戦国BASARA/エロパロ保管庫

右目と左目10

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匿名ユーザー

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慌てた様子で部屋に入ってきた政宗を、小十郎は少々驚きながらも迎える。
「やっと戻って来られたか」と、複雑な心の内を抑えつつ、出来るだけ平
静な態度は崩さずに、話を切り出そうとした。

「あのな、小十郎(一緒に元親を迎えに行ってくれねぇか?)」
「政宗様、お話が…(共に、アイツを探しに参りませんか?)」

まるで示し合わせたかのように揃った主従の声は、思わず互いの舌を止め
てしまう。
「……申し訳ございませぬ。どうぞ、お続け下さい」
「え?い、いや。小十郎、お前から言えよ」
「…は。それでは僭越ながら」
小十郎が恐縮しながらも続きを言おうとした直後。
「失礼します!政宗様!急襲です!山賊が隣国から、奥州に向けて進軍中!」
伊達の隠密『黒脛巾』の急報を受けた伊達の家臣が、厳しい顔で入室し
て来た。
「場所は何処だ!」
「はっ、現在最上の山中から、国境に侵入しつつあり、との事です!」
「──!?」

国境周辺を根城にしている山賊は、割と規模の大きなもので、度々奥州や
その他近隣の国を脅かす、厄介な存在であった。
またか、とうんざりしながらも、詳細を尋ねた政宗だったが、次いで家臣
の口から告げられた言葉に、顔色を失った。
「チッ。まったく…払っても払っても付き纏う、ハエみたいな連中だぜ…オ
メェら、行くぞ!ついでに誰か、あのブス呼んで来い!良いですね?政宗
様……政宗様?」
部下達にてきぱきと指示を出す小十郎は、突如、両手を口に当てて坐り込
んでしまった主の姿を目にした。
「どうしたのですか、政宗様。貴方も早く!」
「……」
そう促すも、政宗は顔面蒼白で震えたままである。
「ダメです!長曾我部殿の姿が見当たりません!」
「……こんな非常事態に、何処トンズラしやがった、あのドブス!」
その時。
苛立たしげに声を荒げていた小十郎の視界に、数名の精鋭達の姿が入った。
「お、おい、やべぇよ」
「いくら強くても、ヤツら相手にひとりじゃ…」
「まさか、こんな事になるなんて……」
彼らは、時折政宗にちらちらと視線を移しながら、萎縮していた。
小十郎はふと平静に返ると、今日の政宗の言動と彼らの様子を眺めながら、
頭の中で思考を整理する。
そして、ある種の結論に達した小十郎は、もう一度政宗の傍まで移動すると、
坐りこむ彼女の前で上体を屈め、出来るだけ穏やかな声で尋ねた。
「政宗様。アイツが何処にいるのか、ご存知ですね」
「…」
「お答え下さい。アイツは何処ですか」
「……」
「政宗様」
「……っ…」
「アイツは何処に行ったのですか!?政宗様!」
うな垂れたまま動かない主の肩を掴みながら、小十郎は、再び語気が荒くな
っていくのも構わず、彼女に問い続ける。

「……頼む」
長きに渡る沈黙の後、やがて震えた応(いら)えと指が、小十郎の鼓膜と触
覚を刺激する。
漸く顔を上げた政宗は、涙と鼻水に塗れた様を、小十郎に惜しげもなく晒し
たまま、しゃくり上げながら言葉を綴った。


「お願いだ、小十郎……元親を助けてくれ……!」


政宗の懇願を聞いた小十郎は、次の瞬間、単身屋敷を飛び出していった。

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