エパポス

【元ネタ】ギリシャ神話
【CLASS】アサシン
【マスター】
【真名】エパポス
【性別】男性
【身長・体重】144cm・35kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力D 耐久A 敏捷B 魔力A 幸運EX 宝具A
【クラス別スキル】
気配遮断:C+
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 自分が攻撃態勢に移るとランクが大きく落ちる。が、状況が変わるまで隠れ続けることは大得意であるらしい。

【固有スキル】
扇動(攻撃特化):C
 個人に対する精神攻撃に特化した扇動。
 数多の大衆を導く力はないが、個人の、特に傲慢な人物の心を折ることに適している。

神性:A
 神霊適性を持つかどうか。
 高いほどより物質的な神霊との混血とされる。

自己保存:EX
 自ら参加していない戦闘の被害、また、殆どの危機的状況を、マスターと共に逃れることができる。
 神々の陰謀や太陽の暴走を特に言及もされず生き延びた。
 よっぽどの悪運の持ち主なのか――それとも影が薄いのか。詳細は不明。

【宝具】
『暗黒よ、余を生かせ(オソラピス)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:100人
 EXランクの自己保存の正体。
 これまで/これから自らに降り掛かかる死の運命を放出する。
 宝具的には、アサシンの姿が一瞬ゆらぎ、冥府の神気を帯びた牛神が見えたかと思うと、
 周囲へ無差別な即死判定を与える。
 即死は幸運で回避可能。ただし、運命力は削られるため、ランクダウン。
 LUC値や命運が他の要因で尽きていても命が絶える。
 アピス神、イシスに探された王との同一視から得た冥界神オシリスの権能の一部がギリシャ・ローマ神話の下で
 変成したもの……と思われる。
 死の運命を支配下に収めるエパポスを殺すには、
 自己保存が効かないほどの確殺性能や、運命に対するより上位の権限を必要とする。

【Weapon】
『黒い少年』
 オシリスや白黒のアピス、またはアイスキュロスによる形容の影響からか、
 サーヴァントとしてのエパポスは褐色の少年の姿である。
 肉体年齢については自嘲が混じっているらしい。(ファエトンの逸話は比較的新しいものだが……)

【解説】
 エジプト王エパフォス。
 アルゴスの王女イーオーとゼウスの子で、
 ゼウスがイオを手で触れ(エパポス)て孕ませたことからこの名があるという。
 エウボイア島、あるいはナイル川のほとりで生まれたとされる。
 イオはゼウスに見初められたおかげで牛の姿で大地をさすらったが、
 ヘラの怒りはまだ収まらず、
 クレーテス(レア神に仕える半神たち)に赤子のエパポスを拐わせた。
 ゼウスは雷霆でクレーテスを皆殺しにし、シリアを旅したイオはビブロスの王宮でエパポスと再会した。
 その後イオがエジプト王テレゴノスと結婚したため、義父の死後にエジプトの王位を継承した。
 幼少期にはパエトーンを煽って太陽の戦車の悲劇を招いてしまったともいわれる。
 また、混乱した後の神話では王となったエパポスを狩りの最中に殺さんとヘラが画策し、
 次いでゼウスの覇権を覆せとティターンをけしかけたとも。
 エジプト王としてはナイルの娘メンフィスを娶り、王都に妻の名を授け、
 また娘にリュビアを設けたという。
 一般に聖牛アピス(ハピ)をギリシア語で言い表したものとされるが、
 あまり信用できない傍説によればヒクソスの王アポフィス(アペプ)がモデルという。
 ヒュギーヌスは女神イシスが帆を発明してハルポクラテス(幼児ホルス)を帆筏で探したと述べるが、
 実際の神話でイシスが探したのは夫オシリスの遺骸であり、
 エパポスを探したイオの神話との混交が疑われる。
 (加えて言うとハルポクラテスはセラピスの王子としてのホルスの姿でもあった)
 アピスもまたプタハ神の後にオシリスの化身ともいわれるようになっており、
 イオ=イシスが探し出して王にしたエパポス=オシリス、
 エパポス=オシリスの顕現であるアピス、エパポス=セラピスという対応も見いだせる。
 とはいえ、偽アポロドーロスは彼でなくアルゴスの専制君主アーピスをセラピスと同一視しているが。
最終更新:2020年03月22日 20:29