戦国BASARA/エロパロ保管庫

上田城の虜4

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「余裕じゃなーい?なぁに、まだそんな事言ってられるんだ?」
 まだ熱い汁が頭にぶちまけられる。塩気が肌にしみる。
そしてしなびた体に、水気が。
「ha……この、手枷で食事が取れるとでも……」
 頑丈な板に穴を空け、手かせに作り替えたようなそれ。
「ふぅーん?食えないって?手が使えなきゃ口使いな、犬だってその位は出来るんだ、ましてあんたは竜なんだろ?」
 こめかみが殴られて痛む。それともこれは、内側から鳴り響く命の危険をしらせる警鐘か。
政宗はそのまま意識を失った。体力は極限まで落ちていた。
次に気が付いて暫し、頑として犬のような食事を拒絶し続ける独眼竜の前にあの男はまたも現れ、慣れた手つきで政宗の喉奥へと食物を押し込み続けた。
僅かに含んではゆっくりと噛み、ゆっくりと飲み込む。
下郎の目がほそまっている。場違いに優雅な仕草に見えるか、下郎。
飢えた所に急に食物を押し込んでも、胃が受け付けないと知っているだけだ。
大した量を摂らないことを苛立つか下郎、……今度こそ、毒物が混じっているだろうにな。
だが、抵抗する体力は残っていない。ただ、少しだけ満たされた胃がほうっと暖まり、重く眠りを誘うだけだ。


目覚めた時は真の暗闇だった。
先ほどの座敷牢ではない。こんな部屋があるとは、ここはどこの城なのか。少し考える。
あの男は、政宗を精神的に弱らせたいのだろう。
暗闇の中に人を放り込んで数日もすれば、大抵それだけで気が狂う。
誰とも話さず、何の刺激もなく、情報もなく。
静寂に耐えられなくなった神経が助けを呼び、無駄だと悟って叫びが意味を成さなくなり、
そのうち幻覚をむすうに見て音律の狂った歌に変わる。
良くある拷問だ。手間も費用も必要ない。
抜け出せることは万に一つもないだろう。
政宗の手枷足枷は外されていない。
水を飲まされ食事を取らされ、いくらか気力が回復したぶんその恐怖は身にしみた。
ただ、足元にひかれた敷き布団の感触を確かめる。
目を見開き、指先を目前に持ち上げる。見えない。
闇は質量を帯びて両肩を圧迫する。
指先を落とし、敷き布団のから先へと滑らせる。
(駄目だ)
敷き布団の端に指先がたどり着く。
(止めろ)
そこから先へと指を伸ばさないためには、意志の力凡て振り絞る必要があった。
探るな。探れば探るほど心が追い詰められる。
座敷牢にいた時と同じく、姿勢を正し、ただ座る。
景色などどうでも良い。
伊達、政宗。
この名を持つからには見苦しい真似は許されない。
凡てを放り出し一人逃げる道を探りはじめれば……いや。
考えた時点で爪を失い、知っていること凡てを吐き出すだろう。
この頭の中身、それを明け渡せば伊達の者がどうなるか、考えろ。
連れて行った武将が戦に倒れようと、領地に残った者もまた、数多いのだ。
眠ってしまうことだ。眠りは疲弊しきった体を癒すだろう。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー