ぎりあると12にんのむすめたち
ギリアルと12人のむすめ達




概要

はじまりの人形としてこの地上に存在を許されたギリアルは、体の歯車を引き抜き、それを心臓にして小さな人形達を作り上げた。
その小さな人形達は、ギリアルの娘とも呼ばれる存在で、この地上のいずこかで平和に暮らしている。

そんなある日、自身の弱体化を重く見たギリアルは、元の力を手に入れるためにむすめ達を求めて世界をさまよい始めた。
しかし、ギリアルのパーツはむすめ達の心臓そのもの。
それを取ってしまうと人形達は一切の活動ができなくなり、生物としての「止」を迎える。

もちろん、むすめ達はそれをよしとしない。
逃げ出すもの、立ち向かうもの、それは個体によってさまざまである。

かくして、きわめて特殊な親娘ケンカの火蓋が切って落とされた!

テーマ

作られた命は誰のもの?

登場人物紹介




★★★
むすめ達をギリアルが作ったということは、元々ギリアルはむすめ達と一緒に暮らしていたということ
それが何故別離しているのかを考えてみた
平穏無事な毎日を暮らしていたギリアル達。
ある日のこと近隣諸国の間に戦争が勃発、意図せず戦争に巻き込まれてしまった。
平穏な暮らしを乱されたギリアルをはじめとする人形達は、二手に分かれてその戦争を始めた国々の制圧を試みる。
さすがのギリアルとそのむすめ達、単騎がけで戦場を大いにひっかき回した。
ところが、人間の国々はギリアル達を脅威と認め、手を組んで人形たちに対抗し始めたのだ。
善戦するギリアルたちではあったが、手を組んだ人間の国は少々手強く、勝利を獲得するのが難しくなった。
このままでは誰かが犠牲になる、そう思ったギリアルは娘の1人の『転送装置』を使い、むすめ達を逃がした。

いつかまた共に暮らせる日を夢想して、むすめ達は世界中に散らばった

それから幾程の刻が過ぎたか。
あるむすめは自身の存在がなんであるかを忘れ、あるむすめは朽ちた廃墟で数万もの雲を数えた。
そしてギリアルは今も戦い続けていた。
人類は手を変え品を変え、たった1人のギリアルを責め立てる。
ギリアルは姿を変え、身を潜め、戦い続けている。
思い出すのはむすめ達との日々、もはや顔も声も思い出せなくなるほどの長い月日が流れた。
ギリアルの目にはむすめ達とのかすかな接続ラインが見えており、そのラインを見た限りではむすめ達が息災であることがわかった。
そしてそんなある日、人間達の新兵器でギリアルは中破してしまう。
このままではまずい、自分ですらこうなのだ、散らばったむすめ達が危険だ。
そう思ったギリアルは迷うことなく戦いを放棄してむすめ達の元へ向かった。
むすめ達の保護のためを理由に、自信の力を取り戻すためを名目に。

それは心に積もった幽かな寂しさに突き動かされるように
★★★

★★★
記憶装置のむすめが、おとうさん油変えた?っていう
ギリアルは変えてないと言う
やはり変えてるよ、だってあの頃と匂いが違うもんって言う
そう言われてギリアルは娘たちと別れてから数年後に変えたことを思い出す
変えたことを忘れるほど昔の話
だがむすめはずっと覚えていた
あの頃の姉妹の声も、お互いの香りも

一度だって忘れたことはないんだよ、おとうさん
★★★

★★★
最終更新:2018年01月20日 00:44