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If...

最終更新:

beatnovel

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387 :If...:2007/01/22(月) 15:36:57 ID:z9ShgqGl0
スティジクリア!


( ^ω^)「…ふう…ラストは結構いけたと思うお…」


ある男がドラムマニアをプレーし終えた。

彼の名はブーン。
音ゲー初期からのプレイヤーであり、ほぼ全ての機種をプレーしている。
だが、彼は最近とある事を感じていた。


RESULT:
SKILL POINT 1155.37 +0.00


( ;^ω^)「やっぱ駄目かお…もうどれだけの間上がってないんだお…」


そう、彼はほぼ全ての機種において壁を感じていた。
それも半端な期間の長さではなく、ここ二年間ほど成長を実感できていないのだ。

IIDXはLv11をちらほらクリアできる程度。
ポップンはLv39~40がそこそこ。
DDRはLv9以上がいつまで経っても安定しない。
ギタドラは共に黄ネームだが、VとV2で総合的なSPは5程度しか差が無い。
V3ではスキル枠改定の恩恵で多少上がったが、それでも前回と比べると17しか上がっていないのだ。
キーボードマニアはREALのLv5が一部クリアできる程度でやはり留まっている。

388 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 15:40:29 ID:z9ShgqGl0
( -ω-)「六機種全て、ここ数年伸びが見られないという事は…これが僕の限界なのかお…」


収穫無しに終わった、今日つぎ込んだ1500円。
上達するには練習するしかない。

…わかってはいるのだが…


そんなとき、先程までブーンがプレーしていたドラムマニア筐体に誰かが近寄った。

誰だろう、そう思って振り返ると…


( ^ω^)「あ。」


そこには、そのゲームセンター唯一のドラム赤ネーム、ショボンがいた。
ブーンは彼とは面識が無い。
だから、毎回遠目に彼のプレーを見ているだけだった。

そして、彼のプレーが始まる。

389 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 15:45:16 ID:z9ShgqGl0
タンタンタンタタタタタタタッドドシャーン


( ^ω^)「相変わらず凄いお…」


流れるような美しいスティック運び。
そして、なによりパフェ率が非常に高い。
そんなショボンに、ブーンは憧れていた。


( ^ω^)(あれだけ綺麗に、そして正確に叩けたら気持ちがいいんだろうな…)



そんな事を考えていたブーンは、ふと思った。

( ^ω^)(…もしどんな高難易度でも完璧に叩けるようになったら、どんなに気分がいいんだろうか…)

( ^ω^)(まあ、そんなの無理だお…わかってるけど…)

( ^ω^)(でも…そうなれたらどんなに楽しいだろうかお…)


しばしショボンのプレーを見た後、ブーンは出口に足を運んだ。


( ^ω^)「今日はもう帰るお、明日また練習だお!」


そんなブーンに次の日、とある変化が起こるとは本人も知る由はなかった。

390 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 15:49:54 ID:z9ShgqGl0
翌日、学校。

( ^ω^)ノ「おいすー」

('A`)「お、ブーン。音ゲー最近どうだ、頑張ってるか?」


彼は音ゲー仲間のドクオ。
音ゲーの腕前はほぼ一緒…なのだが、そうなったのはつい最近の話。

そう、ドクオの腕がブーンに『追いついた』のだ。
しかも、最近ではIIDXにおいてクリア力では抜かれてしまっている。


( ;^ω^)「相変わらずだお…伸びる気配全くナッシングwww」

('A`)「いくら停滞気味だからって、ここまで動かないもんかねぇ…」


少し自嘲気味に笑ったブーンだったが、内心では少し焦っていた。
自分より後…しかも、わずか一年半前に音ゲーを始めたドクオに一気に追いつかれた事が焦りの原因である。


('A`)「まあ、停滞も四年も五年も続くわけじゃないだろ。今日もゲーセン行くか?」

( ^ω^)b「もちろんおkだお。」

391 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 15:58:14 ID:z9ShgqGl0
放課後

いつものゲーセンにきたブーンとドクオ。
今日はいつもと違い、多少店内が賑やかだった。


('A`)「何か今日は混んでるなぁ。」

( ^ω^)「うーん…、あ、丁度ドラムが空いてるお。」

('A`)「じゃあブーンやってこいよ、俺はギターが空くまで待つわ。」

( ^ω^)「おkおk、やってくるお。」


カード・コインを入れてゲームスタート。

( ^ω^)「まずはいつも通り、お気に入りのこの曲からいくお!」

392 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:03:34 ID:z9ShgqGl0
選択したのは『BOBBY SUE AND SKINNY JIM』(Ext/Lv74)
Sランク安定曲であり、毎回彼のウォーミングアップ代わりの曲である。
まあ、好きでやっていたためにウォーミングアップ代わりになった、というのが正しいが…


( ^ω^)「~♪」


と、楽しくプレーしている最中ブーンはある違和感を覚える。

( ^ω^)(…あれ?いつもならここで切るはずなのに…)

いつもコンボを切っているフィル地点があるのだが、何故かそこが繋がった。
しかも、危なげなく。

( ^ω^)(もしかして、今日は調子が良いのかお!?)

これだけなら、『調子が良い』の一言で片付くはずだった。
だが、違和感はもう一つあった。


( ^ω^)(…そういえば、さっきから判定の文字が黄色一色だお…?)

何かを不思議に思いつつ、そのまま曲は終了。
フルコンボというおまけつきで。


( ^ω^)「初めてフルコンできたお!達成率はどうなっているかお~」


そこで、ブーンは自分でも信じられない結果を目の前にする。

393 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:08:07 ID:z9ShgqGl0
『エクセレント!』


そう、目の前に飛び込んできたのは評価SSと達成率MAXの文字。
そして、ドラムではめったに聞く事が出来ないエクセレントのボイス。
これには流石に、順番待ちをしていたドクオも飛びついてきた。


(;'A`)「まままま、マジか!!?? ボビスーで、しかもドラムでエクセ出すとかどんな奇跡だよ!」

( ;^ω^)「自分でも信じられんお…夢を見ているみたいだお。」

(;'A`)「ボビスー赤でエクセとか…こりゃ億、いや兆分の1の確率に当たったようなもんだな。」

( ;^ω^)「自分でもそう思うお…」


まだ目の前の事を信じられないブーン。
しばらくリザルト画面のままぼっとしていた。

394 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:13:24 ID:z9ShgqGl0
('A`)「おい、いつまでもボケッとしてないで次選べよ。」


画面は知らない間に曲選択画面に移っていた。


( ^ω^)「あ…すまんお。」

('A`)「今日は一発目でこんなミラクル出せたんだし、波に乗って高難易度攻めていったらどうだ?」

( ^ω^)「うーん…そうだおね、よし次はこれいくお!」


次に選んだのは『YOU CAN'T DO IT』(EXT/Lv90)


('A`)「おいおい大丈夫か?それ、お前B安定だろ。」

( ^ω^)「さっきのでSS出たから、一個くらいBが出ても平気だお!」

('A`)「ま、それもそうか。新記録目指して頑張れよ。」

( ^ω^)b「もちのロンだお!」


先程のエクセで気分が高揚したせいか、いつもより楽しげに叩くブーン。
が、この後二人だけでなく、周りの人達も唖然とする光景が繰り広げられた。

395 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:20:00 ID:z9ShgqGl0
『エクセレント!』

RESULT
評価SS/達成率MAX


(;'A`)「………」

( ;^ω^)「………」

(;'A`)「な、なぁブーン…一体どうしたんだよ、今日は。」

( ;^ω^)「じ…自分でも…よくわからないお…」


明らかにおかしい。
何故こうもエクセレントがぽんぽんと出せるのか?
当然、ブーン自身にもよくわかっていなかった。

混乱しているブーンに、ドクオがこんな提案を出した。


('A`)「…デイドリ赤やってみろよ。それでもエクセ…いや、フルコンが出せるなら…」

( ^ω^)「え…?」


すぐに返事はできなかった。
何だかやるのが怖く感じたのだ。

だが…


( ^ω^)「やってみるお。」


それはブーンにとって、ある種の防波堤を決壊させる事にもなった。

397 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:26:02 ID:z9ShgqGl0
まずは最初の簡単なところ。
ここなら普段のブーンでもオールパフェは出せる。
問題はスネアが終わった後のシンバル地帯…

( ^ω^)(ここからだお…)

そしてシンバル地帯に入った瞬間、ブーンは不思議な感覚に包まれる。


( ^ω^)(おっおっ?な…何だお、この感じは…)

( ^ω^)(どう叩けばいいか、どういうタイミングを取ればいいかが頭の中に…!?)


普段だったらがむしゃらにシンバルを連打して、そのまま落ちていった。
しかし、今日はどういうタイミングで、どういうスティックワークをすればいいのかが自然と頭に流れ込んでくるのだ。

どんどん増えていくコンボ表示。
そんなプレー状況を見ていたドクオは、口を半開き状態にしていた。


(;'A`)「ま、まさか…」


近くにいたギャラリーも、もはやブーンのプレーに釘付けになっていた。
その後シンバル地帯を全て繋ぎ、あの最後の鬼タムさえも全て繋いだ。
…しかもオールパーフェクトで。

398 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:30:40 ID:z9ShgqGl0
終わった後、もはや今日だけで三度目となる声が響き渡る。

『エクセレント!』


少しの静寂の後、急に後ろから声が沸く。


『SUGEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!マジかよあれ!!!』
『人間じゃねぇよ…』
『でも実際目の前で繋いだぜ!?しかもエクセとか、どういう奴なんだ一体!?』
『い、いるんだな…機械みたいな正確さを持つ奴って…』


様々な声が飛び交う。
だが、この事が信じられないのはプレーした本人も同じだ。


( ;^ω^)「い、一体…僕はどうしちゃったんだお?」

ブーンは混乱していた。
だが、もう一つ何か違う感情も沸いてきていた。

( ^ω^)(こんな酷い譜面でさえもきちんと叩けるようになっているなんて…)

( ^ω^)(な、何だか…気分が良いお…)


そこでブーンはハッとなった。


( ^ω^)(そういえば、昨日何となく考えた事が…現実になってるお!?)

( ^ω^)(でも…どうしてだお…?)

400 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:38:51 ID:z9ShgqGl0
考えているうちに、ドクオが話しかけてきた。


('A`)「おい…プレアン出すつもりなのか?」

( ^ω^)「え?」


画面はいつの間にか曲選択画面になっており、αρχηにカーソルが合っていた。


( ^ω^)「せっかくだから…やってみるお!」


その後のブーンは周りの想像通り、αρχηとMODEL FT2 Miracle verをあっさりエクセを出して常駐させた。
そしてプレーを終えたブーンに、ドクオが話しかけた。


('A`)「なぁ…お前一体何があった?学校で『伸びる気配全く無し』とか言ってたじゃん。」

(; ^ω^)「さっきも言ったけど、自分でも全くわからないんだお。…でも…」

('A`)「でも…何だ?」

( ^ω^)「これだけ完璧に叩けると気持ちがいいお!あれだけ苦労してた曲をこれだけスムーズに叩けるなんて…」

('A`)「あぁ…確かに気分良いだろうなー 何だか羨ましいぜ。」


ドクオと話している時に、ふと視界に一人の男が入った。
それまでブーンの憧れの対象であったショボンだ。
そのショボンもブーンのプレーを見ていたのか、感嘆の声を上げ、羨望の眼差しをしていた。


これで見たブーンは完全に有頂天になってしまった。

401 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:42:43 ID:z9ShgqGl0
と、そんな時にドクオがブーンに一言かけた。


('A`)「なあ、もしかして…ドラム以外も完璧な演奏ができるようになってたりは…?」

( ^ω^)「お?」


ありえない話ではない。
という訳で、二人は丁度空いていたIIDXに移動した。


('A`)「フリーでやってみろよ。もしIIDXはいつも通りだった場合、事故落ちが防げるしな。」

( ^ω^)「わかったお。」


100円を入れ、フリーモードを選択。
ブーンが選んだのは、冥(A)。
オプションはハイスピードのみで挑む。
普段だったらBAD・POORが合わせて500以上は出る曲だ。
だが、もしもIIDXでも先程のようなプレーができれば…

402 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:46:31 ID:z9ShgqGl0
いよいよ曲開始。
最初の乱打地点は難なく繋ぐ。
とはいえ、それだけでも以前のブーンからすれば考えられない事なのだが。
そして、減速地帯。
少しずつ速度上昇していくにも関わらず、正確に叩いていくブーン。
しかも、常にジャストグレート。
それはさながら、オートプレイを見ているかのようだった。

曲終了と同時にフルコンボエフェクトが出る。
さらにリザルトでは、見事なまでのパーフェクトスコア達成。
それはまさに前人未到かつ、誰にも真似の出来ないプレーを達成した瞬間だった。


('A`)「……マジか……」

( ^ω^)「やっぱり…『完璧に』できるようになってるお…」

403 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:51:17 ID:z9ShgqGl0
その後、ブーンは様々な機種の難関曲をプレーしてみた。

ポップンのGALAXY FOREST 11.6&12(EX)
ギターフリークスのConcertino in Blue(OP)(Ext)
DDRのCHAOS(Ex)
キーボードマニアのCarezza(A)

…全てフルコンボ&パーフェクトで越したブーン。
もはや疑いようはなかった。


( ^ω^)「これは凄い事だお!よし、これからも楽しんでいくおー」

('A`)「…ブーン…」


すっかり喜んでいるブーンを少し心配そうに見つめるドクオ。
それは、ある種の不安があったからだ。
…そして、その不安は後に現実となってしまう。

406 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 16:59:11 ID:z9ShgqGl0
その後、ブーンはほぼ毎日ゲームセンターに通った。
曲を完璧に演奏できる事、さらに他の人達よりも確実に自分の方が腕が上だという優越感もあったのだろう。
約一ヶ月の間、ブーンは非常に楽しく音ゲーをプレーしていた。
…だがその後、ブーンは徐々にゲームセンターに姿を現さなくなる。

それは、ドクオの不安が的中した事も意味していた。



ブーンが変わってから一ヵ月半後。
学校にて…

しばらくゲームセンターに姿を見せなくなったブーンに、ドクオが話しかけた。

('A`)「なあ、最近ゲーセンに顔出さねーじゃんか。どうしたんだよ?」

( ^ω^)「いや…何というかお…」

その次に、ブーンはこんな言葉を返してきた。
それは、ドクオが何となく予想していた返答内容でもあった。

( ^ω^)「…つまらなくなったんだお、音ゲーが…」

408 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 17:03:20 ID:z9ShgqGl0
('A`)「…マジか?」

( ^ω^)「完璧に演奏できるのは確かに気持ちよかったんだけど…逆に『これ以上成長が無い』という事が何だかつまらなく感じてきてお…」

('A`)「ま、何となくわかる気もするけどよ…だったら『演奏する』事と『曲を楽しむ』事に集中すればいいじゃん?」

するとブーンはこんな答えを返してきた。

( ^ω^)「その事に集中してプレーするようにはしてたんだお…
      でも…『ゲーム』である以上、上達して『攻略する』という要素が無くなってしまうと、つまらなく感じてしまうんだお。」

確かにそうだ。
これはあくまでゲームなのだ。
ゲームの楽しさの第一義といえば、やはり『攻略する事』にある。
今のブーンには、その『攻略する楽しさ』が無くなってしまっているのだ。

('A`)「…確かにその要素が無くなっちまうと、楽しさも半減するな。毎回パーフェクトのリザルトを見てもつまらねえし…」

( -ω-)「ただプレーする事を楽しむ…というけど、それもやはり『完璧ではない』からこそ楽しい事がわかったお。
     こうして何をやっても完全にできると、面白くなくなるお…」


ブーンの表情が次第に曇ってきた。

409 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 17:06:48 ID:z9ShgqGl0
( -ω-)「以前『もしどんな高難易度でも完璧に叩けるようになったら、どんなに気分がいいんだろう』と考えた事があるんだお。
  それが実現したら、まさかこんな事になるなんて…」

( -ω-)「…これなら成長しなくて嘆いていた、あの状態の方が良かったお。
  あの頃の方が音ゲーを楽しくプレーできたから…」

('A`)「………」


ドクオは言葉をどうかけていいのかわからなかった。
自分の数少ない趣味の一つが消えてしまったブーンは、心なしかかなり落ち込んでいるように見える。
やはり自分の楽しみが消えてしまうのは、悲しいものがあるのだろう。
その日、ドクオはブーンに励ましの言葉をかける事位しかできなかった。

410 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 17:10:43 ID:z9ShgqGl0
その夜、ブーンの部屋。


( -ω-)(…何でこんな体になっちゃったんだお…あの頃に戻りたいお…)

いやでもパーフェクトプレイしかできない体。
何故こんな体になってしまったのだろうか…
そんな事を考えているうちに、少しずつ眠りの世界に落ちていくブーン。
いつしか、完全に深い眠りへとついた。





???(…ン君…ブーン君…)

( -ω-)「…誰…だお…?」

???(どうだった?君が望んだ『完璧な演奏が出来る技術』は…)

411 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 17:15:18 ID:z9ShgqGl0
どこからか聞こえる謎の声。
ブーンはその正体不明の声に向かって叫んだ。

( ^ω^)「あ…あんたが僕をこんな体にしたのかお!?」

???(まあ、そんなとこだ。…ところで、その技術はどうだった?)

( ^ω^)「…最初は嬉しかったけど、後になって思ったお…こんな完璧なものはいらないって…」

???(…完璧にプレーする事が、必ずしも音楽ゲームの楽しみの究極目的ではない。…それがわかってくれたかい?)

確かに完璧な演奏ができるようになるまでのブーンは、ただスキルアップを目的にしか音ゲーをしていなかった。
それは全く悪い事ではない。
ただ曲と共に…いや、音ゲーの全てを楽しむという事をブーンが忘れていた事も事実だ。
何せ、それぞれのゲームの出力音が極少状態であっても、かまわずノーツを叩き続けていた位なのだから…

412 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 17:19:17 ID:z9ShgqGl0
( -ω-)「よくわかりましたお…最近の自分は、ただ狭い範囲でしか音ゲーの楽しみを捉えていなかったのがわかりましたお…」


すると、謎の声はこう返してきた。


???(そうか…では、そろそろ元の状態に戻してあげようか。)

( ^ω^)「mjsk?…いや、本当ですかお?」

???(ああ、少々きついやり方をしてしまったが…君も色々とわかってくれたようだしね。)

( ^ω^)「よ…良かったお… あ、ところで…」

???(何だい?)

( ^ω^)「あなたは…誰なんですかお?」

???(何だ、わからないのかい?古参の君ならわかると思っていたんだけどな…)

( ^ω^)「…?」

???(まあ、そのうち思い出すよ。…じゃあな、ブーン君。)

( ^ω^)「あ、ちょっと待ってくだs…」


…そこで、声は途切れた。

413 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 17:24:21 ID:z9ShgqGl0
( ^ω^)「待ってください!」

叫びながら布団から飛び起きたブーン。
気付くと、目の前に広がっていたのは見慣れた自分の部屋。


( ^ω^)「…夢、だったのかお…?」

しかし、ブーンは何故か夢の中の出来事を信じてみたくなった。
今日は丁度日曜日。
彼は約二週間ぶりに、いつも行っていたゲームセンターへと足を運んだ。




久しぶりのゲームセンターの喧騒。
ブーンは冷たい手を暖める事も兼ねて、ドラムマニアの筐体前へと座った。

( ^ω^)「あの夢の通りなら…」

100円を入れ、スタート。
選曲はやはりいつも通り、『BOBBY SUE AND SKINNY JIM』

415 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 17:30:17 ID:z9ShgqGl0
曲が始まる。
ハイハット・シンバルの交互打ちを終え、すぐに来る四連ハイハット…
そこで見えた、久しぶりのGREATの文字。

( ^ω^)「お…」

その後、苦手だったフィルの部分でしっかりとコンボを切る。
終わってみれば、評価S/達成率78%…


( ^ω^)「…元に戻ってるお…」


あれだけ譜面を正確に叩けたブーンはもういなくなっていた。
そこにいるのは、二ヶ月前と変わらぬ実力を持つブーンの姿だった。


( ^ω^)「ははは、やっぱりこの達成率かおww」


しかし、そこには以前のようなガックリとしたブーンの顔は無かった。


( ^ω^)「よーし、上手くなれるように楽しんで頑張っていくお!」


どこか以前とは違う、そんな雰囲気を持つブーンの姿がそこにあった。

416 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 17:33:10 ID:z9ShgqGl0
( ^ω^)(…ところで、あの声は一体誰だったのかお?どこかで聞いた事があるような気もしたけど…)

そんな事を思いつつ、プレーを終えて家に戻ったブーン。
部屋に戻り、床に寝転がる。

と、横を向いたところで一つの物が目に入った。
そこはゲームソフトを置いてある棚。
その中で偶然目に飛び込んだのが、『beatmania 2ndMIX』

( ^ω^)「あ…!」

ブーンは即PS2を起動し、2ndMIXのソフトを入れる。
タイトルからアーケードモードを選択し、プラクティスモードを選ぶ。
するとつい昨晩、夢の中で聞いた声が部屋に響き渡った。

417 :爆音で名前が聞こえません:2007/01/22(月) 17:37:13 ID:z9ShgqGl0
( ^ω^)「…そっか、この人が…」


画面には懐かしいものが写っていた。
ビートマニアの基礎を教えてくれた人物。


DJ KONAMIが。


( ^ω^)「初心を忘れるな、か…」


その日は、雲一つ無い快晴。

まるで今のブーンの心を表すかのように。



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