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100秒
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beatnovel
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| 145 :「100秒」:2009/01/15(木) 01:26:09 ID:AMhh5TYbO |
「うわ、ツいてねぇ・・・」
ドラムマニアのバトルモードに興じていた彼は画面に表示された対戦相手の名前を見るなり肩を落とした。
無理もない、彼は現在9連勝中、後一勝でレアな連勝称号が得れる、
というところで現れたのが彼のスキルポイントより200以上も高い、
いわゆる、“ランカー”と称されるようなプレイヤーだったからだ。
やれやれ、と彼がとった選択はこの勝負はどう足掻いたって勝ち目がない、
だから未だクリア出来ていない曲を選んで練習のつもりで臨もう、というものだった。
途中でゲージが空になろうが最後までプレイ出来るというバトルモードにおける利点の一つを活かそうとしたわけである。
無理もない、彼は現在9連勝中、後一勝でレアな連勝称号が得れる、
というところで現れたのが彼のスキルポイントより200以上も高い、
いわゆる、“ランカー”と称されるようなプレイヤーだったからだ。
やれやれ、と彼がとった選択はこの勝負はどう足掻いたって勝ち目がない、
だから未だクリア出来ていない曲を選んで練習のつもりで臨もう、というものだった。
途中でゲージが空になろうが最後までプレイ出来るというバトルモードにおける利点の一つを活かそうとしたわけである。
| 146 :「100秒」:2009/01/15(木) 01:29:22 ID:AMhh5TYbO |
さて。
「・・・・・・出会いのリーズンなんかいらねぇっての」
バトル開始直前、選曲表示画面を見て彼は今度は思わず苦笑した。
99 The Least 100sec
99 The Least 100sec
99 The Least 100sec
―――お互い、同じ選曲。
兎を殺すライオンの如く手を緩める気は微塵もないのか、
とランカーである対戦相手の選んだ彼が未だクリア出来てない曲の名と彼の持ちキャラであるちびすけを見ながら彼は思った。
と、そんなこんなでバトルが始まった。
―――と、その時だった。
兎を殺すライオンの如く手を緩める気は微塵もないのか、
とランカーである対戦相手の選んだ彼が未だクリア出来てない曲の名と彼の持ちキャラであるちびすけを見ながら彼は思った。
と、そんなこんなでバトルが始まった。
―――と、その時だった。
| 147 :「100秒」:2009/01/15(木) 01:35:56 ID:AMhh5TYbO |
ごおおおおおっ・・・・・・・・・
―――地震。それも相当大きな。
「うわあああ!!!」「きゃあああああ!」
「ぎゃああっあっ足があ!!」「アッー!お、俺の全一がアッー!」
「ぎゃああっあっ足があ!!」「アッー!お、俺の全一がアッー!」
―――阿鼻叫喚。店内は瞬く間に地獄と化した。
DDR超発狂をこなすが如く踊り狂うゲーム機とそして人―――・・・・・・
DDR超発狂をこなすが如く踊り狂うゲーム機とそして人―――・・・・・・
・・・・・・―――時間としては一分弱といったところだろうか、
とにかく揺れが完全に収まったことを確認すると、
彼は揺れに身を委ねてダイブしたUFOキャッチャーの中から這い出た。
ダイブした時に割れたガラスで腕を多少切ったが幸い彼の負った傷はそれだけだった。
いたたた・・・、と呻きながらも立ち上がり、そしてその時。
とにかく揺れが完全に収まったことを確認すると、
彼は揺れに身を委ねてダイブしたUFOキャッチャーの中から這い出た。
ダイブした時に割れたガラスで腕を多少切ったが幸い彼の負った傷はそれだけだった。
いたたた・・・、と呻きながらも立ち上がり、そしてその時。
―――フルコンボ!
システムボイス。それが何のだかはあまりに明確だった。
| 148 :「100秒」:2009/01/15(木) 01:39:26 ID:AMhh5TYbO |
「はは・・・バグったか」
横倒しになりながらも依然稼働し続けているドラムマニア。
画面にはバトル終了後のリザルトが表示されており、
自身のは当たり前だが2曲ともE、そして相手のは―――2曲ともSSだった。
なんだそりゃ。多人数か、と驚愕を越えて一瞬訝しげ、しかし次の瞬間、彼は息を呑んだ。
リザルト表示画面からバトル階層の現在地表示画面に移る刹那のことだった。
画面にはバトル終了後のリザルトが表示されており、
自身のは当たり前だが2曲ともE、そして相手のは―――2曲ともSSだった。
なんだそりゃ。多人数か、と驚愕を越えて一瞬訝しげ、しかし次の瞬間、彼は息を呑んだ。
リザルト表示画面からバトル階層の現在地表示画面に移る刹那のことだった。
| 149 :「100秒」:2009/01/15(木) 01:43:33 ID:AMhh5TYbO |
『俺でもフルコン出来たんだ!クリアくらい赤ネなら余裕だぜ、頑張れよ!』
手紙系のアイテムを装備している場合、
リザルト表示画面が移り変わる際に手紙ごとに決められているメッセージが一瞬表示される。しかし無論―――
このようなメッセージが表示されるアイテムなど存在しない。
しばらく画面を凝視しながら周りの惨状なんのその固まっていた彼だが、
リザルト表示画面が移り変わる際に手紙ごとに決められているメッセージが一瞬表示される。しかし無論―――
このようなメッセージが表示されるアイテムなど存在しない。
しばらく画面を凝視しながら周りの惨状なんのその固まっていた彼だが、
『緊急速報です。只今関東地方で震度8の巨大地震が発生しました。震源地は新宿、新宿―――』
ゲーセンのすぐ外、商店街にある音声設備から聞こえてくる緊急アナウンス。
新宿。
彼にとってその地名は新鮮なものだった。
何故なら―――
新宿。
彼にとってその地名は新鮮なものだった。
何故なら―――
「ははは・・・ここよりひどい揺れの中で繋いだってか・・・・・・」
リザルト画面、プレイヤー名の下に表示される都道府県名と所属ゲーセン名。
対戦相手のそれには――――
対戦相手のそれには――――
東京都 レジャーランド新宿
と表示されていたのだから。
| 150 :「100秒」:2009/01/15(木) 01:47:09 ID:AMhh5TYbO |
それから半年後。
「うおっ100秒クリアしたのかよ!すげえなオイ・・・」
「5回に1回越せるかどうかってレベルだがな」
「5回に1回越せるかどうかってレベルだがな」
そこには、The Least 100secにクリアマークを点した彼の姿があった。
あの地震の後の2ch音ゲ板のギタドラランカースレの書き込みで彼は、
彼の対戦相手だったランカーがあの地震で死んだことを知った。
震源地から100キロ以上も離れていた彼のゲーセンであの様だった、
震源地にあったゲーセンでまともにプレイ、ましてやフルコンなど出来るはずがない―――。
しかし彼は、あのスコアはバグでもなんでもなく、確かにあのランカーが出したものだとなんとなく感じていた。
あの地震の後の2ch音ゲ板のギタドラランカースレの書き込みで彼は、
彼の対戦相手だったランカーがあの地震で死んだことを知った。
震源地から100キロ以上も離れていた彼のゲーセンであの様だった、
震源地にあったゲーセンでまともにプレイ、ましてやフルコンなど出来るはずがない―――。
しかし彼は、あのスコアはバグでもなんでもなく、確かにあのランカーが出したものだとなんとなく感じていた。
| 151 :「100秒」:2009/01/15(木) 01:51:14 ID:AMhh5TYbO |
あのランカーはあの日、あの地震の中で、もう自分は助からないだろうと悟ったのだろう、
だからこそ、偶然か必然か選んだ曲、The Least 100sec―――自身の残り僅かな100秒を全うし、
そして決してプログラムされていないランカー自身のメッセージをランカーの最期の対戦相手だった彼に送ったのだろう。
燦然と輝くThe Least 100secのクリアマークを見る度に、彼はそんな事を思った。
だからこそ、偶然か必然か選んだ曲、The Least 100sec―――自身の残り僅かな100秒を全うし、
そして決してプログラムされていないランカー自身のメッセージをランカーの最期の対戦相手だった彼に送ったのだろう。
燦然と輝くThe Least 100secのクリアマークを見る度に、彼はそんな事を思った。