ヨシュア・ベン・ハナニヤ

【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】ヨシュア・ベン・ハナニヤ
【性別】男性
【身長・体重】176cm・70kg
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力E 耐久C 敏捷C 魔力A 幸運A 宝具A
【クラス別スキル】
陣地作成:B
 “学院”の再建者の一人。
 その家は鍛冶屋のごとく煤けた粗末なあばら屋だったとされる。
 省コストかつ緊急脱出性能に長けた陣地を作り上げ、死なないように頑張る。

道具作成:-(B)
 宝具による召喚能力の代償に失われている。
 ……嘘である。Bランクの道具作成スキルを持つ。

【固有スキル】
有徳の恭順者:A
 自らを従属させる立場の相手から、害を受け難くなるスキル。
 ともすれば主君以上の発言力を確保し、同様に臣従するものの尊敬を集める無形の徳。
 ただし政治的能力は表さない。また『暴君』の多くには性格的な問題で効きにくい。

天啓批判:A
 “天からの声”をジャミングし、同ランクの『啓示』を無効化する。
 ただし、モーセ以前の人物には効果がない。
 「その声の出処はあなたの口、あなたの心。主は既にトーラーを示されたれば、天の声に耳を澄ます必要なし」

戦闘撤退:B
 戦闘から離脱する能力。
 “仕切り直し”とは異なり、状況を整理する能力は持たない。

【宝具】
『神はいまし、今まさに手を差し伸べ給う(ゴッドハンド・パルーシア)』
ランク:B 種別:結界宝具 レンジ:30~60 守護対象:500人
 生前、ハドリアヌス帝の前でイスラエルの上に伸びていると豪語した、神の手。臨在の奇跡。
 『神』の力のごく一部を借り受ける結界宝具。
 巨大な手が、国を覆うがごとく天より伸ばされ、味方を守る。
 攻撃には転用不能。

『獅子の喩え(メガレ・ティグリス)』
ランク:A 種別:対軍・対城宝具 レンジ:2~90 最大捕捉:800人
 『神』の似姿である、全長数キロメートルという怪物的スケールを持つ神獣、
 ベイ=イラの森のライオン、の吠え声。完全召喚こそ不可能だが、召喚できる“咆哮”だけで対城の域にある。
 ……嘘である。正しくは“神の如き大獅子の存在を証明出来るだけの証拠を出現させる”宝具である。
 ただし破壊力は本物。その大音量は破城をたやすく為すだろう。

【Weapon】
『獅子の喩え』
 ハドリアヌスが神殿再建を拒否した時、ヨシュアはライオンと鶴の寓話を説き民衆を諌めた。
 曰く、ライオンが骨を喉につかえ、骨を取り出したものに報酬を約束した。
 ツルが報酬にこれを取り出したが、ライオンは「獅子の口に頭を突っ込みながら無傷なこと、それが報酬である」
 と取り合わなかった。我々もまた生きていることを喜ぶべきである。

『獅子の喩え』
 ガブリエル2世に破門されたシャンマイ派のエレアザル・ベン・アザリアが死の床にある時、
 咎められながらもヨシュアは彼を訪れて「あなたはイスラエルに降る雨よりも価値ある主の贈り物だ」と慰めた。
 エレアザルの死後彼の破門を撤回し、他の弟子の抗議には「死せる獅子と争うものではない」と返したとされる。

【解説】
 ヨハナン・ベン・ザッカイの弟子にしてラビ・アキバの師。
 師の棺桶を担いでエルサレムを脱出した逸話と“機転の利いた”言葉の数々で知られる。
 神殿崩壊からバル・コクバの乱までの間、ユダヤ戦争の戦間期における最も重要なラビである。
 明らかに伝承による誇張が認められるものの、皇帝との対話が数多く伝えられ、
 ローマ帝国への恭順路線を貫き、ハドリアヌスと親交を持って平和を守り抜いたとされる。

 タルムードでも特に神話的なある挿話によれば、
 カエサル(おそらくハドリアヌス)はユダヤの神がライオンに例えられることを挙げて
 「獅子など余の騎兵にかかればただの獲物よ」とバカにした。
 ヨシュアは「神が例えられたのはただのライオンではなくベイ=イラのライオンです」と答え、
 ハドリアヌスは「ならばその獅子を余に見せよ」と迫った。
 ヨシュアは拒んだが、せがむので、仕方なく祈りによってその獅子を呼び出すと、
 400パラサングの彼方からの吠え声が全ての妊婦を流産させ、ローマ中の壁を壊した。
 300パラサングからの吠え声によって、全ての男の歯が抜け落ち、皇帝が玉座から地に落ちると、
 ついにハドリアヌスは獅子を元の場所に戻すよう懇願したという。
 そのライオンの耳と耳の間には9キュビトの距離があったといい、
 同地にはまた巨大な一角獣(鹿)がいるという。獅子の名をティグリス、鹿の名をケレシュというらしい。

 この時代、ユダヤ人の指導者的立場(ナーシー)の座にあったのはガマリエル2世であるが、
 神学的功績や対ローマの外交実績などはヨシュアが遥かに上であったと思われる。
 ガマリエル2世によるヨシュアへの嫌がらせに対しサンヘドリンが新たなナーシーを擁立し、
 ガマリエル2世が謝罪による和解を迫られ、ナーシーの交代制を承服したことからも
 影響力の大きさは明らかである。もっとも、彼自身は終始ガマリエル2世を支持したとされるが。
 ユーモラスな言葉でシャンマイ派的な禁欲主義を打ち、キリスト教徒への有力な反論者となり、
 平和を維持した彼の死後、しかしユダヤはあっけなく屍山血河に埋まった。
 ほかならぬ弟子の手によって。
最終更新:2017年03月22日 21:44