「教授」の召喚魔法

【用語名】 「教授」の召喚魔法
【読み方】 きょうじゅのしょうかんまほう

【詳細】

バロネス・オルツィ、もしくはクリストファー・マーロウ、さらにもしくはアブラアム・トゥルビヨンが扱う独自の召喚魔法。
以下、作中で使われる偽名が多いため表記がややこしく、この魔法を扱う人物を「教授」として統一する。

召喚魔法というが、正確に言い表すには「物体転移魔法」。
呼んでるわけだから召喚魔法で良いとは思うが。

まず魔法陣AとBを用意し、各地に住まう妖精(妖怪は癖が強いので人間に近い存在がターゲット)とコンタクトを取り、その妖精の住まう土地か妖精自体に時計型の魔法陣Aを設置。時間を1時間ずつずらして固定した時計型の魔法陣Bを自分が装着することで契約を交わした妖精達を自在に呼び寄せることが出来る。

妖精側とは彼らが望んだり、こちらから希望に叶う対価を渡すことを約束し、活発に活動する時間に設置した魔法陣のところに来るように依頼している。
が、実際は魔法陣Aには時間の指定がされておらず、教授が好きなときに呼び出せる「詐欺」めいた契約である。

色々理論武装しているが、つまりは「A」にあるものを「B」に移動させるという単純な魔法である。

ただ、現時点で呼ばれた彼らが多少驚くことはあっても時間を気にした場面が確認できていないため、妖精達も都合のいい時間云々は特に気にしていない可能性が高い。
魔法陣Bの時間を一時間ずつずらしているのも、万が一妖精側に「時間が違うじゃねーか」と問われた際のカモフラージュのためもあると推測できる。時差だよ!で押し通すのか。
逆に本当に時差を利用してたくさん契約した妖精たちをその都度取捨選択して時計型魔法陣をつけ直している可能性も考えられる。

召喚を行う際には「◯時間の◯◯!」と叫び、その前には妖精達にコールするための呪文が入る。
呼びたい相手に呼びかけるため、自分が呼ばれているとその対象が気づきやすいワードを盛り込むのが大事。
名前以外に時間も付け加えて叫ぶのは、呼ばれる側に今が「◯時=契約時間」であると誤認させるためか。
一部「春時間」だったり「診療時間」だったり別枠扱いされている妖精も。

「小豆を洗う妖怪」とか「物陰からうわんという鳴き声を挙げる」という理解不能な事象を行う妖怪よりは話が通じてやり取りがある程度しやすいとはいえ、妖精の中には人に害を加える存在、邪妖精というのも存在している。
「無表情なトム」等本気で彼の命を狙っている者もいれば、「鉄枷ジャック」のように対話ができずコントロールできないため、体の一部に無理やり召喚陣を取り付けることで気が付かれない短時間のみの召喚を行うタイプの存在も。
「ヘルラ王」とかどうやって契約したのかわからないようなタイプもいるが、「巨人の亡霊」によれば妖精王の協力を受けているとされている。左腕の手甲にはデバイスがあり、上述の能力を発動すると「LOCK」の文字が浮かび、ロックが解除されると文字は消える。

妖精側とは望むものや、対価を提示してそれを受け入れてもらうことが重要で、それを使った契約で縛っている。
上記の「無表情なトム」も不平等な契約では(表向き)なく、「自分の本名を言い当てられたら食べていい」という契約を結んでトム優位気味にしているが、バロネスもマーロウも小説家から取った偽名であり、未だに教授自身の本名は不明のため食べることが出来ない荒俣宏でもない
その一方、教授側は「無表情なトム」の真名、「トム・ティット・トット」を知っているため彼の行動を縛る事ができる。
常に対価を支払い続けているわけではないので、1回の呼び出しに応じるたびにその対価を払っているらしく、血を見るのが好きな「赤帽子」相手には1回の召喚に付き、1回は血を見せることを約束。2巻で呼び出した際には義鷹を切り刻ませることでその対価を果たした。

欠点としては、離れた地点にいる相手を転移させる都合上、コールしても居留守を使われる可能性があること。
呪文を使っても「それ俺じゃねーし」なんてそっぽ向かれたら使いたいときに使えない状態に陥りかねない。
そのためマメなコンタクトが必要であり、必要なのはお互いのギブアンドテイクである。
対人運が悪すぎて、人間嫌いのきらいがある教授らしいといえばらしい。

即応性、即効性は高いが、事前準備が必須であり、持ち込む手札は吟味しなければいけないため、相手側の情報が必要でもある。
また教授が身につけている魔法陣Bが壊されると、呼び出された対象は強制的に魔法陣Aの場所に戻されてしまう。

メリットとしては転移魔法なので好きなときに好きな手札を切れる、要はいつでもジョーカーを出せるようなものなので利便性が高いこと。
相手がどういう存在でどういう能力を持っているかを把握できれば、それに対抗する手札を揃えて戦えるので、勝負における鉄則「相手の嫌がることを押しつけ続ける」という戦法を取ることが出来、戦闘では優位に立ち回れる。

住人たち。終盤では若返った影響で社会保障ナンバーが消失し、再登録したため、バロネス・オルツィという人物は死亡した扱いになっている。
「クリストファー・マーロウ」という名前で再登録しているが、この件に関して中央は把握しているようだが借金取り等、本人名義を必要とする相手からは逃げることが出来たとか。
その関連か、クリストファー・マーロウとして再登場した際には以前のような大量召喚はせず、四季になぞらえた妖精達を呼び出し、クロックタワーという武器のエネルギーを用意してもらうことで攻撃する新たなスタイルを確立していた。
以前のような召喚を行っていれば「あいつ教授じゃね?」とバレる可能性があるためそれを防ぐためだろう。

なお「妖精学者の夏時間」ではさらに別の偽名を名乗ってはいるようだが、以前のような召喚方法で妖精を呼び出して使役している。
作中で舞台となるのがイングランド本島で日本から離れているためか。

なお、同作の第3話にて初めて契約する場面が具体的に示された。
例となったのは盗賊ダニー。イギリスに伝わる盗みの精霊とも呼ばれるいたずら妖精であり、
  • ①妖精とコンタクトをとる。その際に罠でもなんでも使う。場合によっては戦闘でおとなしくさせる。
  • ②腕時計型の魔法陣を手渡し、身につけてもらう。ただし「貸す」だけ。譲った場合縁が切れるため。
  • ③それをつけることで召喚されること、それにまつわる対価を示す(ダニーの場合は彼が探している「宝の鍵」を見つけたら渡す)。
  • ④妖精が応じることで契約が成立する。
なお、ナックラヴィーのように強引に体の一部に腕時計型の魔法陣を取り付けるという形で契約するこも可能だが、コントロールできず、「アミッド」のように零落したとはいえダーナ神族を呼び出す場合には相応に消耗するらしいことなどから、基本的に話し合いで穏便に契約に了承してもらうのが基本であるらしい。

また、時計はオフにすることで呼び出しに応じないという意思を示すことが出来ることも明らかになり、前述したマメなコミュニケーションが必要というのもこの点に関わるのだと思われる。
そう考えると契約してからずっと放置されていたアミッドが良く応じたものである。7年も放置されていたようなので、単純に契約したことも忘れていたのかもしれない。

なお同作では妖精女王モルガンから友達の証として自らを召喚する腕時計型魔法陣を与えられたが最終的に破棄している。壊れてはいないため、もしかすると後々再登場する、やも。
妖精女王マブからも気に入られたため彼女から契約を持ちかけられ断りかけるも、情熱に火が点いたという彼女に説き伏せられ、扱えるよう制限を課せられた状態で契約することとなった。

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最終更新:2025年04月28日 20:10