概要

ナナシノ工業大学卒業生と有志によって設立された航空機設計局。
防術機としての特性を持つ航空機の研究、開発を行っている。
他組織との繋がりも強く、班衛団や中小様々な組織と技術提携を行っており、派遣された技術者を機体設計の中枢に据えるなど、他組織への技術面での依存が強い。これは大学卒業生の大半が、可変航空機開発が滞っている第七研究室出身であるためで、自己での完全開発に至っていない原因となっている。しかし、バランサーや可変機構の開発にすら難儀していた研究室生達とは違い、それらの機構を独力で開発できるだけの技術力は有している。
組織その物の戦力としては、自社生産の可変防術機を運用している。大学からの体質を受け継ぎ、対エルフ戦闘よりも対武装集団を念頭に置いている。
組織名の「Little Wing」、「小さい翼」は、防術機サイズへ可変する戦闘機を設計する際、必然的に航空機の平均的な全長である18m前後を大きく下回る12、13mとなる現象から名付けられた。小さくとも大空に羽ばたける翼を作り上げるという技術者たちの信念がこの名前の由来に関わっている。

保有技術

大学からのバックアップがある他、卒業生という形で人材が集まっているため、基本的に大学と同等の技術力を持つ。
具体的には、超圧縮空気噴出機構による推進装置、電圧をかけることで硬度を増す相転移装甲、防術機サイズの機動兵器を可動させる超出力バッテリー、高エネルギー粒子体を用いた動力源など、大学が保有する技術の大半は持っている。
独自の技術としては、可変戦闘機に必須とも言えるフレームの設計技術があげられる。このフレームは人体に近いフレームを、戦闘機に落とし込むために専用に開発されたフレームで、LWIの防術機は全てこれを雛形にして設計される。
また、防術機用の銃火器などの武装も独自開発が可能。規格は大学と同一である。

戦力

防衛戦力としてF-Ulinzi 1型と2型(それと少数のF-Mfalme 2型)が現代における中隊規模で配備されている。パイロットは大半が大学卒業生だが、外部からの傭兵、雇用された人員も多い。F-Ulinzi 1型が2機と同2型が2機の計4機で編成された小隊を組んで行動することが多く、前衛、後衛に分かれてペアで戦闘を行う。一部では隊長機に新型機であるF-Mfalme 2型が配備されている。
この他に、外部への戦力派遣チームとして「Wing Divers」という精鋭部隊を持っている。この部隊は防衛戦力とは別に三個小隊で編成され、他友好組織、取引先への戦力供与、アグレッサー役、技術パフォーマンス、対エルフ戦闘、実力行使などを行う。配備されている機体はF-Mfalme 1型。

徽章


防術機


+ 可変戦闘機型防術機

F-Forerunner

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解説

LWI設計の第一号機。名前は今では失われた言語で「先駆け」の意味。読み方は「フォレルーネル」。
組織の持つ基礎技術による可変フレームを派遣技術者が各種調整した機体。大学製の背負式コクピットを参考にした全面装甲登場席を採用しており、パイロット保護機能は航空機としてはかなり高い。コクピットブロックを機首ではなく後方に配置するなど、テストパイロットの安全面を配慮した作りになっている。
一部可変フレームが装甲外に露出しているなど、試作機という側面が強く出ている機体ではあるが、武装自体は可能であり、相転移装甲の採用によって見た目以上の耐弾性を誇る。
運動性、機動力も試作機としては高水準であり、AGDシステムによる慣性制御により、上下左右は勿論のこと、前後への急制動も容易くこなす。
武装は空力を考慮した試作型ガンポッド、脚部装着式の対地空ミサイルポッドを装備可能。性能テストでは、大学からテスト用に送られてきたLF系列可変戦闘機を完全に凌駕している。
試作可変戦闘機としては高い完成度を誇ったが、可変機構が複雑であるために生産性、整備性は劣悪で、主力機としての採用は見送られた。
少数が生産され、テストや技術提供として他組織に輸出された。

F-Ulinzi 1型

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解説

LWI設計の可変戦闘機。名前は「防人」の意味。読み方は「ウリィンジ」。
F-Forerunnerの欠点であった変形機構の複雑さを反省点に、生産性、整備性を考慮して設計され、その目論見を成功させた機体。通称「中折れ式変形」を採用し、これによって簡易な構造による変形の実現と同時に、フレームの露出を最低限に抑える役割を果たした。しかし、背負式コクピットの採用を見送り、コクピットが機首、前面に出される形となっているため、登場者保護の観点では試作機より劣っている。
運動性能、機動力は軽量であるF-Forerunnerに一歩及ばない物の、それでも戦闘機動を取るには十分な能力を発揮する。
武装はLWI初の制式採用となる荷電式カノン砲と、翼下に懸架される対地空ミサイルを装備可能。荷電式カノン砲は中~遠距離でのロングレンジ戦闘を視野に入れて開発された為、非常に大型であるが、小型弾頭をエネルギー塗布によって加速、破壊力を得るという方式から省コストで、見た目の割に軽いという利点がある。一方で、近距離戦、クロスレンジでの戦闘は全く想定されておらず、性能テストでもその点が問題視され、後期型の開発が急がれた。
試作ではない可変戦闘機として初めて認められた機体となり、多数が生産され、名前の通り組織防衛の任についた。
性能向上型である2型が登場してからは、荷電式カノン砲の正しい運用法通り後方支援を担当した。

F-Ulinzi 2型

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解説

LWI設計の可変戦闘機。F-Ulinzi 1型の性能向上型。
主翼形状を大きく変更することで運動性を高めた他、主機の改良によりエネルギーロスの軽減から燃費が向上、激しい戦闘機動にも対応できるようになった。
武装は接近戦を考慮しており、試作型ガンポッドを再設計したGAUSガンポッド、シールド、1型と同様の対地空ミサイルが装備可能。
1型同様に大量生産され、LWIの防衛戦力として1型と入れ替わるように配備された他、航空戦力を求める他組織へと輸出された。

F-Mfalme 1型

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解説

LWI設計の可変戦闘機。F-Ulinziを再設計したWing Divers隊専用機で、名前は「騎馬」の意、読み方は「ファルメ」。
飛行形態時の形状がF-Ulinzi2型と近いが、基礎フレーム以外の機構はほとんどが新規設計である。各部品はF-Ulinziと共有の物が多く、部品調達が容易であるが、可変機構の複雑さから整備性、生産性は劣悪で、大量生産、大量配備には向かない機体となってしまった。
最大の特徴は、人型形態時のコクピットの位置を、従来の胴体前面から装甲が施されている胴体内部にまで移動させる新機軸の可変方法で、これによりF-Ulinziの最大の欠点であった搭乗者保護機能の低さが改善され、パイロットの生存確率が大きく向上した。
精鋭部隊での運用を前提として、使用する搭乗者の技量を高く見積もった結果、主翼形状は被弾面積が大きく可動域を狭めていたX字型から前進翼型に変更され、安定性を犠牲に更なる機動性を取得した。その他、センサーマストを空力を考慮した形状に大型化、逆に機首レドームは小型化するなど、電子装備の更新が成されている。主機エンジンも、大学より輸入していた大型で重く大推力だった旧式の物から、外部協力者によって開発された小型軽量、効率化が図られた新型へと換装されており、機体総重量は、稼働部の増加に反して軽量化している。
武装は互換性を得るために新規設計はされず、F-Ulinziと同様のGAUSガンポッド、対地空ミサイルポッドが装備可能となっている。
この機体はパイロットの補充が効き難いWing Divers隊専用機として、生産性を度外視して開発された為、防衛隊用の生産や、他組織への輸出は行われていない。しかし、一部のLWIと関わりが深い組織や個人に対して、特別に数機が生産、給与されているという噂がLWI隊員の間で流れている。

F-Mfalme 2型

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解説

LWI設計の可変戦闘機。F-Mafalmeを一般パイロット向けに再設計した機体。
主翼をF-Ulinzi2型と同規格のX字型に戻し、部品の互換性を更に高めることで生産性を向上させた。ただし、変形機構は従来のままなので整備性の悪さは改善されていない。
主翼形状がX字型になったことで、F-Ulinzi2型と同等の安定性を持ちつつ、パイロットの高い生存率を維持している。また、頭部センサーも簡略化したラインカメラに変更されている。
上層部は本機の生産をかなり渋ったが、現場、WD隊が派遣された企業からの要望に応え、エースパイロット向けの高級量産機としてロールアウトを許可した経緯がある。LWIでは防衛隊の隊長機として運用された。

F-Mfalme 3型

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解説

Wing Divers隊候補生のため、特別に調達された訓練機。
通常、LWIにおいてパイロット養成には訓練用に調整されたF-Ulinzi 1型を用いて行われるが、WD隊員の補充に際し、基礎教育が終わってから改めて操作性や可変方式などが異なるF-Mfalmeへの機種転換を行うのは無駄があると判断された結果、高級量産機であるF-Mfalmeの訓練仕様が用意されることとなった。
主翼形状を安定性に欠ける前進翼からクリップデルタ翼に変更し、未熟なパイロットでも安定して操縦できるよう配慮されている。訓練機と言えども武装は可能で、通常仕様のGAUSガンポッドと背面に搭載する対地空ミサイルポッドが装備可能。性能自体は量産型とほとんど変わりなく、細かい調整を行えば実戦投入も可能。これは。完全な戦力外の訓練用にチェーンしてしまうと、保有戦力数に対して調達にかけたコストが無駄になってしまい、組織の戦力低下を招いてしまうことを危惧した上層部が、緊急事態時にすぐ戦力化できるようにした結果である。
パイロットには、適性検査で上位記録を持ち、その上でWD隊への入隊の意思を持つ者が選ばれた。
訓練の一環として、他組織へのアピールを兼ねたアクロバット飛行に駆り出されることもあり、メインカラーであるオレンジ色の他、様々な塗装が施された機体が存在する。

F-Mfalme 4型

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解説

代表の娘である白羽三姉妹のために、技術部が色々と強引に用意した強化型。
ことの発端である長女の依頼により、通常型でも採用されていなかった試作型の新型主機エンジンが搭載されている。このエンジンはかなりの重量物で、その重さ故にこの4型の巡航速度は1~3型に劣るが、それは推力にリミッターがかかっているからであり、これが解除されたとき、このエンジンは本領を発揮する。枷が外れると、莫大な推力による急加速によって他機種が追い付けない程の速度を出すことができる。ただし、パイロット保護機能と主機の自壊を防ぐ安全装置により、持続時間は数秒とかなり短く設定され、それ以上稼働させようとすると強制的にエンジンが数秒間停止する他、リミッター解除中に戦闘機動を取ると空力変動によって著しく安定性を損なうという欠点もある。これが正式採用されていない理由である。
主翼は安全性を考慮して3型と同様のクリップデルタ型になっているが、頭部は量産型である2型や3型の物ではなく、WD隊用の1型の物になっている。これは長女の「そっちの方がかっこいい」という我儘によるものである。流石に武装は新規で用意しろとは言われなかったので、通常型と変わりはない。

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最終更新:2020年05月04日 16:55