概要
冬型の気圧配置とは、日本では冬季によくみられるいわゆる「西高東低」の気圧配置のことで、地域の東に低気圧、西に高気圧が存在している気圧配置を指す。
冬型の気圧配置の一例(2018年1月27日09時)
この日は南西諸島を除くほぼ全国で冬日であり、最低気温を更新したところも多かった。
(クリックで拡大表示:デジタル台風)
特徴
日本における冬型の気圧配置とは西高東低、すなわち日本の東に低気圧、西に高気圧が存在している状態で、天気図上では等圧線が南北に走っていることが特徴である。
西高東低の気圧配置になると、日本は北半球に位置することから、北よりの風(主として北西風)が吹きやすくなる。日本は北方に
シベリア気団が存在するため、その強い寒気が流れ込むこととなる。
典型的なこの気圧配置の特徴としては、北よりの風が日本海で水蒸気を含み(筋状雲:下図参照)、日本海側では大雪(時に豪雪や風雪)となるが、瀬戸内海側や太平洋側においては一部地域(※)を除き、大雪に至ることは少ない。(※主に北方に高い山脈を持たない地域。例えば北よりの風が関門海峡を越えて大分県や愛媛県などで大雪となる例がある)
また、一般的には等圧線の間隔が狭ければ狭いほど、「強い冬型の気圧配置」と呼ばれ、北よりの風が強くなり、日本に流れる寒気の量も多くなる。
なお、瀬戸内海沿岸や太平洋沿岸、中央高地などの地域においては、上注記内における関門海峡の例のように風向・風力によっては山脈を超えて、あるいは迂回して降水(降雪)があることがあるものの、そうでない場合は山を越えて乾燥した吹き下ろしの風(からっ風など) が強くなる。このため上記の地域では冬になると空気が乾燥し火災が起きやすくなることにも注意が必要。
冬型の気圧配置の際の気象衛星画像(可視:2018年1月26日15時)
上天気図の18時間前の画像。日本海及び黄海などでは大陸側から日本に向けて筋状雲が流れ込んでいる。
(日本気象協会)
実例
対策
基本的に冬型の気圧配置で大雪になる地域では家屋その他の豪雪・冷害対策が行き届いている場合が多い。
例えば、急こう配の屋根を持つことで屋根に雪が積もりにくい構造の合掌造りや道路の消雪装置、スノーシェッド。あるいは二重窓や二重の玄関構造などであり、スタッドレスタイヤの装着率など、雪害に対する意識の高さも伺える。
また、上記で触れたとおり、山を越えて乾燥した吹きおろしの風が強くなる地域では空気が乾燥するため、火の取り扱いにはいつも以上に気を配る必要がある。
関連項目
出典
最終更新:2021年09月17日 13:45