購入相談Q&A

Q1 天体観測を始めたい。まず何をすればいいの?
まず、『このサイト』『このサイト』を見て、自分が何を見たいのかを明確にして下さい。球状星団や惑星(土星の輪や木星の縞)などが見たいなら、双眼鏡ではなく望遠鏡を買わなければなりません。星座や天の川,主要なメシエ天体が見たいなら双眼鏡で大丈夫です。双眼鏡を買う前に、主要な星座の配置を勉強しておいたほうが良いです。フリーソフトの「Stellarium」をインストールして勉強しておくと良いでしょう。

・双眼鏡で見える星の数←「究極暇人の部屋」様ホムペから

Q2 星見にも鳥見にも旅行にも使える双眼鏡ありませんか?
このような質問は多いです。確かに1台で様々なことに対応できるなら非常に便利です。しかし双眼鏡の基礎知識を読めばわかるように、双眼鏡にはそれぞれ向き不向きがあり、これはよく自動車に例えられます。
大量の荷物を運びたいならトラックを、レースで走りたいならスポーツカー、オフロードを走るならSUV。
双眼鏡も
旅行や登山に使いたいならコンパクト機、暗い所で使うならひとみ径の大きなものを、星が見たいなら対物レンズの大きなものを選ぶ必要があります。
「これさえ買っとけばOK」なんて機種は残念ながらありません。
だからこそ、使用用途に最適な双眼鏡が選択できるようにこのサイトを作りました。

Q3 なんで双眼鏡なの?望遠鏡でいいじゃん?
双眼鏡も望遠鏡の一種です。双眼鏡は望遠鏡と違って正立像なので、誰にでも扱いやすいという特徴があります。また、低倍率なので望遠鏡と比べて非常に視界が広く、ブレも気にならないので手持ちでの仕様が可能となります。コンパクトなので保管場所に困らないのも一因でしょう。
ちょっとベランダから星見なんて時も気負うこと無く使用出来るので、そのお手頃感も魅力です。
大口径双眼鏡になってくると、望遠鏡レベルの星を両目で見れるというメリットもあり、片目と両目では認識力に1.4倍の差があるとも言われています。
しかしデメリットもあります。双眼鏡には像を正立にするためにプリズムが入っており、そのせいで像質が悪くなってしまいます。また、対物レンズの焦点距離(対物F値)が長く取れないので、像が望遠鏡ほど綺麗ではありません。

Q4 最初はどの双眼鏡を買えばいいの?
予算が決まれば、それに応じてオススメ双眼鏡の中から選んで下さい。野鳥観察では8x30や8x32、10x42などが人気なようです。

天体観測では対物レンズの大きな物が好まれますが、倍率(星見では手持ちの限界は10倍)や瞳径の関係もあり一概には言えません。自分の住んでいる地域の光害強度から最適な瞳系の物を選ぶのが最も良いでしょう。
一応、初心者にオススメのスペックとして「ワイド視界」「8倍以下」「口径40mm以上」などの機能を持つものだとハズレが少ないかと思います。

Q5 2~4万円クラスの普及機と10万オーバーの高級機では何が違うの?
双眼鏡の性能は、解像度や逆光性能などの単純な光学性能の他に、持ちやすさ、デザイン、耐久性・・・
などの多くの要素があります。
全ての要素が非常に高い水準でバランスがとれているもの=多くのユーザーにとって不満が出ないものが高級機と考えれば良いでしょう。
例えば、「防水性などは気にしないから、とにかく視界が広い物が好き!」というユーザーなんかは高級機よりニコンEⅡなどを選ぶ傾向にありますし、「解像度以前に手ブレが気になる!」というユーザーは6倍などの低倍率機や防振双眼鏡を好むようです。
パピリオなどの特殊な機能を備えた双眼鏡なんかは、美術館や博物館では高級機よりも楽しませてくれます。
また、高級機では単純な光学性能ももちろん高いです。7~11層の高級マルチコーティングやEDガラス、鏡筒内部の迷光処理など、コストのかかる処理がされています。
作りも非常に丁寧に作りこまれており、長く使えるように設計されています。
この他にも、ストラップやケースなどの付属品も高品質なもので揃えられており、万一の故障に対する対応も普及品より丁寧で親切にしてくれます。

Q6 双眼鏡じゃなくて単眼鏡が欲しいんだけど・・・
双眼鏡は単眼鏡を横に2つ繋げたもの。ならば、単眼鏡ならかなり安く使えるものが買えそう。
これは大きな間違いです。
確かにコスト的には双眼鏡の半額程度で作れるのでしょうが、実売価格を見てみると両者の間に性能と価格の相関はみられません。低価格帯ではむしろ単眼鏡のほうが割高になる傾向にあります。
しかも単眼鏡は片目で見るために「フルマルチコート+ワイド視界」などの機能を持つものでないと気持よく使用することは困難です。そしてもしそれらの機能を持っていたとしても、覗きやすさや認識力では、双眼鏡のほうが遥かに勝っています。
よく名前が挙がるものとしては「ビクセン マルチモノキュラー」「ニコン モノキュラーHG」「ケンコー リアルスコープ」などが有名です。

Q7 今よりもっと高倍率で見たいんだけど…(手ブレが大きくて困っている場合)
双眼鏡を選ぶ際に高倍率が嫌がられる要因は『手ブレ』と『実視界の狭さ』なのですが、「もっと高倍率で見たい」というように現在の使用機では倍率が不足していることが明らかな場合には問題となるのは『手ブレ』に絞られます。
手ブレは一般的には三脚や一脚を用いることや、低倍率器を使うことで解消されますが、コンサートや登山などで『高倍率が使いたい』時には使えない場合が多いですね。そこで威力を発揮するのは『防振機能付き双眼鏡』です。キャノン ISニコン スタビライズ,フジノン テクノスタビなどがあります。
やや高価であることや、電池が必要なこと、重いことなどのデメリットもありますが、手持ちで三脚使用と同じように見えるので威力は絶大なようです。手持ちでもx10~20といった高倍率機を使用することが可能で、全く新しい双眼鏡だといえるでしょう。

防振が高くて手が出ない!という方には、見口(目当て)を改造するのが効果的なようです。天文板ではツノ付き見口を使用する事で、頭に押し付けるようにして使うことで手ブレを解消する手段があります。もともとの見口が小さいコンパクト機などでは大幅な手ブレ改善が望めます。また、黒いツノ目当てを使用することで、横から入り込む光をかなり抑えることができて像質も大幅に向上します。
手ぶれしやすい人でも日中なら12倍程度,星見なら10倍程度まで十分使えるようになり、重さも大して変わらないので便利です。
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この他にも「持ち方を変えてみる」ことで幾分手ブレを解消する事ができます。
電柱や壁などの建物に押し付けるように固定して使用するテクニックや、見口が小さく顔に押し付けられないコンパクト機では、双眼鏡の手前側(接眼レンズ側)を持ち、人差し指を眉毛の骨に押し付けることで固定するテクニックなどがあります。
もっと手軽に手ブレを防止する手法として座るというものがあります。星見や野鳥観察などでは立って双眼鏡を見るためにかなり足元からのブレがあるようで、レジャーチェアなどに座ることで簡単に手ブレを低減できます。

Q8 防振機能付きだと見えてる像がピタっと止まるの?
防振機能だとピタリと止まるように誤解する方もいますが、これは間違いです。
防振機能とは細かな揺れをジャイロセンサーが検知して、それをキャンセルする仕組みです。光学式手ぶれ補正のデジカメをテレ端で使えばどのような様子か分かりますが、手ブレありだと「ビビビビッ」といった微振動がなくなり「ゆらーん」としたようななめらかな大きい揺れになります。
倍率が高くなればなるほど、このゆらゆらした揺れは大きくなり、人によっては「船酔いのような気持ち悪さ」を感じるそうです。
双眼鏡の用途をよく考え、連続使用時間を考慮した上で倍率を決定するのが良いでしょう。

Q9 双眼鏡に寿命ってあるの?
あるとも言えますし、無いとも言えます。
双眼鏡が壊れる要因というものは主に以下の場合です。
1,双眼鏡の左右の鏡筒をつなげている軸(目幅調節の可動部)がズレる。
2,プリズムが動いてしまい、光軸平行度がズレる。
3,ピントリングなどの可動部分が壊れる。
4,レンズやプリズムにカビが生える。

このうち使用中におこる故障は1~3で、4は仕舞っている間に発生します。1は主にバックに入れた状態で上から体重をかけてしまったり、落下させてしまうことで起こり、2軸式は特に弱い傾向があります。2は落下の他に車の振動などでも起こることがあるようです。3は力任せにピントリングを回したりすることで起こりますが、普通に使っていれば起こりませんし、こういった故障は主に安物でしか報告されていませんので安心して良いでしょう。
4は付属の布ケースに入れたままタンスなどの湿気の溜まりやすい場所に保管すると発生するようです。
これらの故障も修理に出せばたいていは直って帰ってきます。が、修理費用は最低でも1万~2万はかかりますので、機種によっては買い直したほうがお得な場合もあります。

また、防振機能付きは可動部分や電子部品などが多いために故障も多いです。

いずれにせよ、落下させたら高級機だろうが安物だろうが何かしらダメージを負います。
光軸平行度などはミクロン単位の精度を要しますので、下手したらケータイ電話やデジカメよりも壊れやすいです。取り扱いには十分注意しましょう。

Q10 できるだけ綺麗に見える物を買いたいんだけど、どれを買えばいいの?
予算の制限がある場合、ダハとポロならばポロのほうが解像度は高い場合が多いです。特に1万円以下のダハは買ってはいけないと言われているように、低価格帯になればなるほど、その傾向は強くなります。
また同じシリーズの中から選ぶ場合は、より低倍率のほうが解像度は高いです。双眼鏡界では倍率低いは百難隠すという名言が出るほどです。

Q11 ポロ式は立体感を感じる。ダハ式は違和感を感じるっていう人がいるけど本当?
立体感とは右の目と左の目で見る視界が微妙に異なる事に起因しています。この両眼の視界の違いを視差と呼びます。ポロ式はその構造上、左右の対物レンズが離れています。このため両眼視差は大きくなり、立体感は大きくなります。
当然ですが、対象が遠くになればなるほど両眼視差は小さくなるので、遠くの物を観察する際にはポロもダハも同じように見えます。

ダハ式の「目に違和感を感じる」に関しては、ごく一部のユーザーが主張しているのみに留まり、大半のユーザーはそれに対して否定的です。違和感を訴えるユーザーがその原因を自己分析をしないため、未だに妄想や思い込みの域を出ません。
ダハはポロ以上に複雑な光学系なので、ごく一部の人には合わない…という可能性はゼロではありませんが、生理学的にも光学的にもそのような報告は今のところ確認できていません。

逆に、ポロに違和感を感じるというものは昔から言われています。
ポロの持つ立体感が逆に悪さをするためです。至近距離(~5m)などでは左右の視界が一致せずに違和感を感じるようです。
まぁ双眼鏡で至近距離を見る機会はそうそうないので、特に気にする必要はないでしょう。
どのみちダハでも至近距離(~3m)を見れば同じような違和感を感じます。

Q12 双眼鏡を覗いていると目に違和感がある。
前述のQ11に似ていますが、こちらはただの「故障」です。
もし双眼鏡が故障していたならば、ポロ,ダハに関わらず目に違和感を感じますので、もし違和感を感じたら故障を疑って下さい。
良くある故障は光軸平行度が狂う(視軸が狂う)ことです。この故障が発生すると、乗り物酔いのような気持ち悪さを感じたり、寄り目になったような違和感を感じたりします。この修理は専用の機械や知識が必要になるので、素人が自分で修理するのはまず無理です。修理には1~3万円ほどかかるので、モノによっては買い直したほうが賢明です。
2軸式のコンパクト機はこの症状が何倍も出やすい(軸が2つある+軸が細い)ので、取り扱いには十分注意をしましょう。

店の展示品はこの故障が多く、双眼鏡本来の性能が比較しづらいです。

この他にも「人間側に問題がある場合」も考慮しなくてはなりません。強い乱視や斜視などがあると双眼鏡がうまく使えない場合があります。普段は認識していなくても、双眼鏡を長く覗くことで気持ち悪さなどの違和感を覚えることもあります。
症状が軽度ならコンタクトなどの簡単な方法でも治療可能だったりします。

軽度であれば双眼鏡の修理費より安いそうです。面倒臭がらずに是非眼科へ。


Q13 双眼鏡の仕組みを簡単に教えろ。
双眼鏡は望遠鏡に正立プリズム(何度も反射させて倒立像を正立像にする部品)を組み込んだだけです。なので望遠鏡の話をしましょう。

望遠鏡は主に対物レンズ接眼レンズの2組のレンズで作れます。これらはどちらも凸レンズで、それぞれ実像と虚像をうまく組み合わせて遠くの物を大きく見せています。(中学1年の理科)→説明リンク
一文で言うなら
・対物レンズで作った実像をルーペ(接眼レンズ)で覗いてるだけ
という至って簡単なものです。

しかし、単レンズでは各種の収差が大きくなり綺麗な像は見えません。先人たちはこの問題に対して非常に苦労したようです。→望遠鏡の歴史
現在では、接眼レンズ対物レンズにそれぞれ分散性や屈折率の異なる複数の凸レンズや凹レンズを組み合わせることで解決しています。

Q14 双眼鏡の名前にWPとかHRとかよく見るけど、何の略?
複数の機種に使われているものは、その双眼鏡の特性を表したもので、それ以外のものは単に商品名の一部です。
WA(W)・・・Wide-Angle(ワイドアングル)視界が広いよ。
WP・・・Water-Proof(ウォータープルーフ)水に強いよ。
HR・・・High-Reflection(ハイ リフレクション)増反射コート採用だよ。銀コートか誘電体多層膜かのどちらかだよ。
MC・・・Multi-Coat(マルチコート)マルチコート採用だよ。フルマルチかどうかは判んないよ。
FMC・・・Fully-Multi-Coat(フーリーマルチコート)フーリーマルチコート採用だよ。
CF・・・Central-Focusing(セントラル フォーカシング)センターフォーカスだよ。こんなもん主張すんなよ。
IF・・・Individual-Focusing(インディビデュアル フォーカシング)IF式だよ。一般用途には使いづらいから気をつけてね。
IS・・・Image-Stabilizer(イメージスタビライザー)手ぶれ補正のことだよ。
DH(D)・・・Dach(ダハ)ダハ式だよ。見れば判るよ。
KF・・・Kenko-Fujinon(ケンコーフジノン)ケンコーが作ってフジノンとして売るよ。中身はケンコーだよ。
ED・・・Extra-Low Dispersion Glass(長い)色収差が少ないよ。良いモノだよ。
EX,SP,HG,Z,X,・・・すごいよ。

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最終更新:2012年09月01日 02:51
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