戦国BASARA/エロパロ保管庫

真田×女政宗2

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馬を引きながら真田幸村は暮れる日を眺めた。
宵の明星が輝き出し、鳥が巣に帰る。辺りが桃から紅、紫へと色を変え、夜に沈んでいく。
万物流転。それが世の理だと言ったのは誰だっただろう。難しいことは分からない。
ただ、世に永劫変わらぬものはないのだということだけは分かった。
十六夜月と南蛮の菓子、金平糖のように大きな星がいくつか見える。
赤く輝くあの星の名はなんといっただろうか、と考えた。
日常の知恵から星の読み方、諸外国の言葉まで通じている彼女が傍にいたならば、
星の名前からその星を持つ星座、星座にまつわる話まで聞けただろう。
だが彼女――伊達政宗は、姿を見せない。
奥州の状勢は、冬を境に伊達が支配する形で安定した。春先に一揆があったようだが、大した争いではなかったらしい。
奥州は遠く、間者を使っても届く情報は遅れがちでしかも乏しい。彼女の身が息災であればいいのだが、と幸村はため息をこぼす。
月が満ちる頃、幸村は朽ちた村で政宗と会うようになった。事情を少しずつ聞き、伊達の内情を知った。
憐憫が恋愛に変わるのに大した時は必要ではなかった。
彼女の心の内に、常に幸村を殺す方法が練られていたことは知っている。それでも幸村は政宗と会った。
「伊達政宗」はガラの悪い連中を束ね南蛮の言葉を撒き散らし六爪と雷を操る奥州の筆頭。
その彼が実は女であるということ知っているものは少ない。
本物の政宗は、毒を盛られ殺されたという。そこで顔や姿のよく似た妹が「政宗」になり代わった。
見える右目を隠し男のように髪を短くし、兄と同じような南蛮の言葉を身につけ振る舞いを真似ている。このことは、伊達家に関わるごく一部の人間しか知らないという。
兄が存命でも、兄とともに戦場を駆けてたんじゃね? とすっかり板についている男の言葉で笑っていた。
元々、兄と同じように兵法や軍学、禅学に神仏学を学び、「背格好の釣り合いが取れる」という理由で武稽古にも励んでいたという。
けれど、と思う。
男として戦場を駆けるのと、兄に付き従う妹として戦場を駆けるのでは背負うものが違いすぎる。
「甲斐に来るのに、問題もなかろう」
独白を漏らす。
女であることを知り、弱さと強さを知り、肌を知った。
もっと知りたいと思い、それなら添うのが一番であると考えた。お互い独り身でかつ年頃だ。
年上の女房は金(かね)の草鞋を履いてでも探せというではないか。
だが奥州筆頭が奥州を離れることなど不可能。また武田の武将が甲斐を離れるのも不可能。
人目を避けて逢い、語らい、体を重ねるだけ。
そのような間柄に、嫌気でも差したのだろうか。もう半年も逢っていない。さわりと吹く風は熱い。
きり、と拳を強く握り、幸村は馬に跨った。
見上げた先に、赤く輝く星がある。
ああそうだあれは星であって星でない。惑う星だ。
知ってるか、幸村。あの星は南蛮じゃ戦の神の星なんだそうだ。兵を率い雄雄しく戦う星なんだ。まるでお前みたいだな。
思い出すのは笑っている顔と楽しげな声ばかりで、幸村は胸の痛みを馬に駆けさせることで紛らわせた。


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