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We are beat maker! -St.2-

最終更新:

beatnovel

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管理者のみ編集可
926 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 00:23:13 ID:j7JIHrEX0
それ以降、beat makerとしてのバンド活動は順風満帆だった。
曲演奏のレパートリーも増え、イベント出演によって少しずつ実績を伸ばしていった。
そして2006年12月、遂にあるイベントでトリを務める事になったのだ。
もちろん小さなイベントではあるが、beat makerにとって大きな一歩となったのは確実だった。


(;'A`)「うおぉ、やべぇ…まさか俺達がトリを飾れるなんて…」

ξ゚⊿゚)ξ「ある意味異例の抜擢よね。まだ結成してから八ヶ月程度しか経っていないのに。」

( ^ω^)「これまでの頑張りが認められたんだお!今から腕が鳴るお~」

(´・ω・`)「小さなイベントとはいえ、トリを務める事になるとはね…これは大変な事だよ。」

( ><)「確かにそうですね…気合入れて行きましょうか!」


各人気合が入る。
そこで、いつもの確認が始まった。


( ^ω^)「ところで、今回の曲目はどうするんだお?」

(´・ω・`)「悩みどころだよね。今回は多少なりとも、いつもと違うわけだし…」

ξ゚⊿゚)ξ「うーん…演りたいのは沢山あるんだけど…」


悩む五人。
いつもなら半分ノリで決めてしまうのだが、今回ばかりはそうもいかなかったようだ。
各自良い意見が出せないまま、時間だけが過ぎていく…


('A`)「…うーん、決まらないな。仕方ないから、各自次の練習までに考えてくる事にしないか?」

( ><)「…そうですね、その方がいいかもしれません。」

(´・ω・`)「わかった、それじゃあまた次の時に。」


結局曲目は決まらず、この日は演奏練習だけで終わった。
…本番まで約三週間。


そして、その帰り道…

927 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 00:27:46 ID:j7JIHrEX0
自転車に乗り、帰路につくブーンとドクオの二人。

( ;^ω^)「うーん、今から緊張するお…」

('A`)「なーに、いつも通り平常心でやれば大丈夫だって。」

( ^ω^)「初ライブの時、あれだけビビってたドクオに言われたくはないお。」

(#'A`)「んだと、この!」


いつも通りの雑談。
いつもの帰り道の風景。
だが、話題はやはり演奏楽曲の事になった。


( ^ω^)「…しかし、演奏曲目はどうするかお…『これ』というものがなかなか出ないお…」

('A`)「それなんだけどな…俺、是非とも演りたいものがあるんだよ。」

( ^ω^)「お?何の曲をやりたいのかお?」

('A`)「それはな…」


ドクオから曲名が告げられる。
ブーンはそれを聞いて、少し驚いたような顔をした。


( ^ω^)「お、それをやりたいのかお!?確かに良い曲だけど、練習間に合うかお…?」

('A`)「譜面は以前耳コピで必死にバラして作ったものがあるよ。これと20,Novemberをセットでやりたいんだ。」

( ^ω^)「難しそうだけど…良いじゃないかお! …でも、それを何でさっき言わなかったんだお?」

('A`)「解散した直後に思いついたものだからな、言いたくても言えねーよ。」

( ^ω^)「はは、確かにだお。」


ここまで会話が終わったとき、ドクオが手元の時計を見る。


(;'A`)「いけね、今日は少し急がなくちゃいけなかったんだ…先帰るわ。」

( ^ω^)「わかったお、それじゃあまた今度ー」


ドクオが自転車のスピードを上げ、ブーンから離れ始める。


('A`)「おう。そうだ、残りの演奏曲目も考えておいてくれよー」

( ^ω^)「もちろんだおー。でも、また以前みたいに自分でもやる事を忘れるなお!」

('A`)「ははは、わかってるよ。それじゃm」


…そこで、一瞬時が凍りついた。

929 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 00:33:23 ID:j7JIHrEX0
ドンという鈍い音がした。
ドクオの体が空中に放り出される。
彼が乗っていた自転車も空中に少し浮き、そのまま壊れていった。
その直後、ドクオの体がアスファルトの上をバウンドする。

ブーンは、目の前で何が起こっているのか一瞬わからなくなった。
…交通事故、しかも轢き逃げだ。
自転車はドクオを轢いた車に踏まれ、大破。
轢いた車は一瞬ドクオの前で止まったものの、一旦バックしてそのまま逃走した。


( ゚ω゚)「ド…」


( ;゚ω゚)「ドクオオォォォォーーーーーッッッ!!!!」


ブーンは急いでドクオの傍へ行き、意識を確認する。
だが、呼びかけても頬を叩いても反応が無い。


( ;゚ω゚)「あ…う……と…とにかくまずは救急車…!」


周りに人は誰も居なかった。
ブーンは手持ちの携帯電話を取り出し、急いで119へと電話する。


( ;゚ω゚)「もしもし、急いで来てください、交通事故です、人が一人轢かれました!
     場所は…えーと、あの…音響町五丁目の……あ、一番地、ビートマンション手前の十字路から西側の場所です!
     急いでください、お願いします!」


頭が混乱している割には、何とか場所をそれなりに伝えたブーン。
電話が終わった後、必死にドクオの意識回復を試みる。
…だがやはり反応は全く無く、そのまま救急車で病院へと運ばれる事になった。

930 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 00:38:23 ID:j7JIHrEX0
一時間後、病院にて…

手術室の前で祈るように待つブーン。
そこに、beat makerのメンバー、ドクオの家族が駆けつけた。


(;´・ω・`)「ブーン!なあ、ドクオが車にはねられたって本当なのか!?」

( -ω-)「…うん…」


ブーンの顔は青ざめていた。
やはりあの光景を目の前で見たショックもあるのだろう。
それに加え、親友が事故にあったという事実が一番大きかったのかもしれない。
うつむいたまま、ブーンは動かなかった。


川 ゚ -゚)「…あいつは簡単にはくたばらないよ、すぐに復活するに決まってる。」

( ><)「……クーさん……」


そう言いながらも、クーの顔も半分泣き出しそうな顔になっていた。
まさか身内、しかも弟がこんな事態になるとは思いもしなかっただろうから…



更に一時間後、手術室から医者が出てきた。


J( 'ー`)し「…どうでしょうか!?ドクオは…」

( ,,゚Д゚)「…発見が早かったおかげで一命は取り留めましたが、予断を許せない状態です。
    余程高スピードの車がぶつかったのでしょうか…
    現在は小健を保っていますが…ここ二・三日が剣が峰というべきでしょう。」

川 ;゚ -゚)「そ…そんな…」


重い空気が漂う。
医者はさらに言葉を続けた。


( ,,゚Д゚)「とにかく、私達も全力を尽くします。
    今日は面会は無理ですので、ご容赦下さい。」

J( 'ー`)し「いえ…どうか、よろしくお願い致します。」

931 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 00:41:17 ID:j7JIHrEX0
医者が手術室へと戻っていく。
しばらくの間、重い沈黙が全員を包んだ。

…少しして、クーが口を開く。


川 ゚ -゚)「…皆、ありがとう。あいつの容態は逐一皆に知らせる。
    あいつが気が付いたら…見舞いにでも来てやってくれ。
    …後、内藤君…素早い対処をしてくれてありがとうな。」

( -ω-)「…いえ…」

J( 'ー`)し「皆さん、心配してくれてありがとうございます。
     後…迷惑かけてごめんなさいね…」

(´・ω・`)「そんな事は無いですよ…一日も早い回復を祈っています。」



その後、ドクオの家族達は病院に残り、ブーン達は病院を後にした。
無言のまま歩き続けるブーン達。
…その日は、結局誰も口を開くことなく解散することになった。

932 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 00:45:25 ID:j7JIHrEX0
二日後の午後、クーから連絡が入った。

『ドクオの意識が戻ったから、もし都合が良ければ来てくれ』


ブーンはすぐさま病院へと足を運んだ。
受付で病室を聞き、一目散に部屋へと入っていく。


( ゚ω゚)「ドクオ!」

('A`)「…よう、ブーンか…相変わらず入ってくる時はやかましいな。」


ブーンはドクオの姿を見て少しほっとした。
手足は骨折の為にギブスで固定されてはいるが、その表情はいつものドクオそのものだったからだ。


( -ω-)「…ったく、本当にびっくりしたお!あんな状況を目の前にしたから、正直固まったお…」

('A`)「悪い悪い、俺も不注意だったよな…って、どうした?」


見ると、ブーンが少し泣きそうな顔になっている。


( ;ω-)「本当に…無事…で…良かった…お…」

('A`)「んだよ…何泣きそうになってるんだよ。ブーンらしくねーぞ。」


その時、beat makerの他のメンバーも到着した。


( ><)「ドクオさん!…無事で良かった…」

ξ゚⊿゚)ξ「本当よ…運び込まれた直後なんて、本当に私達も生きた心地がしなかったわよ。」

(´・ω・`)「まあまあ、とりあえず危機は脱したみたいだし良かったじゃないか。」

( ;^ω^)「相変わらずショボンは冷静だお…」

('A`)「ははは。」


笑ったドクオを見て、部屋に居る全員が安堵の表情を見せた。
それだけ皆、ドクオの事を心から心配していたのだ。

933 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 00:49:52 ID:j7JIHrEX0
川 ゚ -゚)「全く、人様に迷惑をかけるのもこれきりにしろよ?
    また同じような事をやらかしたら許さないからな。」

('A`)「もう同じような事は御免だよ。…これからきちんと気をつけるから。」

(´・ω・`)「…ところで、バンドはどうするんだい?イベントがもう目前だよ。
     ドクオはしばらく復帰が無理だろうから、ギターが一人抜けてしまう事になるんだけど…」

( ^ω^)「あ…そういえば…」


そんな時、意外な人物が声をあげた。


川 ゚ -゚)「…私が代わりに入ろう。」

ξ゚⊿゚)ξ「え、クーさんが!?」

('A`)「姉ちゃん…?」


これにはドクオも驚いたらしい。
どうやら、事前に何も話していなかったようだ。


川 ゚ -゚)「弟が立ち上げたバンドだ。
    大事なイベントが目の前に迫っているというのに、その機会が潰れるのは見たくないからな。」

( ^ω^)「あ…」

( ><)「あ、ありがとう…ございます!」

('A`)「姉ちゃん…いいのか?」


クーがドクオに向かって返す。


川 ゚ -゚)「毎回練習に付き合ってて、機会があったら少しやってみたいと思っていたからな。
    お前が復帰するまで、しっかり代わりは務めてやるよ。」

('A`)「…あ…ありがとう…」

川 ゚ -゚)「じゃあ、今のうちに演奏曲目を決定するぞ。もう日にちも無いからな。」

( ^ω^)「わかりましたお。」


早速話し合いが始まる。
先にドクオが決めていた二曲を組み込む事はすぐに決まり、残り数曲をどうするか…を軸にして進められた。

そして一時間後、ようやく演奏曲目が決まった。

934 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 00:52:39 ID:j7JIHrEX0
ξ゚⊿゚)ξ「よし、これで決定ね。」

川 ゚ -゚)「となれば、早速練習だな。ドクオ、ちょっと行ってくる。
    そろそろ母さんも来るだろうし、丁度いい時間だからな」

('A`)「わかった。…皆、頑張ってきてくれ。」

( ^ω^)「もちろんだお。ドクオもはやく体を治して、また一緒に活動するお!」

('A`)「わかってるって。見てろよ、光の速さで治ってみせるからな!」

全員「ははははは…」


それからbeat makerの面々は、毎日のように練習をした。
三週間後のライブに間に合わせる為、全員が全力を尽くしていった。
その成果もあってか、ライブ一週間前には大体の形ができるようになっていた。

935 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 00:57:51 ID:j7JIHrEX0
だが、そんな時間も長くは続かなかった。



本番五日前にクーから急な知らせが入る。


この知らせを受けて、beat makerのメンバー全員がドクオの入院している病院へと走る。




大急ぎでドクオの元へと駆けつけた四人。
そこにはクーとドクオの両親がいた。






…そして…






白い布を顔に被せ、冷たい体となったドクオがいた。

936 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 01:02:36 ID:j7JIHrEX0
(;´・ω・`)「え……」

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと…嘘…でしょ……」

( ;><)「何で…?何でこんな事になってるんですか…?」

( ゚ω゚)「ドクオ…何…してるんだお…?」


ブーンがゆっくりとドクオに近付く。


( ゚ω゚)「今度のイベント…無理してでも絶対に来るって言ってたお?
     曲目決めの時、『光の速さで治ってみせる』って言ってたじゃないかお…」

( ;゚ω゚)「何をそんなつまらない冗談やってるんだお…いつものドクオらしくないお…」


ブーンの声が少しずつ震え始める。


( ;゚ω゚)「そんな布、早く外して起きるお…外して…起 き て ……   く  ………」


その瞬間ブーンの足ががくりと崩れ、そのままドクオの横たわるベッドに顔を突っ伏した。


( ;ω;)「起きるお、ドクオ……起きてくれおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


ブーンの声が部屋中に響き渡る。
メンバー全員が同じ気持ちだったのだろう、皆下を向いたまま涙を溜めていた。


しばらくして、クーが声を発した。

937 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 01:05:04 ID:j7JIHrEX0
川 ゚ -゚)「…脳内出血だったんだ。
    どうやら深夜に発症したらしくて…朝見にきたら…もう…厳しい状態に…」

ξ;゚⊿゚)ξ「そ…んな……」


目を真っ赤にしたクーがしゃべり続ける。


川 ; -;)「あのバカ…親より…私より先に簡単に逝っちゃってどうするんだよ…
     まだお前…二十一歳だろうが…まだまだこれからだろう!」


川 ; -;)「それに…せっかくお前が作ったバンドはどうするんだよ…!」


ドクオの両親は泣いたままだ。
メンバー全員は何も言葉を発せない。
…皆、悲しさと突然の事で整理がつかなかったのだろう。

939 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 01:09:06 ID:j7JIHrEX0
その時、クーが思い出したようにブーンに話しかけた。


川 ; -゚)「…そうだ、数日前にドクオから頼まれていた事があったんだ。
     これを内藤君に渡してくれ、と…」

( ;ω;)「…お…?」


クーから一枚のCDを渡された。
ケースを開けてみると、中に一枚の紙が入っていた。
そこには、ドクオが書いた文字があった。


『遅くなったけど、初練習の時の音源を渡すぜ。
 変なこだわりかもしれないけど、俺達のバンドが初めてメインを張る時に渡そうと思っていたんだ。
 メインを張るということは俺達のバンドにとって、ある意味新しいスタートになるわけだからな。
 ただ、俺達の本当のスタート地点はこの曲、そしてこの初合わせ練習の時だ。
 これを聴いて初心を忘れないよう、これからも頑張っていこうぜ。』


( ;ω;)(…ドクオ…)


川 ゚ -゚)「…あいつらしいな。
    それからもう一つ、皆への伝言がある。」

( ;ω;)「…何ですかお?」


川 ゚ -゚)「朝見に来た時、あいつが…苦しい声でこう言ってたんだ。
    『俺にもしもの事があったら、今回のライブで最後に演奏する曲が俺の皆への最後のメッセージとしてくれ』と…」

( ;ω;)(´・ω・`)「……!!!」


ブーンとショボンが目を見開く。


川 ゚ -゚)「私にはその意味がわからなかったんだが…君達ならわかるかい?」


(´・ω・`)「たしか…あの曲って…」

( -ω-)「…ちょっと待っててくださいお。」


言うなり、いきなりブーンは部屋を飛び出した。

940 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 01:14:26 ID:j7JIHrEX0
約十分後、ブーンは一枚の紙を持って戻ってきた。


( ><)「どこに行ってたんですか…?」

( -ω-)「…『あの曲』の和訳だお…皆、読んでみてくれお…」


全員がその紙を読み始める。
…そして読み終えた瞬間、全員がそれぞれの思いを口に出し始めた。


川 ゚ -゚)「…あいつ…」

ξ;⊿;)ξ「何ていうか…最後にこんな言葉を残してくれちゃって…」

( ><)「そうですね…」

(´・ω・`)「ただ…これは、あいつからだけのメッセージにはさせないぜ。」

( -ω-)「うん…これはそのまま、ドクオへの僕達からのメッセージにもできるお。」


全員が、もう動く事がないドクオを見る。


(´・ω・`)「待ってなよドクオ、お前の元にしっかりと届かせてやるからな。」

ξ゚⊿゚)ξ「五日後の本番…ちゃんと聴きなさいよ。」

( ^ω^)「見ててくれお、ドクオ。これまでのbeat makerの中でも最高の晴れ舞台を!」


この様子を見て、クーは涙を流していた。


川 ; -;)(…本当に良い仲間を持つことができたんだな、ドクオ…
     お前が本当に羨ましいよ…)


その後、通夜・本葬を終えて、ドクオとの永遠の別れをしたメンバー。



…そしてイベント本番の日が来た。

941 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 01:19:33 ID:j7JIHrEX0
ライブハウス内。
前の組が終わり、いよいよbeat makerの出番が来る。


( ・∀・)「さあ、お待たせしました。いよいよ最後のバンドです。
    コピー・アレンジバンドながらも、現在最も注目されているバンド!『beat maker』です!」


( ^ω^)「よし、皆行くお!」

ξ゚⊿゚)ξ(´・ω・`)川 ゚ -゚)( ><)「おう!!!」


ステージに上がり、まずは一曲目を演奏開始する。
曲はあの思い出の曲『20,November -glowing style-』からだ。

演奏が始まり、観客から歓声が沸き起こる。

演奏しているメンバー全員は、最初のあの頃を思い出していた。
ゲームセンターで声を掛けられ、わくわくしながら練習に臨んだ時。
初の合わせ練習で細かいミスをしつつも、楽しくやったあの時。
初のライブの時にメンバー全員の緊張感が漂い、ドキドキしながら演奏に臨んだあの時。
様々な思い出がメンバーの脳裏に横切った。

演奏が終わり、ブーンがマイクを取る。


( ^ω^)「どうも、beat makerです。
     今回はちょっと事情によりメンバーが変わっていますが、その理由は最後の曲の前でお伝えします。
     今回もノれる内容、そして私達が全力を出せる内容にしてきましたので、思い切り楽しんでください!」


会場が沸きあがる。


( ^ω^)「それでは、最後までお付き合い下さい。二曲目は『R壱萬 -Rise tune-』です!」


再び演奏開始。
メンバーは今までに無い集中力で演奏をしていた。
それに伴い会場内のボルテージも上昇し、あっという間に最後の曲となった。

942 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 01:24:30 ID:j7JIHrEX0
( ^ω^)「ありがとうございました!では、最後の曲に行く前に一つお知らせを。」

( -ω-)「今回見て分かる通り、メンバーが一人変わっていますが…
     実は、ギターでありボーカルのドクオ君がつい先週、脳出血によって亡くなりました。」


会場がざわつく。
しかし、ブーンはそのままコメントを続ける。


( -ω-)「しかし、ドクオ君は僕達にメッセージを残してくれました。
     僕はいつまでも皆と共にいる、いつまでも親友であると。
     …そして、全力で最後までやり遂げてくれと。」

( -ω-)「そのメッセージは口頭ではなく、また紙に書かれて渡されたわけでもありません。
     約一ヶ月前に今回の演奏曲目を決めるとき、その曲目の中にメッセージを残してくれたのです。」


会場が静まり返る。
更にブーンは言葉を続けた。


( -ω-)「それが、これから演奏する曲です。
     先程歌詞を和訳したものを手元にお配りしましたが、もし興味がありましたら読んでみて下さい。」



一呼吸置き、ブーンが曲名を叫ぶ。




( ^ω^)「それでは最後の曲です。
      GuitarFreaks&DrumManiaより『DEPARTURE』!」

943 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 01:27:05 ID:j7JIHrEX0
イベントは大成功に終わった。


メインという大きな役回りを終えて舞台から下がった時、彼らはあることを誓った。


メンバー全員、これからもbeat makerとしてバンド活動を続けていく事を。






ブーン・クー・ショボン・ツン・ビロード。







そして、ドクオの『六人』で。

944 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 01:29:46 ID:j7JIHrEX0
時は流れ、2007年2月末。
beatmaniaIIDX14 GOLDが稼動開始した。
期待の新作、もちろんブーン達は早速やりこみ始めた。
新曲、そして復活曲を楽しみにしつつプレーするブーン達。

そして…



( ^ω^)「お…?皆!この曲が復活してるお!」

ξ゚⊿゚)ξ「何?何の曲が……あ!」

(´・ω・`)「…まさかこれをDJPOINT解禁の最後に持ってくるとはね…」

( ><)「何だか…不思議な気分ですね…」



そう、GOLDではDJPOINT解禁復活曲の最後にこの曲が出てくるのだ。



『20,November』



ブーンは、ふとドクオの言葉を思い出した。


『この曲は俺達のビーマニ歴の原点だからな。』

『俺達のバンドの本当のスタート地点はこの曲、そしてこの初合わせ練習の時だ。』


( -ω-)(原点…スタート地点…)

( -ω-)(多分この曲は、自分にとって一生ものの大切な曲になるんだろうな…)

945 :爆音で名前が聞こえません:2007/03/27(火) 01:33:47 ID:j7JIHrEX0
ゆっくりとカーソルを合わせ、白鍵盤で決定したブーン。



('A`)『よっしゃブーン、しっかりとキメてやろうぜ!』



どこからか、ドクオの声が聞こえた気がした。





( ^ω^)「…おう!」






今日は雲も無く、澄み切った青空が広がっている。


この音は、きっと『彼』にも届いている事だろう。



補足:「DEPARTURE 和訳歌詞」で検索すれば、DEPARTUREの和訳歌詞が出てきます。



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