第18村

【第18TRPG村】Magic Art Online
↑村が建ちました!
入村pass:art

村のテーマは「MMO RPG」。
舞台は現代、PCゲーム(MMO-RPG)のテストプレイに参加したらその世界に閉じ込められてしまったという設定です。

村建て:2018年3月18日村建て、終了まで最長〇〇日程 更新:22時

この村の参加者は予め決定されています


PL:gozaさん、Arianrhodさん、ソルトさん、azubuさん
GM:青磁さん SGM:きりん
見物:てばさん、Funiさん、はやつじさん、たるとさん、Neonさん


イントロダクション

VR技術が進化し、リアリティのある体感ゲームが常識となった近未来の話。

没入型オンラインゲーム「MAO(MagicArtOnline)」のβテストに当選したあなた達。
数世代後のハード機に繋がれたヘッドギアを装着し、自分の「アバター」となる
キャラクターを作ってログインすると、
ファンタジーと近未来SFの世界観が融合した、MAOの世界が広がっていた。

βテスト開始から数か月後、異変が起きる。ログアウトが出来ないのだ。
プレイヤーキャラクターが死んでも、選択肢は出ず、
そのままセーブ地点から再スタートするしかない。

その情報はβテストのプレイヤー達へ波紋を投げかけ、混乱を呼んだ。
しかし、突如、アナウンスが入るのだった。

「ねえ、びっくりした?みんなの事、この世界に閉じ込めちゃった♡
元の世界に戻りたかったら、ボクを倒しに来ることだね。
ラスボスとしてラストダンジョンで待ってるからさ♡」

ワールドガイド

魔法、そして機械

世界の中心に聳え立つ世界樹と共に魔力は存在していたが、
魔法は元々素養のある者しか扱えなかった。
その為、魔術を扱えない人間たちは
魔力を利用した機械を作り出すことで、
誰もが魔力を扱えるようになったのである。
その結果科学技術は発達し、文明は進歩を遂げる事になる。

冒険者ギルド

元々モンスターは存在していたが、
『ラスボス』が出現後、モンスター達は狂暴化し、
より強い冒険者が求められるようになってきている

プレイヤー

プレイヤーは何らかの理由で
冒険者となるべく首都ユーノスにやってきた。
首都を拠点としながら、お使いクエストをこなしたり
自分のレベルにあったモンスターを倒してレベルを上げよう!


■システム(一部)

PT機能

プレイヤー同士でパーティを組む事が出来る。
敵を倒した時の経験値は配分されるが、
レベル差により加減される事がある

転職システム

様々なジョブを経験し、スキルを覚える事が出来る。

各種生産技能

モンスターのドロップ素材や
採取によって手に入れた素材でアイテムを作り出す事が出来る。
武器・防具・薬・料理など

釣り技能

魚やアイテムを釣ることができる。
釣った魚は主に料理技能に使用。

キャラクターメイク

皆さんは「ゲーム内の自分」「現実の自分」ふたつの自分を持っています。
チップは「ゲーム内の自分のアバターの外見」で決めて下さい。
ゲーム内の自分と、現実の自分は、精神的に同一人物です。
ただし、会話の際は基本的にアバターとして会話してください。
RPの都合上、現実世界の自分を露出したければ、それは自由です。

以下タロットから3つ、キャラクターの運命を象徴するアルカナを選択してください。

選んだアルカナはそれぞれ、「過去」「現在」「未来」を表します。


⓪愚者 何にもとらわれない自由な精神と好奇心を持っている。自らの好奇心に殺されるような無謀さも。
①魔術師 天性の魔力を持っており、見えないものを操る力に長けている。が、下手をすると、魔力の闇に呑まれてしまうだろう。
②女教皇 女性的な神秘性を持っており勘が鋭い。しかし信じられるものが無くなると情緒が不安定になる面もある。
③女帝 深い慈愛に満たされているが、対象への執着心が行き過ぎることもある。
④皇帝 王者たる威風堂々とした風格を持っている。高貴である反面、奢りたかぶる慢心も持つ。
⑤教皇 神聖性、カリスマ性を豊かに持つ。その一方で独善的な一面がある。
⑥恋人 性的魅力にあふれており、万人を魅了する。反面、依存的で強固な意志を持たない。
⑦戦車 機械類に強く、操縦や道具の扱いに長けている。その一方で魔力や直感に疎い。
⑧力 肉体的頑強さと勇気を併せ持つ。その恵まれた力ゆえ、弱者への配慮を怠りがちである。
⑨隠者 思慮深く、先を見通す智恵を蓄えている。考えすぎてしまうなど、思い切りをつけて勢いで行動をすることが苦手だ。
⑩運命の輪 強い幸運を味方につけており、信じがたい奇跡を起こす。が、根拠が薄いので周囲に信じて貰えない事も。
⑪正義 正義の本質を理解しており、誰に対しても公平で親切だ。しかし、融通が効かない一面もある。
⑫吊るされた男 とある信条に殉じて罰せられた過去がある。そのため、罪と罰について誰よりもよく知っている。
⑬死神 死は永遠の安寧をもたらすと考えており、死について肯定的だ。だからこそ、半端な生き方は許されない。
⑭節制 常に中立である。物事にはすべて表と裏があり、何が正しいということはない。この主義のせいか優柔不断に見られる事も。
⑮悪魔 弱肉強食。強い者が弱い者を征すること、欲望のままに振舞うことを是認する。その為か誰の事も信じることができない。
⑯塔 不条理に不幸にみまわれた過去があり、運命の残酷さを受け入れる強い心を持っている。その為旨い話は信じ難い。
⑰星 常に心に希望や夢を抱いていて、その姿は星のようにきらめいている。ただし、刹那的で飽きっぽい。
⑱月 言葉の魔術師であり、論理や嘘を駆使して相手の信頼を手に入れる。その本心を隠すことがとても上手だ。
⑲太陽 情熱的でポジティブだ。周囲を活気づかせる生気にあふれている。猪突猛進で自分の事しか見えなくなることも。
⑳審判 どこまでも純粋無垢で、新しい事を拒否感無く受け入れる。が、周囲から見て明らかに利用されていても、相手を疑うことなどできない。
㉑世界 情報通であり、ハッキング能力に長けている。世界のすべてを見通す目を持つ。一方で、情報に縛られ、想定外の事が起こると処理が追いつかない。


キャラクターセレクト

PC① ラルク(ソルトさん)

キャラチップ:closure ラルク
「あ、えっと、その……ボクなんか、と、パーティー組んでくれるん、デスカ?」
「①愚者」「㉑世界」「⑭節制」
  • 対人コミュニケーションに精神を摩耗させるタイプのため、クエストの進みは亀のよう。バランスよいスキル中心に戦うゆる勢。
  • レベル上げよりも、アイテムコンプリートや情報集めが好き。トモダチにも協力してもらって、素材マップは着々と埋まっている模様。
  • でも本当はパーティー組みたい()
  • 協力プレイしたい()
  • 友達欲しい!()
  • パーティーに誘われると、嬉しさのあまり挙動不審でそわそわ入るよ!
  • 18歳の高校生
  • いじめられっ子で不登校気味。友達がほぼいない。かなしい。
  • ネットで時間を潰す日々である。
  • いじめられっ子故に、誰も傷つけなくてすむ能力を選んだ。

能力【トモダチ100人出来たらな】

腹に描かれた刻印から、トモダチになってくれた動物を呼び出して助けてもらう。
でも、トモダチになってくれるかは個別交渉。
でもって、大きい動物を呼び出すのはとってもつかれる。
あくまでトモダチなので、お願いや助けてコールだけでなく、呼び出しにすら応じないこともある。

PC② 名前(あずぶぅさん)

キャラチップ:Cathedral 猫娘 エルミィ
「決め台詞や口癖など、イメージ台詞があればここに」
「⑩運命の輪」「⑳審判」「⑰星」
  • 製作大好き!(主に縫製・薬。おしゃれ装備はおまかせ!)
  • 素材集め大好き!
  • ロケーションのいいところでスクショを撮るのも大好き!
  • 製作/収集にスキルPを多く割いているので、戦闘はメインクエストを進められる程度。
  • 得物は片手ハンマー(ヘッドは星形)
  • やたらドロップ運がいいので、パーティへの誘いが多い。
  • パーティ出来れば楽しいので、高額品を簡単にあげてしまうことも。

  • 中身は20代後半。ログインは夜と休日のみ。男女考え中

能力【もふもふ☆きゅん】

  • 魅了。愛くるしい猫姿に変身して手だしできなくさせる。

PC③ サイファ(Arianrhodさん)

キャラチップ:Mad Party 奇術師セロ
「さて…そろそろ仕上げにかかろうか」
「13.死神」「18.月」「1.愚者」
  • 20代のPL、オン率やり込み度の高さから、自宅警備員疑惑が持たれている
  • 現在は召喚士だが、前職の中にガンナーが含まれている
  • 武器はその時から継続して、バトル時に変形する大きな棺
  • 生産系は簡単な武器や防具を作れるくらい
  • パーティを組むとサポート的な後衛を担当することが多く、ソロプレーも割と多い
  • とある有名パーティにいたとかいなかったとかの噂もある
  • その頃のことを語ることは少ない
  • 飄々とした印象でフィーリングで割と判断するタイプ

能力【楽園開門・カントアマービレ】

幻獣を呼び出し戦わせる。
ビジュアルエフェクトで出現時に楽園の花弁が舞う。
成功率は高いが、消耗率も激しいため、最後の切り札的にしか使えない諸刃の剣。

PC④ 斧使い マチェーテ(gozaさん)

キャラチップ:H)SOCIUS(A 彷徨いの燈火マチェーテ
「くっそ疲れ……あ。 や、やほぉ、みんな!今日もがんばろうね☆」
「⑨隠者」 「㉑世界」 「⑫吊るされた男」
  • 男性プレイヤー。いわゆるネカマ。あまり隠そうとはしていないが、指摘されると恥ずかしい。
  • ゆるふわアバターだが、脳筋スタイル。獲物は斧。
  • 生産系は不得手だが、たまに釣りをするのが好き。
  • 実際のPLは社畜なSE。たまに大学の時の友達と麻雀をやるのが唯一の息抜き。
  • しかしその友達達も徐々に家庭や彼女を持ちはじめ、集まる回数も少なくなってきている。

能力【九蓮宝燈:ナイン・ゲーツ】

死を魅せる走馬燈。
相手にとって最も恐ろしい存在が襲いかかり、
幻影を打ち破れなかった場合のみ実際にダメージを与える。

NPC

NPC① ラスボス ラウム(GM青磁)

キャラチップ:曲芸会Hello! 悪巫山戯 ウィリアム
「あははっ、みぃんなずっとこの世界で暮らすんだよ☆だから、ボクと楽しく遊ぼうねっ!」
  • 見た目は子供で無邪気な性格。
  • このゲームのラスボスとして設定されている存在。プレイヤーたちをこの世界に閉じ込めた。

能力【能力名】

【隕石落とし:メテオストライク】
  • 大量の魔力を消費し、巨大隕石を幾つも降らせる。
  • 大体みんな死ぬ

NPC② トキ(SGMきりん)

キャラチップ:壱番街 ユウキ
「サポートなら任せて。素材クエとか協力するからね」
「⑨隠者」「⑪正義」「⑤教皇」
  • 男性プレイヤー。温厚で大人しい。
  • なかなかの高レベルだがあまり中央に立つスキル組みをしていない。ゆる勢。
  • まめで真面目。辻回復したり、パーティの装備のためにクエストに出向いたり、素材交換したり、そういうことが楽しいようだ。

能力【環境構築:エンバイロメント】

  • 自分と自分の仲間にとって最高の環境を作り出す。
  • 仲間に、一気に能力アップの増強魔法をかけ、都合の良い地形効果を与え、敵には能力低下や異常状態などのバッドステータスをかける。


■後日談:マチェーテ

【村エピから更に後日。MAO開発チームの日常編】

おぅ、お帰り。

チャンネル登録数1万人行ったってなぁ。
お祝いって程じゃ無いが乾杯しようってんで、
みんなで待ってたんだ。

[入口の扉を開けて顔を見せたトキが、
突然の拍手と歓迎を受け、目を白黒させている。
鳩が豆鉄砲を食ったよう、とは
まさに今のトキの事だろう。
いや、朱鷺が豆鉄砲か……?

だがやがて状況を把握したらしく、
我らが勇者様は溢れるような笑顔と共に
"ありがとう"とはにかんだ。

──流石MAO公式チャンネル
『トキとレイのMAOMAO☆きゅん』の看板パーソナリティ。
イケメンっぷりにますます磨きが掛かって来てやがる。

なお、俺が提案した『トキとレイのMAO神拳』は
あっさりと却下された。
というより、通じなかった。
ジェネレーションギャップめ……

ついで言うと本社の一室での収録を見に行ったら、
サイファこと零ちゃんのマネージャーさんから
"零を見る目付きがヤバい"という理由で出禁になった。
非常に心外だが、まぁ……、ガン見してたのは事実だし
そんだけ彼女が大事にされてるって事だろう。
野次馬おじさんはクールに去ったのだった。

と、そんな訳で生放送を見る度に
微妙に切ない気持ちになったりするんだが
それはそれ、これはこれだ]

そこの机にレッドブルとドクペが出てっだろ。
好きなのを選んで、
ついでに乾杯の挨拶でも考えといてくれ。

乾杯自体はちぃっと待ってな?

法務チームがまとめてくれた資料を机に置いといたから、
次カツラさんに会う時に渡してくれ。

んで、ラルクが今試験期間中だからな……
あいつが次来るまでにある程度は進めときたいんで、
もうちょっと、キリの良い所まで……

[自分のデスクでディスプレイとにらめっこしつつ、
振り返りもせずに声をかけた。

煙草代わりのボトルガムを口に放り込み、
データの固まりと格闘していると──…]

 ──うわッひゃぁ……!?

[首筋に落とされた冷たい感触に悲鳴を上げる。

慌てて見上げると、両手にドクペを手にしたトキが
悪戯そうに目を細めて立ってやがった。

その細い指先が差し出したドクペを一本、片手で受け取る。

その後ろでは最近入った
やたらと壁抜けバグの発見が上手いデバッカー君や
ギャルっぽい見た目のバイトちゃんが笑っていて。

"あったまっちゃう前にと思って。
それにしても、随分ラルクの予定に詳しいね?"

"ねー?"

ヒョイとディスプレイに顔を覗かせたラウムが
こてりと首を傾げてトキの言葉に同意する。

ほんとに仲良しだなこいつらは……!]

 ……うっせぇ。
 ──お前とカツラさん程じゃねぇよ。

[仕方がなく、立ち上がる。

そういえば以前、ラウムが一連の騒動の事を
『自分育てゲー』だと言っていた事があった。

それは確かに間違いの無い事だろうと思うと同時に
『トキ育てゲー』でもあったのではないかと
俺は時々思う事がある。

自らを『独善』であり、ある種の『絶対悪』かつ
許されざる存在であると定義していたトキ。

そんなあいつの側に、
初期の初期からずっと一緒にいて
一人じゃ無いと教え続けたエルミィ。

カツラさんとエルミィがいたからこそ、
あの一人ぼっちの魔王様は
自分の本当の気持ちに気付く事ができたんだろう。

人に頼るってコマンドが
クソゲーに実装されてたって事にも。

それは立派な成長って奴じゃねぇかなぁと
かつてデジモンで遊んだおっさんは思うわけだ。

てな訳で元々トキだけは個室だったそうだが、
それじゃあいかんと下界へ引きずり出し
今じゃ開発チームで一フロア丸々を使わせてもらってる。

元プロジェクトマネージャーの執務室は
今じゃ仮眠室兼ラウムグッズの展示倉庫。
(だいたいがトキの私物だが)

そんなこんなで人類データ化計画に向けて、
やるべき事は山積みだが──…]

 今はとりあえず、───お疲れさん。

[トキの挨拶のその後で、みんなと缶を傾け合う。
疲れ切った体に、ドクペの刺激が染み渡って]

 はー……、引き篭もりてぇ……

[今日はもう少しだけ進めたら、
またあの世界に潜るとしよう。

最高の仲間達とAIが待つ、あの世界に───**]


■後日談:トキ

【村エピから半年ほどあと。MAO開発チームのフロア】

「乾杯だよ、かーんぱーい」

オレは、針山さんとカツラさんに数度目の乾杯を強いていた。
オレがかかげたビール缶に、2人は不承不承手持ちの缶をかちんと打ち合わせてくれた。

ここは、MAOの開発室の隅っこにあるA会議室。
いつでもTV会議可能なモニタとスピーカーつきの長机が据えてある。
今、その長机の上に、コンビニで買ってきた酒の缶とつまみ類が広げられていた。
この小さな飲み会には4人が参加している。オレ、カツラさん、針山さん、そしてラウム。

我らがアイドル、ラルクと零ちゃんは、酒臭いおっさんの宴から早々に退避した。
零ちゃんはマネージャーさんに腕を引かれていった。
ラルクはオレからの無茶ぶり修正依頼に馬鹿真面目に付き合い切って、今は元執務室である仮眠室で泥のように眠っている。
(哲二という本名を知ってもオレと針山さんが彼をラルクと呼び続けることをやめられないので、ラルクは最近居心地悪そうにしている)


普通に生きている誰かにとっては、なんでもない日。

でも、オレと仲間たちにとっては、革命的な日だった。

針山さんとオレが慣れない法務処理に頭を悩ませながらなんとか必要要件を揃え、その裏でラルクが修正項目に全力対応し。
そして、その書類とデータをもって、カツラさんがあらゆる手を尽くしてくれた。

その結果、MAOが、正式に法的に存続可能なサービスだと認められたのだ。

実害のあるバグを出してしまったサービスでは、普通考えられない。
しかし、「MAOを続けたい」というユーザーの声も大きかった。
そもそもこんな大規模バグ(ということになっている)は国として前例がなく、"未経験"に弱いお役所仕事を、皆で無理やり突破した感がある。

「まだ、MAOを続けられるんですね。終わってないんですね……もう何もかも終わりだと思ってましたぁ」

先ほどから、目頭が熱い。
モニタから、ラウムが『飲みすぎ』と声をかけてくる。
「飲み過ぎたいんだよ」と、へらへらと返事をした。

事態の収拾に走っていた期間は意外に短く、これから、オレたちは、もっと大きな次の試練にとりかかる。
MAOを、もっと緻密に、もっと大規模に。
プログラム的にも、法的にも、全人類がのっかっても未来にわたって耐えうる、強固に存続可能なプロジェクトへ!

でも、今はね。

この人たちの前では肩の力を抜いて、ただただ祝いたい。

オレが、既に何缶めかわからないビールを開けたとき、針山さんがじっとこちらを見ているのに気が付いた。

「なんですか? 煙草は外ですよ。前も言いましたけど、煙が精密機器に悪いんで、ここでは……」
「そうじゃねえよ、禁煙中だ」
「じゃあなんですか」
「いや、こんなバカみたいな奴の頭ん中にあんなもんが詰まってたとはな、と思って」

ぐいと腕が伸びてきて、だらしなく机に伸びていたオレの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

「あはは、オレもそう思います」


皆によって、オレは勇者に仕立て上げられた。
オレがしたこと、できなかったことを考えたら、勇者だなんて詐欺だって、今でも思う。
それでも、皆が何故そうしたかがわかったから、オレは勇者になることにした。

かつてのオレは、皆を信じなさ過ぎた。
皆のことが大好きだと言っておきながら、それは感情の押し付けでしかなくて、皆の自由意志に怯えていたんだ。

解ってしまえば、こんなに簡単なことだった。
皆はオレが思っていたよりはるかに強く、聡く、勇敢で、優しかった。
オレが波に怯えながら海岸で作っていた砂の城を、あっという間に本物の城塞都市にしてしまった。

「トキ、わかってるか? 明日もまた山積みだからな」
「おい、水を飲め」
『トキ―――? 聞こえてる―――? あは、こうなったらだめだね☆』
「マジか」
「毛布あったな、かけてほっとこう」

……聞こえてるよ。
でも、甘えたいんだよ。
だから、酔いつぶれたふりをしていよう。


初めてMAOの中で交わした挨拶を覚えている?
今思うと、奇跡みたいだったね。


オレが勇者の称号を不器用にかかげてこわばった笑いを浮かべるのは、その裏にいるヒーローたちを隠すため。
今は忙しすぎて無自覚なオレのヒーローたち。
いつか表彰台の上で赤面させてやろうって思ってる。
それまでは……。

寝落ちる寸前の頭で明日のタスクを反芻した。
また「なんだこの作業量は!! 鬼!!」って言われるんだろうな……。

ヒーローにふさわしい舞台を整えるのには、もう少しだけ時間がかかりそうだ。

[**]


TC:黒霧 隠


■TCコメント


初めての撮影な訳だが、よろしく頼む。

…さて、始めようか。霧の中の悪夢のような物語を。


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