゃにゃにょぉお!?ちにゅにょぉおお!!?
まぢゃうんうんのにおいがしゅるよぉおおお!!どこがきりぇいきりぇい(わらい)にゃにょおおお!!?
しょれに、べっちょべっちょで、じぇんじぇんゆっくちできにゃいでちょおお!!?ちゃんと、ふーきふーきしちぇにぇっ!!」
「ゆ、ゆぅううう……!!」
「ゆんやああっ!!にゃんにゃの!!?れいみゅのうんうんしゃんが きちゃにゃいっちぇゆうのぉお!!?
おちょーしゃんには あいじょうっ!ってものがにゃいにょぉおおおっ!!?」
「ゆぐっ!!ご、ごめんねっ!!きたなくないよっ!!ちょっとおどろいちゃっただけだよっ……
はい、きれいきれいできたね。せいっけつ!なあにゃるさんで、ゆっくりしていってねぇっ!」
「はああああ!!?ばきゃにゃにょぉお!?ちにゅにょぉおお!!?
まぢゃうんうんのにおいがしゅるよぉおおお!!どこがきりぇいきりぇい(わらい)にゃにょおおお!!?
しょれに、べっちょべっちょで、じぇんじぇんゆっくちできにゃいでちょおお!!?ちゃんと、ふーきふーきしちぇにぇっ!!」
「ゆ、ゆぅううう……!!」
親ゆっくりがおちびちゃんの体をぺーろぺーろして清潔を保つこと自体は、よく見られる光景である。
だが、そのきれいきれい、せいっけつ!はあくまで野外で生活する野生ゆあるいは野良ゆでの話。
砂糖水の唾液でべとべとになり、カーペットの毛がくっ付いて小汚くなった饅頭をしっかりと綺麗にできるのは、お水さんと布巾さんを使えるお兄さんだけだ。
まりさも一度ティッシュさんを駆使してふーきふーきにチャレンジしてみたが、結果としてティッシュがおちびちゃんの下部全体に張り付いてしまい、大泣きされてしまった。
だが、そのきれいきれい、せいっけつ!はあくまで野外で生活する野生ゆあるいは野良ゆでの話。
砂糖水の唾液でべとべとになり、カーペットの毛がくっ付いて小汚くなった饅頭をしっかりと綺麗にできるのは、お水さんと布巾さんを使えるお兄さんだけだ。
まりさも一度ティッシュさんを駆使してふーきふーきにチャレンジしてみたが、結果としてティッシュがおちびちゃんの下部全体に張り付いてしまい、大泣きされてしまった。
「お、おにーさああんっ!!はやくきてええええ!!おちびちゃんたちが、うんうんしちゃったよぉっ!
くさいくさいって、ないてるよぉおおおお!!」
くさいくさいって、ないてるよぉおおおお!!」
おとーさんとして毎回最初は自分でおちびちゃんの世話をしようとするのだが、結局最後はお兄さんに頼らざるを得ない。
今度こそ今度こそと思いつつも、当然ながら毎回結果は同じ。
諦めてお兄さんを呼ぶたびに、まりさのプライドは少しずつ削り取られていった。
今度こそ今度こそと思いつつも、当然ながら毎回結果は同じ。
諦めてお兄さんを呼ぶたびに、まりさのプライドは少しずつ削り取られていった。
「はいはい、っと。ごめんね、準備してて遅れちゃったよ。
さあおちびちゃんたち、ゆっくりこっちに集まってねっ」
「「「「「ゆんやあああ!!おにぃいしゃあああんっ!!!」」」」
さあおちびちゃんたち、ゆっくりこっちに集まってねっ」
「「「「「ゆんやあああ!!おにぃいしゃあああんっ!!!」」」」
颯爽と現れたお兄さんの元に、おちびちゃんたちがもったんもったんと集まっていく。
お兄さんはまず赤まりちゃに噛み付かれていた赤れいみゅのお飾りを拾って元通りにつけ直し、次に慣れた手つきで次々とおちびちゃんたちのうんしーを処理していった。
わずかにしっとりとした綺麗な体に戻った赤まりちゃが、「やっちょゆっきゅりできりゅのじぇ」と横目で父親まりさを責める。
お兄さんはまず赤まりちゃに噛み付かれていた赤れいみゅのお飾りを拾って元通りにつけ直し、次に慣れた手つきで次々とおちびちゃんたちのうんしーを処理していった。
わずかにしっとりとした綺麗な体に戻った赤まりちゃが、「やっちょゆっきゅりできりゅのじぇ」と横目で父親まりさを責める。
泣き疲れたところで再びゆっくりに包まれ、おちびちゃんたちはその場ですーやすーやと眠り始める。
お兄さんはそれを予想していたのか、赤ゆっくり用の小さなパジャマさんを取り出し、そっとおちびちゃんたちに着せていった。
おちびちゃんたちをゆっくりハウスのふかふかベッドさんに移動させて、まりさに「ゆっくりしていってね」と声をかけ、お兄さんは大図書館に戻っていく。
お兄さんはそれを予想していたのか、赤ゆっくり用の小さなパジャマさんを取り出し、そっとおちびちゃんたちに着せていった。
おちびちゃんたちをゆっくりハウスのふかふかベッドさんに移動させて、まりさに「ゆっくりしていってね」と声をかけ、お兄さんは大図書館に戻っていく。
眠っているおちびちゃんを見守るまりさも、気疲れから、ついうとうとしてきてしまう。
可愛い寝息と微笑ましい寝言を呟きながら眠るおちびちゃんたちの姿は、彼らが茎についていた頃のように平和でゆっくりしている。
子育ての中でまりさがまともにゆっくりできるのは、ほぼこのすーやすーやたいむの間だけになっていた。
が、思えばおねしょさんでおちびちゃんたちが溶けてしまう心配なく、親である自分までこのように気を抜いてゆっくりしていられるのも、お兄さんがパジャマさんに縫い付けてくれたしーしーPADのおかげである。
朝でも夜でも、おねしょをしたおちびちゃんが目覚めて「きもちわりゅいよぉお!!おしめをかえちぇよおおお!!」と叫ぶのに対応できるのもお兄さん。
まりさは「ゆひーゆひー……」と余韻に泣くおちびちゃんをお下げで撫でて寝かしつけるだけ。
時たまちーちーで蒸れてかゆいかゆい「おむつかぶれっ!」になるまむまむをオレンジジュースで治してくれるのもお兄さん。
まりさのぺーろぺーろでは糖度が足りず、その場しのぎにしかならないのだ。
可愛い寝息と微笑ましい寝言を呟きながら眠るおちびちゃんたちの姿は、彼らが茎についていた頃のように平和でゆっくりしている。
子育ての中でまりさがまともにゆっくりできるのは、ほぼこのすーやすーやたいむの間だけになっていた。
が、思えばおねしょさんでおちびちゃんたちが溶けてしまう心配なく、親である自分までこのように気を抜いてゆっくりしていられるのも、お兄さんがパジャマさんに縫い付けてくれたしーしーPADのおかげである。
朝でも夜でも、おねしょをしたおちびちゃんが目覚めて「きもちわりゅいよぉお!!おしめをかえちぇよおおお!!」と叫ぶのに対応できるのもお兄さん。
まりさは「ゆひーゆひー……」と余韻に泣くおちびちゃんをお下げで撫でて寝かしつけるだけ。
時たまちーちーで蒸れてかゆいかゆい「おむつかぶれっ!」になるまむまむをオレンジジュースで治してくれるのもお兄さん。
まりさのぺーろぺーろでは糖度が足りず、その場しのぎにしかならないのだ。
まりさは、剣呑な思いを抱き始めていた。
…………。
「はやきゅううう!!!まぢゃにゃにょぉおお!!?」
「もう おりちぇにぇ!れいみゅのばんぢゃよっ!!」
「ゆんやあああ!!どぼじでぞんなごというのじぇえええ!!!まりぢゃは がわいぞうな いかろすしゃんっ!!」
「ゆっ……!!ゆっ……!おちびちゃんたちっ、ゆっくりして いいこにまってようねっ!
じゅんばんまもらないのはっ……ゆっ!……わるいこっ!だよっ!!おとーさん、おこるよっ!!ゆっ……!」
「もう おりちぇにぇ!れいみゅのばんぢゃよっ!!」
「ゆんやあああ!!どぼじでぞんなごというのじぇえええ!!!まりぢゃは がわいぞうな いかろすしゃんっ!!」
「ゆっ……!!ゆっ……!おちびちゃんたちっ、ゆっくりして いいこにまってようねっ!
じゅんばんまもらないのはっ……ゆっ!……わるいこっ!だよっ!!おとーさん、おこるよっ!!ゆっ……!」
お腹を使ってトランポリンをしてあげているまりさの周り。
順番待ちをしている赤ゆっくりたちが、トランポリンで宙を舞っている赤まりちゃを罵倒する。
大好きなお空を手に入れてゆっくりできるはずだった赤まりちゃは、決まり文句を吐きながらも、涙を飛ばして泣いている。
張力の関係で、まりさは一度にせいぜいひとりかふたりしかトランポリンをさせてあげられない。
お腹に乗せてぐらぐら揺らすだけの「じしんさん」ならば恐らく全ゆん一度に相手できるのだが、おちびちゃんたちはもうその程度では満足してくれないのだ。
順番待ちをしている赤ゆっくりたちが、トランポリンで宙を舞っている赤まりちゃを罵倒する。
大好きなお空を手に入れてゆっくりできるはずだった赤まりちゃは、決まり文句を吐きながらも、涙を飛ばして泣いている。
張力の関係で、まりさは一度にせいぜいひとりかふたりしかトランポリンをさせてあげられない。
お腹に乗せてぐらぐら揺らすだけの「じしんさん」ならば恐らく全ゆん一度に相手できるのだが、おちびちゃんたちはもうその程度では満足してくれないのだ。
「おこりゅ?おこりゅだっちぇ!?にゃに ふざけちゃこと いっちぇりゅんぢゃっ!?
もんくをゆーまえに、れいみゅたちをゆっくちしゃしぇちぇにぇっ!!このっくずっ!!にょろまっ!」
「じゅんじょっ!がちがうでちょおおお!!ぴゅんぴゅんっ!!おはなしに ならにゃいよっ!!」
「ゆゆっ!?ゆ……ゆっぅぅぅう……っ!!」
もんくをゆーまえに、れいみゅたちをゆっくちしゃしぇちぇにぇっ!!このっくずっ!!にょろまっ!」
「じゅんじょっ!がちがうでちょおおお!!ぴゅんぴゅんっ!!おはなしに ならにゃいよっ!!」
「ゆゆっ!?ゆ……ゆっぅぅぅう……っ!!」
実の子からのクズ呼ばわりに途端に元気がなくなり、トランポリンも止めてへたれ込んでしまう。
普通のゆっくりなら制裁レベルの親不孝な物言いにも、まりさは強く出ることはない。
善良な高級ゆっくりだからではなく、確かに普段からゆっくりさせてあげられていない相手に対して、さらにゆっくりを我慢しろとは言えないと、自分でも納得してしまっているからだ。
普通のゆっくりなら制裁レベルの親不孝な物言いにも、まりさは強く出ることはない。
善良な高級ゆっくりだからではなく、確かに普段からゆっくりさせてあげられていない相手に対して、さらにゆっくりを我慢しろとは言えないと、自分でも納得してしまっているからだ。
先ほどまでトランポリンしてあげていた赤まりちゃが、ゆんやゆんやと泣きながらゆっくりハウスに跳ねていってしまう。
席が空いたとばかりに、残りのおちびちゃんたちも「れいみゅの とらんぽりんしゃんぢゃよっ!!」「まりちゃが さきだじぇっ!おにぇーしゃんにゃんだじぇっ!!」と喧嘩を始めてしまった。
席が空いたとばかりに、残りのおちびちゃんたちも「れいみゅの とらんぽりんしゃんぢゃよっ!!」「まりちゃが さきだじぇっ!おにぇーしゃんにゃんだじぇっ!!」と喧嘩を始めてしまった。
まりさは再び数十秒ゆーんゆーんと慌てふためき、ふと、ある思い付きを得た。
お空を飛べないいーらいーらの矛先を父親に向けて「ゆっくりふえりょ!!たくしゃんでいいのじぇっ!!」と体当たりを始めていたおちびちゃんたちに向かい、久しぶりに父親らしい堂々とした態度で胸を張る。
お空を飛べないいーらいーらの矛先を父親に向けて「ゆっくりふえりょ!!たくしゃんでいいのじぇっ!!」と体当たりを始めていたおちびちゃんたちに向かい、久しぶりに父親らしい堂々とした態度で胸を張る。
「ゆっふ、おちびちゃんたちっ!それじゃあ、みんなでいっしょにおそらをとぼうねっ!!」
「「「「ゆゆーっ?」」」」
「ゆふふふっ、こっちだよっ!おとーさんに、ゆっくりついてきてねっ!」
「「「「ゆゆーっ?」」」」
「ゆふふふっ、こっちだよっ!おとーさんに、ゆっくりついてきてねっ!」
自信饅々に宣言し、成ゆんらしいしっかりとした足取りでぽいんぽいんと跳ねていく。
後からぴょこぴょことおちびちゃんたちが着いてくるのを時々確認し、まりさはほっこりとした。
後からぴょこぴょことおちびちゃんたちが着いてくるのを時々確認し、まりさはほっこりとした。
リビング隅にあるおもちゃ箱に到達したまりさは、おちびちゃんでは届くべくもないそこから、華麗なのーびのーびと自慢のスラリと長いお下げを使って、小さな魔女箒をいくつか取り出した。
これは元々、異変解決ごっこの際、成ゆんまりさがお下げで掴んで振り回すためのおもちゃである。
おちびちゃんたちを咥えてその上に載せる。
立てかけてあった成ゆん用の箒である「びゅびゅーん!まじょぼうき ~まりさはさいっそく!~」をその横に並べたまりさは、自らも楽しそうにそこに飛び乗った。
これは元々、異変解決ごっこの際、成ゆんまりさがお下げで掴んで振り回すためのおもちゃである。
おちびちゃんたちを咥えてその上に載せる。
立てかけてあった成ゆん用の箒である「びゅびゅーん!まじょぼうき ~まりさはさいっそく!~」をその横に並べたまりさは、自らも楽しそうにそこに飛び乗った。
「いくよ、おちびちゃんたちっ!まりさたちはねっ、いへんっ!をかいっけつ!する、げんそーきょーのひーろーさんなんだよっ!!
むげんのかなたに とびたつよぉおお!!それぇっ!びゅびゅびゅーんっ!!」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
「びゅ、びゅびゅびゅーんっ……!!ゆ、ゆわわーいぃ……」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
「びゅびゅっ……ゆっ………ゆぅ……」
「ばきゃなの?ちぬの?」
「ゆっ……」
むげんのかなたに とびたつよぉおお!!それぇっ!びゅびゅびゅーんっ!!」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
「びゅ、びゅびゅびゅーんっ……!!ゆ、ゆわわーいぃ……」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
「びゅびゅっ……ゆっ………ゆぅ……」
「ばきゃなの?ちぬの?」
「ゆっ……」
笛吹けど踊らずというレベルではない。
たくさんの完全に白けきった軽蔑の眼差しが容赦なく突き刺さる。
この上なく滑稽なひとり相撲を披露し、醜態を極めたまりさは、嫌な汗がだらだらと流れ、別の意味で餡子がかぁっ!と熱くなるのを感じた。
たくさんの完全に白けきった軽蔑の眼差しが容赦なく突き刺さる。
この上なく滑稽なひとり相撲を披露し、醜態を極めたまりさは、嫌な汗がだらだらと流れ、別の意味で餡子がかぁっ!と熱くなるのを感じた。
「ねぇ、おねーしゃ……おちょーしゃんは、たりにゃいゆっくちにゃにょじぇ?」
「ゆゆぅ、こんなのがおとーしゃんにゃの、はじゅかちいにぇっ……」
「おお、あわりぇあわりぇ。おめでたい あんこのうしゃんなのじぇ……」
「びゅびゅーん(わらい)」
「ゆっ……ゆぅぅっぅ………!!ゆっぐ……ゆぇぇぇえ……!!」
「ゆゆぅ、こんなのがおとーしゃんにゃの、はじゅかちいにぇっ……」
「おお、あわりぇあわりぇ。おめでたい あんこのうしゃんなのじぇ……」
「びゅびゅーん(わらい)」
「ゆっ……ゆぅぅっぅ………!!ゆっぐ……ゆぇぇぇえ……!!」
「おにぇーちゃっ!おちょーしゃん、ないちゃったのじぇ」
「ゆえっ……おとなっ!なのに、だらしないにぇっ。しょれに、ぶっしゃいくぢゃよっ」
「ゆふー……かわいそーなおちょーしゃはおいといちぇ、れーみゅたちだけで ゆっくちしようにぇっ」
「ゆえっ……おとなっ!なのに、だらしないにぇっ。しょれに、ぶっしゃいくぢゃよっ」
「ゆふー……かわいそーなおちょーしゃはおいといちぇ、れーみゅたちだけで ゆっくちしようにぇっ」
のそのそと去っていくおちびちゃんの背を見ながら、まりさは必死に口を結び歯を食いしばって、「ゆわあああんっ」と泣き出すのを堪えた。
お目目に湛え切れなくなった涙が溢れ出し、ぽろぽろと頬を伝っていく。
屈辱の極みでア゛ッー!と爆発しそうになる心を、ごっこ遊びも出来ない頭の弱い赤ゆっくりのくせにっ!と思い込むことで必死に中和する。
だが、やはり元を辿れば、帽子に乗せてTVさんも見せてない、絵本さんも読んであげられてないほんの赤ゆっくりである彼らに箒で空を飛ぶことを想像させようとしたまりさこそが、相手のことを考えない愚か者だったのだ。
大体箒ではなく亀さんに乗ってお空を飛ぶ赤れいみゅだっていたというのに、何て独りよがりだったんだろう。
お目目に湛え切れなくなった涙が溢れ出し、ぽろぽろと頬を伝っていく。
屈辱の極みでア゛ッー!と爆発しそうになる心を、ごっこ遊びも出来ない頭の弱い赤ゆっくりのくせにっ!と思い込むことで必死に中和する。
だが、やはり元を辿れば、帽子に乗せてTVさんも見せてない、絵本さんも読んであげられてないほんの赤ゆっくりである彼らに箒で空を飛ぶことを想像させようとしたまりさこそが、相手のことを考えない愚か者だったのだ。
大体箒ではなく亀さんに乗ってお空を飛ぶ赤れいみゅだっていたというのに、何て独りよがりだったんだろう。
「やあ。何をしてるんだい、まりさ、おちびちゃんたち」
「「「「ゆゆーっ!おにーしゃんだぁああ!!」」」
「ゆっ……!」
「「「「ゆゆーっ!おにーしゃんだぁああ!!」」」
「ゆっ……!」
様子を見に来たお兄さんに、おちびちゃんたちは歓迎の声を上げてわらわらとすり寄っていく。
そんなおちびちゃんたちを潰さないよう足元に気をつけながら、お兄さんは真っ直ぐにまりさの元に来てくれた。
優しい優しいお兄さん。
泣いてる自分を見て、心配してしまったのだろう。
そんなおちびちゃんたちを潰さないよう足元に気をつけながら、お兄さんは真っ直ぐにまりさの元に来てくれた。
優しい優しいお兄さん。
泣いてる自分を見て、心配してしまったのだろう。
「まりさ、メソメソしてどうしたんだい?何かあったの。タンスの角にあんよをぶつけたの?」
「ゆぐぅぅ……ゆううう、ゆっく……!だいじょーぶだよ゛ぉ゛……!まりさ、へいきっ!だよ゛ぉぉ」
「そうなの?まあ、何かあったらすぐに呼ぶんだよ。
じゃあ僕はまた大図書館に戻るねっ、ばいばい」
「ゆぐぅぅ……ゆううう、ゆっく……!だいじょーぶだよ゛ぉ゛……!まりさ、へいきっ!だよ゛ぉぉ」
「そうなの?まあ、何かあったらすぐに呼ぶんだよ。
じゃあ僕はまた大図書館に戻るねっ、ばいばい」
度々のことなので、もうまりさの全身を引っくり返してくまなく調べたり、抱っこしてゆーらゆーらしたりはせず、僅かに眉をひそめて苦笑いするだけで、くるっと背を向けて帰っていく。
その方がまりさには有難かったが、一方でお兄さんの後を必死に追いかけていくおちびちゃんたちを見ると、そうも言っていられない。
要望が叶えられずゆっくりできないままのおちびちゃんたちとしばらくリビングに取り残されることを思い、まりさはどんどんゆっくりできなくなっていった。
その方がまりさには有難かったが、一方でお兄さんの後を必死に追いかけていくおちびちゃんたちを見ると、そうも言っていられない。
要望が叶えられずゆっくりできないままのおちびちゃんたちとしばらくリビングに取り残されることを思い、まりさはどんどんゆっくりできなくなっていった。
「「「「ゆええええっ!!おにーしゃん、おうちかえっちゃ やぢゃあああ!!あちょんでええええ!!」」」」
「ゆっぐ……!!まっで、おにーざんっ!!まりざがらも、おねがいだよぉ……!!」
「おおう、今日はちょっち忙しいんだけどなぁ……まあ少しだけならいいよ。何して遊びたい?」
「おちょらっ!!まりちゃたち、みんなで おちょらをとびちゃいのじぇええ!!」
「ゆんっ!!おちょーしゃんじゃ、じぇんっじぇん!つかいものにならにゃいのじぇっ!!」
「あちょんで、あちょんでえええ!!れいみゅも、おちょらとびちゃああいい!!」
「了解了解」
「ゆっぐ……!!まっで、おにーざんっ!!まりざがらも、おねがいだよぉ……!!」
「おおう、今日はちょっち忙しいんだけどなぁ……まあ少しだけならいいよ。何して遊びたい?」
「おちょらっ!!まりちゃたち、みんなで おちょらをとびちゃいのじぇええ!!」
「ゆんっ!!おちょーしゃんじゃ、じぇんっじぇん!つかいものにならにゃいのじぇっ!!」
「あちょんで、あちょんでえええ!!れいみゅも、おちょらとびちゃああいい!!」
「了解了解」
ぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねるおちびちゃんたち。
お兄さんは棚から洗濯物の小物干しのような道具を取ってきて、おちびちゃんたちの前に屈みこんだ。
お兄さんは棚から洗濯物の小物干しのような道具を取ってきて、おちびちゃんたちの前に屈みこんだ。
「今から皆一緒にお空を飛ばせてあげよう。でもその前に、おとーさんまりさに悪口言った子は、ゆっくり謝ってね」
「ゆん?ゆっくりりきゃいしちゃよっ!おにーしゃん、ゆっくちごめんなしゃいっ!!」
「違う違う。おとーさんに向かって謝るんだ。きっとさっきまでトランポリンさんしてもらってたんだろう?
そんな殊勝な親をクズ呼ばわりなんて、ゲスな子のすることだよっ!めっ!!」
「「「「ゆっぴぃっ!!ごめんなしゃいっ!!」」」」
「ゆっ……」
「ゆん?ゆっくりりきゃいしちゃよっ!おにーしゃん、ゆっくちごめんなしゃいっ!!」
「違う違う。おとーさんに向かって謝るんだ。きっとさっきまでトランポリンさんしてもらってたんだろう?
そんな殊勝な親をクズ呼ばわりなんて、ゲスな子のすることだよっ!めっ!!」
「「「「ゆっぴぃっ!!ごめんなしゃいっ!!」」」」
「ゆっ……」
お兄さんの言うことなら素直に聞き、素直に謝るおちびちゃんたち。
その様子を見る度、まりさは中枢餡にヒヤッと氷を当てられたような冷たさを感じるのだった。
その様子を見る度、まりさは中枢餡にヒヤッと氷を当てられたような冷たさを感じるのだった。
「ゆぅぅん……おちょーしゃ、ゆっくちごめんにぇっ?」
「まりちゃたち、おとなげなかったのじぇ」
「きゃわいいれいみゅが、しゅーりしゅーりしてあげりゅにぇっ!しゅーりしゅーり」
「ゆっ……ゆぅ、いいよ、おちびちゃんたちっ。おとーさん、おこって……ゆ、ゆうん、なんとも、おもってないよ……」
「まりちゃたち、おとなげなかったのじぇ」
「きゃわいいれいみゅが、しゅーりしゅーりしてあげりゅにぇっ!しゅーりしゅーり」
「ゆっ……ゆぅ、いいよ、おちびちゃんたちっ。おとーさん、おこって……ゆ、ゆうん、なんとも、おもってないよ……」
まりさの言葉を最後まで聞くことなく、おちびちゃんたちは一転ゆわわーいとお兄さんの元に駆け戻っていった。
お兄さんが笑顔で迎え、持ってきた道具におちびちゃんたちを取り付け始める。
ヘッドフォンのようリング状のふわふわスポンジが対になったハサミがいくつもぶら下がっている改造小物干し。
小さなおちびちゃんたちの体がスポンジリングに優しく挟まれ、ぶーらぶーらと釣り下げられる。
この時点で「おちょらにうかんでりゅよぉぉ……!」とおちびちゃんたちは大満足だ。
ヘッドフォンのようリング状のふわふわスポンジが対になったハサミがいくつもぶら下がっている改造小物干し。
小さなおちびちゃんたちの体がスポンジリングに優しく挟まれ、ぶーらぶーらと釣り下げられる。
この時点で「おちょらにうかんでりゅよぉぉ……!」とおちびちゃんたちは大満足だ。
すべてのおちびちゃんを取り付け終わったお兄さんは、ゆっくりと改造小物干しを持ち上げていく。
ぐんぐんと高度が上がっていくに従い、おちびちゃんたちの感動も高まっていき、一斉にゆさゆさゆさと体を揺らした。
ぐんぐんと高度が上がっていくに従い、おちびちゃんたちの感動も高まっていき、一斉にゆさゆさゆさと体を揺らした。
「ゆわあああ……!!たかいのじぇえ……!!まじぱにゃいのじぇええ……!!」
「みちぇ!おちょーしゃんが、ごみのよーぢゃよっ!!」
「また悪口言って……それに、そんなに高くないでしょ。まあいい。いくよ、おちびちゃんたちっ」
「みちぇ!おちょーしゃんが、ごみのよーぢゃよっ!!」
「また悪口言って……それに、そんなに高くないでしょ。まあいい。いくよ、おちびちゃんたちっ」
腰の高さぐらいまであげた改造小物干しを時たまゆっくり上下させながら、お兄さんがリビングをのし歩く。
飛んで落ちるだけのトランポリンでは絶対に不可能な、本当の「びゅびゅーんっ」だ。
おちびちゃんは興奮できゃいきゃい もるもると激しく動き、うれしーしーが飛び散ってまりさのお帽子にかかった。
飛んで落ちるだけのトランポリンでは絶対に不可能な、本当の「びゅびゅーんっ」だ。
おちびちゃんは興奮できゃいきゃい もるもると激しく動き、うれしーしーが飛び散ってまりさのお帽子にかかった。
「さて、そろそろクライマックスだ。このスーパーふかふかクッションを下に敷いて……っと」
「ゆっ!ゆぅぅううう!!またあがっちぇりゅうう!!ぐーんぐーんっ!!ゆきゃきゃっ!」
「おにーしゃん、しゅごおおおいい!!」
「ゆっ!ゆぅぅううう!!またあがっちぇりゅうう!!ぐーんぐーんっ!!ゆきゃきゃっ!」
「おにーしゃん、しゅごおおおいい!!」
改造小物干しが腰より上にどんどん上げられて、腕を伸ばしたお兄さんの頭の上、まりさが見上げることが出来る限界近くまで高められた。
お兄さんがさらに爪先立ちまでしたために、まりさは後ろにころんと転がり、無様に底部を晒す形となった。
お兄さんがさらに爪先立ちまでしたために、まりさは後ろにころんと転がり、無様に底部を晒す形となった。
「ゆわああああ……!!う、うちゅうなのじぇぇ……!!まりちゃ、ついにちきゅうをとびたっちゃのじぇええ!!」
「れいみゅ、ほんっとうのてんししゃんに なっちゃにょ?ゆぅぅぅん!!かんっげき!ぢゃよっ!!」
「おねーちゃんまりちゃは、かみしゃまなのじぇっ!!しゅべてをみおろす てんくうのおしろをてにいれちゃのじぇええ!!」
「ははっ。君たちは何度でも同じこと言うなあ。お空を飛ぶ力こそゆっくりの夢だからかな。
でも、そろそろ時間だ。最後に楽しんでいってね。はいっ、バ○スっ!!」
「れいみゅ、ほんっとうのてんししゃんに なっちゃにょ?ゆぅぅぅん!!かんっげき!ぢゃよっ!!」
「おねーちゃんまりちゃは、かみしゃまなのじぇっ!!しゅべてをみおろす てんくうのおしろをてにいれちゃのじぇええ!!」
「ははっ。君たちは何度でも同じこと言うなあ。お空を飛ぶ力こそゆっくりの夢だからかな。
でも、そろそろ時間だ。最後に楽しんでいってね。はいっ、バ○スっ!!」
お兄さんが改造物干しの手元についたレバーを握りこむと、スポンジリングが一斉にパッと開かれ、おちびちゃんたちは同時にスカイダイビングッ!よろしく落下した。
「ゆっひょおおおお!!!まりちゃしゃまが、このふはいっ!しちゃしぇかいに、こうりんっ!しゅりゅのじぇえええ!!」
「れいみゅは みんにゃにしあわしぇとどけりゅ えんじぇるしゃんっ!!ゆっくちしちぇいっちぇにぇええ!!」
「「「「へぶんっ!じょうたいっ!!」」」」
「れいみゅは みんにゃにしあわしぇとどけりゅ えんじぇるしゃんっ!!ゆっくちしちぇいっちぇにぇええ!!」
「「「「へぶんっ!じょうたいっ!!」」」」
揃って高らかに叫びながら、ぽすんとふかふかクッションに受け止められるおちびちゃんたち。
興奮冷めやらず余韻にぴくぴくと震え、うれしーしーやうれしゅっきり!を漏らしている。
しばらくしてのそのそと起き上がってきた小さな帰還者たちは、再びお兄さんの元に這いずり寄った。
興奮冷めやらず余韻にぴくぴくと震え、うれしーしーやうれしゅっきり!を漏らしている。
しばらくしてのそのそと起き上がってきた小さな帰還者たちは、再びお兄さんの元に這いずり寄った。
「おにーしゃっ!もういっきゃい!もういっきゃい やっちぇにぇ!!」
「みんにゃで おちょらとぶの、たのしいのじぇ!!まりちゃたちは、ゆっくち なかよししみゃいっ!!」
「仲良いことはいいことだね。でも、もうおしまいだよ。あとはおとーさんに遊んでもらってね」
「「「「ゆええええ!!やぢゃやぢゃやぢゃあああ!!おにーしゃんじゃなきゃ やぢゃああ!!」」」」
「ゆぅぅう……おにーさん、まりさからもおねがいするよっ……!たかいたかいしてあげてねっ。もういっかいでいいよっ……」
「みんにゃで おちょらとぶの、たのしいのじぇ!!まりちゃたちは、ゆっくち なかよししみゃいっ!!」
「仲良いことはいいことだね。でも、もうおしまいだよ。あとはおとーさんに遊んでもらってね」
「「「「ゆええええ!!やぢゃやぢゃやぢゃあああ!!おにーしゃんじゃなきゃ やぢゃああ!!」」」」
「ゆぅぅう……おにーさん、まりさからもおねがいするよっ……!たかいたかいしてあげてねっ。もういっかいでいいよっ……」
まだ遊び足りないおちびちゃんが、お兄さんのお手手にすーりすーりぺーろぺーろしたり、転がって駄々をこねたりして、必死にアピールする。
「まりさの頼みじゃ仕方ないなぁ……」と言って立ち上がったお兄さんは、頭を掻きながら別のお部屋に行き、見慣れないおもちゃを抱えて戻ってきた。
「まりさの頼みじゃ仕方ないなぁ……」と言って立ち上がったお兄さんは、頭を掻きながら別のお部屋に行き、見慣れないおもちゃを抱えて戻ってきた。
高さは大体まりさと同じぐらい。
丸い土台の中心に棒が立ち、その上部から放射状に伸びた枝には、幅広の小さな箒さんや、ヒゲを生やした亀さんが釣り下がっている。
かつてお兄さんに連れて行ってもらったゆー園地に同じようなアトラクションさんがあったのを、まりさはかすかに思い出した。
丸い土台の中心に棒が立ち、その上部から放射状に伸びた枝には、幅広の小さな箒さんや、ヒゲを生やした亀さんが釣り下がっている。
かつてお兄さんに連れて行ってもらったゆー園地に同じようなアトラクションさんがあったのを、まりさはかすかに思い出した。
お兄さんは土台から伸びている黒いコードの先の機械をまりさに見せ、説明した。
「いいかい、まりさ。このボタンを押すと、箒や亀が持ち上がって回り始める。
まあ空中ブランコのようなものだよ。ちょっと試してみようか」
まあ空中ブランコのようなものだよ。ちょっと試してみようか」
お兄さんがおもちゃのスイッチを入れると、楽しいおうたが流れて、箒さんや亀さんが土台ぎりぎりまで下がってくる。
まりちゃおちびちゃんを箒さんに、れいみゅおちびちゃんを亀さんに乗せ、まりさのお下げを手にとってコードのついた機械のボタンをぽっちんと押す。
すると、箒さんや亀さんが吊り上げられて宙に浮き、ゆっくりとくーるくーる動き始めた。
まりちゃおちびちゃんを箒さんに、れいみゅおちびちゃんを亀さんに乗せ、まりさのお下げを手にとってコードのついた機械のボタンをぽっちんと押す。
すると、箒さんや亀さんが吊り上げられて宙に浮き、ゆっくりとくーるくーる動き始めた。
「ゆゆっ!ゆわああぁぁ……!!おちょらをとんでりゅうう……!!」
「しゅごいのじぇええ!!おにーしゃんは、まほーつかいしゃんにゃのじぇえ!?」
「うちゅうゆーえい!みちゃいじゃにゃいけど、とっちぇもゆっくりできりゅにぇ!!ゆーらゆーらっ」
「おちょーしゃの びゅびゅーん(わらい)とは、ちがうにぇっ!!」
「しゅごいのじぇええ!!おにーしゃんは、まほーつかいしゃんにゃのじぇえ!?」
「うちゅうゆーえい!みちゃいじゃにゃいけど、とっちぇもゆっくりできりゅにぇ!!ゆーらゆーらっ」
「おちょーしゃの びゅびゅーん(わらい)とは、ちがうにぇっ!!」
ゆきゃゆきゃと楽しそうなおちびちゃん。
それを見てうんうんと頷き、ゆっくりとした微笑を見せるお兄さん。
しばらくするとおうたが止まり、箒さんと亀さんが再び地面に戻ってくる。
それを見てうんうんと頷き、ゆっくりとした微笑を見せるお兄さん。
しばらくするとおうたが止まり、箒さんと亀さんが再び地面に戻ってくる。
「これで1セットだ。またボタンを押せば、おちびちゃんたち皆で仲良くびゅびゅーんできるよ。
まりさはゆっくり八卦炉も使えるし、大丈夫だよね」
「ゆっ……ゆっくり、りかいしたよ……」
「よしよし。じゃあ僕はもういくから、まりさ、これでおちびちゃんと遊んであげてね。ばいばいっ」
「ゆっ……」
まりさはゆっくり八卦炉も使えるし、大丈夫だよね」
「ゆっ……ゆっくり、りかいしたよ……」
「よしよし。じゃあ僕はもういくから、まりさ、これでおちびちゃんと遊んであげてね。ばいばいっ」
「ゆっ……」
まりさのお下げをぎゅっと握って、お兄さんは後は任せたとお部屋に戻っていってしまった。
それを追って転げていったおちびちゃんたちが、お兄さんがお部屋に入ってしまうのを見て追跡を諦める。
楽しそうな顔をして戻ってきて各々箒さんや亀さんの上によじ登り、眉をひそめたドヤ顔でまりさを見つめた。
その目は楽しそうにしているものの、遊んでくれる親への感謝や尊敬などは一切見られない。
係員さん、空気を読んで、さっさとボタンを押してね。
そんな感じだ。
それを追って転げていったおちびちゃんたちが、お兄さんがお部屋に入ってしまうのを見て追跡を諦める。
楽しそうな顔をして戻ってきて各々箒さんや亀さんの上によじ登り、眉をひそめたドヤ顔でまりさを見つめた。
その目は楽しそうにしているものの、遊んでくれる親への感謝や尊敬などは一切見られない。
係員さん、空気を読んで、さっさとボタンを押してね。
そんな感じだ。
「ゆぁん?はやきゅしちぇにぇ?」
「ゆっ……ゆん。おちびちゃんたちっ、ゆっくりくーるくーるして……ゆっくり、していってね……」
「ゆっ……ゆん。おちびちゃんたちっ、ゆっくりくーるくーるして……ゆっくり、していってね……」
まりさがボタンを押すと再びおもちゃが動き出し、おちびちゃんたちが歓声を上げる。
気のせいだろうか、まりさの目線の少し上を行くおちびちゃんたちがゆーらゆーらと回ってくるたび、時折見下すような侮蔑の目を向けられているように思えた。
気のせいだろうか、まりさの目線の少し上を行くおちびちゃんたちがゆーらゆーらと回ってくるたび、時折見下すような侮蔑の目を向けられているように思えた。
まりさは目を伏せて、ふかふかの床さんに置いたまん丸ボタンだけを見つめていた。
本当は逃げ出したいぐらいだったが、おうたが終わればまたボタンを押さないといけない手前、この場を離れるわけにも行かない。
本当は逃げ出したいぐらいだったが、おうたが終わればまたボタンを押さないといけない手前、この場を離れるわけにも行かない。
おもちゃが奏でる楽しげなおうたに合わせて、おちびちゃんたちがお兄さんを称えるおうたをゆーゆー歌うのを聞きながら、まりさはいつまでもそこに佇んでいた。
つづく
何だか長いのしか書けないよ。その10ぐらいまでいっちゃいそうだよ
プロットさん、ゆっくちぃ……
プロットさん、ゆっくちぃ……

挿絵: