目が覚めれば天国…かと思いきや、何処かの部屋で一人寝かされていて、顔を上げれば、医師らしき老人が目に入った。
暫くして慌しく数人が走って来る音が聞こえ、何事かと思っていたら彼が、あの元就が息を乱し自分の傍に駆け寄ってきて、自分を力強く抱き締めて来るではないか。
その驚きと共に、目の前で泣き崩れる部下達の声を聞いて、嗚呼まだ自分は生きている…と、理解出来た瞬間だった。
それからはまるで夢のよう。
あの元就が自分に向かって「女になれ」と言って来た。
彼の性格の所為で分かりにくかったが原因だが、それを世間で言う口説きだという事を、部下達から教えられるまで、生まれた時から女なのに、そこまで元就に女として見られていたなかった事が悲しかったり、反面彼は一体何を言っているのだろうと、男と女の区別も付かないのかと心配したのが懐かしい。
…政宗に相談したのもその頃だ。
彼女の気持ちを知った今、自分はあの時何と酷い相談をしてしまったのだろう…。
きっと政宗は心の中では、自分と元就の事など本当はどうでもよかったに違いない。
嫌悪すらしていただろう…それなのに思い出すのは、政宗のそれはそれは真剣な表情だけ。
そうだ
あんなに真剣に相談に乗ってくれた政宗に、そんな裏の感情が有る訳ない…。
そんな事等通り越し、自分は彼女の優しい愛情に包まれていたんだなと思うと、元親は自分の目の奥が熱くなり、慌てて目を閉じた。
何で気付いてあげられなかったんだろう。
元就に好きだと言って、関係が壊れる事を恐れていた自分。
気が合った女同士深めていった友情が、愛情だと気付かれるのが怖かった政宗。
どちらも《何か》を失う事を恐れていた、それの何処に違いが有るのだろう。
『俺…嫌われちまう…そいつ、二度と俺に笑ってくれなくなる…ッ』
暫くして慌しく数人が走って来る音が聞こえ、何事かと思っていたら彼が、あの元就が息を乱し自分の傍に駆け寄ってきて、自分を力強く抱き締めて来るではないか。
その驚きと共に、目の前で泣き崩れる部下達の声を聞いて、嗚呼まだ自分は生きている…と、理解出来た瞬間だった。
それからはまるで夢のよう。
あの元就が自分に向かって「女になれ」と言って来た。
彼の性格の所為で分かりにくかったが原因だが、それを世間で言う口説きだという事を、部下達から教えられるまで、生まれた時から女なのに、そこまで元就に女として見られていたなかった事が悲しかったり、反面彼は一体何を言っているのだろうと、男と女の区別も付かないのかと心配したのが懐かしい。
…政宗に相談したのもその頃だ。
彼女の気持ちを知った今、自分はあの時何と酷い相談をしてしまったのだろう…。
きっと政宗は心の中では、自分と元就の事など本当はどうでもよかったに違いない。
嫌悪すらしていただろう…それなのに思い出すのは、政宗のそれはそれは真剣な表情だけ。
そうだ
あんなに真剣に相談に乗ってくれた政宗に、そんな裏の感情が有る訳ない…。
そんな事等通り越し、自分は彼女の優しい愛情に包まれていたんだなと思うと、元親は自分の目の奥が熱くなり、慌てて目を閉じた。
何で気付いてあげられなかったんだろう。
元就に好きだと言って、関係が壊れる事を恐れていた自分。
気が合った女同士深めていった友情が、愛情だと気付かれるのが怖かった政宗。
どちらも《何か》を失う事を恐れていた、それの何処に違いが有るのだろう。
『俺…嫌われちまう…そいつ、二度と俺に笑ってくれなくなる…ッ』
――怖いよな…分かる…今なら分かるぜその気持ち
思い出したから。
元親は心の中で何度も何度も政宗に謝罪した。
今こうやって政宗の事を考えて悩んでいる自分より、遥か長い時間、政宗は自分の事を想って悩んでいたのではないだろうか…。
なのに彼女はそんな事顔にも出さなくて、ずっと傍にいてくれた…。
どれだけ自分は彼女の優しさに甘えていたのだろう…と思うと涙が止まらない。
優しくて不器用な奴
『ごめんな…もう二度としねぇから!』
俺にとって掛け替えのない奴
『二度とお前の前に俺、現れねぇから…ッだから泣くな…笑ってくれ』
そう《心》が感じて、今度は胸の奥が熱くなり、元親は寝間着を掴む事で抑え込む。
愛しい男と愛しい女…
彼らが居てくれたからこそ、今自分はこんなにも幸福なのだ。
そんな彼らにまだ自分は何も返していないうちに、絶対失ってはならない。
『お前は笑ってろ』
元親は心の中で何度も何度も政宗に謝罪した。
今こうやって政宗の事を考えて悩んでいる自分より、遥か長い時間、政宗は自分の事を想って悩んでいたのではないだろうか…。
なのに彼女はそんな事顔にも出さなくて、ずっと傍にいてくれた…。
どれだけ自分は彼女の優しさに甘えていたのだろう…と思うと涙が止まらない。
優しくて不器用な奴
『ごめんな…もう二度としねぇから!』
俺にとって掛け替えのない奴
『二度とお前の前に俺、現れねぇから…ッだから泣くな…笑ってくれ』
そう《心》が感じて、今度は胸の奥が熱くなり、元親は寝間着を掴む事で抑え込む。
愛しい男と愛しい女…
彼らが居てくれたからこそ、今自分はこんなにも幸福なのだ。
そんな彼らにまだ自分は何も返していないうちに、絶対失ってはならない。
『お前は笑ってろ』
――お前が居なくなったら俺…笑えねぇっての…




