【注意書き】
- 幸村と佐助が共に女性で、政幸、小十佐です。
- メインで進むのは真田主従で、政宗はあんまり出番がないかもです。
- 途中まではほのぼので進んでいきますが、最終的に二組とも悲恋です。
- 更に、途中で死人が出ます。上記四人のうちの一人ですので苦手な方は読み飛ばし推奨。
- 書き手のスキルが足らないので破廉恥はなしの方向で。
- 以前こじゅさすこ単発(小十郎×女佐助)書いたのと同一人物なので設定はあの辺から取ってたり。
そんなわけで、さすこと幸姫の出会いから始まります。
真田の姫様は、大層な変わり者だと聞いていた。
まあそれは、姫が忍を雇いたいと言ってきたところから察してはいたが。
何せ、女だてらに槍を振り回するわ、真田家精鋭の武人をひとひねりにするわ。
とにかく「武勇伝」に関しては話が尽きない。
そんな姫御前の元に行くのならば、動きやすい方がいいだろうと、男装して謁見した。
まあそれは、姫が忍を雇いたいと言ってきたところから察してはいたが。
何せ、女だてらに槍を振り回するわ、真田家精鋭の武人をひとひねりにするわ。
とにかく「武勇伝」に関しては話が尽きない。
そんな姫御前の元に行くのならば、動きやすい方がいいだろうと、男装して謁見した。
「姫様。お召しにより、罷り越しましてこざいます」
「ああ、畏まらなくてもよい」
「は」
「ああ、畏まらなくてもよい」
「は」
主となるべき真田の姫様は。
やはり噂に違わぬ変わり者であった。
何せ、屋敷にあってなお、男のそれともひけを取らぬ戦装束をまとっていたのだから。
そして、本来なら腰まであるべき髪は、尻尾のように一房流すだけで、短く刈られていたのだから。
やはり噂に違わぬ変わり者であった。
何せ、屋敷にあってなお、男のそれともひけを取らぬ戦装束をまとっていたのだから。
そして、本来なら腰まであるべき髪は、尻尾のように一房流すだけで、短く刈られていたのだから。
そして何より。
「堅苦しいのは苦手でな。お主とは主従を越えて、友や、家族のようになりたい」
日の光にも似た、とびきりの笑顔でそう言ってのけた。
その笑顔は、戦装束をまとっていても。尻尾のように不恰好な髪型でも。
美しい姫君に、ふさわしいものであった。
その笑顔は、戦装束をまとっていても。尻尾のように不恰好な髪型でも。
美しい姫君に、ふさわしいものであった。
「そういえば、名をまだ聞いておらぬな」
「忍に名前はありませんから、姫様名前つけてくださいよ」
堅苦しいのが苦手ならばこのくらいの口調でいいだろう。
そう思ったのは正しかったようで、真田の姫様は、特に気にもせず、ふむ。と思案しはじめた。
「忍に名前はありませんから、姫様名前つけてくださいよ」
堅苦しいのが苦手ならばこのくらいの口調でいいだろう。
そう思ったのは正しかったようで、真田の姫様は、特に気にもせず、ふむ。と思案しはじめた。
暫しの間を置いて、ぽむ、と膝を叩いた。
「佐助というのはどうだ?」
「……は」
「以前、小猿を飼っていたことがあってな。佐助と名づけていたのだが、お主はよく似ておる」
「ちょ、姫さ」
「毛並みがお主の髪のように美しい陽光色でな、実に賢き小猿であった」
「いや、そうじゃな」
「お主は忍だから、高く飛べるのであろう。ならば、猿飛佐助ではどうだ?」
「…………」
「……は」
「以前、小猿を飼っていたことがあってな。佐助と名づけていたのだが、お主はよく似ておる」
「ちょ、姫さ」
「毛並みがお主の髪のように美しい陽光色でな、実に賢き小猿であった」
「いや、そうじゃな」
「お主は忍だから、高く飛べるのであろう。ならば、猿飛佐助ではどうだ?」
「…………」
あまりにも。
あまりにも嬉しそうな笑顔で。
しかも何やらきらきらとした目で語られてしまっては最早ぐぅの音も出ない。
あまりにも嬉しそうな笑顔で。
しかも何やらきらきらとした目で語られてしまっては最早ぐぅの音も出ない。
賢かったとはいえ、名前の元は猿ですかとか。
しかも獣と毛並みが似てるってどういうことですかとか。
とにかく色々と突っ込みたくてしょうがなかったのだが。
しかも獣と毛並みが似てるってどういうことですかとか。
とにかく色々と突っ込みたくてしょうがなかったのだが。
それより何より。
「……女なんだけどなあ……」
嬉しそうな主に承諾の意を伝えつつ、小声でぽつりともらした。
男装しているとはいえ、男に本気で間違われたのだと思うと、思わずため息が出る。
正直、男らしさに関しては目の前の姫様にだけは、言われたくなかった。
嬉しそうな主に承諾の意を伝えつつ、小声でぽつりともらした。
男装しているとはいえ、男に本気で間違われたのだと思うと、思わずため息が出る。
正直、男らしさに関しては目の前の姫様にだけは、言われたくなかった。
かくして。以降彼女は猿飛佐助として、名を知られることとなる。