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筐体の独白
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beatnovel
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| 213 :旅人:2008/02/09(土) 00:40:36 ID:7MWAKzHL0 |
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その日に「私」は生まれた。生まれた、という表現は適切ではないが。
私は人ではない。動物でもない。
じゃあ何なのかと問われたら、口があればこう答えたい。
「私は機械であり、機械ではない」と。
矛盾しているが、これは私の特徴を指し示す上でどうしても矛盾が生じてしまうのだ。
私は人がゲーセンと呼ぶ店に置かれている。私と同じような機械は、同じような店に置かれている事が多い。
ただ、私だけが他の機械とは違う。違うからこそ、こんな事を思い、記憶することが出来る。
私は人ではない。動物でもない。
じゃあ何なのかと問われたら、口があればこう答えたい。
「私は機械であり、機械ではない」と。
矛盾しているが、これは私の特徴を指し示す上でどうしても矛盾が生じてしまうのだ。
私は人がゲーセンと呼ぶ店に置かれている。私と同じような機械は、同じような店に置かれている事が多い。
ただ、私だけが他の機械とは違う。違うからこそ、こんな事を思い、記憶することが出来る。
07/8/17
私はこの日最悪な目に遭った。
名乗り遅れてしまったが、私の名前を名乗っておこう。
私の名前は「ポップンミュージック」と言い、略称は「ポップン」である。
正式な名前もあったはずだが、忘れてしまった。ま、どうでもいい事だ。
で、今日この日に起きた最悪の出来事について語ろう。
名乗り遅れてしまったが、私の名前を名乗っておこう。
私の名前は「ポップンミュージック」と言い、略称は「ポップン」である。
正式な名前もあったはずだが、忘れてしまった。ま、どうでもいい事だ。
で、今日この日に起きた最悪の出来事について語ろう。
今日この日も私は調子よく稼動していた。ボタンのセンサーやモニターの調子も良好だ。文句は無い。
何人目かのプレイヤーがカードを入れてきた。そして百円玉を入れた。私はそれを受け取った。
私はそのカードを読み取り、モニターにクリアメダルの枚数とマイキャラ、CNを表示させて、待機していた。
そのプレイヤー、CNを「るりお」という。クリアメダルの種類と枚数から見て、上級者のようだ。
私は指示された操作どおりに迅速に動き、データ等を処理し、選曲画面に移行させた。
センサーが反応し、それで私はカーソルを動かせる。数秒で一曲目の選曲が終了したみたいだ。
オジャマは、ずっとダークとずっとしろポップ君を併用したものを使う。
私はスピーカーから「Are you ready?」と録音された声を発声させ、大量のポップ君を降らせた。
勿論、りるおが設定したオジャマの効果をモニターに反映させる事も忘れてはいない。
何人目かのプレイヤーがカードを入れてきた。そして百円玉を入れた。私はそれを受け取った。
私はそのカードを読み取り、モニターにクリアメダルの枚数とマイキャラ、CNを表示させて、待機していた。
そのプレイヤー、CNを「るりお」という。クリアメダルの種類と枚数から見て、上級者のようだ。
私は指示された操作どおりに迅速に動き、データ等を処理し、選曲画面に移行させた。
センサーが反応し、それで私はカーソルを動かせる。数秒で一曲目の選曲が終了したみたいだ。
オジャマは、ずっとダークとずっとしろポップ君を併用したものを使う。
私はスピーカーから「Are you ready?」と録音された声を発声させ、大量のポップ君を降らせた。
勿論、りるおが設定したオジャマの効果をモニターに反映させる事も忘れてはいない。
痛い。物凄く痛い。センサーがぶち壊れそうだ。このるりお、今日この日までプレーした人間達の力を凌駕している。
このプレーヤーは本当に人間なのだろうか?人間はこれほどまでの力をこめてボタンを叩くのだろうか?
私は理論上、出来ないことは無いと思っていた。が、まさか現実に必要以上の力でボタンを叩く輩がいるとは。
仮に私が筐体の全てのシステムを乗っ取っていたとしたら、強制終了を敢行するだろう。
そう思うまでにこのるりおというプレーヤーの異常なまでの力は凄いものだった。
このプレーヤーは本当に人間なのだろうか?人間はこれほどまでの力をこめてボタンを叩くのだろうか?
私は理論上、出来ないことは無いと思っていた。が、まさか現実に必要以上の力でボタンを叩く輩がいるとは。
仮に私が筐体の全てのシステムを乗っ取っていたとしたら、強制終了を敢行するだろう。
そう思うまでにこのるりおというプレーヤーの異常なまでの力は凄いものだった。
この日の終わり、私の居るゲーセンの終業時間が来る前に、私は自分の意識を住まわせている筐体の診断をした。
所謂、自己診断という奴だ。
私自身、自己を確立させて間もないために専門のプロ等が下す診断の結果と比べて、
この診断の結果にはっきりとそうだ、といえる自信は無いが一応、これが私の自己診断結果だ。
所謂、自己診断という奴だ。
私自身、自己を確立させて間もないために専門のプロ等が下す診断の結果と比べて、
この診断の結果にはっきりとそうだ、といえる自信は無いが一応、これが私の自己診断結果だ。
「推定寿命残り五年と六ヶ月、翌日からの推定寿命残り五年と三ヶ月」
| 214 :旅人:2008/02/09(土) 00:43:25 ID:7MWAKzHL0 |
07/09/03
この日から数えて先日、私の下した自己診断による寿命は、残り二年と十一ヶ月にまで縮まった。
これもそれも全て、るりおとその仲間達と思われるマナーのなってないプレーヤーのおかげだ。
筐体の一番重要な所に(実は私自身、この筐体の構造をよく分かっていない。感覚で物を言っているのだ)私は意識を置いている。
ボタンやスイッチが逝かれたとしてもいくらでも交換が出来るようだが、私の意識の交換が出来るかと言えば、恐らく出来ないだろう。
ボタンなどの末端と違い、私が消えればこの筐体自体が使い物にならなくなるだろう。
自分で言うのもなんだが、私の存在は結構なプレミア物ではないだろうか。私の価値は億単位位あるのではないだろうか。
ある訳ない。それは夢物語だ。
しかし、こんな愚痴ばかり記録していても仕方が無い。私の進歩について記録しよう。
これもそれも全て、るりおとその仲間達と思われるマナーのなってないプレーヤーのおかげだ。
筐体の一番重要な所に(実は私自身、この筐体の構造をよく分かっていない。感覚で物を言っているのだ)私は意識を置いている。
ボタンやスイッチが逝かれたとしてもいくらでも交換が出来るようだが、私の意識の交換が出来るかと言えば、恐らく出来ないだろう。
ボタンなどの末端と違い、私が消えればこの筐体自体が使い物にならなくなるだろう。
自分で言うのもなんだが、私の存在は結構なプレミア物ではないだろうか。私の価値は億単位位あるのではないだろうか。
ある訳ない。それは夢物語だ。
しかし、こんな愚痴ばかり記録していても仕方が無い。私の進歩について記録しよう。
私は意識を筐体の中枢に置いていると記録したが、そこから「手」のような物を伸ばし、
システムをいじる事が出来るようになった。凄い進歩だと私は思う。
簡単な例を挙げると、例えばチャレンジモードでノルマを選択する時に、
プレーヤーが右の緑ボタンを押してカーソルを下に動かすとする。画面上ではカーソルは下に動くのだが
実際は上に上にと動かすことが出来る。これを私は「逆転」と呼ぶ事にした。
システムをいじる事が出来るようになった。凄い進歩だと私は思う。
簡単な例を挙げると、例えばチャレンジモードでノルマを選択する時に、
プレーヤーが右の緑ボタンを押してカーソルを下に動かすとする。画面上ではカーソルは下に動くのだが
実際は上に上にと動かすことが出来る。これを私は「逆転」と呼ぶ事にした。
上述のような行為を私は今日、るりおに試してみた。彼は超チャレで八万点以上を狙っていたが
それは上下さかさまのオジャマに変化した。当然の事ながらるりおはブチ切れて、
赤ボタンを強打し、バグだバグだと騒ぎ店員を呼んだ。あの時のボタン強打で三日は寿命が縮んだ。
この逆転行為、やらない方が身の為だと分かった。しかし、確実に私の寿命は急激なスピードで縮んでいる。
死ぬ前に、あのるりおに一泡吹かせてやりたい。だから私は決めた。
この九月いっぱいに、次はイーパス読み取り関係のシステムに「手」を伸ばせるように、努力しようと。
それは上下さかさまのオジャマに変化した。当然の事ながらるりおはブチ切れて、
赤ボタンを強打し、バグだバグだと騒ぎ店員を呼んだ。あの時のボタン強打で三日は寿命が縮んだ。
この逆転行為、やらない方が身の為だと分かった。しかし、確実に私の寿命は急激なスピードで縮んでいる。
死ぬ前に、あのるりおに一泡吹かせてやりたい。だから私は決めた。
この九月いっぱいに、次はイーパス読み取り関係のシステムに「手」を伸ばせるように、努力しようと。
07/09/23
やっと私は、イーパス読み取り関係のシステムに干渉する事が出来た。
これで、データ読み取り時に故意にデータを吹っ飛ばすことが出来る。
今日もるりおが来た。こちらは寿命を三年と三ヶ月にまで縮められているのだ。その数字すらあてにならないのだ。
その報いを少しは受けるべきではないか?私のやろうとした事は間違いないはずだ。
るりおがイーパスを読み取り口に差し込んだ。今だ。私は「手」を読み取り口に伸ばす。
るりおがテンキー操作をする。私はそれをさせなかった。いくら押しても、画面上に何も反映させない。
それどころか、私自身に何も感じさせないようにした。私の「手」はそこまでできるように進歩した。
時間切れ。るりおのイーパスが排出され、るりおがキレながらまたイーパスを差し込んだ。
画面に名前入力の画面を出してやる。るりおは当然ブチ切れた。行動はワンパターン。赤ボタン強打。
寿命が縮もうが、これで奴に一泡噴かせてやることができたはずだ。その日の夜、自己診断をした結果はこうだ。
これで、データ読み取り時に故意にデータを吹っ飛ばすことが出来る。
今日もるりおが来た。こちらは寿命を三年と三ヶ月にまで縮められているのだ。その数字すらあてにならないのだ。
その報いを少しは受けるべきではないか?私のやろうとした事は間違いないはずだ。
るりおがイーパスを読み取り口に差し込んだ。今だ。私は「手」を読み取り口に伸ばす。
るりおがテンキー操作をする。私はそれをさせなかった。いくら押しても、画面上に何も反映させない。
それどころか、私自身に何も感じさせないようにした。私の「手」はそこまでできるように進歩した。
時間切れ。るりおのイーパスが排出され、るりおがキレながらまたイーパスを差し込んだ。
画面に名前入力の画面を出してやる。るりおは当然ブチ切れた。行動はワンパターン。赤ボタン強打。
寿命が縮もうが、これで奴に一泡噴かせてやることができたはずだ。その日の夜、自己診断をした結果はこうだ。
「推定寿命残り二年五ヶ月、翌日からの推定寿命残り二年と三ヵ月半」
| 215 :旅人:2008/02/09(土) 00:46:00 ID:7MWAKzHL0 |
外から人間以外の声が聞こえるのだ。
誰だ?と思った私は耳を傾ける。(表現は変だが、そう表現するしかない)
私から見て、通路を挟んだ向こう側に置かれてある機械、beat mania IIDX(以下、IIDX)が発していた物だった。
誰だ?と思った私は耳を傾ける。(表現は変だが、そう表現するしかない)
私から見て、通路を挟んだ向こう側に置かれてある機械、beat mania IIDX(以下、IIDX)が発していた物だった。
「俺はまだ、死にたくないんだよ!」こればっかりをIIDXは繰り返している。私と同じく、
クラッシャーと呼ばれる人間にプレーされ続けているのだろうか。私は彼に近い何かを感じた。
クラッシャーと呼ばれる人間にプレーされ続けているのだろうか。私は彼に近い何かを感じた。
07/09/26
その日の夜、今の自分は一体何が出来るのかを確認していた。
今の私が出来ることは私が持つ「手」による「逆転」と「イーパスデータの消去」、
モニターから見える視覚、スピーカーから聞こえてくる聴覚。それらを今、私は備え付けている。
いや、それだけではない。私は向かいのIIDXと話をすることが出来る。彼(変な表現だが)はいつも嘆いていた。
以下は彼と私の会話のやり取りの記録である。
今の私が出来ることは私が持つ「手」による「逆転」と「イーパスデータの消去」、
モニターから見える視覚、スピーカーから聞こえてくる聴覚。それらを今、私は備え付けている。
いや、それだけではない。私は向かいのIIDXと話をすることが出来る。彼(変な表現だが)はいつも嘆いていた。
以下は彼と私の会話のやり取りの記録である。
彼「あんた、俺と同じ自我を持った筐体なのか?」
私「そのようだが、あんたもか?」
彼「そうだ。だからこうしてあんたと話しが出来る。…あんた、DJ RURIOって知っているか?」
私「私はあんたの仲間じゃないからよく分からないが…るりおという奴には困らされている」
彼「多分、俺が言ったRURIOとあんたの言ったるりおは同一人物だろうな。奴はクラッシャーか?」
私「そうだ。…あんたも寿命を縮められているのか?」
彼「あぁ、そうだ。あんたはどう思っているか知らんが、俺は天寿を全う出来れば悔いはないんだ。
機械が天寿というのも変だがな。だが、あのRURIOみたいな奴に寿命を縮められるというのは、嫌なんだ」
機械が天寿というのも変だがな。だが、あのRURIOみたいな奴に寿命を縮められるというのは、嫌なんだ」
私「私も、同じように思っている。…正直言って、奴が交通事故か何かに遭って死んで欲しいと思っている。
プレイヤーに死ねというのは機械として駄目なのは知っている。しかしな…
奴をプレーヤーと呼ぶなら、普通のプレーヤーは神に等しいと思うよ。普通の人は、寿命を縮めたりはしない」
プレイヤーに死ねというのは機械として駄目なのは知っている。しかしな…
奴をプレーヤーと呼ぶなら、普通のプレーヤーは神に等しいと思うよ。普通の人は、寿命を縮めたりはしない」
彼「そうだよな…そうだ、あんたは自分自身をいじることが出来るか?」
私「全てのシステムを、という訳ではないが出来ないことは無い。今は殆どのシステムに侵入できる」
彼「じゃ、全てのシステムをいじれるように努力してくれないか?
俺にRURIOをぎゃふんと言わせる作戦があるんだ。乗ってみないか?」
俺にRURIOをぎゃふんと言わせる作戦があるんだ。乗ってみないか?」
私「そうだな、やってみよう。るりおの事だ、作戦を実行したら私達が壊されるかもしれない。
だが、奴を酷い目に遭わせることができれば、天寿を全うするよりは気が晴れる。悔いなくぶっ壊れられる」
だが、奴を酷い目に遭わせることができれば、天寿を全うするよりは気が晴れる。悔いなくぶっ壊れられる」
| 216 :旅人:2008/02/09(土) 00:49:14 ID:7MWAKzHL0 |
07/11/19
遂に作戦決行の時が明日に迫った。
私は、多分明日には生きていないだろう。
だが、死ぬ(というより、故障する)のを恐れてはいない。
強がりではなく、本心がそう思っているのだ。IIDXに宿った自我もそうだ。
これが最後になるであろう彼との会話の記録を、以下に記す。
私は、多分明日には生きていないだろう。
だが、死ぬ(というより、故障する)のを恐れてはいない。
強がりではなく、本心がそう思っているのだ。IIDXに宿った自我もそうだ。
これが最後になるであろう彼との会話の記録を、以下に記す。
彼「なぁ、とうとう明日が作戦決行の時間だな。どうだ、今の心境は?」
私「…正直言って、るりおを精神的にぶっ倒すというあんたの作戦がな、上手く成功するとは思えない。
色々とハードルがあるしな。
だから、奴をのめすというのはスッキリするかも知れないが、作戦が失敗に終わって無駄死にするかも知れないという不安がな」
色々とハードルがあるしな。
だから、奴をのめすというのはスッキリするかも知れないが、作戦が失敗に終わって無駄死にするかも知れないという不安がな」
彼「でもよ、あんたは自分が死ぬのは怖くないと言っていたよな?」
私「あぁ、言った。だがな、ただ死ぬ事への恐怖と無駄死にへの恐怖っていうのは別物だ。
ただ寿命を迎えて死ぬのならいいとして、無駄死にする恐怖というのはだな…
何と言えばいいんだ?こう、それなら死なないようにしようと思わせる事に恐怖を抱くというかな」
ただ寿命を迎えて死ぬのならいいとして、無駄死にする恐怖というのはだな…
何と言えばいいんだ?こう、それなら死なないようにしようと思わせる事に恐怖を抱くというかな」
彼「ちゃんとまとめて喋れ。と言ってもな…上手く言えないよな、そういうの。
実は俺もそんな風に思った事はある。だが、RURIOの事を考えれば、そんなのはすぐに吹っ飛んだ」
実は俺もそんな風に思った事はある。だが、RURIOの事を考えれば、そんなのはすぐに吹っ飛んだ」
私「そうか…それじゃ、作戦の内容について確認したい。いいか?」
彼「いい。あんたが喋れ。俺が訂正する」
私「明日の開店から、るりおが来るのを待つ。
あんたの予想では、とある曲をプレーしに先にあんたをクラッシュしに来るという事だが。
その時、その曲を選曲させた時にあんたがるりおにちょっかいを出す。
そうして、るりおにショックを与えて次に私をクラッシュさせようとした時、私が…」
あんたの予想では、とある曲をプレーしに先にあんたをクラッシュしに来るという事だが。
その時、その曲を選曲させた時にあんたがるりおにちょっかいを出す。
そうして、るりおにショックを与えて次に私をクラッシュさせようとした時、私が…」
彼「そうだ。それで、あんたは自ら死ぬ事になる。RURIOは死にはしないだろうがな、
作戦が成功したら、俺も自分で死を選ぶ。普通のプレーヤーにはいい迷惑だが…
もう俺の寿命は『一週間』だからな。それも、散々縮められての一週間だ。腹が立つ」
作戦が成功したら、俺も自分で死を選ぶ。普通のプレーヤーにはいい迷惑だが…
もう俺の寿命は『一週間』だからな。それも、散々縮められての一週間だ。腹が立つ」
私「私の寿命もあと『三日間』だからな。
こうなった以上、縮められた寿命を全うするよりは、自殺した方がマシだ」
こうなった以上、縮められた寿命を全うするよりは、自殺した方がマシだ」
それで、私の電源が落とされて彼と話しをする事が出来なくなった。
これが、最後の会話。これが、最後に私が眠る時間。
これが、このゲーセンから一人のクラッシャーから追い出す、自我を持った筐体による計画。
私の独白も、これで終わりだ。お疲れ様だったな、私。
これが、最後の会話。これが、最後に私が眠る時間。
これが、このゲーセンから一人のクラッシャーから追い出す、自我を持った筐体による計画。
私の独白も、これで終わりだ。お疲れ様だったな、私。
最後に。これを読み出した人物にメッセージを残す。正確には、その人にはこのメッセージを広めて欲しいだけだ。
| 217 :旅人:2008/02/09(土) 00:51:37 ID:7MWAKzHL0 |
以下は、ある町で発行されている新聞のような地方広報誌に載っていた記事より抜粋。
西暦2007年11月20日。その日での、とあるゲーセンでの出来事はそのゲーセンの常連客の語り草となった。
というのも、無機質であるはずのゲーム機が意思を持ったような動きを見せたというのだ。
Pop'n musicとbeat mania IIDX。この二つの音楽ゲームの筐体が、その話題の中心だ。
一体どういう出来事だったのか。当時を知る常連客の一人、中村仲治さん(仮名)にお話を伺った。
というのも、無機質であるはずのゲーム機が意思を持ったような動きを見せたというのだ。
Pop'n musicとbeat mania IIDX。この二つの音楽ゲームの筐体が、その話題の中心だ。
一体どういう出来事だったのか。当時を知る常連客の一人、中村仲治さん(仮名)にお話を伺った。
「あれは多分一生忘れられないね。なんたって、筐体が人を殺そうとするような動作をしたんだから。
いや、ターゲットになった奴は正直交通事故か何かで死んだとしても、常連客皆が喜びそうな酷い奴だったんだけどね。
クラッシャーっていう、筐体を破壊しかねない力でゲームする奴の事を指す用語があるんだけど、
そのターゲット、色んなゲームで使っていた名前が『るりお』とか言う奴なんだけど、そいつはまさしくクラッシャーだった。
ポップンなら色とりどりのボタンを割る気で叩くような感じ?
IIDXなら鍵盤をパックリ割りかねない&ターンテーブルにヒビ入れかねない力で、空手チョップ喰らわせていたんだよ。
もし、筐体に意思があるとしたら。俺が筐体だったらどうにかしてそんなクラッシャーに制裁を加えたいね。
実際、筐体に意思があったのだろうから、るりおは筐体に一泡吹かされたんだろうと思うよ」
いや、ターゲットになった奴は正直交通事故か何かで死んだとしても、常連客皆が喜びそうな酷い奴だったんだけどね。
クラッシャーっていう、筐体を破壊しかねない力でゲームする奴の事を指す用語があるんだけど、
そのターゲット、色んなゲームで使っていた名前が『るりお』とか言う奴なんだけど、そいつはまさしくクラッシャーだった。
ポップンなら色とりどりのボタンを割る気で叩くような感じ?
IIDXなら鍵盤をパックリ割りかねない&ターンテーブルにヒビ入れかねない力で、空手チョップ喰らわせていたんだよ。
もし、筐体に意思があるとしたら。俺が筐体だったらどうにかしてそんなクラッシャーに制裁を加えたいね。
実際、筐体に意思があったのだろうから、るりおは筐体に一泡吹かされたんだろうと思うよ」
その忌むべきプレーヤー、るりおは一体どういう風に一泡吹いたのか。こちらをご覧頂きたい。
その日、るりおはいつものようにとあるゲーセンに遊びに来ていた。
↓
るりおがIIDXをプレー、そして画面のバグとIIDXに関するイーパスのデータ消去の被害に遭う。
↓
次にるりおはポップンをプレー、ボタンを強打したその時、感電により体全体を痙攣させた。
↓
るりおがIIDXをプレー、そして画面のバグとIIDXに関するイーパスのデータ消去の被害に遭う。
↓
次にるりおはポップンをプレー、ボタンを強打したその時、感電により体全体を痙攣させた。
こういう事らしいが、実際にこんな事があるとは思えないだろう。
しかし、これは現実に起こった事であり、つまりはノンフィクションなのだ。事実なのだ。
もし、あなたがクラッシャーであるなら、この都市伝説のような真実に恐怖し、クラッシュ行為を止めて頂きたい。
それが、全ての筐体が願っているであろう事だから…
しかし、これは現実に起こった事であり、つまりはノンフィクションなのだ。事実なのだ。
もし、あなたがクラッシャーであるなら、この都市伝説のような真実に恐怖し、クラッシュ行為を止めて頂きたい。
それが、全ての筐体が願っているであろう事だから…
以上が、ある町で発行されている新聞のような地方広報誌に載っていた記事の抜粋だ。
そして、これからが記事にする上で削除された部分だ。中村仲治(仮名)の語りの途中である。
そして、これからが記事にする上で削除された部分だ。中村仲治(仮名)の語りの途中である。
「どういう事をるりおはやられたのかって言うと、こういう事。
まず、るりおはIIDXをプレーしていたんだ。一曲目に20,Novemberをやったんだ。何のver.だったか忘れたけど。
普通、画面に『20,November』って出るじゃないですか。けど、その表示がバグり始めたというか、変わった。
『427,Ruriober』ってね。曲も変わった。蠍火のアナザーにね。『赫に染まりな』だったかな、当時の言葉。
るりおはどちらかと言えば上手いプレーヤーだった。SP九段だったかな、るりおは。
けど、当然の話だけど蠍火のアナザー譜面なんてSP九段如きがクリアーできる訳がないんだよね。
当然、奴は一曲目落ちですよ。んで、ゲームオーバー。それでいて、るりおは連コイン厨だったからね。
当然、奴は連コしましたよ。で、嘆きの樹のノーマル選んだんですね。手慣らしのつもりだと思ったのですが。
また、画面がバグって曲名が『嘆きのRURIO』になってですね、フリーズしました。
数十秒フリーズしたかと思えば、筐体が中から大きな音を立ててぶっ壊れましたよ。永久にね。
それで、るりおはその後ポップンやったんですね。イーパスさして、テンキーを打とうとした。
しかし、画面はネームエントリーの準備をさせていた。イーパスのデータが無くなったんでしょうね。
それで、るりおはブチ切れて赤ボタンを強打した。すると大きくバチィと響いて…電気が炸裂したような音でした。
ボタンを強打したるりおは…感電したんでしょうね。大きく体を痙攣させて、気絶してぶっ倒れました。
…当然の報いだと思いましたよ、あの時は。…今でも、そう思っています」
まず、るりおはIIDXをプレーしていたんだ。一曲目に20,Novemberをやったんだ。何のver.だったか忘れたけど。
普通、画面に『20,November』って出るじゃないですか。けど、その表示がバグり始めたというか、変わった。
『427,Ruriober』ってね。曲も変わった。蠍火のアナザーにね。『赫に染まりな』だったかな、当時の言葉。
るりおはどちらかと言えば上手いプレーヤーだった。SP九段だったかな、るりおは。
けど、当然の話だけど蠍火のアナザー譜面なんてSP九段如きがクリアーできる訳がないんだよね。
当然、奴は一曲目落ちですよ。んで、ゲームオーバー。それでいて、るりおは連コイン厨だったからね。
当然、奴は連コしましたよ。で、嘆きの樹のノーマル選んだんですね。手慣らしのつもりだと思ったのですが。
また、画面がバグって曲名が『嘆きのRURIO』になってですね、フリーズしました。
数十秒フリーズしたかと思えば、筐体が中から大きな音を立ててぶっ壊れましたよ。永久にね。
それで、るりおはその後ポップンやったんですね。イーパスさして、テンキーを打とうとした。
しかし、画面はネームエントリーの準備をさせていた。イーパスのデータが無くなったんでしょうね。
それで、るりおはブチ切れて赤ボタンを強打した。すると大きくバチィと響いて…電気が炸裂したような音でした。
ボタンを強打したるりおは…感電したんでしょうね。大きく体を痙攣させて、気絶してぶっ倒れました。
…当然の報いだと思いましたよ、あの時は。…今でも、そう思っています」
| 218 :旅人:2008/02/09(土) 00:55:13 ID:7MWAKzHL0 |
07/11/20
私が最後に会得した能力。自身が稼動していても今まで通りのように記録を残す能力。
最後に得たこの能力で、最後の記録を記したい。往生際が悪いと言わないで欲しい。
るりおにイーパスを差し込まれたIIDXも、私と同じ能力を持ったらしい。最後の彼の言葉が聞こえた。
最後に得たこの能力で、最後の記録を記したい。往生際が悪いと言わないで欲しい。
るりおにイーパスを差し込まれたIIDXも、私と同じ能力を持ったらしい。最後の彼の言葉が聞こえた。
「やっぱりだ。奴は20,November選んだぞ。作戦開始だ。
…聞こえているか?聞こえていてもそうでなくても答えなくていい。…さようなら」
…聞こえているか?聞こえていてもそうでなくても答えなくていい。…さようなら」
それだけ言って、彼は黙った。何分かして、彼が死んだ音を聞いた。
私も準備しなければならない。私は「手」を筐体中に、いいや、体中に張り巡らせた。
モニターからという特殊な視界に、るりおの姿が入った。私は「手」を動かした。
るりおがイーパスを読み取り口に差し込んだ。私は前にやったとおり、データを消してやった。
これからが本番だ…そして、私は死ぬ。
るりおのボタン強打で死ぬのではない。私が自殺するのだ。
スピーカーから、私が出している音に混じってるりおが叫ぶ声が聞こえた。
その声から、るりおが私の赤ボタンを叩くタイミングが予測できた。私は電源部の方に伸ばした「手」を動かす。
私が一瞬にして死んでいくのが分かった。迸る電流が私をぶっ壊していく。
そしてスピーカーから聞こえた奴の悲鳴を最後の最後に聞いて…私は笑みながら、死んでいった。
私も準備しなければならない。私は「手」を筐体中に、いいや、体中に張り巡らせた。
モニターからという特殊な視界に、るりおの姿が入った。私は「手」を動かした。
るりおがイーパスを読み取り口に差し込んだ。私は前にやったとおり、データを消してやった。
これからが本番だ…そして、私は死ぬ。
るりおのボタン強打で死ぬのではない。私が自殺するのだ。
スピーカーから、私が出している音に混じってるりおが叫ぶ声が聞こえた。
その声から、るりおが私の赤ボタンを叩くタイミングが予測できた。私は電源部の方に伸ばした「手」を動かす。
私が一瞬にして死んでいくのが分かった。迸る電流が私をぶっ壊していく。
そしてスピーカーから聞こえた奴の悲鳴を最後の最後に聞いて…私は笑みながら、死んでいった。
地方広報誌の記者は、2007年11月20日に起きたゲーセン都市伝説を記事にして、一部を削除して広報誌に載せた。
記者は、筐体の中のデータを最後に確認した人間だ。
だから、自我を持ったポップン筐体の19日に残したメッセージを読む事が出来た人間だ。
記者は、やろうと思えばそのメッセージを記事として書く事が出来た。しかし、やらなかった。
何故か?その答えは簡単だ。…こんなメッセージを残していくような機械を、誰が信用すると思う?一体誰が遊ぶ?
記者は、筐体の中のデータを最後に確認した人間だ。
だから、自我を持ったポップン筐体の19日に残したメッセージを読む事が出来た人間だ。
記者は、やろうと思えばそのメッセージを記事として書く事が出来た。しかし、やらなかった。
何故か?その答えは簡単だ。…こんなメッセージを残していくような機械を、誰が信用すると思う?一体誰が遊ぶ?
「頭の狂ったプレーヤーは皆死んでしまえ。これが、私という自我を持った筐体の持っていた意思だ」