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carnival (re-construction ver) Phase 3 -decisive battle- St.2
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| 177 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 22:05:50 ID:vrLAzWIt0 |
「ねぇアル、クーリーは何の曲を聴いているんだろう」
唐突にアリスはアルベルトに問いかけた。
彼は数年前にクーリーが何か大きな音ゲーイベントに参加した時の事を思い出した。
彼は数年前にクーリーが何か大きな音ゲーイベントに参加した時の事を思い出した。
何の大会だったか、クーリーは大勢の人の前でIIDXをプレーする事になっていた。
確かあの時、クーリーは今と同じように曲を聴いていた。
アルベルトはその時、クーリーに何の曲を聴いているのかと尋ねたことをも思い出した。
その時にクーリーの返した答え。それは、
確かあの時、クーリーは今と同じように曲を聴いていた。
アルベルトはその時、クーリーに何の曲を聴いているのかと尋ねたことをも思い出した。
その時にクーリーの返した答え。それは、
「あぁ、今聴いている曲は『DEPARTURE』だよ」
これだった。クーリーはIIDX専門のプレーヤーだったはずなのに、
何故ギタドラの曲を聴いているのか?そう疑問に思ったアルベルトは問いを重ねた。
何故ギタドラの曲を聴いているのか?そう疑問に思ったアルベルトは問いを重ねた。
「どうして。お前ギタドラはやらないじゃないか」
「うん。あのゲーム、僕には最高に素晴らしいと言っていいほど合わない。物凄く苦手だよ。
でもさ、最高に良い曲は沢山あるでしょ?それを聴きたいって言うのは自然な感情だ。
この曲はさ、このシリーズの中で素晴らしい曲の内の一つだと思うよ。
歌詞も素晴らしいと思う。今のこの状況には多分合っていないけどさ、
この歌詞を聞いて、意味を噛みしめると、何故だか力が沸くんだ。不思議だよね」
「うん。あのゲーム、僕には最高に素晴らしいと言っていいほど合わない。物凄く苦手だよ。
でもさ、最高に良い曲は沢山あるでしょ?それを聴きたいって言うのは自然な感情だ。
この曲はさ、このシリーズの中で素晴らしい曲の内の一つだと思うよ。
歌詞も素晴らしいと思う。今のこの状況には多分合っていないけどさ、
この歌詞を聞いて、意味を噛みしめると、何故だか力が沸くんだ。不思議だよね」
そうしてクーリーは曲を聴き、そして大会で好成績を出していたはずだ……
とアルベルトは回想を終え、隣で答えを待つ姉のために口を開く。
とアルベルトは回想を終え、隣で答えを待つ姉のために口を開く。
「アイツさ、音ゲー曲の中でお気に入りの曲を聴くと力が沸くんだって何年か前に言ってた。
あの時聞いていた曲は『DEPARTURE』だったよ。今同じ曲を聴いているかはどうか分からない。
『quesar』のようなどこか悲しい雰囲気を醸し出しているトランスを聴いているかもしれない。
『RED ZONE』みたいな激しく、気分が乗る曲を聴いて気持ちを昂らせているかもしれない。
『冥』とか『HEAVEN INSIDE』とかさ、テーマ性が強い曲を聴いているかもしれない。
でも、俺にはクーリーが今何の曲を聴いているのかは分からない」
あの時聞いていた曲は『DEPARTURE』だったよ。今同じ曲を聴いているかはどうか分からない。
『quesar』のようなどこか悲しい雰囲気を醸し出しているトランスを聴いているかもしれない。
『RED ZONE』みたいな激しく、気分が乗る曲を聴いて気持ちを昂らせているかもしれない。
『冥』とか『HEAVEN INSIDE』とかさ、テーマ性が強い曲を聴いているかもしれない。
でも、俺にはクーリーが今何の曲を聴いているのかは分からない」
そう、とアリスは何処か寂しげに返し、そしてアルベルトに言った。
「さて、そろそろ時間ね」
「あぁ、そうだな…アヤ!」
「この時間となれば…出撃だな?」
「あぁ!」「そうよ!」
「台詞が合ってない。ハモるなら合わせろ。
……それでは、これより『ダブルエース陸上迎撃部隊』…出撃!」
「あぁ、そうだな…アヤ!」
「この時間となれば…出撃だな?」
「あぁ!」「そうよ!」
「台詞が合ってない。ハモるなら合わせろ。
……それでは、これより『ダブルエース陸上迎撃部隊』…出撃!」
おう、行くよ!と双子はセリフを合わせられないながらもハモって兵器廠出入り口の一つへ飛び出した。
これから二人はメトロに乗り、第一ブロックにて待機する手筈だった、とアヤは確認しながらクーリーの方に顔を向けた。
これから二人はメトロに乗り、第一ブロックにて待機する手筈だった、とアヤは確認しながらクーリーの方に顔を向けた。
| 178 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 22:12:27 ID:vrLAzWIt0 |
「クーリー、そろそろ」
アヤはそれのみを話し、クーリーに呼びかけた。
呼びかけられたクーリーは満足そうな笑みを浮かべ、
MPDとイヤホンを元の場所に戻し、そしてユールと同じように飛び込んで搭乗した。
呼びかけられたクーリーは満足そうな笑みを浮かべ、
MPDとイヤホンを元の場所に戻し、そしてユールと同じように飛び込んで搭乗した。
二つの戦闘機の中には、意識シミュレータで装備していたものと同じゴーグルと、
それとよく分からないヘルメットのような物があった。
それとよく分からないヘルメットのような物があった。
「ブレインコントローラ。意識シミュレータで学習し経験を積んだろう?
あのイメージ通りに機体を動かす装置だ。あそこで動かすのと大差ないさ」
あのイメージ通りに機体を動かす装置だ。あそこで動かすのと大差ないさ」
アヤの声が二人に聞こえた。
ユールもクーリーもそれらを装備し、意識シミュレータで学習した通りにそれぞれの機体を操作する。
二つの箱が少しふわっと浮いた。
ユールもクーリーもそれらを装備し、意識シミュレータで学習した通りにそれぞれの機体を操作する。
二つの箱が少しふわっと浮いた。
「凄い、ちゃんと動いている」
ユールは一言感想を誰に言うでもなく呟き、そして何かが起きている事を感じ始めた。
意識シミュレータ内で動かしたようにこの機体は動いたが、
全身を包む不快感と安息が入り混じったこの精神状態を経験するのは初めてだった。
意識シミュレータ内で動かしたようにこの機体は動いたが、
全身を包む不快感と安息が入り混じったこの精神状態を経験するのは初めてだった。
私の手元に二機の戦闘機についての資料がある。
勿論、ユールとクーリーが乗り込んだ機体についての資料だ。
勿論、ユールとクーリーが乗り込んだ機体についての資料だ。
元々はWSFカーニバル基地航空部隊のエースであるアヤと、
基地航空部副隊長トルセの為に開発された機体だった。
部隊長は統率力に秀でた人間ではあったが、飛行機のパイロットの腕は一流とは呼べなかった。
基地航空部副隊長トルセの為に開発された機体だった。
部隊長は統率力に秀でた人間ではあったが、飛行機のパイロットの腕は一流とは呼べなかった。
この機体にはPSCRで使われている「異次元」へのアクセス技術を応用している。
PSCRはPSCRの中に異次元を生み出し、その中の容量分だけ中に物を詰め込むことが出来る。
これを応用し、機体の中に異次元空間を置き、そこから弾薬を補給し、兵装の姿を表す。
機体に生成する異次元の容量は殆ど数字を無視できる程大きい。
よって、積んでいる弾はもはや無限弾と言っても過言ではない。
PSCRはPSCRの中に異次元を生み出し、その中の容量分だけ中に物を詰め込むことが出来る。
これを応用し、機体の中に異次元空間を置き、そこから弾薬を補給し、兵装の姿を表す。
機体に生成する異次元の容量は殆ど数字を無視できる程大きい。
よって、積んでいる弾はもはや無限弾と言っても過言ではない。
| 179 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 22:22:48 ID:vrLAzWIt0 |
アヤの為に開発され、今はクーリーが搭乗している機体と、
それが積んでいる兵装とその使い方について触れてみよう。
それが積んでいる兵装とその使い方について触れてみよう。
青い箱の中にIIDX筐体の形をしたメインコンピュータがある。
筐体の画面中央には機体前面に搭載しているカメラを通じて外の視界が映る。
搭乗時に外が全く見えなくなるという訳ではないが、一応つけた機能といった感じだ。
周りの様子はHMDを通して見るレーダーを確認すれば良いし、
何よりそうして視界を確保しているのだから、わざわざ画面中央を見なくてもよいのだ。
筐体の画面中央には機体前面に搭載しているカメラを通じて外の視界が映る。
搭乗時に外が全く見えなくなるという訳ではないが、一応つけた機能といった感じだ。
周りの様子はHMDを通して見るレーダーを確認すれば良いし、
何よりそうして視界を確保しているのだから、わざわざ画面中央を見なくてもよいのだ。
そして、快適な操作性を実現させるのに大きく貢献したのが
「ブレインコントロールシステム」の実装である。ユールの支援機も実装している。
ブレインコントローラを装着、機体と神経接続し、パイロットと機体が文字通り一体となる。
これをブレインコントロールと言い、これによって物凄く高い機動性を得る事が出来るのだ。
そこらの素人だろうが、一流パイロットを凌駕する可能性を秘めたこのシステム。
そしてこの箱型の機体の持つあり得ない機動性。二つが融合すれば鬼に金棒と言える。
乗り手の腕が最高だったら、鬼と金棒の部分が別の言葉に置き換わっているだろう。
「ブレインコントロールシステム」の実装である。ユールの支援機も実装している。
ブレインコントローラを装着、機体と神経接続し、パイロットと機体が文字通り一体となる。
これをブレインコントロールと言い、これによって物凄く高い機動性を得る事が出来るのだ。
そこらの素人だろうが、一流パイロットを凌駕する可能性を秘めたこのシステム。
そしてこの箱型の機体の持つあり得ない機動性。二つが融合すれば鬼に金棒と言える。
乗り手の腕が最高だったら、鬼と金棒の部分が別の言葉に置き換わっているだろう。
だが、これにはあるデメリットがある。一種の副作用のようなものだ。
パイロットは機体と神経接続をする。すると、一種の不快感が現れる。
そしてもう一つ。戦闘中に何らかの攻撃によってダメージを受けてしまったとする。
すると、神経接続をしているパイロットもダメージを負ってしまうのだ。
どうにかならなかったものかと私は思うのだが、どうにもならなかったからこうなったと考えるしかない。
パイロットは機体と神経接続をする。すると、一種の不快感が現れる。
そしてもう一つ。戦闘中に何らかの攻撃によってダメージを受けてしまったとする。
すると、神経接続をしているパイロットもダメージを負ってしまうのだ。
どうにかならなかったものかと私は思うのだが、どうにもならなかったからこうなったと考えるしかない。
それでも、デメリットがこの程度で幸いだと考えるべきだと私は思う。
何故なら、これら二機の戦闘機、支援機の機動性を実現させる
この技術によるリターンは予想していたより少なかったからだ。
何故なら、これら二機の戦闘機、支援機の機動性を実現させる
この技術によるリターンは予想していたより少なかったからだ。
次に、クーリーが搭乗している機体の兵装について説明しよう。
この項に、機体内部にIIDX筐体の形をしたメインコンピュータがあると書いた。
つまり、攻撃と兵装切り替えはこの筐体に命令を入力すればよいのだ。
どうやって筐体に命令を入力すれば良いかというと、簡単だ。
普段IIDXをプレーするように、鍵盤を叩いたりエフェクターをいじったりすれば良い。
攻撃は鍵盤を叩いて行う。これについて、SPモードとDPモードと呼ばれる形態が存在するが、後述する。
兵装切り替えはVFEXボタンを押す。曲選択時に難易度を変更するボタンだ。
ノーマル時「エネルギーバルカン」→ハイパー時「エネルギーライフル」
→アナザ―時「とどめの一撃」→ノーマル時…と切り替わる。
エフェクターのつまみは、主に兵装の威力の調整に使う。
対地攻撃をする際、あまり地上に高攻撃力による攻撃の被害を出したくない時などに調節される。
この項に、機体内部にIIDX筐体の形をしたメインコンピュータがあると書いた。
つまり、攻撃と兵装切り替えはこの筐体に命令を入力すればよいのだ。
どうやって筐体に命令を入力すれば良いかというと、簡単だ。
普段IIDXをプレーするように、鍵盤を叩いたりエフェクターをいじったりすれば良い。
攻撃は鍵盤を叩いて行う。これについて、SPモードとDPモードと呼ばれる形態が存在するが、後述する。
兵装切り替えはVFEXボタンを押す。曲選択時に難易度を変更するボタンだ。
ノーマル時「エネルギーバルカン」→ハイパー時「エネルギーライフル」
→アナザ―時「とどめの一撃」→ノーマル時…と切り替わる。
エフェクターのつまみは、主に兵装の威力の調整に使う。
対地攻撃をする際、あまり地上に高攻撃力による攻撃の被害を出したくない時などに調節される。
個人的に特徴的だと感じたのが「SPモード/DPモード」の存在だ。
実際にIIDXをプレーした人ならお分かりになっていると思われるが、
あのゲームにはシングルプレーとダブルプレーという二つのプレースタイルがある。
同じゲームとは言えないほど、それぞれに違うゲーム性がある。
それを機体のシステムに組み込んだ。これによって攻撃の手数を倍にしたり、
戦略性を持って敵と戦う事が出来るようになった。簡単に言えば、かなり強力になれるという訳だ。
唯一の欠点は、DPプレーヤーでなければこのシステムは使いこなせないといった所だろう。
それさえ乗り越えられれば、無限のポテンシャルを秘めたシステムに化けるだろうと私は考える。
実際にIIDXをプレーした人ならお分かりになっていると思われるが、
あのゲームにはシングルプレーとダブルプレーという二つのプレースタイルがある。
同じゲームとは言えないほど、それぞれに違うゲーム性がある。
それを機体のシステムに組み込んだ。これによって攻撃の手数を倍にしたり、
戦略性を持って敵と戦う事が出来るようになった。簡単に言えば、かなり強力になれるという訳だ。
唯一の欠点は、DPプレーヤーでなければこのシステムは使いこなせないといった所だろう。
それさえ乗り越えられれば、無限のポテンシャルを秘めたシステムに化けるだろうと私は考える。
| 180 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 23:37:51 ID:vrLAzWIt0 |
次にユールの搭乗する支援機について説明しよう。
機体自体の性能はクーリーのものとほぼ同一だが、若干見劣りする部分がある。
その欠点を補うために追加装甲による防御力向上が図られている。
ここで書き忘れていた事に気がついた。二つの機体の防御の構造だ。
前にユールが機体に触れると、手が機体そのものに到達する前に
見えない壁に阻まれ、何も無い所で波紋が広がったと書いた覚えがある。
これが「不可視障壁」による防御構造だ。ダメージを大幅に減少させる効果を持っている。
そして支援機にはもう一つの防御構造を追加している。
その欠点を補うために追加装甲による防御力向上が図られている。
ここで書き忘れていた事に気がついた。二つの機体の防御の構造だ。
前にユールが機体に触れると、手が機体そのものに到達する前に
見えない壁に阻まれ、何も無い所で波紋が広がったと書いた覚えがある。
これが「不可視障壁」による防御構造だ。ダメージを大幅に減少させる効果を持っている。
そして支援機にはもう一つの防御構造を追加している。
数年前にWSFが開発に成功した技術があった。
資料を読んだ私だが、その名前は忘れた。殆どの人々が知らないのだから、それでいいかもしれない。
何故そうなるのかというと、これは公に発表された事ではないからだ。
「絶対に攻撃を喰らわない」…これをコンセプトに開発された技術。
それを使って生み出されたのが「アブソリュートアボイドデバイス」だ。
通称はAAD、アードとも。言葉を直せば「絶対回避装置」と呼べるだろう。
(本当に名前を忘れたため、私が独自に命名し、正式名称にとって代わらせている事をご了承願う)
元は人間がその装置をつけ、危険な場所へ赴く時にその真価を発揮させると言われていた。
AADの使い方とその流れはこうだ。
資料を読んだ私だが、その名前は忘れた。殆どの人々が知らないのだから、それでいいかもしれない。
何故そうなるのかというと、これは公に発表された事ではないからだ。
「絶対に攻撃を喰らわない」…これをコンセプトに開発された技術。
それを使って生み出されたのが「アブソリュートアボイドデバイス」だ。
通称はAAD、アードとも。言葉を直せば「絶対回避装置」と呼べるだろう。
(本当に名前を忘れたため、私が独自に命名し、正式名称にとって代わらせている事をご了承願う)
元は人間がその装置をつけ、危険な場所へ赴く時にその真価を発揮させると言われていた。
AADの使い方とその流れはこうだ。
「AADを作動させておく→敵が銃を撃ってくる→銃弾が自分へ飛んでくる→射線がずれて当たらない」
これほどまでに完璧な防御装置があっただろうか。
これさえあれば、誰もが戦死しない人間になれるのだ。夢のような話だ。誰も死なない命のやり取りだなんて。
これさえあれば、誰もが戦死しない人間になれるのだ。夢のような話だ。誰も死なない命のやり取りだなんて。
だが、その夢は叶わなかった。二つの重大な問題点があったからだ。
小型軽量化が進まず、従来の一機の大型戦闘機にギリギリ積めるかどうか
分からない程度のサイズに縮小する事すら出来なかったのだ。
そしてこれを作動させる際、多大なエネルギーを要するので、実質使えない事になってしまった。
それでも技術班は努力を重ね、成果を出した。
問題点の根本的な解決には至らなかったが、どうにか支援機に搭載する事は出来るようになった。
少しだけ進んだ小型化技術と、戦闘機と支援機の両方に搭載している特殊ジェネレータの開発がそれを実現させた。
だが、長時間連続して使う事は出来ないようになっている。
長くても5秒程度しか効果を発揮させる事が出来ない。
再使用までのチャージ時間も10秒と長い。タイミングを見極めて使うしかない。
小型軽量化が進まず、従来の一機の大型戦闘機にギリギリ積めるかどうか
分からない程度のサイズに縮小する事すら出来なかったのだ。
そしてこれを作動させる際、多大なエネルギーを要するので、実質使えない事になってしまった。
それでも技術班は努力を重ね、成果を出した。
問題点の根本的な解決には至らなかったが、どうにか支援機に搭載する事は出来るようになった。
少しだけ進んだ小型化技術と、戦闘機と支援機の両方に搭載している特殊ジェネレータの開発がそれを実現させた。
だが、長時間連続して使う事は出来ないようになっている。
長くても5秒程度しか効果を発揮させる事が出来ない。
再使用までのチャージ時間も10秒と長い。タイミングを見極めて使うしかない。
長ったらしい説明もこれで最後だ。兵装について説明しよう。
この機体もメインコンピュータが特殊なものになっている。
ポップンミュージックの筐体の形をしているのだ。
操作方法も戦闘機と同じように、兵装切り替えは譜面難度変更操作をすればよい。
ただ、戦闘機とは異なった部分がある。戦闘機の場合、一つの譜面難度に一つの兵装が割り当てられていた。
支援機では一つの譜面難度に四つの兵装を使用する事が出来る。
この機体もメインコンピュータが特殊なものになっている。
ポップンミュージックの筐体の形をしているのだ。
操作方法も戦闘機と同じように、兵装切り替えは譜面難度変更操作をすればよい。
ただ、戦闘機とは異なった部分がある。戦闘機の場合、一つの譜面難度に一つの兵装が割り当てられていた。
支援機では一つの譜面難度に四つの兵装を使用する事が出来る。
ノーマル時は照明弾、速射砲、バインドレイン、リニアガン。
ハイパー時はミサイル、グレネード、バインドアーム、リニアガン。
エクストラ時はミサイル、火炎放射器、バインドランス、リニアガン。といった風に。
ハイパー時はミサイル、グレネード、バインドアーム、リニアガン。
エクストラ時はミサイル、火炎放射器、バインドランス、リニアガン。といった風に。
どの譜面の時も、赤ボタンだけは共通してリニアガンを発射するボタンになっている。
ちなみに、左右対称に割り振られた同色のボタンは同じ兵装を積んでいるが、発射するサイドが違ってくる。
ちなみに、左右対称に割り振られた同色のボタンは同じ兵装を積んでいるが、発射するサイドが違ってくる。
| 181 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 23:41:59 ID:vrLAzWIt0 |
さて、これで二機の機体の説明は終わった。
書き忘れが無い限りは、以降に解説は無いと思われる。
もしあったとしても、それは後付け設定ではない。本当なので信じて欲しい。
書き忘れが無い限りは、以降に解説は無いと思われる。
もしあったとしても、それは後付け設定ではない。本当なので信じて欲しい。
二人はゴーグルに内蔵されているスピーカーを通して
アヤの指示を受け、ゆっくりと兵器廠内を移動していた。
移動中にユールはある一つの疑問を抱いた。思い立った彼女はアヤに問う。
アヤの指示を受け、ゆっくりと兵器廠内を移動していた。
移動中にユールはある一つの疑問を抱いた。思い立った彼女はアヤに問う。
「アヤ、ちょっと」
「どうした、ノエル1」
「あ、私達の名前ってそういうのになったんだっけ」
「そうだよ、ログ。僕はノエル2のクウだからね。忘れないで」
「どうした、ノエル1」
「あ、私達の名前ってそういうのになったんだっけ」
「そうだよ、ログ。僕はノエル2のクウだからね。忘れないで」
クーリーが会話に割り込んだ。
「大丈夫。それで、聞きたい事があったんだけど」
「何だ」
「私達、一体何処から出るの?」
「何だ」
「私達、一体何処から出るの?」
あ、とクーリーの声が聞こえた。
二人とも、一体兵器廠のどこから航空部隊は出撃するのか、という事は全く知らされていなかった。
これはいつまで経っても二人が出撃不可能であるという事を意味している。
二人とも、一体兵器廠のどこから航空部隊は出撃するのか、という事は全く知らされていなかった。
これはいつまで経っても二人が出撃不可能であるという事を意味している。
「もうしばらく進んだ先に床に大きな穴が開いている。
ライトで照らして安全を確保しながら進んでいくと、メトロの海底トンネルに出る。
トンネルから第一ブロックのメトロステーション方面へ移動、そこから地上に出ろ。
それと、敵が来るまでは哨戒飛行だ。上空をぐるぐる回っていればいい」
ライトで照らして安全を確保しながら進んでいくと、メトロの海底トンネルに出る。
トンネルから第一ブロックのメトロステーション方面へ移動、そこから地上に出ろ。
それと、敵が来るまでは哨戒飛行だ。上空をぐるぐる回っていればいい」
アヤはそれだけを言って無線を切った。
とりあえず二人は指示に従って前進を続けていく。十秒もしない内にアヤの言っていた穴を見つけた。
元々床下からの搬入口らしいが、この際どうこう言っていられない。
クーリーを先頭にして二人は穴へとダイブした。
下へと向かうトンネルは進めば進むほど外気温が下がっていく。ユールの肌に鳥肌がたち始めた。
とりあえず二人は指示に従って前進を続けていく。十秒もしない内にアヤの言っていた穴を見つけた。
元々床下からの搬入口らしいが、この際どうこう言っていられない。
クーリーを先頭にして二人は穴へとダイブした。
下へと向かうトンネルは進めば進むほど外気温が下がっていく。ユールの肌に鳥肌がたち始めた。
| 182 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 23:46:19 ID:vrLAzWIt0 |
「ノエル2よりノエル1へ。ログ、もう少ししたら直角に左に移動する。道がそうなってる」
クーリーからの無線通信だった。ユールは「了解」とだけ返し、クーリーに追従し続ける。
青い箱が左旋回を始めた。ユールはスピードを落としつつ、
ライトで照らされた姿を見せるトンネルと接触しないように左旋回する。
青い箱が左旋回を始めた。ユールはスピードを落としつつ、
ライトで照らされた姿を見せるトンネルと接触しないように左旋回する。
「大丈夫?」クーリーが訊ねる。
「大丈夫。かすってもいない」ユールが答える。
「大丈夫。かすってもいない」ユールが答える。
「なら良かった」とだけクーリーが言って無線が切れる。
何処までも続いているのではと錯覚を感じながら、二人はゆっくりと機体を前進させていった。
何処までも続いているのではと錯覚を感じながら、二人はゆっくりと機体を前進させていった。
しかし、30秒も経たない内にクーリーからの無線連絡がユールの耳に届いた。
「前方約1キロ先に光が見える。
多分、あれがアヤの言っていたメトロのトンネルとの合流点だよ」
「分かった。クウ、このまま先導飛行をお願い」
多分、あれがアヤの言っていたメトロのトンネルとの合流点だよ」
「分かった。クウ、このまま先導飛行をお願い」
ユールはそう返し、前方に神経を集中させた。
光源の位置や二機の位置の関係上、ユールから見れば青い箱から後光が差して見えなくもなかった。
約20秒が経過、二機は第一ブロックステーションとターミナルを結ぶ海底トンネルを移動していた。
数十秒が経過する頃には、第一ブロックステーションのプラットフォームが見え始めていた。
そこからターミナルへ移動した時の事をユールは思い出していた。
あの時、メトロの窓から見た海底は綺麗だったが、
今は暗くてよく分からないものが出そうな雰囲気に包まれていたように感じた。
簡単に言えば、彼女は夜の海底にある種の恐怖を感じていたのだ。
闇に包まれた二つのトンネルをライトで照らしながら進む出撃の旅も終わりを告げた。
二機はステーションと地上を繋ぐ階段を地形に接触しないようにしながら上がった。
それから一気に速度を緩ませることなく上昇、その後旋回を続けた。
光源の位置や二機の位置の関係上、ユールから見れば青い箱から後光が差して見えなくもなかった。
約20秒が経過、二機は第一ブロックステーションとターミナルを結ぶ海底トンネルを移動していた。
数十秒が経過する頃には、第一ブロックステーションのプラットフォームが見え始めていた。
そこからターミナルへ移動した時の事をユールは思い出していた。
あの時、メトロの窓から見た海底は綺麗だったが、
今は暗くてよく分からないものが出そうな雰囲気に包まれていたように感じた。
簡単に言えば、彼女は夜の海底にある種の恐怖を感じていたのだ。
闇に包まれた二つのトンネルをライトで照らしながら進む出撃の旅も終わりを告げた。
二機はステーションと地上を繋ぐ階段を地形に接触しないようにしながら上がった。
それから一気に速度を緩ませることなく上昇、その後旋回を続けた。
ユール達の二機が飛びまわっていた夜空は雲が少なかったという。
満天の星空。雲の少ない綺麗な夜空。体の細い月の浮かぶ夜空。その中を飛ぶ青と緑の箱。
地上にたつバレンタイン姉弟はそれを見てどう思ったのだろうか。
多分、綺麗だな、と感想を抱いたに違いないと思う。私が見ても、そう思うだろう。
満天の星空。雲の少ない綺麗な夜空。体の細い月の浮かぶ夜空。その中を飛ぶ青と緑の箱。
地上にたつバレンタイン姉弟はそれを見てどう思ったのだろうか。
多分、綺麗だな、と感想を抱いたに違いないと思う。私が見ても、そう思うだろう。
| 183 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 23:50:00 ID:vrLAzWIt0 |
「ユール、聞いてほしい事がある」
誰の無線連絡かとユールは訝しんだが、無線ではなかった。
ユールの首にぶら下げている小さな剣のペンダントが空気を震わせていたのが分かった。
今はコールサインで呼んで欲しいと思ったが、
機内の独り言なら傍受されて不利になる事もあるまい、とユールは考えて口を開いた。
ユールの首にぶら下げている小さな剣のペンダントが空気を震わせていたのが分かった。
今はコールサインで呼んで欲しいと思ったが、
機内の独り言なら傍受されて不利になる事もあるまい、とユールは考えて口を開いた。
「どうしたの?」
「僕が約千年前の…っていうのは知っているだろうけど、ちょっとした懺悔というか。喋っていい?」
「うん。今なら別に何言っても大丈夫だよ」
「僕が約千年前の…っていうのは知っているだろうけど、ちょっとした懺悔というか。喋っていい?」
「うん。今なら別に何言っても大丈夫だよ」
剣は少し間を開けて「すまない」と言ってから続けた。
「あの時、僕は一人で戦った。勿論、仲間はいたよ。彼らの支えは本当に頼りになった。
でも、僕は彼らに絶対に戦いの場というか、前線には出て欲しくなかった」
「それは、仲間が傷つくから?」
「そう。あの時の僕は、仲間達を傷つけたくなかったと思っていた。
傷つくなら僕一人で十分だというか、そんな感じ。でも、彼らは怒った」
「それは…何となく分かるような気がする。頼られていないのではないか、と思うかもしれない」
「彼らも君と同じような事を言った。『どうして頼ってくれないんだ。もっと無理を言ってくれよ』とね。
あの時の僕は未熟だった。彼らに重荷を背負わせる事が罪だと思っていたんだ。
僕が彼らに対して取っていた態度こそが、罪だと知らずにね。
君の仲間達への接し方を見る度、それを見る度に、僕は強く後悔するんだ」
でも、僕は彼らに絶対に戦いの場というか、前線には出て欲しくなかった」
「それは、仲間が傷つくから?」
「そう。あの時の僕は、仲間達を傷つけたくなかったと思っていた。
傷つくなら僕一人で十分だというか、そんな感じ。でも、彼らは怒った」
「それは…何となく分かるような気がする。頼られていないのではないか、と思うかもしれない」
「彼らも君と同じような事を言った。『どうして頼ってくれないんだ。もっと無理を言ってくれよ』とね。
あの時の僕は未熟だった。彼らに重荷を背負わせる事が罪だと思っていたんだ。
僕が彼らに対して取っていた態度こそが、罪だと知らずにね。
君の仲間達への接し方を見る度、それを見る度に、僕は強く後悔するんだ」
ユールは何と返してよいか分からなくなった。
剣の言う事も、剣の仲間達も、それぞれの言い分も正しいように思えたからだ。
この話を聞いた私も、どちらが正しいか判断に迷っている。今も時々考えるが、結論は出ない。
剣はユールの引き起こした沈黙の空気に耐えかねたかのように喋った。
剣の言う事も、剣の仲間達も、それぞれの言い分も正しいように思えたからだ。
この話を聞いた私も、どちらが正しいか判断に迷っている。今も時々考えるが、結論は出ない。
剣はユールの引き起こした沈黙の空気に耐えかねたかのように喋った。
「すまない。こんな話をしちゃって」
「いいや、いいよ。……ちょっと私もいいかな」
「なんだい?」
「いいや、いいよ。……ちょっと私もいいかな」
「なんだい?」
そこでユールは思いだした。カーニバルへ来る前、あの人が言っていた言葉を。
一言一句正確に思い出すのは不可能だが、要点さえ押さえていれば十分だ。
一言一句正確に思い出すのは不可能だが、要点さえ押さえていれば十分だ。
「カーニバルに『マキナ』って宝物があるって、ある人が言ってた」
「宝物?」
「うん…それで、私はそれを見つける事が出来た」
「それってどんなもの?」
「お金とか、財宝とか、そういった類のものじゃないの。
うーん、物が一つ、心に残る物が一つかな。
心の方はマキナではないよ。大切な友人たちの繋がりを確かめられたという事。これが心の宝物。
マキナは……マキナは、私にとってのマキナは、あなた」
「僕?」
「あなたには名前が無いんだよね。だったら、私が名前をつけてあげる。
今からあなたの名前はマキナ。…ねぇ、気にいってくれたかな?」
「宝物?」
「うん…それで、私はそれを見つける事が出来た」
「それってどんなもの?」
「お金とか、財宝とか、そういった類のものじゃないの。
うーん、物が一つ、心に残る物が一つかな。
心の方はマキナではないよ。大切な友人たちの繋がりを確かめられたという事。これが心の宝物。
マキナは……マキナは、私にとってのマキナは、あなた」
「僕?」
「あなたには名前が無いんだよね。だったら、私が名前をつけてあげる。
今からあなたの名前はマキナ。…ねぇ、気にいってくれたかな?」
「それはもう、十分に。…ありがとう、ユール」
| 187 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00:09:06 ID:DYSvyKCu0 |
第一ブロックの造りは前に説明したと記憶している。
が、私が再度確認する意味も込めて、改めて説明をしようと思う。
が、私が再度確認する意味も込めて、改めて説明をしようと思う。
第一ブロックはカーニバルの駐車場の方に城壁を構えている。
大体の高さは30メートル程だ。駐車場側が構える立体駐車場の一番上と連結している。
そこからでのみカーニバルへ入園する事が出来ない。
城壁と立体駐車場を結ぶ橋の下には東レイヴン海が広がっている。
城壁に下り階段が存在する。そこから第一ブロックに降りられる。
第一ブロックは半径2キロメートル程度の円形に近い形をした島で、
中央には噴水が、それを囲うように細長い煉瓦造りの建物が存在する。全部で七棟だ。
第一ブロックの外周に、ターミナルへと続くメトロステーションが一つと、
第二ブロックへ連結する橋と、そして第三ブロックへ伸びる連結する橋が架けられている。
大体の高さは30メートル程だ。駐車場側が構える立体駐車場の一番上と連結している。
そこからでのみカーニバルへ入園する事が出来ない。
城壁と立体駐車場を結ぶ橋の下には東レイヴン海が広がっている。
城壁に下り階段が存在する。そこから第一ブロックに降りられる。
第一ブロックは半径2キロメートル程度の円形に近い形をした島で、
中央には噴水が、それを囲うように細長い煉瓦造りの建物が存在する。全部で七棟だ。
第一ブロックの外周に、ターミナルへと続くメトロステーションが一つと、
第二ブロックへ連結する橋と、そして第三ブロックへ伸びる連結する橋が架けられている。
(橋の話はしていなかったかもしれない。今更ながら、説明不足が多く申し訳ない。
多分、こんな話をする度にこういう説明不足といった醜態をさらす事になるだろう。
しかし、現実に近いイメージを持って読んで欲しい私の気持ちの表れでもある。
どうか目を瞑って、心にゆとりを持って読んで欲しいと願う。今更ながらの、私の勝手な願いだ)
多分、こんな話をする度にこういう説明不足といった醜態をさらす事になるだろう。
しかし、現実に近いイメージを持って読んで欲しい私の気持ちの表れでもある。
どうか目を瞑って、心にゆとりを持って読んで欲しいと願う。今更ながらの、私の勝手な願いだ)
アルベルトは自分の部隊の持ち場である第一ブロック中央にある噴水の近くにいた。
その隣には双子の姉であるアリスもいる。
彼女の方へ眼をやると、HMDとして機能するゴーグルが視界から入る情報をやたらとデータ化する。
例えば、アリスの身長は何センチかというのが分かる、といったような具合だ。
そして、赤いパワードスーツを着ているという事と、靴の形をした加速器を履き、ジェットパックを背負い、
自分が装備しているこのゴーグルと同じものを装着しているという事が分かる。
黒いパワードスーツを着込んだアルベルトは、そうしてこのゴーグルの効果を改めて思い知らされ、
それを含む現在自分が装備している四つのアイテムの凄さを実感した。
たが、それらなんか比較にならない程、彼に凄さを通り越して恐ろしさを与えていたものが二つあった。
一つはもうじきやって来るライオン型の兵器。もう一つはそれに対抗するために自分に渡された武器だ。
その隣には双子の姉であるアリスもいる。
彼女の方へ眼をやると、HMDとして機能するゴーグルが視界から入る情報をやたらとデータ化する。
例えば、アリスの身長は何センチかというのが分かる、といったような具合だ。
そして、赤いパワードスーツを着ているという事と、靴の形をした加速器を履き、ジェットパックを背負い、
自分が装備しているこのゴーグルと同じものを装着しているという事が分かる。
黒いパワードスーツを着込んだアルベルトは、そうしてこのゴーグルの効果を改めて思い知らされ、
それを含む現在自分が装備している四つのアイテムの凄さを実感した。
たが、それらなんか比較にならない程、彼に凄さを通り越して恐ろしさを与えていたものが二つあった。
一つはもうじきやって来るライオン型の兵器。もう一つはそれに対抗するために自分に渡された武器だ。
自分に渡された武器。GFのコントローラーを模したエネルギー弾発射装置。
三色のネックボタンの内一つを押しつつピッキングをする事によって弾を撃つことが出来る代物だ。
その中には、大規模の市街地の電力を賄う事が出来るとされている小型のジェネレータが埋め込まれている。
詳しい使い方はアルベルトの頭にもアリスの頭にもしっかり叩きこまれていた。
アルベルトが恐れいていたのは、この武器の使い方を忘れてしまうかもしれないとかいうものではなかった。
こんな物騒なものを持たされ、初っ端から半端じゃない敵と戦わなければならないという
この状況に対する事の恐れと、自分の命を左右するであろう自分の武器へ抱く安堵と
絶大な威力を持つそれに対する恐れ、その三つが入り混じったようなよく分からない恐怖感であった。
三色のネックボタンの内一つを押しつつピッキングをする事によって弾を撃つことが出来る代物だ。
その中には、大規模の市街地の電力を賄う事が出来るとされている小型のジェネレータが埋め込まれている。
詳しい使い方はアルベルトの頭にもアリスの頭にもしっかり叩きこまれていた。
アルベルトが恐れいていたのは、この武器の使い方を忘れてしまうかもしれないとかいうものではなかった。
こんな物騒なものを持たされ、初っ端から半端じゃない敵と戦わなければならないという
この状況に対する事の恐れと、自分の命を左右するであろう自分の武器へ抱く安堵と
絶大な威力を持つそれに対する恐れ、その三つが入り混じったようなよく分からない恐怖感であった。
| 188 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00:16:00 ID:DYSvyKCu0 |
ふと、クーリーの事が気になり、アルベルトは空を見上げた。
視界に青い箱を収めると、一瞬の内に彼の脳裏にある映像が浮かび上がった。
視界に青い箱を収めると、一瞬の内に彼の脳裏にある映像が浮かび上がった。
アレは…数年前の、中学の時の修学旅行だった。
何日目の話だった?…そもそも、その旅行の時間が全部で何日間か覚えていないけれども。
あそこは、確か、遊園地。そう、遊園地に行ったんだ、どこかの大陸の。
それで、俺はクーリーを連れて色んな所へ行った。ユールも一緒だったような気がする。
色々回って、そして観覧車に乗ろうという話になった。頂点付近から見る遊園地の景観は
どんなぼろい所でもそれなりに綺麗に見えるってのが俺の持論だ。
何日目の話だった?…そもそも、その旅行の時間が全部で何日間か覚えていないけれども。
あそこは、確か、遊園地。そう、遊園地に行ったんだ、どこかの大陸の。
それで、俺はクーリーを連れて色んな所へ行った。ユールも一緒だったような気がする。
色々回って、そして観覧車に乗ろうという話になった。頂点付近から見る遊園地の景観は
どんなぼろい所でもそれなりに綺麗に見えるってのが俺の持論だ。
並んで順番を待ち、俺達が観覧車に乗り込んで係員が鍵を閉めた。
俺の向かいにはクーリーとユールが座っていたはずだ。仲の良いカップルのように見えたが、
二人の間に結ばれているのは強い友情だけだ、という台詞を思い出した。クーリーが言っていた気がする。いや、ユールか?
クーリーは最初、観覧車の頂点付近から見る遊園地の景観がどうこうという俺の持論に期待していた。
ちょっと問いただしてみると、クーリーはこれまでに観覧車に乗った事が無かったらしい。
それなら、きっといい経験が出来るぜ、と俺は言って徐々に高度を上げていかれる感覚に身をゆだねた。
そろそろだ、と俺は感じた。大体、観覧車が好きな奴は、どのタイミングでどこまで高度が上がった、という事が分かる。
ちょっとした特技の一つにカウントされてもいいと思う。
そして俺はそろそろだ、と二人に言った。いや、二人とも前々からずっと下を見ていたのだから言うまでも無かった。
俺の立場を奪いやがって、なんて思っていると、クーリーの様子がおかしくなったのに気がついた。
汗をだらだらと流している。爽やかな汗ではない事は分かった。
まるで、トイレを我慢しているときに流すような汗だ、と思った。いわゆる冷や汗ってやつ。
俺でさえ気がついたのだから、ユールもクーリーの異変に気がついた。
ユールがクーリーに「大丈夫?」と声をかけていたのを覚えている。
クーリーは目を瞑ったまま首を横に気だるそうに振っていた。
そう言えば、クーリーの耳にイヤホンのような物がついていたと思う。何かの曲を聞いて気を紛らわせていたのだと思う。
俺の向かいにはクーリーとユールが座っていたはずだ。仲の良いカップルのように見えたが、
二人の間に結ばれているのは強い友情だけだ、という台詞を思い出した。クーリーが言っていた気がする。いや、ユールか?
クーリーは最初、観覧車の頂点付近から見る遊園地の景観がどうこうという俺の持論に期待していた。
ちょっと問いただしてみると、クーリーはこれまでに観覧車に乗った事が無かったらしい。
それなら、きっといい経験が出来るぜ、と俺は言って徐々に高度を上げていかれる感覚に身をゆだねた。
そろそろだ、と俺は感じた。大体、観覧車が好きな奴は、どのタイミングでどこまで高度が上がった、という事が分かる。
ちょっとした特技の一つにカウントされてもいいと思う。
そして俺はそろそろだ、と二人に言った。いや、二人とも前々からずっと下を見ていたのだから言うまでも無かった。
俺の立場を奪いやがって、なんて思っていると、クーリーの様子がおかしくなったのに気がついた。
汗をだらだらと流している。爽やかな汗ではない事は分かった。
まるで、トイレを我慢しているときに流すような汗だ、と思った。いわゆる冷や汗ってやつ。
俺でさえ気がついたのだから、ユールもクーリーの異変に気がついた。
ユールがクーリーに「大丈夫?」と声をかけていたのを覚えている。
クーリーは目を瞑ったまま首を横に気だるそうに振っていた。
そう言えば、クーリーの耳にイヤホンのような物がついていたと思う。何かの曲を聞いて気を紛らわせていたのだと思う。
そこでアルベルトの記憶は途絶えている。途絶えたという訳ではないが、よく思い出せない。
たった数秒でそんな記憶を再生させ、アルベルトは強く思った。
たった数秒でそんな記憶を再生させ、アルベルトは強く思った。
今、クーリーがあんな高い所を飛んでいる。俺だって怖がっちゃいられねぇ。
| 189 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00:22:07 ID:DYSvyKCu0 |
アルベルトが覚悟を決めていた頃、ユールはクーリーと無線連絡をしていた。
ユールもアルベルトと同じく、クーリーの事を心配していたのだった。
ユールもアルベルトと同じく、クーリーの事を心配していたのだった。
「こちらログ。クウ、聞こえる?」
「…聞こえる」
「体の具合、大丈夫?」
「…まぁ、なんとか」
「良かった。クウ、無茶だけはしないで」
「…聞こえる」
「体の具合、大丈夫?」
「…まぁ、なんとか」
「良かった。クウ、無茶だけはしないで」
ユールがそういうと、クーリーは長い沈黙でそれに答えた。
ユールはそれに納得し、そして不思議に思った。クーリーは無線を切ろうとしなかったのだ。
アルベルトが思い出した観覧車の件と、カーニバル駐車場と第一ブロックを繋げる橋での件、
その二つを総合して考えれば、クーリーは無線を切りたいと思っているに違いないはずなのだ。
余裕が無くなれば、その分余計な事が出来なくなる。必要な事も出来なくなる。
クーリーは誰とも話したくないはずなのに、どうして無線を切らない?とユールが考えていると、
ユールはそれに納得し、そして不思議に思った。クーリーは無線を切ろうとしなかったのだ。
アルベルトが思い出した観覧車の件と、カーニバル駐車場と第一ブロックを繋げる橋での件、
その二つを総合して考えれば、クーリーは無線を切りたいと思っているに違いないはずなのだ。
余裕が無くなれば、その分余計な事が出来なくなる。必要な事も出来なくなる。
クーリーは誰とも話したくないはずなのに、どうして無線を切らない?とユールが考えていると、
「…無茶しないと、勝てない相手だよ……
……僕は、どうにかして、高所恐怖症を克服しなきゃ……
…こいつは、とんでもなく無茶な事だ…でも、やらなきゃ……」
……僕は、どうにかして、高所恐怖症を克服しなきゃ……
…こいつは、とんでもなく無茶な事だ…でも、やらなきゃ……」
クーリーの独り言が聞こえた。
彼は必死に自分の気持ちに働きかけていた。高い所なんか怖くないのだと。そして、
彼は必死に自分の気持ちに働きかけていた。高い所なんか怖くないのだと。そして、
「……僕の大切な人の為だ、やらなくては……」
クーリーはこうも言った。ひどく弱々しい声で、しかしそこから感ぜられる意思は確かなものだった。
多分、これはクーリーなりの意思表示の仕方だったのだろうとユールは考えた。
ユールは自分から無線を切り、そして口を動かさずにクーリーの機体を見ながら一言。
多分、これはクーリーなりの意思表示の仕方だったのだろうとユールは考えた。
ユールは自分から無線を切り、そして口を動かさずにクーリーの機体を見ながら一言。
「ありがとう」
| 190 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00:32:16 ID:DYSvyKCu0 |
「来た!」アヤの声だ。
「何が?」とユール。
「ライオンだ、ライオンが来た!」
「あ、じゃあ総帥は?」
「総帥は近くの島に着陸した!
現在、未だに一機の輸送機がこちらに接近中!何かをパージするのを確認!」
「ライオンだ、ライオンが来た!」
「あ、じゃあ総帥は?」
「総帥は近くの島に着陸した!
現在、未だに一機の輸送機がこちらに接近中!何かをパージするのを確認!」
かなり的確な情報だというのはユールでもすぐに分かった。
南方から一機の大型の航空機が飛来してくるのが分かる。
すぐに黒い影が地に落ちて行くのも視認出来た。
HMDのレーダーにも赤色の点として、つまりは敵性反応を持つ存在として映っている。
南方から一機の大型の航空機が飛来してくるのが分かる。
すぐに黒い影が地に落ちて行くのも視認出来た。
HMDのレーダーにも赤色の点として、つまりは敵性反応を持つ存在として映っている。
「アヤ!」
「どうしたノエル1!」
「いま、どこにいるの?兵器廠からでもそんなに詳しく分かるの?」
「上空にいる!よく上を見てみろ!」
「どうしたノエル1!」
「いま、どこにいるの?兵器廠からでもそんなに詳しく分かるの?」
「上空にいる!よく上を見てみろ!」
言われてユールは視線を敵性航空機から空へと向けた。
何も無いように見えたが、何か変な違和感を感じる。
これは一体なに?と考えるユールに答えが与えられた。
何も無いように見えたが、何か変な違和感を感じる。
これは一体なに?と考えるユールに答えが与えられた。
「視覚、レーダー、両ステルス機の空中管制機だ。これに乗るのは初めてだから上手く指示が出来ないと思う。
とりあえずこっちの心配はしないで存分に戦ってくれ!」
とりあえずこっちの心配はしないで存分に戦ってくれ!」
そういう事か、とユールは合点し、了解の旨を伝えると無線が切れた。
クーリーと連絡し、彼を先頭にして落ちて行く敵に接近する。
ユールはノーマルモードの兵装の安全装置を解除、どの兵装もすぐに撃てるようにした。
クーリーと連絡し、彼を先頭にして落ちて行く敵に接近する。
ユールはノーマルモードの兵装の安全装置を解除、どの兵装もすぐに撃てるようにした。
「白が照明弾、緑が対地対空速射砲、青がバインドレイン…
対地兵器、敵の動きを封殺だった?んで、赤がリニアガン、言ってみれば切り札………」
対地兵器、敵の動きを封殺だった?んで、赤がリニアガン、言ってみれば切り札………」
ユールは確認の独り言をぶつぶつと呟きながら
いつもポップンをプレーする時と同じように、彼女なりのホームポジションで両手を構えた。
いつもポップンをプレーする時と同じように、彼女なりのホームポジションで両手を構えた。
| 191 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00:38:49 ID:DYSvyKCu0 |
アルベルトは、何か轟音が聞こえると思い、気になって空を見上げた。
あの箱型の機体は音を立てない。何かの駆動音は聞こえるのだろうが、爆音は立てていない。
ならば、別の何かだということが分かる。
アルベルトの視界に映る空には何かによってステルスカバーしているような機体が遥か上空に、
それよりかなり下の高度にユール達の機体と普通の飛行機が見えた。
そして、ゴーグルについているスピーカーからアヤの声とユールの声が聞こえた。
自分から制限をかけない限り、ユール、クーリー、自分、アリス、キリー、トルセ、アヤとは
無線連絡は常にコネクティングされている事を思い出す。
二人の無線通信の内容からアレだ、とアルベルトは確信し、飛行機に焦点を合わせる。
普通の飛行機のように見えたが、それは違っていたという事に彼は気がついた。
何か機体の腹の部分が徐々に開き、目一杯に開ききると同時に何かが落ちたのが視認出来た。
あの箱型の機体は音を立てない。何かの駆動音は聞こえるのだろうが、爆音は立てていない。
ならば、別の何かだということが分かる。
アルベルトの視界に映る空には何かによってステルスカバーしているような機体が遥か上空に、
それよりかなり下の高度にユール達の機体と普通の飛行機が見えた。
そして、ゴーグルについているスピーカーからアヤの声とユールの声が聞こえた。
自分から制限をかけない限り、ユール、クーリー、自分、アリス、キリー、トルセ、アヤとは
無線連絡は常にコネクティングされている事を思い出す。
二人の無線通信の内容からアレだ、とアルベルトは確信し、飛行機に焦点を合わせる。
普通の飛行機のように見えたが、それは違っていたという事に彼は気がついた。
何か機体の腹の部分が徐々に開き、目一杯に開ききると同時に何かが落ちたのが視認出来た。
「アレがライオンか……ゴーグルの予測落下座標は……城門の近く、第一ブロック寄りか」
アルベルトが呟く。近くにいたアリスがギター型の銃器を構える。
いつでも撃てる恰好だった。姉の姿に倣い、アルベルトも銃を構える。
十数秒が経過して、アルベルトが四度目の深呼吸をしている途中、
機械仕掛けの百獣の王者は予測された地点に轟音を大きく轟かせて着地した。
その大きさはホログラフで見たものより若干大きい印象を抱かせるサイズだった。
アルベルトはブリーフィングの内容を思い返しながらアリスだけに無線連絡をした。
いつでも撃てる恰好だった。姉の姿に倣い、アルベルトも銃を構える。
十数秒が経過して、アルベルトが四度目の深呼吸をしている途中、
機械仕掛けの百獣の王者は予測された地点に轟音を大きく轟かせて着地した。
その大きさはホログラフで見たものより若干大きい印象を抱かせるサイズだった。
アルベルトはブリーフィングの内容を思い返しながらアリスだけに無線連絡をした。
「想像以上にデカイな…姉貴、どうやって攻め……」
その後「え?」とアルベルトはこぼした。振り返っても姉の姿が無かったからだ。
先程までアルベルトの視線の先にアリスは立っていた。
しかし、瞬間移動でもしたかのように彼女はそこから消え失せていた。
敵にやられた、という訳でもない。不可視の攻撃など伝えられていない。
という事は、残された可能性は一つしかなかった。
先程までアルベルトの視線の先にアリスは立っていた。
しかし、瞬間移動でもしたかのように彼女はそこから消え失せていた。
敵にやられた、という訳でもない。不可視の攻撃など伝えられていない。
という事は、残された可能性は一つしかなかった。
「畜生!逃げやがった、姉貴逃げやがった!!」
叫ぶアルベルト。姉に対する憎悪を露わにしながらアルベルトは緑のピックを押さえ、勢いよくピッキングする。
| 192 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00:48:57 ID:DYSvyKCu0 |
ビィッ!と緑色のレーザー弾がライオンに向けて飛んで行く。
それを見て、赤が高熱、緑が衝撃、青が冷気に特化した弾を
撃ちだすための操作だった、とアルベルトは思い返していた。
レーザー弾が直撃、爆音を立ててライオンの顔面から煙が上がるも、
それをものともしないようにライオンの鬣が光り、危険を感じ取ったアルベルトは左に駆けだした。
バシュゥ!と気持ちのいい爆音を立てながつつ、破壊光線がアルベルトの元いた場所を通過した。
走りながらアルベルトは振り返る。ライオンのレーザーは地面に当たったらしく、
バゴォン!!と轟音を立てながら地面に小規模のクレーターが出来上がっていくのが見えた。
それを見て、赤が高熱、緑が衝撃、青が冷気に特化した弾を
撃ちだすための操作だった、とアルベルトは思い返していた。
レーザー弾が直撃、爆音を立ててライオンの顔面から煙が上がるも、
それをものともしないようにライオンの鬣が光り、危険を感じ取ったアルベルトは左に駆けだした。
バシュゥ!と気持ちのいい爆音を立てながつつ、破壊光線がアルベルトの元いた場所を通過した。
走りながらアルベルトは振り返る。ライオンのレーザーは地面に当たったらしく、
バゴォン!!と轟音を立てながら地面に小規模のクレーターが出来上がっていくのが見えた。
「ひでぇ、あんなの当たっちまったらこれ着ててもイチコロじゃねぇか!
あぁ畜生!!ハザードってレベルじゃねぇぞ!!!」
あぁ畜生!!ハザードってレベルじゃねぇぞ!!!」
アルベルトは狂ったかのように叫びながら靴型の加速器を初めて使った。
別名「MAX300」と呼ばれるその赤い靴は、ブースターを噴かせて
最高時速300km/hものスピードで地上を駆け抜ける事を実現させる程の代物である。
そうして高速で駆けだしながら、噴水付近に建てられている七つの建造物で身を隠しつつ
どうにかして敵の背後を奪えば、そうすれば勝てるはずだとアルベルトは考えていた。
だが、ライオンはアルベルトがどこから現れるかを予測するだけの知能も持ち合わせていた。
アルベルトが城門に近い側からライオンに向かって最高速で駆けると、ライオンは顔を彼の方に向けてきたのだ。
身の危険を感じたアルベルトは背中のジェットパックを噴かせた。
別名「MAX300」と呼ばれるその赤い靴は、ブースターを噴かせて
最高時速300km/hものスピードで地上を駆け抜ける事を実現させる程の代物である。
そうして高速で駆けだしながら、噴水付近に建てられている七つの建造物で身を隠しつつ
どうにかして敵の背後を奪えば、そうすれば勝てるはずだとアルベルトは考えていた。
だが、ライオンはアルベルトがどこから現れるかを予測するだけの知能も持ち合わせていた。
アルベルトが城門に近い側からライオンに向かって最高速で駆けると、ライオンは顔を彼の方に向けてきたのだ。
身の危険を感じたアルベルトは背中のジェットパックを噴かせた。
勢いよく体が上空へ持ちあがる。
高度30メートル。
眼下にライオンの鬣から放たれる青い光の筋。
着弾。
爆音。
高度が下がる。
ライオンの後ろを取り始めて行く。
完全に後ろを取る。
高度が下がる。
着地。
高度30メートル。
眼下にライオンの鬣から放たれる青い光の筋。
着弾。
爆音。
高度が下がる。
ライオンの後ろを取り始めて行く。
完全に後ろを取る。
高度が下がる。
着地。
アルベルトが着地した時、ライオンはすでに180℃反転していた。
彼とライオンの距離はおよそ三メートル。危険領域、という言葉では言い表せないほど
危険な距離にアルベルトは着地してしまった。
彼とライオンの距離はおよそ三メートル。危険領域、という言葉では言い表せないほど
危険な距離にアルベルトは着地してしまった。
「顎髭の所、そこに放射状についている三枚のパネルのそれは
ホログラフにも出ていると思うけど、レーザーブレード照射装置よ。
正面から接近戦を挑めばアレで焼き切られてしまう」
ホログラフにも出ていると思うけど、レーザーブレード照射装置よ。
正面から接近戦を挑めばアレで焼き切られてしまう」
「バルカン砲だね。WSFが使っている中でもとびっきりの威力の。
それを喰らっても体はバラバラになると思うわ」
それを喰らっても体はバラバラになると思うわ」
アルベルトの頭の中にトルセの言葉が思い返された。
間違いなく、正しい手順を踏んでこの状況を脱しなければ殺されてしまう!
間違いなく、正しい手順を踏んでこの状況を脱しなければ殺されてしまう!