「好きにしろ」
佐助は満足そうに笑った。腰を屈め、唇を寄せてくる。短い髪がさらさらと鳴りながら
零れ落ちる。髪に手をやると、思ったよりも柔らかく小十郎の手に絡んできた。
頭に左手で抑え込み、舌を奪った。佐助の舌が思わず逃げようとするので、追いかけて絡め取る。
息が上がるまで夢中で貪る。
奔放な女は嫌いじゃない。無心に迫ってくる女も嫌いじゃない。
けれど、女に好きなようにされるのは好きじゃない。
小十郎を好きにしていいのは、たった一人。奥州の竜を名乗った、彼女ただ一人。
それだけは、永遠に変わらない。
肩を押し、体勢を変えた。え? と佐助は目を丸くした。
「俺の女になるのは構わない。子を産みたいのなら産め。ただし――」
取り戻した獰猛さを隠さず、笑う。首筋を甘く噛むと、体を妖しく蠢かせる。
「俺を翻弄するのは許さない」
耳元で囁く。佐助は頷き、そして笑った。娼婦のようにいやらしく、巫女のように神聖だった。
佐助は満足そうに笑った。腰を屈め、唇を寄せてくる。短い髪がさらさらと鳴りながら
零れ落ちる。髪に手をやると、思ったよりも柔らかく小十郎の手に絡んできた。
頭に左手で抑え込み、舌を奪った。佐助の舌が思わず逃げようとするので、追いかけて絡め取る。
息が上がるまで夢中で貪る。
奔放な女は嫌いじゃない。無心に迫ってくる女も嫌いじゃない。
けれど、女に好きなようにされるのは好きじゃない。
小十郎を好きにしていいのは、たった一人。奥州の竜を名乗った、彼女ただ一人。
それだけは、永遠に変わらない。
肩を押し、体勢を変えた。え? と佐助は目を丸くした。
「俺の女になるのは構わない。子を産みたいのなら産め。ただし――」
取り戻した獰猛さを隠さず、笑う。首筋を甘く噛むと、体を妖しく蠢かせる。
「俺を翻弄するのは許さない」
耳元で囁く。佐助は頷き、そして笑った。娼婦のようにいやらしく、巫女のように神聖だった。
それから暫く、佐助は西日本の情勢を探りによく上方に登った。
「佐助はどうも、上方に女子ができたようにござるな」
「え、そうなのか? お前が上方の情勢探るように言ってるんじゃねぇの?」
幸村は首を振って政宗から酌を受ける。ぐいっと飲み干し、脇息に凭れ掛かる。
「俺は何も。自ら申し出るのだ」
「ふー……ん」
京に何かあったっけ? と政宗は京の町並みを思い出す。そういえば前田慶次を見かけた。
薬問屋で咳に利く薬を全部買おうとしていた。係わり合いになるのが面倒だったので見なかったフリをしたが。
まさか彼と何かあったとは思えない。
幸村から杯を受け取り、政宗は笑う。
「お、いいのか?」
「好きであろう? ……それで、佐助が、体を壊したと申すのだ。暫く休みたいと」
「働かせ過ぎたんだろ。あいつが休みを申し出るなんて滅多なことじゃねぇし、休ませてやれよ」
政宗は膝を崩し、幸村から酌を受ける。く、と強い焼酎を水か何かのように軽く飲み干す。
「上方の女に、何かあったのだろうか。佐助の調子は変わったように見受けられんのだが…」
「そういうのは、探るのが野暮ってモンだぜ? 旦那様」
杯を床に置き、幸村の膝に乗って政宗は笑った。
「佐助はどうも、上方に女子ができたようにござるな」
「え、そうなのか? お前が上方の情勢探るように言ってるんじゃねぇの?」
幸村は首を振って政宗から酌を受ける。ぐいっと飲み干し、脇息に凭れ掛かる。
「俺は何も。自ら申し出るのだ」
「ふー……ん」
京に何かあったっけ? と政宗は京の町並みを思い出す。そういえば前田慶次を見かけた。
薬問屋で咳に利く薬を全部買おうとしていた。係わり合いになるのが面倒だったので見なかったフリをしたが。
まさか彼と何かあったとは思えない。
幸村から杯を受け取り、政宗は笑う。
「お、いいのか?」
「好きであろう? ……それで、佐助が、体を壊したと申すのだ。暫く休みたいと」
「働かせ過ぎたんだろ。あいつが休みを申し出るなんて滅多なことじゃねぇし、休ませてやれよ」
政宗は膝を崩し、幸村から酌を受ける。く、と強い焼酎を水か何かのように軽く飲み干す。
「上方の女に、何かあったのだろうか。佐助の調子は変わったように見受けられんのだが…」
「そういうのは、探るのが野暮ってモンだぜ? 旦那様」
杯を床に置き、幸村の膝に乗って政宗は笑った。
これより十五年ほど後、小十郎によく似た面立ちの少年が
「母の主に仕えよとの言葉を父上より賜りました故、参りました!」と言って上田城を訪い、
それによって「どういうことだ佐助――っ」という声がいくつもこだまし
凄まじい激震が上田を襲うのだが、それはまた別の話。
「母の主に仕えよとの言葉を父上より賜りました故、参りました!」と言って上田城を訪い、
それによって「どういうことだ佐助――っ」という声がいくつもこだまし
凄まじい激震が上田を襲うのだが、それはまた別の話。
以上で終わりです。このトンデモ設定を引っ張って何か書くことはもうしません。
実は佐助は男か女か迷いまくって書いてたので矛盾がいくつかあるかも知れませんが
その辺は笑って許してください…
無理やり感は否めませんがハッピーエンドは大好きです。
実は佐助は男か女か迷いまくって書いてたので矛盾がいくつかあるかも知れませんが
その辺は笑って許してください…
無理やり感は否めませんがハッピーエンドは大好きです。




