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 生け贄の姉弟  アサギリ・スイカ(朝霧水歌) / アサギリ・ヒズミ(朝霧火澄)

 データ:18歳 146cm スリーサイズNODATA (偽装時:167cm B87W59H88)  黒髪金眼 
          :17歳 163cm  黒髪黒眼

 称号:黒曜の使徒 『優しき水面』のスイカ / 吸血鬼
バンパイア

    :黒曜の巫女 / 盟主

 お互いに大切に思い合う、使徒と巫女の姉弟。
 姉は天然で弟思いのお姉ちゃん気質。弟は苦労性の姉思いのいじられ気質。
 ジュンタにとっては故郷を思い出させる懐かしい存在で、それもそのはず、その正体は故郷を同じくする異邦者である。
 救世主を呼び寄せる前段階のテスト対象者であり、救世主と同じような状況下に置かれた。
 故に神獣としての姿は『ドラゴン』。スイカの特異能力は『ガラスの靴』。また、ヒズミの特異能力呼称も同様。ただし、スイカのガラスの靴がシンデレラの物語における変身(偽装)魔法なら、ヒズミのそれはシンデレラを捜すために使われた選定のガラスの靴である。
 厳密にいえば救世主と同じ特異能力を持たないので、二人で一柱の『救世主候補』という計算の上に成り立っている。そのためスイカは使徒であると同時にヒズミの巫女。ヒズミは使徒であると同時にスイカの巫女という形で互いを補い合っている。
 物語上、先に覚醒したスイカをヒズミが助けようとする形になったが、可能性をいえば、逆になる可能性も同じくらいあり得た。その場合でも、やはり二人で一人という価値のために、片方だけが助かるという形にはどうがんばってもなり得ない。
 二人の一番の間違いは、お互いに自分を殺してまで相手を助けようとしたこと。ヒズミが見出した二人一緒に助かろうという答えが正しかったわけだが、時すでに遅かった。結論を逆行させたヒズミが、自分を殺してジュンタに託すという方法は、姉を殺す方法でしかなかった。結果として、二人ともがそれぞれ大切な人に看取られる形でこの世を去った。
 スイカは痛みを堪えることに長けた少女で、ヒズミは悩みを自分だけで解決しようとする少年。
 本来の神獣の形は双頭の竜であり、それぞれが片方の頭を担っている。

(作者)ちなみに現実世界における水歌は、異世界の彼女よりもクーデレな少女。火澄は異世界の彼よりもツンデレ度が上がっている。お互いにシスコン、ブラコンであることには変わりないけど。



 金糸の聖母  フェリシィール・ティンク

 データ:122歳 159cm B92W60H88  金髪金眼(エルフ

 称号:金糸の使徒 『自然の予言者』たるフェリシィール / 聖母

 聖地ラグナアーツに降誕せし使徒の一柱。使徒の中では最古参の使徒。
 実質世界最大宗教の聖神教を束ねている存在で、絶大な権力と人気を誇る、庶民からすれば雲の上どころか神にも等しい御方であるが、本人は微妙に庶民的。巫女であるルドールのことは父親と慕い、クーのことは我が子の如くかわいがっている。
 お茶目が洒落にならない。なかなかお嫁にいけないのが悩み。
 特異能力は『未来予知』であり、自然予測に限定しているが命中率はほぼ百パーセント。この世でドラゴンの出現を唯一察知することができるが、これが彼女を色々と苦しめる要因となっている。
 すでに使徒としては挫折しており、現在は世界の安寧に尽くしている。
 優しく母性的だが、本人曰く昔はそれはもう酷かったらしい。大切な人以外には無感動というより無機質、その辺りの石ころ同然の認識しかなかった。『パンがないならお菓子を食べればいいじゃない』どころか、『パンがないなら餓死します』と平気で突きつけるくらいの。現在にも偶にその頃の名残があるとかないとか。
 良くも悪くも、異世界における使徒の認識に一番近い獣。

(作者)現在は人間にすり寄って生きている。やはり本質的には変わりがないが、全てを大切な人と思い、その中で順列をつけるという荒技を使っていたりする。割と小柄だが、ある一部分は激しく自己主張している。




 データ:300歳以上(本人も正確な年齢は把握していない) 178cm   金髪蒼眼(エルフ)

 称号:金糸の巫女 / 召喚師 / 傍観者

 最も古き巫女であり、歴代の巫女の中で文句なしの最年長。
 エルフのすさまじさを体現したようなご老人。少年にも少女にも見える美貌の老人というべき容姿と、森の賢者と讃えるべき圧倒的な冴えを持つ魔法。凪いだ湖面と称される穏やかな性格と、男性キャラクター中ぶっちぎり完璧超人。
 召喚魔法の権威であり第一人者。望みは娘二人の花嫁姿を見ること。
 周りからの信頼は厚く、『封印聖戦』においては死=主たち全ての騎士の帰還不可能という状況であっても、聖地の護りを一手に任されるほどだった。
 年齢的にいえば、300歳後半から500歳近くは生きるエルフとしても老年という頃。ただし、それは時が止まったように流れるエルフの里における基準であり、若い頃から旅をしたりと移り行く外界にいたため、精神的な加齢はエルフの里の長老のそれを凌ぐ。つまりは枯れている。どう足掻いても他人が幼い子供にしか見えず、それが結果的に息子との確執に繋る要因の一つとなった。

(作者)第二部においてはあまりスポットが当たらなかったが、間章Ⅱからは活躍する予定の御方。ちなみに作中では使われまくっているが、召喚魔法の使い手は世界に十人もいない設定。そのほぼ全てがルドールの関係者。



 天秤の上の正義  ズィール・シレ

 データ:56歳 154cm(元は184cm)  翠髪金眼  ポニーテール

 称号:翡翠の使徒 『天秤』のズィール

 聖地ラグナアーツに降誕せし使徒の一柱。ある意味変わり種の使徒。食いしん坊な正義の味方。
 自分に厳しく他人にも厳しい。ただしその言動に辛辣さはない。礼には礼を。罰には罰をと、そういう考えで生きている。平等を愛し、地位の意味を知りつつもそれを鼻にかけない。割と好青年だが、しかし目つきはすこぶる悪い。使徒であるためそれさえも好感度アップに繋がっているが、使徒じゃなかったらきつい。度を超える健啖家のため食費もかなりきつかったことだろう。
 使徒としては珍しいほどに人間臭く、それが結果的に歴史上二人目の聖君を設けるに至った。同時に巫女との間に確執を生む形にもなる。
 娘のことは愛しているが、それが適切に伝わっているかといえばそうじゃない。
 封印聖戦後は巫女との決別の後遺症から十二歳ほどの身体になってしまう。成長はしないので折り合いをつけようとしているが、フェリシィールと娘からの熱い視線に戸惑いを隠せないのだとか。

(作者)ちなみに妻であるエルフィルテだが、離婚しているわけではなく、彼女が一箇所に止まっていない人間なだけ。現在は故郷の方で料理の修行中であり、一年に一度は帰ってきて夫と子供に料理を振る舞ってくれる。まさしくそれは使徒さえも射止めた料理であり、妻か料理かと聞かれたら、ズィールは一瞬止まる(笑)。




 聖槍を握る巫女  クレオメルン・シレ

 データ:18歳 170cm B83W77H83  翠髪碧眼 

 称号:翡翠の巫女 / 翡翠の聖君 / 使徒ズィール・シレ聖猊下近衛騎士隊隊長

 父ズィールと母エルフィルテの間に生まれた一人娘。歴史上二人目の聖君。
 父親に憧れる、自分に厳しい女騎士。他人には優しいあたり、父親と同じ志を持っているわけではなく、辛い志を貫こうとする父親を支えたいという思いが強い。がんばり屋だが猪突猛進。そして割と熱血。友情とか愛情とかそういう言葉に弱く、常に正しくありたいと願っている。
 シンパシーを感じるクーのことは親友と思っており、身分の差もあったりしたが、最終的には愛称を呼び合う間柄に落ち着いた。また、誤解の末にジュンタのことはあまりよく思ってなかったが、使徒と知り、クーとの関係を理解し、また土下座を経て友愛の念を抱くに至った。土下座で。
 『封印聖戦』後にズィールの巫女となり、慣れない身体に戸惑う父親を助けるべく奮闘中。自慢だったポニーテールを失った悲しみを、父親にポニーテールにしてもらうことで補っている。
 父親に似て健啖家だったが、謎の力に目覚めたあとはさらに大食らいになった。

(作者)なぜか影が薄い。おかしい、割と重要な立場にいるはずなのに。やはりヒロイン属性が欠けているのがあれなのか。色恋沙汰においてはまったく絡んでこない上役に立たない。その上でポニーテールを失って……自分的には好きなんですがね。



 魔槍を握る巫女  コム・オーケンリッター

 データ:73歳 190歳  藤色の髪 鳶色の瞳

 称号:翡翠の巫女 / 鬼神

 使徒ズィールの最初の巫女であり、彼を育てた男。
 ズィールにとっての憧れであり、同時にいずれ同じ志を持つがため、ぶつかり合うことが確定した好敵手。クレオメルンにとっての師でもある。巌のように揺るがない意志を持つ男。
 かつて『鬼神』と呼ばれて讃えられた最強の騎士であり、ズィールとの関係も良好そのものだったが、いつ死が訪れてもいい歳になって焦りが募るようになる。それが結果として裏切りという行動に駆り立たせた。
 ズィールとの間に個人的な繋がりはなく、あえていうなら聖殿騎士だったというだけで巫女に選ばれた。恐らく、ズィールが同じ志を抱かなければ敵対関係にはならなかったのは事実。あるいは、まだ強さを求める若き騎士のときにズィールの巫女になったため、父性を持たなかったこともその理由かも知れない。どちらにしろ、これが神によって定められた主従の繋がりだった可能性は高い。主共々、巫女といった立場にいるにはあまりにも人間臭すぎた。
 強くなるためにアントネッリ姉弟を利用し、『狂賢者』と手を組み、破滅という名の道を辿ることになる。
 割とベアル教の面々のことは気に入っていた。特にヤシューなどは同じ最強への渇きを持つ者同士、馬があったようだが、やはりそれらが因縁となり、同じ思いを抱いて血の戦場で激突。紙一重で敗北し、『狂賢者』にかけた願いは叶わずに人生の幕を下ろすことになった。
 最強を目指してなりふり構わず駆け抜けた。その死はズィールを突き動かし、その意志は結果として受け継がれることになる。

(作者)作中屈指の漢度が高い人。ヤシューが強者と戦いたいという渇きなら、オーケンリッターは自らが不動の最強でありたいと願っていた。



 永遠の好敵手  ヤシュー

 データ:29歳 186cm  金髪金眼(エルフ) 鼻を横切る傷跡

 称号:破壊の君 

 暗殺者ともいえない暗殺者。ジュンタをライバルとして付け狙う戦闘狂。
 刹那の快楽のために生きている享楽的な男で、強者と戦うことだけを願い、長年世界を渡り歩いてきた。
 本名ヤーレンマシュー・リアーシラミリィ。嘆きのリアーシラミリィと呼ばれるに至った『狂賢者』の実験における完成作以外では唯一の生き残りであり、最大の失敗作。先天的に遺伝子欠陥を抱えており、エルフとしての特性である豊富な魔力や魔力に対する超感覚などは持って生まれたが、それを体外に放出することができない。よって魔法らしい魔法は一切使えず、里では浮いた存在だった。それが結果的に実験で命を落とさずに済んだ理由になったのは皮肉的な話。
 捨てられたあとは里へは戻らず、里でも多くの子供と一緒に死んだものとして処理されたため、以後自由に
生きてきた。その中で相棒であるグリアーと出会い、好敵手であるジュンタと出会う。ジュンタを倒すためにベアル教に荷担し、しかし勝負のためなら平気で阻害する行為に出るというとんでもない男。
 ジュンタに敗北し、度重なる肉体の酷使により一度死を迎えるが、『聖誕』をもって蘇る。
 神さえも予想だにしなかった獣。偶然か必然か、あるいは擬似的な『竜の花嫁
ドラゴンブーケ
』であるがためにか、その道程はジュンタと歩んできた道とよく似ている。

(作者)というわけでライバルさん。当初から出したかった御方。敵なのに憎めない、そんな馬鹿。が、馬鹿は馬鹿なりに相棒であるグリアーには感謝し、愛していました。




 永遠の相棒  グリアー

 データ:22歳 168cm B86W58H85  薄紫色の髪 グリーンの瞳  褐色の肌

 称号:なし

 暗殺者らしい暗殺者。ヤシューの相棒。
 やや皮肉的な態度の目立つ攻撃的な性格をしているが、相棒の暴走に巻き込まれてはため息をつき、睨みながらせっせと後始末をする女房役。
 十年近く前までは、ジェンルド帝国でその日の糧を得るために色々と悪事に手を染めながら生きていた。ほとんどの悪事はやり尽くしているらしく、そんな自分をアイデンティティーにして生きていたらしい。
 それを木っ端微塵に打ち砕いたのがヤシューという男。
 馬鹿は利用され、食い尽くされる帝国において、何をされても折れない、曲げないヤシューという真性の馬鹿は存在してはいけない異物だった。あるいは喰い殺される前に出会ってしまい、あまつさえ治療してしまったことが間違いだったのか、嘘偽りのない姿に戸惑い、変わっていく自分を感じ、結果として馬鹿のまま圧倒的強者に打ち克ったヤシューに惹かれてしまう。彼とそのまま別れることが我慢ならず、放っておけないといった理由をつけて勝手についていった時点でもう完璧に人生を狂わせられていた。
 ヤシューの方も、当時まだ子供だった彼女のことをそれなりに構い、結果としてなし崩し的にコンビを組むことになる。
 とはいえ戦闘者としての才能はない。どんなに憧れても、がんばっても二流止まり。彼女はヤシューを一人の男性として愛していたが、相棒に追いつきたいのに追いつけないジレンマが、その後二人を相棒以上に押し上げられなかった理由の一つとなる。
 しかし二人が結ばれなかった最も大きな理由としては、彼女の歪んだ恋愛意識にあった。
 ヤシューのことを鈍感と称していたが、彼は恋愛感情に気付いてそれなりに愛情を持って接していたわけで、本当い鈍感だったのは彼女の方。愛し方は常人のそれと同じだったが、父親の影響か、愛されたいと願う方法が異常で、めちゃめちゃにされたい、殺されたいといった破滅願望だったことが最大の理由といえる。
 最後はずっと願って止まなかった愛する人に殺されるという結末を辿り、幸福の中で死んでいった。

(作者)作中乙女度が半端じゃなく高いグリアーさん。一途なパートナー。グリアーはヤシューにとって、ジュンタにとってのリオンと呼ぶべき存在。その死はヤシューの中での一つの永劫となったことだろう。



 狂賢者  ディスバリエ・クインシュ 

 データ:??歳 161cm B84W59H86  水色の髪 蒼眼

 称号:狂賢者

 人々の間で噂される禁忌の賢者。
 氷像のような美しい姿と、閉じられた瞳が特徴といえるが、本質はそういった目に見えるものではない。
 彼女の歴史はジェンルド帝国からはじまり、オルゾンノットの魔竜事変を経て世界の闇となる。ありえない知識と、人として自制すべき禁忌に躊躇なく手を伸ばす在り方が狂気と呼ばれる最大の理由。
 しかし、それら歴史に残された史実もまたこの女の一部に過ぎず、その本当の本質は『狂信』にある。
 厳密にいえばディスバリエ・クインシュなる人間は存在しておらず、『聖獣聖典』を所有し、かつての肉体を魔法で操っているに過ぎず、本体は常に救世主の傍に在る。
 彼女の行動の全ては世界のために。人のために。そして、救世主のために。
 そのために世界を、人を、救世主を容赦なく危険に晒すのは、一重に信じているからに他ならない。彼女の行動はこの程度は当然乗り越えて然るべきだという盲信から成っており、つまるところ救世主とは一蓮托生。もしも彼が失敗したなら、そのときはまた彼女も消えている。
 『封印聖戦』の結末はまさに彼女の一人勝ちと言ってもいい。『竜の花嫁
ドラゴンブーケ
』として今は救世主の隣に在る。

(作者)ちなみに第二章第十話における最後の独白は、クーと彼女が共に抱いた想いである。そこに至るまでの道は間章Ⅱを読むとよくわかる……らしい。



 神に至った異端導師  ウェイトン・アリゲイ 

 データ:24歳 170cm  金髪翠眼  中性的な容姿

 称号:異端導師

 ベアル教の導師。第二部におけるラスボス。
 たった一つのことを求め、突き詰める求道者であり、その道の先にある答え以外は必要としない。それは狂信とも呼べるべきものであり、仮に聖神教内にいれば若くして枢機卿にまでのし上がっただろう。が、見出した神と信仰が悪魔であったために、決定的なまでに常道からはずれていくことになる。
 身体能力も、魔法の素質も、あらゆる戦闘に関する才能が皆無。ただし、その容姿はまさに天使の如きものであり、ややずれた立ち振る舞いも合わされば、そこには彼が唯一誇れるカリスマ性というものが出来上がる。布教官としては非常に優秀であり、彼によってベアル教の信奉者になった人間は数知れない。同時にそういった誰よりも開祖ベアルに敬服しており、ドラゴンを信奉していた。
 彼にとって『狂賢者』とは憧れの女性であり、一目惚れに近いその出会いにより、彼女の大いなる企みの生け贄となる。『偉大なる書』の力によってキメラと化し、後に『ナレイアラの封印の地』にいたドラゴンと同化・吸収することで神となる。
 ただ一つを求めて歩いた道の先。その道に後悔は何もないが、ジュンタとリオンの姿を美しいと感じ、別の可能性があったことを知る。『破壊の君』との親和性は最も高かったが、地獄の釜において『聖誕』の対象となるべく戦うこともできたがそれをせず、自分の生に後悔のなかった彼はただ祝福を残して消えた。

(作者)最初の最初から登場していただいた敵キャラ。ジュンタが目指さない『救世主』というものを全力で目指していたのがウェイトンという人間。故に相性は最悪だったが、ジュンタは彼のことを少し理解できていたようだ。



 裏切りの冒涜者  ギルフォーデ 

 データ:37歳 166cm  橙髪茶眼  浅黒い肌  糸目

 称号:冒涜者 『裏切り』のギルフォーデ / 治癒術師

 『狂賢者』が招いたベアル教のメンバー。表裏問わず指名手配されている凶悪犯。
 ボルギィとコンビを組んでいるが、実質的に行動方針を決めているのは彼の方。直接的な戦闘能力は低く、戦闘はボルギィに任せ、謀略をもって敵を刺す。裏切りという言葉に甘美な悦楽を感じており、その行動方針はいかにして相手を騙し、欺き、絶望させるかという人として最低な方針に則っている。
 本名ギルフォーデ・レブラス・ジ・シーデング。ジェンルド帝国において処刑されたはずの世界最高の治癒術師と謳われた人物であり、ヒーリング技術は世界一を自負している。
 帝国との繋がりは切れたはずだが、その実今も繋がっている。たった一人裏切れないと感じている相手からの命令で、『狂賢者』に協力しながら独自に動いており、『聖誕』の成果を有効活用するために動いているというのが本当のところ。
 『狂賢者』との付き合いは長く、ジェンルド帝国時代から親交はあった様子。また、ボルギィとは十年前からの付き合いであるが、仲がいいなどとは口が裂けても言えない間柄である。

(作者)ある意味わかりやすい敵キャラ。今回はあくまでも協力者として動いただけであり、本当の意味で彼が動くのはここから先と言っても間違いではない。



 狂せし破壊者  ボルギィ 

 データ:32歳 203cm  禿頭 血色の瞳

 称号:冒涜者 『惨劇』のボルギィ / 破壊者

 『狂賢者』が招いたベアル教のメンバー。 表裏問わず指名手配されている凶悪犯。
 見た目からして常軌から逸し、それよりも酷い精神を持っている。ギルフォーデの命令に従って、敵を壊し、殺すことにのみ神経を費やしていた。その思考はあまりにも拙く、濁っている。狂戦士という言葉が似つかわしい人物。
 ただし、理性というものをギルフォーデに奪われているだけで、それさえ解ければ一応の理性を保つことはできる。が、理性的にやはり狂っており、ギルフォーデを心底から憎みきっている復讐の鬼。
 本名はボルギネスター・ローデ。かつてオルゾンノットの魔竜事変の折、カトレーユ・シストラバスをさらい、クロード・シストラバスを殺害した人物。
 それ以前は破壊者と呼ばれ恐れられた傭兵であり、主にジェンルド帝国において行動していた。元々はただの農夫だったが、戦争への徴兵を経て帰る故郷をなくし、闘争に身をやつすことになる。平和とは無縁の帝国の闇が作り上げた被害者といってもいい。
 復讐を願いながらもそれを果たせず、逆にリオンに復讐されて戦死する。その際、愛した女のことを彼女に託し、自分とは違う騎士という戦闘者の在り方を知った。
 特別な何かがあったわけじゃない。ただ、当たり前に一人の男として女を愛し、妻として一生愛すると誓って、彼女のために戦っただけ。それがこの男の一生だった。

(作者)物語の大筋には関わってこないが、彼の存在はリオンに大きな情報をもたらすことになった。リオンたち騎士に対してボルギィは傭兵であり、信じるものは違っていた。




 データ:21歳 177cm  茶髪緑眼

 称号:聖殿騎士団第八師団第一大隊第二小隊隊長

 聖殿騎士団に所属する男性騎士。
 聖殿騎士なので一応世間一般でいうところのエリートなのだが、そんな雰囲気は一切ない、皮肉的な面倒くさがり屋。信仰というものを一切持っておらず、聖殿騎士の中では異端に近い。
 それだけなら他にもいたが、彼が普通じゃない部分をあげるとするなら、それはその生まれと訓練学校の同期にベリーローズという狂信者がいたということ。
 聖殿騎士の訓練学校に入るための大会でベリーローズに目をつけられ、以後何かと絡まれることが多くなる。最初はそりゃもう面倒くさくて邪険に扱っていたが、まったく諦めない信仰の鬼である彼女に、結局卒業後まで色々と巻き込まれることになる。第八師団師団長になったベリーローズの抑え役として彼女の副官に重宝され、ベリーローズとの縁は切っても切れないものになってしまった。
 それは、自分が切りたくなかった縁だと気付いたのは、彼女が倒れたそのときで、愛していたのだと気が付いたことがその本来の任務に大きな影響を与えることになる。
 その正体は帝国の諜報員であり、聖神教内から色々な情報を手に入れる役目におり、本来なら死ぬまでそこにいるはずだったが、ベリーローズと出会ってしまったために全てがパーになってしまった。

(作者)第三部に対する布石であり、聖殿騎士団内における醒めた考え方を持つキャラクター。ベリーローズと二人で、違う角度から聖殿騎士団というものを教えてくれるキャラクターでもある。



 狂信の特攻隊長  ベリーローズ・フォルバッハ 

 データ:23歳 153cm B76W53H75  深緑の髪 鳶色の瞳

 称号:聖殿騎士団第八師団師団長 / 暴投ロリータ

 聖殿騎士団で師団長を務める女性騎士。
 エリート中のエリートであり、熱心という言葉を超える狂信者。敬虔な聖神教信者である両親の下で育ち、純粋にそれを魂に刻むほど信仰して育った。そのまま行けばシスターにでもなり、一生を教会への奉仕活動で費やしたかも知れないが、ベアル教などの異端宗教があることが彼女には信じられなかった。
 それらこの世の汚点を掃除するため、戦闘技術を磨き、その信仰心に支えられ聖殿騎士への門戸を叩くことになる。養成学校に入る年齢こそやや遅かったが、師団長へは異例の早さで昇進した。
 聖神教の敵以外には優しく、面倒見がいい性格で、適当に生きているウィンフィールドを弟のように思ってあれこれ世話を焼いていた。聖殿騎士であると同時に神と使徒に純血を捧げた聖職者であるが、彼に対しては自分でも気が付いていない慕情を抱いていたのかも知れない。
 聖殿騎士団内でも際だった信仰心を持つ少女であり、使徒と面会しただけで失神する等々、数々の語りぐさを持ち、聖殿騎士とはこうであるべきという見本とされていた。が、ウィンフィールドからしてみればそれが死にたがりと映っていたらしく、結局分かり合うことはできずに、敵の凶刃に討たれて瀕死の状態に陥る。
 その後の消息は不明。
 聖殿騎士団内ではすでに殉職扱いされ、彼女の副官が次の師団長に昇進している。

(作者)ウィンフィールドとは別の角度での聖殿騎士団を映すキャラクター。ちなみに、ここまでの信仰心を持つ聖殿騎士は少なくとも、大なり小なり聖殿騎士団の人間や聖神教の中枢にいる人間は、彼女のような狂信者の素質を秘めているといっても間違いではない。



 永遠のハーレム志願者  ラッシャ・エダクール 

 データ:18歳 176cm  焦茶色の髪 黒眼  エセ関西弁

 称号:エロス 

 ジュンタの男友達。出会ってしまったエセ関西弁。
 ハーレム希望者(名乗るだけは自由)にして、やがて世界一の商人となる男(自称)。商人としてあっちこっち旅しているところをジュンタと出会い、なんだかんだの内に行動を共にするようになっていた、気が付けば後ろにいる男。ナンパ大好き。女の子超好き。男の子は……イケルカモ。
 非戦闘員であり、シリアスになるとぱったり出番がなくなる男。されど、ある意味では殺伐した場面を打ち砕いてくれる人物である。なにげに故郷の許嫁がいるという勝ち組でもある。
 運と根性とエロスだけでこの世を渡り歩いており、ジュンタとの出会い――もとい、ジュンタの周りに集まってくる美女・美少女との出会いで、自分の進むべき道はこっちだという確信を得る。得てしまう。夢を叶えるために各種ギルドに打診してある意味斬新なお店をオープンすることを画策するが、失敗に終わる。
 それでも諦めないところがこの男。
 後に某同志の協力を経て、お店をオープンしたとかしないとか。

(作者)故郷の許嫁であるところのユリアは、こんなラッシャでもOKと言ってくれるとんでもない美少女。ただし、結婚したが最後ラッシャの夢が叶うことはないという、ラッシャにとっては拷問のような相手。




 紅き剣のユメ  シストラバス

 『始祖姫』の一柱、ナレイアラ・シストラバスの系譜に連なる家。
 騎士の国グラスベルト王国の筆頭貴族であり、『竜滅姫』の存在はあまりにも有名。また、竜滅騎士団、不死鳥の騎士団、紅き剣の騎士団などなど、多くの異名を持つ騎士団は少年少女の憧れである。
 なお、シストラバス家は王国の北一帯を領地とする家柄であり、本家はかつてオルゾンノットと呼ばれた商業都市ランカに居を構えるシストラバス家だが、傍系なども多く存在し、貴族としては珍しく女性の当主が多い。

 以下、関係者――


[[ゴッゾ・シストラバス]] : 39歳 182cm  金髪翠眼  

 グラスベルト王国シストラバス領シストラバス侯爵家当主にして、シストラバス侯爵家騎士団騎士団長。
 リオンの父親であり、先代当主カトレーユ・シストラバスの旦那様。ポーカーフェイス常備。
 貴族にしては偉ぶったところがなく、常に笑顔を浮かべている。しかし、その笑顔の下でとんでもないことを考えている。良くも悪くも。大事なことも遊びも。昔は割とお堅い野心家だったが、カトレーユとの生活、リオンとの生活を経て変わっていったらしい。
 商才については右に出るものがいないとされる傑物で、金銭的な面で没落しかけていたシストラバス家を救った。今の大金持ちシストラバス家を作った功労者。別名、金の成る木(カトレーユ談)。
 誰よりも竜滅姫の運命を呪い、抗った人物で、時には使徒さえも利用しようとしたが、リオンを助けるジュンタの姿に思うところがあったらしく、以後紳士を自称しながら度々はっちゃけるようになる。

(作者)第二部においてはあまり深く関わって来なかったが、第二部の終わりがああなった以上、どんな形であれ第三部には関わってくるだろう。そして、間章Ⅱは彼の物語。


[[エルジン・ドルワートル]] : 40歳 183cm  茶色の髪 翠眼  隻腕(左手のみ)

 シストラバス家の正騎士。祖父の代からシストラバス家の騎士を歴任している家系の人間で、やや生真面目で激情家なのを抜かせば、当主からも周りからも信頼の厚い騎士である。腕も確か。
 ただし、親バカ。娘のエリカのことを愛情たっぷり注いで育てている。
 ゴッゾとは身分を挟んだ上での友人に近い関係。年頃の娘を持つ同士色々と相談する機会が多く、その縁もあってリオン直属の騎士として働いており、リオンが独断でジュンタを騎士に任命したときは、騎士として鍛え上げるべく師として立候補していた。が、ジュンタの失踪、片腕の消失などを経て、リオン直属の任を辞退し、武競祭後は騎士見習いたちを鍛え上げる立場についた。
 しかし使命に従順であるため、ことあるごとに重大な任務を前にすると参加すべきか苦悩し、その度に娘と喧嘩して、尻を蹴られるように参加しているとか何とか。
 これ以外にも、正しい男女関係などを巡って、愛娘とは頻繁に親子喧嘩が起きている。

(作者)ちなみに『封印聖戦』においては、第一次進行における撤退戦でがんばり過ぎた結果、最終決戦には参加できずに別邸で娘の看護を受けていた。なんていうか、そういう星の下に生まれた男。


[[エリカ・ドルワートル]] : 18歳 156cm B85W59H83  ハニーブロンド 鳶色の瞳  メイド服

 シストラバス家の使用人。騎士エルジンの娘。快活で天真爛漫。やや妄想癖あり。
 幼い頃、故郷のミルカ村を後にしたあと、お手伝いを経て父親を支えるべくメイドとなった。なので、そうは見えないと評判だが、同い年のメイドの中ではユースと共に飛び抜けて有能。薬術について多くの知識を持っていたりと、次期メイド長候補筆頭。現在は護身術に力を入れているらしい。
 今時の女の子らしく恋愛ごとには興味があるが、なかなかいい人は見つけられていない。偶にいてもことごとく父親が追い払うため、地味に将来を心配している。ただし自他共に認めるファザコンなので、責任は本人にも多分にある。
 使用人の間ではユースととても仲が良く、ややお姉さんぶりながらあれこれと世話を焼いたり、焼かれたりを繰り返しているとか。なお、ジュンタに対する恋愛感情は割と本物だが、友愛と混ざり合ったものであり、リオンのこともあるので色々と複雑らしいとのこと。
 ぶっちゃけ愛人でもありと思っていたりと、どこまで本気かは本人でもわかっていないのかも知れない。

(作者)第三部でも一応出番はある予定。なお、もし仮に第八章から第九章までの空白の時間が語られた場合、高確率でヒロインを務めるだろう影のヒロイン。まあ、語られることはないだろうが。


[[トリシャ・アニエース]] : 61歳 161cm  薄茶色の髪 翠眼  割烹着

 シストラバス家の元使用人。カトレーユ・シストラバスの従者であり、代々竜滅姫の従者を務めてきた、由緒ある家柄の女性。ユースの義理の母。
 色々と訳ありだった主を色々な想いと共に支えていた人で、あらゆる技能に秀でていた。また、既婚者であり未亡人。カトレーユが生まれると同じ頃に結婚したが、二人の間に子供が生まれることはなく夫はこの世を去った。
 主が亡くなると同時に、ラバス村にて先祖伝来の温泉を継承。その少し前からユースを養子に引き取って育てていた。子供もいないまま初老という年齢を迎えた彼女にとって、ユースは本当の子供以上に大切な子供だった。
 竜滅姫の従者をユースが継ぐと言い出したとき、自分が育てることで歪めてしまったことを後悔するも、それが杞憂だったことを知り、大切な娘に看取られてこの世を去った。

(作者)母親としてユースのことを誰よりも心配していた女性。その不安はやがて的中してしまうことになるが、あるいはそれら全てを知った上で、ユースの姿と言葉に安心したのかも知れない。



 魔法使いの血族  ホワイトグレイル 

 『始祖姫』の一柱、メロディア・ホワイトグレイルと同じ血の系譜に属する名家。
 魔法の国エチルアの筆頭貴族であり、魔法の研究機関にして、魔法使いの育成機関『満月の塔』の学長を歴任している家。資産を計算した場合、世界有数の資産を有している大金持ちでもある。
 シストラバス家に並ぶ世界的に有名な家柄で、『満月の塔』の固有戦力である『魔軍
レギオン
』の指揮権を持ち、魔法使いとしては最も優れた素質を持つといわれている。先代の学長ミリティエ、その娘ミリアンの両名は、あり得ないとされた二重属性持ち。
 ミリティエが十数年前に未だ原因不明の病死を遂げているため、現在二重属性を有しているのはミリアン・ホワイトグレイルのみとされる。そのため、長男であるキルシュマではなく、彼女が次期学長としてホワイトグレイル家の当主になるだろうと噂されている。

 以下、関係者――


[[ロスカ・ホワイトグレイル]] : 57歳 196cm  赤茶色の髪 碧眼  髭

 豪快な、暫定的なホワイトグレイル家当主。国と子供を思いやる親父さん。ゴッゾとは親友。
 元は下級貴族で国に忠義する軍人だったが、ミリティエに見初められて熱烈なアタックの果てに彼女と結婚することになる。当時からすでにかなりの年齢差があり、新婚としていちゃいちゃしている様子は美女と野獣、犯罪の臭いがしたという。
 魔法としての才能はからっきしで、為政者としてもあまり優れているとはいえない。
 キルシュマ、ミリアンの父親であり、自分なりに愛情を注いでいる。ミリアンの二面性について知っているかは謎。
 来るべき革命の日においては戦況を左右するだろう一人である。

(作者)キルシュマがロリコン呼ばわりされている原因の一つだろう父親(笑)


[[キルシュマ・ホワイトグレイル]] : 20歳 176cm  銀髪紫眼  片眼鏡
モノクル


 理性的なホワイトグレイル家の長兄。次期後継者候補。
 『満月の塔』の研究員であり、主に生物学的なものについて研究している。偶に突発的な興味心に従うことはあるが、一生を費やして追うべき命題は特に持っていない。むしろ、そういった意識は国のことに向いている。
 筆頭貴族としての自分が、どう国を良くしていくべきか苦悩しており、その答えを欲している。そうしたときに出会ってはいけない類のものに出会ってしまったのが運の尽き。革命の日に向かって、大きなうねりに身を投じる羽目になった。

(作者)別にロリコンではない。不思議な相手なら特に問題ないらしいのだとか。


ミリアン・ホワイトグレイル : 17歳  157cm B81W58H82  銀髪紫眼  小さな魔女 

 『理想の白百合』と讃えられる、完璧なる淑女。次期後継者候補。
 愛らしく、謙虚で、思いやりの深い……というのは表向きの話。実際は自分勝手な我が儘少女。無駄な努力が大嫌いな、自他共に認める腹黒。ただし、変人ばかりの周囲に対しては常識人を自負しており、家の財産などを司るアイテムの多くを、父親からやや強引に奪って自分の管理下に置いて守ったりしている。
 目下の悩みは、自分の威光の通じない変態二人と兄が密通を繰り返していること。
 片親だったからか、家族に対する愛情は人一倍強い。もちろん、そんなことはおくびにも出さないが。

(作者)第三部において活躍するキャラクターなので、まだ特に語ることはなし。あえていうなら、彼女がこういった性格になった理由にはリオンが関係しているのだとか。

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最終更新:2010年03月14日 17:44