【元ネタ】史実
【CLASS】ランサー
【マスター】
【真名】メンチュヘテプ2世
【性別】男性
【身長・体重】177cm・79kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力C 耐久A 敏捷A 魔力C 幸運A- 宝具B
【クラス別スキル】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
【固有スキル】
二重冠の恩寵:A
上下エジプト統一の偉業の象徴。
ある種の称号、特権であり、三人の神王のみが持ち得る特殊スキル。
女神ウアジェトと女神ネクベトの相乗寵愛と同時に、対神、混沌、悪といった反秩序属性に対する特攻を得る。
同ランクの
皇帝特権の効果も持つ複合スキル。
神の加護:A
万神殿に承認された、王者の肉体を備える。
輝くばかりの威光を備えるものの、彼の神授される王権とはすなわち、
ファラオ(神王)が今や神そのものではなく神に統治を認められたもの(王)にすぎないことを示した。
軍略:A-
多人数戦闘における戦術的直感力。
対軍宝具の行使や、相手の対軍宝具へ対処する際に補正が与えられる。
ヘラクレオポリス・マグナの王朝を打倒し、
メネス王以来となるエジプト再統一を成し遂げた王である。
が、その実情は全く知られない。
神性:B
ホルスの化身、
モントゥ=ラーの息子としてのホルスの神性と思われる。
また、テーベ市の守護神としての属性を持つ。
【宝具】
『燦光猛牛(メンチュ・レー)』
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:3~40 最大捕捉:300人
テーベ市がエジプトの中心となったことで最高神の座に就いた戦神モントゥの威光を表す槌矛。
笏とメイスと短槍の役割を兼ね、見た目には輝くウォーピックめいた武器である。
戦場一つを照らす破壊の威光によって、敵の鎧や命のみならず、威勢や気力をも砕くことができる対軍恩寵。
主神モントゥはラーと合一し太陽神の属性を備えたが、後の第12王朝においてアメン神にその座を追われることとなる。
『我が寝所、百万年を踏み越えよ(アクー・スト・ネブヘペトラー)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:一人
メンチュヘテプ2世は召喚時にこの葬祭殿を伴って現界し、以後、本体は中に居たまま
影で創られた自分のシャドウサーヴァントが本体の投影体として外部で活動する。
内部は冥界の延長になっており、“死んでいる”と扱われる中の本体は投影体を介してでしか外部に干渉できないが、
循環する神代の魔力により投影体は何度でも繰り出せるためほぼ不滅。
本体を倒しに侵入者が現れた時、生死の概念は逆転し、敵には常時即死判定、自身には常時全回復の恩恵を受ける。
かつてファラオは死後復活する生ける神であった。
しかし物理法則の安定によって、この時代すでに“蘇る永遠のファラオ”は現実的ではない。
神話は新解釈を迎え、地上への復活ではなく死後世界への転生、ファラオだけの復活ではなく全人間の冥界行が常識に変わった。
葬祭殿というシステムは、一種の冥宅、神王の神としての住まいであり、その華やかさに反して、
その実“現世への復活”という栄光の道が閉ざされた時代の象徴である。
【Weapon】
『戦神モントゥ』
雄牛、または隼の姿を取り、太陽の顕現でもあったテーベの戦神。
庇護下の王をエジプトの統一王にしたため最高神となった。
が、後のアメンエムハト1世は戦神モントゥをテーベの主宰神から追い落とし、アメンを主神に据えた。
『メンチュヘテプ2世葬祭殿』
ネブヘペトラーの荘厳の地、と名付けられた最初の葬祭殿。
ランサーが召喚されると召喚地と融合するように周囲に展開される異界型の宝具。
強大な魔力、神秘にも関わらず妙に存在感が薄く、発見されにくいのは、考古学に由来するとある属性のため。
本気で数百万年を耐えうる構造のため、対城宝具以外での外部からの破壊はあまり意味がない。
【解説】
上下エジプトの再統一者、“第二のメネス”と歴史家から賞賛される第11王朝5代目の王。
征服過程に応じて2度ホルス名を変え、最終的にホルス名と二女神名にセマタウィ(両国統一者)を採用している。
統一王朝の成立によって第1中間期を終結させた偉業によって知られるものの、
当時のエジプト最大勢力だったはずのヘラクレオポリス朝を下した征服戦争の経緯は全く知られていない。
再統一を果たしたメンチュヘテプは地方長官の人事再編を行い、テーベ(ワセト)を統一王都にした。
メンチュヘテプの治世は平和かつ長大であり、彼はその中で大規模な建築事業や自己神格化を行った。
アメンやミン神を模した図像、「デンデラの貴婦人ハトホルの息子」という自称が今に残るが、
彼の建築事業・自己神格化の最たるものはメンチュヘテプ2世葬祭殿である。
第12王朝は古王国に則り王墓にピラミッドを築いたが、彼は自身を祀る神殿複合体として葬祭殿という形式を発明し、
古王国のそれに取って代わるべき新たな陵墓様式、墳墓崇拝を示した。
葬祭殿形式は、後にファラオの永遠の住処として「幾百万年の館」と呼ばれ、新王国時代になってから一般化する。
中王国時代への体制回帰を進め、ヒクソスからの独立回復(上下エジプト統一)の功績を詐称した
女王
ハトシェプストの葬祭殿がメンチュヘテプ2世の葬祭殿のすぐそばに作られたのはおそらく偶然ではない。
彼の葬祭殿はオシリスの墓を含み、彼自身肌の黒い(オシリスとしての)像が知られ、
また彼はアビュドスのオシリスの墓(
ジェル王の墓)を修繕したらしい。
オシリス崇拝とも関連が深いようだ。
間違いなく偉大なファラオながら今に残る逸話も無く、
後の自称救世主ことアメンエムハト王に偉業を吸われているかわいそうな人。
墓所もハトシェプストの葬祭殿に呑まれ、長年の調査にも関わらず紛れてしまってわからなかったという。
乱世の王らしくテーベの戦神モントゥを特に崇拝していたらしいが、
そのモントゥもアメンエムハトによりわずか10年余りで主神の座から蹴落とされている。
きっと二人は仲がいい。
最終更新:2017年03月22日 21:39