戦国BASARA/エロパロ保管庫

北部戦線異状なし4

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匿名ユーザー

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独身の政宗には、最近、各地から縁談が降るように持ち込まれていた。
もちろん男としてだから、相手は女ばかりだ。
日の出の勢いで増える兵力、財力、広大な領地に加え、血筋と、さらには隻眼とはいえ
美丈夫で通っている政宗だから、来る話もそれに見合う、美女才媛ばかりだった。
とはいえ、娶るわけにもいかないので断るだけなのだが、その、次から次へと
持ち込まれる見合い相手の絵姿を、この主はこっそり手元に集め、隠し持っていたのだ。
夜な夜な政宗の部屋から、異様な笑い声とともに聞こえてくる、おーせくしーだの
そーぷりてぃだのふぁんたすてぃっくだのといった変な言葉に、不審を抱いた侍女が
小十郎に注進したのが、きっかけだった。
まさかと思いつつカマをかけてみれば、田村の姫は釣り書きだけでなく見た目も
Perfectだなと、知っているはずもない情報を漏らしたため、事はあっさり発覚した。
仮にも一国の主が、何をそこらの小僧みたいなことしてやがりますか情けない、と
叱りながら、部屋を探索したまではよかった。
だがその結果、普通の絵姿だけでなく、南蛮渡来の危な絵なども発見してしまい、
これにはさすがの小十郎も気を失いそうになった。

捨てるなんてもったいねえだろ見ろこれこんな美人だらけなのに
危な絵?あれは四国の長曾我部が勝手に送ってきたもんであいつ俺を男と思ってるし
つまり南蛮貿易の資料としてだないやだってこれちょっとすごくねえ!?

子どもじみた弁解の数々に、脱力するとともに、小十郎の心にじわじわと
押し殺せない不安がつきまといはじめたのは、この頃からだった。

政宗は、育てた小十郎から見ても文句のつけようのない、立派な領主だ。
武力、知力、胆力ともに、そこらの男など足元にも及ばない、男以上に男らしい、自慢の主だ。
子どもじみていたり、寂しがりやなところや、女に対しての妙なこだわりくらい、
それに比べればなんでもない。あれはただ少し、母性への憧れが行き過ぎているだけだ。
もちろんそうに決まっている。そのはずだ。わかっている。

だが最近、どこかで育て方を間違えたような気が、しなくもない。

「今はよくとも、将来的には困るでしょう。後継などはどうなさるおつもりですか」
箸で雪をつまんでは、皿に落とすつまらない遊びを繰り返す主を見据え、さらに言い募る。
横を向いたままの政宗の眉が、本気の不快を浮かべて寄るのがわかったが、あえて引かず
見つめる目に力をこめる。
「annoying……しつこいぞお前。跡継ぎなんざ、天下とったら考えりゃいいだろ」
「そう簡単にはいかないでしょう。あと何年かかるかもわからぬものを。
政宗様は御年十九。跡継ぎをもうけるのに難のある年ではありません。なればこそ、
早くご決断されるべきです。男子ならともかく……女性なのですから」
ちらりとこちらを見た隻眼が、一瞬、真冬の風より冷たい光を放った。
すぐ何事もなかったように庭に向かった視線を、小十郎は瞬きもせず追った。

ここまで男として育てておいて、ついでにたまに忘れる癖して、今さら女に戻れなど、
勝手なこととは重々承知だ。
他の誰でもなく、自分がこんな話を持ち出すのは、むしろ政宗をいたずらに悩ませ、
苦しめることになるのではないか、と悩みもした。
だがまた同時にこれは、今まで守り育て教育してきた、自分以外の者には言えぬ話だ。
腹も立つだろう。怒りもするだろう。
だが、政宗がただ男でなくてはいけなかった当時と今とでは、状況が大きく変わっている。
何より政宗には、今まで国のため、兵のため、領民のために培ってきたものがある。
それは男領主だから、女領主だからではなく、主が主であるからこそ、作り上げられた
ものだと小十郎は信じている。
なにより、隠さねばならない一番の秘密がなくなれば、この人はもっと心安らかに、
のびのびと生きることができるのではないかと、そう思うのだ。
そう思うからこそ、あえて女に戻ることを薦めている。
その過程で抱くであろう、怒りもいらだちもやるせなさも、すべて自分がこの身で受け止めればよい。

この人は、重荷を背負いすぎている。
おそらくは、自分自身も気づいていないほどに、それは重く、また大きい。
どれほど近いと思っても、ただの臣下の身。自分が肩代わりなど間違っても
できはしない。
ならばせめて少しでもそれを、軽くできる方法を探したいのだ。
自分にとって、政宗こそが唯一無二の主なのだから。

まあ今ものびすぎなくらい、のびのびとはしているのだが。
北部戦線異状なし5

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